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paiza開発日誌

paiza(https://paiza.jp ギノ株式会社)の開発者が開発の事、プログラミングネタ、ITエンジニアの転職などについて書いています。

よく言われるけど、業務時間外に勉強しない人はITエンジニア失格なの?

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Photo by Indi Samarajiva
f:id:paiza:20140916135428p:plainこんにちは、谷口です。

ITエンジニアは業務時間外にも勉強をすべきなのか」という問題について、皆さんはどう思われますでしょうか。

少し前には、こちらの記事も話題になりましたね。

業務時間外で勉強をしなければいけない理由:101回死んだエンジニア:エンジニアライフ

今回は、そんなITエンジニアの業務時間外での学習について考察していきたいと思います。

■企業からの「教育」と自分でする「学習」

業務で必要な知識等について、企業側もある程度は「教育」をすることがあるかと思います。特に新卒の場合、新人研修として業務知識を学ぶ期間が多くの企業で設けられているかと思います。仕事で必要な業務知識に関しては、企業の研修を受けるだけではだめなのでしょうか。

まずは、「教育」と「学習」の概念について考えてみましょう。

教育」とは、組織の求めるスキルを個人に習得してもらうための、受動的な訓練という概念です。一方、「学習」は、個人がやりたいことをやるために主体的に学ぶという概念です。

企業が与えてくれる教育というのは、標準化された、企業が望むことだけを負担して教えてくれるものです。もちろん必要に応じた企業からの教育というのは必要なものです。

ただ、会社の最低限の教育と自分の望む方向性が全く同じ……という幸運なパターンは、職種を問わず、なかなか難しいことだと思います。

簡単な例ですが、例えば「自分はPHPを使った開発を極めたい」と思っていて、フレームワークsymfonyを使って開発をしている企業に入社し、「研修も業務も使うのはsymfonyばっかり……でも将来的にはCakePHPも使えるようになりたいんだよなあ……」という場合、業務とは直接関係ないCakePHPに関しては、自分で使ってみて勉強するしかありません。

かつて、終身雇用が主流だった高度経済成長期の頃は、大きな傾向として、企業も個人もとにかく経済的な豊かさを追い求める、みんなで上を目指すという点において目的が一致していました。ですので、企業側の経済的な成長のための「教育」は、個人として経済的な豊かさを得るために「学習」したいことと大筋で一致していました。

しかし、現在はどんな大企業でも、ある日突然経営状況が傾いたり、リストラされてしまったりといった可能性のある社会環境となっています。そのため、個人は企業のために教育を受けるというより、自らのために目指すキャリアを考えて学習するということが必要となってきています。

例えば、あまり高度な技術を必要としないタイプの仕事、設計通りにシステムの部品を作り続けるような業務だけの場合は、企業側も最初の必要最低限の教育しかしてくれません。この場合、自習をしないということは、キャリア設計を会社任せにするということになってしまいます。

というわけで、教育は会社がやってくれるもの、やってくれて当たり前、教育されたことだけをやっていればいいというのは、目の前の仕事をこなしていくだけであれば悪くありません。しかし、自分でキャリアを考えていく場合や、明確にやりたいこと、作りたいものがある場合は、それだけでは足りないことが多いかと思います。

また、教育されたことだけに慣れてしまい、そもそも必要だと感じたら自分で取りに行くという姿勢を忘れてしまうのもよくないことです。

■勉強は投資であるという考え方

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Photo by badgreeb RECORDS
今は積極的に学習を支援している企業も増えてきましたが、企業の中には、すぐに業務で役立つ内容の学習であれば費用を負担してくれるけど、直近で作っているシステムに関係ない領域のことは負担してくれない……というところもあるかと思います。企業が望むものを学習する場合しか費用等を負担してもらえないという場合もあるでしょう。また、高度な技術を必要としない類いの仕事だと、教育もろくにしないというところもあるかと思います。

会社がそんな調子だから、学習に対するモチベーションが下がってしまう……というのは自然なことだと思います。

しかし勉強は、現時点の自分だけではなく、未来の自分への投資にもなります。この投資のリターンを受け取るのは、他でもない自分自身です。

会社が積極的に負担してくれない場合でも、自分の価値を高めるためには身銭を切ってでも勉強を……と言うと極端ですが、作りたいもの、興味がある分野があるのに、「いつか仕事で必要になったら勉強すればいいか……」「興味はあるけど時間もないし……」といった感じで結局何もしないままでいるのはもったいないことです。当然ながら、「興味はある」「いつか勉強したい」とぼんやり考えているだけというのは、全く何もしていないのと同じです。

やはり「給与を上げたい」「転職がしたい」「自分の興味のある開発をしたい」というような、現状の自分よりも何かしら進化を遂げた未来を望む場合は、そのための自分自身への投資は必要不可欠なものではないでしょうか。

自習をしないということは、要はキャリア設計を企業任せにするということです。特にやりたい仕事などないという場合はそれでよいかもしれません。実際に仕事をして、さらに勉強するというのはかなり大変なことですし……。

