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「転職に失敗した…」と後悔しないために。ベストな仕事の探し方

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Photo by Betsssssy
f:id:paiza:20140916135428p:plainこんにちは、谷口です。

せっかく転職をしたのに、「後悔している」「転職先に不満がある」という話を結構聞くことがあります。

具体的には

「どうせ転職するなら年収を上げたいと思ってとにかく給与額重視して企業を選んだが、業務内容にはあまり魅力を感じないのでつらくなってきた」

「やりたいことができれば給与は安くてもいいと思って転職したが、あまりにも給与が上がらないので将来が不安になってきた」

「ネットワークの知識があるのでインフラのネットワーク運用をする仕事に就いたが、本当はもっとプログラミングをして動くものを作る仕事がしたいと思っている」

というような不満を耳にします。

せっかく頑張って転職したのに、なぜ転職先に不満を感じてしまうのでしょうかエンジニアはどうすればよりよい転職を叶えることができるのでしょうか?ということを今回は考察していきたいと思います。

■多くの転職希望者が勘違いしている危険なこと

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Photo by Laura D'Alessandro
そもそも、現職に不満を感じている人たちの多くが勘違いしていることがあります。

それは、「現職を辞めれば・転職ができれば必ず今より幸せになれる」

ということです。

また「とにかく現職から抜け出せればいいので特に希望はない、どこに転職するといいですか?」と聞いてくる人もいます。

応募企業の知名度の高さや大企業かどうか人気ランキングで上位にあるかどうかということばかりを気にするような人もいます。

誰が転職しても必ず幸せになれる企業なんてありませんし、人気企業・大企業には入れれば必ずしも成功というわけでもありません

では、自分にとってベストな仕事というのはどう探せばよいのでしょうか?

■ベストな仕事はどうやって探せばよいのか?

ペンシルバニア大学のリチャード・シェル氏の著書『ウォートン・スクールの本当の成功の授業』には、「自分にとってベストな仕事というのは以下の3つの円が重なるところ(スウィートスポット)にある仕事である」というような話が書かれています。

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現職に不満がある人は、「報酬が低すぎる」とか「業務内容に情熱を燃やせない」といった感じで、この3つの円のうち最低でもどれか一つに不満があるかと思います。

ある程度不満を感じない仕事に就くためには、この3つの円が重なるところ、もしくは重なっている部分に一番近いところにある仕事に就く必要があります。この3つの円のどれかを軽視していたり、重なりのバランスの悪い仕事に就いてしまうと「せっかく転職したけど失敗だった」「また転職したい」となってしまいます

ウォートン・スクールの本当の成功の授業

ウォートン・スクールの本当の成功の授業

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■「得意なこと」=「やりたいこと」ではない

中にはなんとなくその分野を専攻していて知識があるから・たまたま得意だからという理由で、仕事を選ぶ人もいます。

自分が好きなことと得意なこと、3つの円で言うと「情熱」と「才能・強み」の円がほぼ丸ごと重なっているような人は、実はあまり多くないと感じます。

例えば「これからはRubyを使った開発をしたい」「今まで5年間Javaを使った開発をしていた」という人であれば、これからやりたいこと(情熱)と強みの円は完全に一致してはいないことになります。

しかし、転職を繰り返す人はこのズレを軽視したり好きと得意を混同したりしてしまいがちです。

リチャード・シェル氏は、これを「才能と強みを活かせる仕事」における「黄金の手錠」の問題としています。

彼のビジネススクールの優秀な生徒たちは、定量分析の才能があるため卒業後は金融やコンサルティング、会計のような給料の高い業界に入りますが、数年経つと仕事に飽きてつまらなく感じるようになる生徒も多いそうです。しかし、高額な給料に依存した生活を送っているため、転職もできず、自分のキャリアに手錠をかけられている状態になっているというのです。

「報酬」の円と「才能」の円が重なった部分は、満足感を提供してくれることもあるが、同時に、あなたを袋小路に誘導する可能性もある。もしあなたが、報酬にとらわれるあまり、より大きな満足感とやりがいを求めることができなくなってしまうならば。

