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ITエンジニアの勉強時間は月20時間以上!?好きなことして生きる方法

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Photo by scott feldstein

f:id:paiza:20140916135428p:plainこんにちは、今回は谷口がお送りします。

ITエンジニアの皆さんは、普段どれくらいの時間、プログラミングの勉強をしていますか?エンジニアであれば、仕事でもプライベートでもプログラミングをしているという人が多いのではないかと思います。

今回は、そんなエンジニアの勉強と、エンジニア特有のワーク・ライフ・バランスについて考察してみたいと思います。

先日paizaでは、会員の方に向けてITエンジニアの働き方に関するアンケートを実施しました。期間は2014年7月18日から7月31日の間、対象となったのは、20代、30代で正社員・契約社員・派遣社員の皆さん273名です。

このアンケート結果から、エンジニアの皆さんが望む働き方を見てみましょう。

■アンケートから見るITエンジニアの働き方

◆1.残業時間と所属業態

まずは皆さんの平均残業時間です。

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これを見ると75%のエンジニアが、平均残業時間は40時間以下と答えています。中でも残業時間が20時間以下と答えたエンジニアは、41%に上ります。

ITエンジニアと言うと、3Kでブラック企業でデスマ……とかを思い浮かべがちですが、意外と残業は少ないと思いませんか?

(本当に残業が多い人は、こんなアンケートに答えてる暇もないだろという話もありますが……)


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また、回答者の所属業態をあわせて見ますと、SIer・受託開発51%自社サービス・製品開発40%ということで、SIerの方が若干多くいる中での結果でした。

一般に、SIerは比較的長時間労働で、自社サービスは残業が少なめというイメージがあるかと思いますが、この結果を見るとそうでもないようです。

◆2.仕事量とプライベートの理想

次に、エンジニアの皆さんに究極の質問をしてみました。

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こちらは、「給料が少し下がるが、プライベートの時間が増える」を選んだ方が61%います。

エンジニアに限らず、バブルの時代は24時間働いて、給料を上げて、車を買って、海外旅行に行って……というような生活スタイルが賞賛されてきましたが、働き方に対する考えは、時代とともに変わっていますね。

◆3.勉強時間

では、皆さんプライベートの時間は何をしているのでしょうか。

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1週間のうち、5時間以上(月20時間以上)を開発やプログラミング、勉強に使っているという人が67%に上る結果となりました。

例えば週末にまとめて5時間を使おうとすると、土日どちらかの昼食後から始めたとして、夕食の時間まではプログラミングをし続けている……というような感覚になります。あくまで平均ですので、例えば2週に一度ほど、まとまった開発を行うというような場合には、土日両方ともプログラミングをしているという感じになるかと思います。また平日にしているという人は、業務終了後に毎日1時間程度のプログラミングをしているということになります。

このデータを見ると、多くの方がプライベートでもまとまった時間をプログラミングに費やしている事がわかります。これはpaizaユーザーだからこその特性(プログラミング転職、学習サービスなので)かも知れませんが、これを読んでいるITエンジニアの皆さんは、プライベートではどれぐらいの時間プログラミングをされているでしょうか?

仕事でプログラミングをしているのだから、プライベートではプログラミングから離れたいという人も、一般にはかなり多くいるのではないかと思います。私も少しSIでのエンジニア経験があるのですが、当時は自分も同僚達も、プライベートで勉強していたという記憶はあまりありません。

ただ、今後もITエンジニアとして生き残っていくためには(特にWeb系、自社サービス系で働きたいという方は)、やはりプライベートでもプログラミングをして楽しめるようでないと難しいのではないかと思います。なぜならITエンジニアとして必須のスキルは、常に勉強し続けられることであり、またそれを楽しめることだと思うからです。

■ITエンジニアはナレッジワーカーである

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Photo by goblinbox_(queen_of_ad_hoc_bento)
プライベートでまで週に5時間もプログラミングをするのは、他の職種で考えるとかなり珍しいことなのではないでしょうか。例えば経理の人が、休みの日にも趣味で架空の帳簿をつけたり伝票を整理したりするでしょうか?営業の人が、趣味で架空の営業電話をかけたりするでしょうか?

