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こんにちは。谷口です。
エンジニアの中には若い頃から転職を意識している人が多いかと思います。paizaでも、「第二新卒歓迎」と明記された求人票がたくさん掲載されています。
では、「第二新卒」に該当する皆さんは、企業が第二新卒に何を求めているかを知っているでしょうか? 第二新卒は「新卒」と呼ばれてはいますが、実際には転職活動と学生の時の就職活動ではやり方も求められることも異なります。それに気付けていない人がとても多いのです。paizaでは第二新卒の方からも転職の相談を多く受けていますが、転職に苦戦する人たちの多くが、新卒の就職活動と同じ感覚で転職活動をしています。
今回は、企業が第二新卒のエンジニアに求めていることと、第二新卒エンジニアの転職活動で気をつけたいポイントについて解説していきます。
■そもそも「第二新卒」って何?
実は「第二新卒」という言葉には明確な定義があるわけではなく、募集企業によって微妙に該当年数が変わる場合もあります。
一般的には「新卒で一度就職をして3年以内の求職者」が「第二新卒」と呼ばれています。
この第二新卒が実際どれぐらいいるのかといいますと、大卒で就職後3年以内に仕事を辞めた人の割合が31.9%になったと2016年10月に厚生労働省が発表(※)しています。この離職率は4年連続30%台で推移しており、近年は毎年3割ぐらいの人が第二新卒として最初の就職先を退職していることがわかります。
就業経験も短く、まだまだ若い第二新卒ですが、この「短くても就業経験がある」のが、新卒・既卒の就職希望者とは大きく異なるポイントです。では、企業はそんな第二新卒のエンジニアに何を求めているのでしょうか?
※新規学卒者の離職状況より
■企業が「第二新卒」のエンジニアに期待すること
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◆経験を積んだ中途転職者にはないもの
第二新卒のエンジニアを採用すると、企業にはどんなメリットがあるのでしょうか?
前職での就業経験が長い中途転職者と比べて、メリットとして以下のようなポイントが挙げられます。
- まだ若いため柔軟で伸びしろがあり、吸収力やポテンシャルを期待できる。
- 就業経験が短いため、素直で企業風土に染まりやすい。
経験年数の長いエンジニアは、前職での経験があってやりたい仕事が明確な方が多いです。しかし、そのぶんだけ、開発環境や業務の進め方へのこだわりが強い可能性や、新しい分野での伸びしろや吸収力に欠ける点を懸念されがちです。もちろん即戦力の開発スキルがあるのは大きなメリットですが、柔軟性や吸収力を求められるポジションには不向きな場合もあります。
その点、第二新卒は業務経験が少なく若いぶん、開発スキルもこの先伸ばしていける余地が大きいため、そのポテンシャルを期待されています。
◆新卒にはないもの
前述のようなポテンシャルについては、新卒についても同じことが言えますよね。では、新卒と比べてどんなメリットがあるかというと「短くても業務経験があること」です。
新卒の場合、素直さやポテンシャルは充分期待できますが、就業経験がまったくないわけですから、ビジネスマナーや開発の進め方など、先輩社員が一から十まで教える必要があります。
その点、第二新卒は3年以内とはいえこれまで仕事をしてきた経験がありますから、既にエンジニアとしての素地はできているはずです。新人研修レベルの教育は前職で済んでいる場合も多いため、新卒ほど教育コストがかからない人材を採用できます。これは企業にとって大きなメリットです。
このように、企業にとってメリットの多い第二新卒。しかし、社会人経験がある若いエンジニアであれば誰でもすぐに採用されるのかというと、そうではありません。
応募をする前に、第二新卒であるがゆえに企業に懸念されがちなことや、応募者が気をつけるべきポイントも把握しておきましょう。
■第二新卒のエンジニアが知っておかないとマズいポイント
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◆企業にとって最大の懸念は「またすぐに辞めるのではないか」
第二新卒の大きなデメリットとして、企業に「またすぐ辞めるのではないか?」と思われやすい点が挙げられます。
3年以内で退職を決めたわけですから、企業に「うちに入ってもすぐに辞めないだろうか」との懸念を持たれるのは仕方ありません。ここで重要なのが転職理由です。「嫌な仕事があったので辞めることにしました」「入社前の想像と違っていたので辞めることにしました」といった程度の転職理由しか言えないようでは、企業の不安を払拭できるはずがありません。今後やりたいことなどが明確でないまま「今の会社から転職できればどこでもいい」といった考えしか思い浮かばないうちは、なかなか選考を通過することはできないでしょう。
こうした第二新卒に対する企業側の不安を払拭するには、納得感のある「転職の理由付け」が必要です。
例えば「新卒で入った企業ではインフラエンジニアとして配属された。インフラも学べることは多いが、自分はユーザーの反応が見られるサービス開発に携わりたい。前職では転属が難しそうだったので、自社サービスを開発している企業に転職をしたい」というように、前職のままで解決できない課題や、今後やりたい仕事を見据えた上での転職理由を言えるようにしておくとよいでしょう。
◆就業年数が短くても、業務経験をもとにしたアピールは必要
学生時代の「就活」とは違い、第二新卒がやることは「転職」です。たとえ経験が短くてもこれまでの業務経験を経て学んだことや身につけたスキルをアピールポイントとして用意しておく必要があります。
業務経験が短くても、まずは自分がこれまでにやってきた仕事内容や身につけたスキルなど、細かいものも含めて全て書き出してみましょう。意外といろいろな経験をしてきているはずです。
企業側も、就職して3年以内の人に素晴らしい成果を上げた経験やベテランエンジニアばりのスキルがあるとは思っていません。しかし、これまでの業務でどういうことをしてきたのかだったり、何を学んだのかだったりは必ずチェックしています。
「この機能の開発はうまくできなかったが、こんなことを学べた」「この画面を担当したときは、自分なりにこんな工夫をしていた」など、「経験年数は短いが、業務を通してこれだけのことを学んできた」といったアピールができれば、企業からも「自分から学ぶ姿勢があって今後も伸びていきそうだな」と思われ、第二新卒に期待されているポテンシャルや伸びしろをアピールできるでしょう。
■まとめ
新卒と同じく、第二新卒も限られた貴重な期間です。満足のいく就活ができなかった人や、就職先での仕事が想像と違っていた人など、第二新卒のチャンスがあるうちに転職をしたい、と考える人は多いでしょう。
ただし、就活のリベンジをしたい、今の会社から離れたいという考えだけで、安易に退職を決意するのはおすすめできません。
転職ができたら誰もが必ずハッピーになれるわけではありません。むしろ目的をよく考えずに転職をしてしまうと、「やっぱり辞めたい」「前職の方がよかった……」と再び不満を感じる結果になりかねません。
まずは、今の会社を3年以内に辞めてでも叶えたい目的が何なのか? 業務内容なのか、環境なのか、作りたいサービスなのか、待遇なのか、それ以外なのか? それは本当に転職しないと得られないのか? ……といったことを整理して、ポイントを明確にするステップから始めてみるとよいかと思います。
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