■勉強を放棄するとどうなるか

業務時間外にも勉強をしなければ、絶対にやっていけないというわけではありません。というか、やっていけます。最低限のコーディングスキルを身につけて、例えば大手のSIerで部品を作る……というような仕事を安定的にしていくことも可能ですし、それが悪いわけではありません。

ただ、自分で何か明確に作りたいものや、やりたいことがある場合は、今あるスキルだけでやれることを考えるのではなく、そのサービスやソフトウエアにとって最適な、やるべきことを学んでできるようになるということ、変化に適応しようとすることが必要ではないでしょうか。

これは転職をしたくなった時も同様のことです。正直言って、応募先の企業に「この人、現状からの変化に対応できなさそうだな……」と思われたら、中途で採用してもらうことは難しいでしょう。

また、「技術があればエンジニアに年齢は関係ない」と言っている人を時々見かけますが、それはごくごく一部の突出した技術を持っている人達だけではないかと思います。

年齢を重ねたごく一般のエンジニア(仮に30代後半とします)が、新しい業務で新しい技術を習得しなければならなくなった場合、それなりに勉強している20代のエンジニアには敵わないでしょう。

単純に、年をとれば次第に吸収力も記憶力も体力も落ちてくるものです。そして若い人の、新しいものに対する吸収力というのはすごいものです……。

ですので、今後もずっと第一線でITエンジニアとして活躍をしていきたい場合は、年齢を重ねても新技術が現れたときなどに効率よく学べるよう、若いうちに学び方や学ぶ習慣を身につけておく必要があります。

何度も言いますが、勉強しなくても仕事をやっていくことはできます。ただ、大企業も一瞬で傾いてしまうような今の世の中、誰かが自分を守ってくれるわけではありません。こうした自己責任の世界で、よりやりたい仕事、より給与のよい仕事を目指して自分で掴み取りたい場合は、人との競争は避けられないものです。転職一つとっても、多くの応募者と比べて勝てるポイントがなければ、採用してもらうに至ることはできません。また、あまり経験のない分野の業務に挑戦したい場合、勉強なしで勝てる……というようなことは、すごく少ないと思います。

そして、そうやって変化に対応ができない人は、いざ年をとったときに、年齢だけ重ねていてできることは少ない、変化には対応できない……ということで、転職を望んでいたり、やりたいことがあったりしても、周りから置いていかれてしまう可能性があります。

自動車王ヘンリー・フォードは、 「人は学習を辞めたとき老いる」という言葉を残しています。

■企業はエンジニアの学習意欲を削ぐな

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Photo by Mark Hogan
本来、ITエンジニアを抱える企業は、知的労働者である彼らの学習に対して、(それが直近の業務に関係ないことであっても)全面的に支援をすべきです。

また、自習や家でもプログラミングをしているようなエンジニアに対して「ITとかプログラミングが好きなんだから好きなことを仕事にできていいよね」「好きなことやってるんだからできて当たり前、自習して当たり前」というような傾向が出てきてしまうのは絶対にいけません。当たり前すぎる話ですが、成果物が楽しく作られたものだろうと、趣味を兼ねたものだろうと、正当な評価を受けて対価は支払われなければなりません。搾取されるようなことがあってはいけません。

エンジニアの学習を支援し、きちんとした評価がなされる環境でなければ、技術の追求が好きで自習するような気概のあるエンジニアはいつまでたっても集まってこないでしょう。

■まとめ

今後ITエンジニアとして必要とされ、評価されるのは、変化に対応ができる人であるということは間違いないでしょう。

しかし、エンジニアたるもの技術は自習ができていて当たり前、できてないやつは意識が低い……という潮流の中で無理に勉強をしても、つらいだけで効率が悪くなってしまいます。

どんな勉強も、企業のためではなく、「自分のためにする」と思って取り組めるとよいかと思います。そして前述のとおり、適切な勉強をしている人の方が競争に勝ちやすく、やりたいことができる、作りたいものが作れるようになる確率が高くなでるでしょう。

スタートアップ養成所・Yコンビネーターの創業者で、Lispプログラマーポール・グレアム氏の「他人にとっては仕事のように思えて、自分にはそう思えないものがあるなら、それがあなたに適したものなんだ」という言葉があります。「仕事だからつらくても仕方がない」ではなく、追求していくことを楽しいと思えるような仕事に就くことが、幸せな職業人生につながるのではないかと思います。




paizaではスキルのあるエンジニアがきちんと評価されるようにし、技術を追い続ける事が仕事につながるようにする事で、日本のITエンジニアの地位向上を図っていければと考えています。特にpaizaではWebサービス提供企業などでもとめられる、システム開発力や、テストケースを想定できるかの力(テストコードを書く力)などが問われる問題を出題しています。

テストの結果によりS,A,B,C,D,Eの6段階でランクが分かります。自分のプログラミングスキルを客観的に知りたいという方は是非チャレンジしてみてください。

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