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みんな定時帰宅、納期より品質…海外で働くエンジニアが語る「日本との違い」

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(奥にいる2人のうち、左が一戸さん)

こんにちは、世界を移動しながら仕事するノマドワーカーの中谷よしふみ( @ramen4423)です。
前回に引き続き、海外で活躍するエンジニアに、普段の仕事や生活についてインタビューしてきました。

今回、お話を聞いたのは、一戸 英理子(いちのへ えりこ)さん。彼女は大学卒業後、Windows系のシステム開発会社に就職。7年間エンジニアとして働き、30歳目前で働き方の可能性を探すため拠点を海外に移します。ニュージーランド、オーストラリア、セブ島と拠点を変えながら海外生活7年、現在37歳の一戸さん。インタビューでは、ちょっとうらやましくなるような充実の日々が垣間見えました。

■ワーホリで行ったニュージーランドに魅せられた

――まず、一戸さんはどういう経緯でエンジニアになろうと思ったんですか?

私は大学の工学部出身なんですけど、必須教科にC++のプログラムがあって、やってみたら楽しかったんですよね。大学に入ったのは1998年で、インターネットもどんどん世の中に普及していく雰囲気があって、「今後はプログラミングができたらいいだろうな」って感じたんです。それで、大学を卒業した2002年の4月にシステム開発会社に就職してエンジニアになったんです。

――その後エンジニアとして7年間、日本で働いたあとに海外へ拠点を移されましたね。どうして海外で働こうと思ったんですか?

きっかけはニュージーランドへワーキングホリデーに行ったことです。ただ、そのときは海外で働きたいとは思っていませんでした。旅行が好きなので色々なところを回れたらいいな、くらいに思っていたんです。エンジニアとしては働いていなくて、ゲストハウスで働きながら旅行をしていましたね。その後、1年間ニュージーランドにいたいと思うようになってから、長く滞在するための目標を立てたんです。多国籍の友達を作るとか、一人で英語のツアーに参加するとか。その中にオフィスで働くという項目もありました。

ニュージーランドにいる間、目標のほとんどはできたんですが、「オフィスで働く」という目標だけが達成できませんでした。自分の英語力と、当時ニュージーランドにオフィスワークの求人が少なかったことが原因でした。そのときに本気で「海外で働きたいな」と思うようになりましたね。

その後、オーストラリアに移動して、3つの会社でシステム開発をしました。いまはフィリピンのセブ島にきてプログラミングを教えています。

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――「英語力」という言葉が出たので伺います。海外に行く前には英語はどれくらいできていたんですか?

全然できなかったです。もともと英語は苦手だったので、日本で働いていた最後の1年は英会話教室に週2回ぐらい行っていました。マンツーマンレッスンで1年間頑張って、ニュージーランドでも困らないぐらいになったつもりだったんですけど、行ってみたら全然通じなかったです…。結局、ニュージーランドでも3ヶ月学校に入りました。学校の費用は高かったですけど、生活はどうにかできるところまでは上達しました。その後、オーストラリアでエンジニアとして働くころには、英語でなんとか仕事できるようになっていました。

■みんな定時帰宅、ランチは会社で作る…海外のステキな労働環境

――次に日本と海外の仕事の違いについて聞かせてください。まず、国によって労働時間は違うものですか?

違いますね。オーストラリアだとみんな定時に帰りますよ。スケジュールが厳しいときは相談して、納期のほうを調整します。日本ではお客さんが絶対で、絶対言うことを聞かないといけないけど、オーストラリアではエンジニアに限らず、働いている人のほうが強いんです。納期に追われる感覚を海外では感じたことがないので、働くにはいいと思いますね。

――でも、それだとサービスの提供が遅れますよね? 自社サービスを立ち上げたい会社からしたら、当然早くサービスを立ち上げたほうが会社にとってはいい。そんな状態でも定時に帰宅するのですか?

オーストラリア人やニュージーランド人はそうですね。

――それはまたすごい…。開発能力がある人なら、オーストラリアやニュージーランドでは仕事がやりやすそうですね。

そうなんです。それにオーストラリアやニュージーランドでは開発能力があれば仕事は見つけやすいですよ。オーストラリア人で技術力がある人は少ないので、オーストラリアではIT関連の人は永住権を取りやすいんです。だから、インド人やパキスタンの技術者がたくさんきています。

――労働環境で日本との違いはありますか?