■働きやすさとやりがいは比例しない

転職に失敗する人や転職を繰り返す人の中には「働きやすさ」に該当する要素と「やりがい」に該当する要素を同列に混同して考えている人が多いと感じます。先に提示した3つの円では「報酬」と「情熱」がこれに該当します。

例えば報酬が高いことや休みがとりやすいなどといった業務環境に付随する要素は「働きやすさ」に該当しますし、「こういうサービスを作りたい」という希望が満たされることや、作ったものが世の中に影響を与えること、使った人に喜ばれることなど、仕事から得られる充足感に繋がる要素は「やりがい」に該当します。

当然ですがこの2つはそもそも軸が異なるので、「働きやすい環境であればやりがいもある」というように比例する要素ではありません


このように、3つの円の要素を分けてバランスを考慮しておかないと、転職した後になってから「環境は問題ないけど仕事に興味が持てない」「仕事内容は好きだけど報酬が安すぎて生活が厳しくなってきた」「何となく前職の知識が活かせる仕事に就いたけど、後になってもっと違うことがやりたかったと気付いた」というようなことを感じ、さらなる不満を生み出してしまうことにもなりかねません。

■やりがいを求めて動くエンジニアたち

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Photo by Yuya Tamai
労働環境や報酬といった「働きやすさ」には問題なさそうな大企業・有名企業を辞めて、新たに起業したり、小規模なスタートアップ企業に転職したりするエンジニアや、またそういった企業への転職を希望するエンジニアたちが、市場には常に一定数います。paizaでもそういった転職希望者の相談をよく受けます。

「〇〇社(有名企業)を辞めます」といった退職・転職エントリも後をたちません。

tanaka.sakura.ad.jp

さくらインターネットの田中邦裕氏によるこちら記事にはこのような話が出てきます。

ある程度の働きやすさを得た人にとっては、働きやすさというのはさほど重要な要素になっていないのではないかということです。
そして働きがいが重要になっているのではないかなということです。

(中略)

多くの転職では、給与の高い職場とか、実家に近い職場とか、休みの取りやすい職場、といったように、働きやすさの改善を求める場合が多いと思いますが、上記のように働きがいに満足感が無くなってきて転職する人もいます。

paizaでも、転職希望者の話を聞くと「給与が一定以上あってブラックな労働環境じゃなければどこでもいい」と思っている方が結構います。

しかし、一定のプログラミングスキルがあって常に勉強を怠らないような人であれば、彼らのようにもっとやりがいがある仕事を目指した転職を叶えることが可能です。

エンジニアのスキルは他社へ移っても通用するものですから、極端に言えば、例えば大企業からスタートアップに転職し、そこの経営が立ち行かなくなってきて給与が割に合わなくなってきたという場合は、また他の企業へ転職することもできるのです。

ですのでエンジニアというのは、勉強を怠らない人であれば、3つの円が重なる部分にある仕事を追求していきやすい職業だと思います。

逆に、3つの円を考えたときに「エンジニアの仕事に情熱を傾けられない」と感じるようであれば、エンジニアという職業自体を変えることを視野に入れてみるのも一つの手です。

スタートアップ養成所・Yコンビネーターの創業者で、Lispプログラマーのポール・グレアム氏の「他人にとっては仕事のように思えて、自分にはそう思えないものがあるなら、それがあなたに適したものなんだ」という言葉があります。

「報酬は高いけど興味が持てない」「好きでやってるけど報酬が安すぎる」などと感じてしまうような仕事よりは、「一定の報酬が得られる上で、自分の強みを活かせて情熱も傾けられる仕事」を追求していく方が、幸せな職業人生につながるのではないでしょうか。

■まとめ

最初の方に言った通り、「転職さえすれば、現状から脱出さえできれば幸せになれる」ということは決してありません。むしろよく考えずに転職してしまうと、あとあとになってさらなる不満が湧いてくる可能性が高いのです。

現職に不満や迷いが生じたときは、前述の3つの円を思い出して、現職がどこに位置しているのか、また自分の中の3つの円が重なるところにはどのような仕事が来るのかを考えてみてください。




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