この違いは、エンジニアが必要とするナレッジ(知識・知見のこと)にあります。

以前もこのブログで書かれていますが、エンジニアの業務は労働集約型ではなく、知識集約型であるべきです。(ITエンジニアの価値を貶める『人月商売』の功罪

エンジニアはナレッジワーカーであり、評価されるべきは労働時間ではなく、作成したシステムの価値や、そのシステムが生み出し続ける利益です。そういったシステムは、一朝一夕に生み出すことはできません。蓄積されたナレッジが必要であり、さらに言うとナレッジを蓄積するための時間が必要不可欠となります。

すぐに好影響が出ないような研究でも、今後の業務で必要になりそうな環境や技術を勉強するのは、将来的に見れば大変有効なことです。逆に、エンジニアが業務に追われすぎて勉強する暇もなかったり、社外の勉強会に参加しづらかったりする環境では、結果として業務効率の悪化を招きます

最近は企業でも、エンジニアのこうしたナレッジワーカーとしてのスタイルを尊重する制度が増えてきています。

例えばサイボウズ・ラボには、業務時間の50%をソフトウェア関連の研究に費やして良いとする「50%ルール」があります。

またGMOインターネットグループでは、四半期に一度は社外の勉強会に参加できる権利を保障したり、研究開発のために自由に使える費用として10万円を支給したりする「GMOすごいエンジニア支援制度」を設けています。

■ITエンジニアのワークとライフの関係性

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Photo by Martial

◆ITエンジニアにとってのワーク・ライフ・バランス

冒頭でも出てきましたが、そもそもワーク・ライフ・バランスとは、どういった考え方なのでしょうか。

一般的にワーク・ライフ・バランスと言って思い浮かべるのは、「社畜」の逆で、残業は極力せずに営業時間内で効率良く仕事を終わらせ、私生活の趣味の充実、家族や地域との時間を多く持つ、というようなイメージではないでしょうか。

内閣府の言うワーク・ライフ・バランスを見てみると、「仕事と生活の調和」と訳され、仕事一辺倒にならず、「家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる」ことを指しています(長いので要約しています。本文はこちら)。

しかし、こういった言葉から考えてみると、仕事でもプライベートでもプログラミングをしているエンジニアは、ワークばかりの「仕事の鬼」になっているようにも見えます。仕事以外の時間は、飲みに行ったり趣味のサークルに参加したりすることで、よりリア充的な時間を増やし、プログラミングから離れたほうが良いのでしょうか

◆ワーク・ライフ・インテグレーションという生き方

一般に、ワーク・ライフ・バランスと叫ばれる背景には、「仕事は賃金を得るためにするつらいこと」で、「幸せはあくまで私生活にある」というイメージがあります。

しかし、高度成長期を経て成熟が進んだ日本社会の中では、仕事はもはや賃金を稼ぐための手段だけにとどまりません。人生の半分近くの時間を占める仕事自体を楽しめなければ、それは決して豊かな人生とは言えないでしょう。

ただお金があれば幸せ、という時代は既に終わっています。自分の実力で社会に良い影響を与えたり、自分の得意分野を深めたりできるような仕事をして、人生を充実させたいという考えは、現代では珍しくありません。

ITエンジニアにとってのプログラミングとは、仕事でもプライベートでもやってしまうほど、楽しいこと(好きなこと)なのではないでしょうか。そして、プライベートで習得した知識は、仕事にも少なからず影響を与えます。こうなると、エンジニアの生活におけるプログラミングという行為自体、仕事かプライベートかで切り分けることはできません。

仕事と私生活を切り分けて、仕事はやりたくないこと、プライベートや趣味ではやりたいことをやるというふうに、それぞれが別方向を向いているのは、かえって効率が悪く感じます。人生の半分をやりたくないことに費やすというのは、決して良い人生とは言えません。むしろ、仕事でも私生活でもやりたいことをやって楽しむには、両者をどのように組み立てていくべきか?という考え方に切り替えた方が、ずっと生産的でしょう。本来は仕事も私生活も、自分の人生を充実させるという意味において、同じ方向を向いているべきなのです。

私の周りでも、最近はプライベートで趣味のプログラミングをしているというエンジニアが多くいます。彼らは、趣味ではその時に一番やりたい開発をしているので、ストレスもなく楽しいと言います。また、趣味で発見したことを仕事にフィードバックして、高い相乗効果を得ているようです。