ありますね。日本でもベンチャー企業だったので、そこそこ自由にやらせてもらったんですけど、海外のほうがもっと自由でした。たとえば、会社にはキッチンが絶対ついてて、みんなランチはキッチンで作って食べます。ランチにお金を使わなくてもいいし、シェアもできるのでいいです。

あと、従業員同士は働いてる時間帯はすごい仲良しですね。でも、家族を大切にするので帰るときはサッと帰ります。そこも日本と違うと思います。

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■海外では「納期より品質」

――日本と海外でエンジニアに求められることは違いますか?

違うと思います。私の印象ですけど、日本のエンジニアに求められることは、品質より納期な気がします。もちろん最低限の品質は必要ですけどね。海外ではどちらかというと品質を求められているように思います。例えば高速で動くこととか。それもあって海外のほうがより高いスキルを求められる印象がありますね。品質がよくなかったら出しても意味がないと思っているから、納期を伸ばそうという考え方にもなるんでしょう。日本だと何よりも納期を大切にするケースが多いと思います。

――海外のほうが品質をより厳しく見られると思いますか?

そうですね。日本みたいに利用マニュアルをしっかり読む人がいないですから。使う人がどんなに雑に使っても問題ないシステムが求められていると思います。それに、競合相手がアメリカの企業で、彼らよりいいものを作らないといけないので、UIは海外のほうが力をいれていると思います。オーストラリアではハイレベルなデザイナーが多かったですね。働きやすいですけど、一方でハイレベルなものを求められる部分はあると思います。

――海外で働くのが向いているエンジニアってどんな人ですか?

異文化を受け入れることができるなら海外で活躍できると思います。どんなに開発能力があっても、異文化を受け入れらないとストレスが溜まると思います。さっき言ったように納期に対する考え方1つをとっても違いますから。異文化が面白いと思えるなら海外に挑戦するのはいいと思います。

■仕事に対する考え方が変わった

――海外で働いてみて、考え方で変わったところはありますか?

仕事に対する考え方は変わりましたね。日本では拘束時間も長いし、かなり頑張って働いていたつもりだったんです。オーストラリアではダラダラ働いている人もいるんですけど、時間内にキッチリ仕事を終わらせる習慣ができてるんです。早く帰って家族と過ごすことを大切にしていて。長く働いてるから頑張ってるというわけではないと思うようになりました。

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――海外のほうが開発の生産性が高いんですか?

高い部分はあると思います。私が日本で働いていた時代は無駄な作業もあったように思います。いまは日本でも残業も少なくなってきてるので、変わってきてると思いますけど。

――日本では形式化してる無駄な作業はあるでしょうね。でも、時代が違うから比較が難しいところもあります。その他には考え方の変化はありますか?

IT業界って働く場所を選ばないって言われてるじゃないですか。でも、日本にいる時はそうは思えなかった。お客さんと会うことも大切だし、開発メンバーも近いほうが効率がよいので結局同じ場所に集まるので。でも、海外でいろいろな人に会って、いろいろな環境で働いて、考えが変わりました。ネットもよくなって、みんなバラバラの場所にいても一緒に仕事できるんだなと思うようになりました。いまは違和感もなくリモートの人と仕事してます。

■これからエンジニアを目指す人へ

――最後に、これから就職活動をする学生や、キャリアを模索する人へのコメントをいただければと思います。一戸さんにとって、エンジニアという職業はオススメですか?

私はお勧めしたいですね。エンジニアのスキルがあったからこそ、こうやっていろんな恩恵を受けたと思っているので。今はプログラミングを教えてますが、生徒がスキルアップして私のようにいろんな経験をしてほしいと思っています。

――エンジニアの転職・学習サイトのpaizaを使っていると伺いましたが?

はい。paizaの転職情報は利用してないですけど、スキルチェック問題(※)があるので、生徒にプログラミングを教えるときに紹介しているんです。解いてみてBランク問題ができるレベルだったら就職に有利になってくるかなと思います。

――ありがとうございました。

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エンジニアとして海外で働くのは大きな決断ですが、今は実際に多くの日本人エンジニアが海外で仕事をしています。もちろん、人によってあう・あわないはありますが、もし興味を持った方がいましたら、ぜひ前回のインタビューと合わせて参考にしてみてください。

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