彼らにとって「ITエンジニア」というのは、賃金を得るためだけの職業ではなく、生き方そのものなのです。

これはいわゆる会社員の働き方よりも、作家や音楽家、俳優などといった職業の人達の生き方に似ているかもしれません。

表現活動を仕事とする人達は、何らかの作品を生み出すことが仕事です。彼らの作品は、生活における全ての影響を受けて形作られており、ここまでは仕事、ここからがプライベートというふうに、切り分けることはできません。

仕事と私生活を無理に切り分けず、むしろ両者を統合させることによって良い影響を与え合い、相乗効果をもたらす。こうした状態は、ワーク・ライフ・インテグレーションと呼ばれています。ワーク・ライフ・バランスから一歩進んだ状態であるこの考え方は、まさにエンジニアにフィットした生き方でしょう。

■ワークとライフの相乗効果とは?

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Photo by Barry Solow
これまで書いてきたように、趣味での経験は、仕事にも少なからず影響を与えます

仕事でプログラミングをしていて、「ここをこうしたらどうなるんだろう?」という疑問が湧いたり、「最新技術や環境を使ってみたい!」と思ったりすることは、よくあることだと思います。ただ、当然ながら仕事では、要件通りのものを要件通りの環境で作らなければなりません。

しかし家で試す限りにおいては、仕事ではできないようなプログラミングも、好きなように実装して動かせるわけです。そこで「これは業務でも使える!」という発見があれば、それは仕事にも活かせるナレッジとなります。(paizaではそういう事も有り、初中級者向けの学習コンテンツpaizaラーニングを提供しています)

私の知り合いのエンジニアは、逆に仕事で覚えた技術を趣味にも還元しています。彼は休日になると、Wikipediaにあるアニメ番組情報からiTunesにある該当作品のアニソンをピックアップしてくるというシステムを作って、楽しんでいるそうです。ちなみに彼は、仕事では経験がなかったRailsを家で触って勉強していたことで、転職にも成功しています。

このようなエンジニアは、仕事では「制約はあるがニーズがあって求められているものをチームで作り上げ」、プライベートでは「1人のため規模は小さいが制約なく自由に作りたいものを作る」というそれぞれの良さを活かして、バランスを取っているように見えます。恐らく、どちらか一方だけでは息苦しくなってしまうのではないでしょうか。

■まとめ

常に学ぶことが求められるITエンジニアが、趣味やプライベートでプログラミングをすることは、仕事でも私生活でも楽しめるポイントを増やすことになり、より豊かな人生につながるように思います。

家庭を持ったり子供が生まれたりと、人生のステージによって私生活の過ごし方は劇的に変わりますが、プライベートでは一切プログラミングをせず、仕事と私生活をきっちり分けてしまってはむしろ効率が悪く、エンジニアとして働くことがつらくなってしまうのではないでしょうか。

プログラミングが楽しくない、私生活でまでプログラミングの勉強なんかしたくないという人がエンジニアとして生きていくのは、かなり厳しいことだと思います。今後、SIerでコーディングと呼ばれているような仕事が、単価の安い後進国のエンジニア達に奪われていくことは目に見えています。

単価の高い日本で今後もエンジニアとしてやっていくためには、好奇心を持ち続け、学び続けることがとても重要になってきます。ですので、プログラミングを学び続けることが楽しめないような人は、エンジニアを辞めた方が良いのかもしれません。そして早めにマネジメント業務に転向したり、もっと別の仕事を探したりした方が、充実した人生を送れるのかもしれません。(実は私もエンジニアを辞めて、こうして文章を書いています。そして私生活でもずっと、何を書くか考え続けています)

ITエンジニアとして生きていくのなら、仕事も私生活も同じ方向を目指したほうが、人生をより充実したものにしていけると思います。ただ、同じことばかりしていても視野が狭くなってしまうので、技術的なことでも、プライベートではちょっと違う取り組み方をしてみたり、たまにはITとは全く関係ないこともやってみたりして、客観的になってみる。でも、頭の片隅には常にエンジニアとしての自分がいる。そんなバランスが良いのではないかと思います。




paizaは、技術を追い続けることが仕事につながり、スキルのある人がきちんと評価される場を作ることで、日本のITエンジニアの地位向上を目指したいと考えています。

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