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スタートアップへの転職を志望するエンジニアが陥りがちな3つの罠

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Photo by Steven Zwerink
f:id:paiza:20140916135428p:plainこんにちは、谷口です。

paizaではスタートアップ企業の求人情報をたくさん掲載しています。ちなみに、弊社もスタートアップです。

これから新たなサービスの立ち上げに携わりたいITエンジニアの人は、転職活動で企業選びをする際「大企業よりもスタートアップのほうが自分とマッチするはず」と思うかもしれません。

しかし、そういう志向のエンジニアがすべてスタートアップ企業にマッチするかと言うと、決してそうではありませんpaizaのユーザーでも、スタートアップにいるけど転職を考えている人が、実はたくさんいます。また、弊社でも転職していったエンジニアもいれば、逆にサービス開設時から長年働いているエンジニアもいます。

転職志望者の中には「スタートアップなら裁量の大きい仕事ができそう」「エンジニアとして成長できそう」「大企業的なしがらみがなくて楽しそう」などと安易に考えてスタートアップを志望される方もいますが、スタートアップに入社すれば必ずしもそういった希望が叶うわけではありません。また、開発業務だけをガリガリやりたいエンジニアにとって、大企業よりもスタートアップのほうが適した環境なのかというと、必ずしもそうではないのです。

今回は、転職志望のエンジニアがスタートアップ企業に対して誤解しがちなポイントと、スタートアップに向いていない人の特徴についてお話ししていきます。

■スタートアップ企業に対する誤解

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◆裁量の大きい仕事ができて成長できる

スタートアップだからといって、必ずしも裁量の大きい仕事ができて、必ずしも成長できるわけではありません。逆に、最近は大企業でも中で分社化されていることもあるので、実際には裁量の大きい仕事ができる場合もあります。

またスタートアップでは、まだまだ規模が小さくユーザーの少ないサービスを育てていかなければならない場合がほとんどです。そのため、すぐに世の中に影響を与えられるような大きさの仕事ができるわけではありません。そういった仕事がしたい方は、大企業の既に確立されている仕組みに乗ったほうがいいでしょう。

そして、仕事を通しての成長に関してですが(どんな仕事でも自分次第で成長できるはず…という前提は置いておくにしても)立ち上がったばかりのスタートアップでは、教育体制が整っていないところが非常に多いです。基本的に求められているのは「前職で結果を出した経験があり、その結果を自社でも再現できる」人材ですから、入社後は指導らしい指導もなく即実務に入る…といったパターンも珍しくありません。

大企業(…有名企業とまではいかなくても、教育制度が整っている企業)であれば、その辺りは受け入れ態勢も整っている場合が多いです。特にまだエンジニアとしての経験が浅い方であれば、「教育とかしないからとりあえず作って」という環境よりも「こういうときはこんな書き方のほうが正しいですよ」と教えてもらえる環境に身を置いた方が成長できるかもしれませんよね。

もちろん「自分は教えられるよりも、自分に負荷をかけられる環境で成長したい!」といった人もいると思いますし、そういう方はスタートアップ的な環境のほうが向いているかと思います。

「裁量の大きい仕事ができて成長できるからスタートアップがよさそう」と何となく思っている人には、イメージ止まりの希望だけでなく「自分は仕事を通してどんな成長がしたいのか」「そのためにはどんな規模や進め方の仕事が適しているのか」といったことを具体的に考える必要があるかと思います。

◆転職をするからには収入を上げたい

別にスタートアップへの転職で年収を上げるのが、不可能なわけではありません。ただ「絶対に年収は下げたくないし、生活水準も下げたくないし、家族がいるから安定した仕事がしたい」といった人にはあまりおすすめできないかと思います。

できたてほやほやのスタートアップだと、福利厚生などの制度も整っていない企業が多いですし、メインのサービスが急にクローズになってしまうケースも充分ありえます。paiza運営元の弊社だって、何かあってpaizaがなくなってしまったら、その時点で社員全員が投げ出されてしまうかもしれません。

今は大企業であれば必ずしも安泰…といった時代でもないですが、やはりスタートアップの不安定さはその比ではありません。少なくとも事業が軌道に乗るまでの間は、いつ収入が落ちるか、いつ会社がなくなるかもわかりません。

もちろん、「自分が活躍して企業を大きくしていくから大丈夫!」という気持ちを持って働くことはすばらしいことです。しかし、自分ひとりだけならまだしも、家族のいる方の場合、生活が変わってしまう可能性のある転職については真剣に検討すべきかと思います。

◆プログラミングだけをバリバリできる環境がある

小規模なスタートアップのほとんどは、業務ごとに分業できるほど社員数が多くありません。そのため、仕事では「自分がやりたいこと・得意なことだけができる」よりも「必要があれば幅広くやる」のが必要になってきます。

具体的に言うと、エンジニアであればサービス企画やマーケティングまで行わなければならないこともよくあります。弊社では逆に、非エンジニア職でもSQLを使います。定期的に社内で勉強会を開き、使い方やデータ構造などを学んで実際に業務で各自が使用しています。このように、スタートアップでは明確に職種ごとに業務を区切らず、「できることは自分でやろう」という文化が根付いている企業が多いです。

「プログラミングしかしたくない!」といった方であれば、社員数が多く分業が進んでいる企業や、受託開発でプログラマーとして働くほうが、その希望を叶えやすいかと思います。

■スタートアップ企業への転職に向かない人

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Photo by Daniel Lobo
上記の誤解も含め、下記のような方にはスタートアップへの転職はあまり向いていないかと思われます。

◆サービス停止等で再び転職することになった際に、何とかできる自信がない人

前述もしましたが、立ち上げて間もないスタートアップの場合、いつ会社がなくなってもおかしくありません。ですから、万が一再度転職する必要が出た時も路頭に迷わない自信のある人であれば大丈夫ですが、そういった自信のない方、また「次で最後の転職にしたい」といった方にはあまりおすすめできません。(まともに開発スキルのある方であれば、どこにも転職できない…なんてことはほぼないかと思いますが…)

◆スタートアップでの開発業務で重視されることを理解できていない人

スタートアップは組織が小規模なぶん、意思決定のスピードも早いことが多いです。そのため、PDCAを素早く回しながらスピード感のある開発をしたい人には向いていると言えるでしょう。

一方で、そういった仕事の進め方を理解していない人や、動くものを素早く作っていくようなやり方が合わない人にはおすすめできません。

特に前職でウォーターフォール開発の経験しかない方の場合、柔軟に切り替えて素早く作るやり方にシフトできればよいのですが、前職での仕事の進め方がしみついて、なかなか切り替えられない人には向いていないでしょう。

また、上から下りてきた仕事をただこなすというよりは、自分からがんがん仕事を作ったり、新たな案を求められたりする場面も多くあります。そのため、言われたものを言われたとおりに作るのが好きな人や、じっくり決めてきっちり作りたい人にはつらい環境になるかと思います。

◆安定が必要な人、リスクをわかっていない人

繰り返しになりますが、特に家族がいる方にとって、不安定なスタートアップへの転職は自分だけの問題ではありません。

どこの馬の骨かもわからないできたてほやほやのスタートアップに転職して本当に大丈夫でしょうか?当面の生活費は確保できていますか?転職先が入社後すぐに潰れたらどうしますか?

リスクをきちんと理解して、「それでも転職したい」と決断できるでしょうか。できない場合は、安易に踏み切らないほうがよいかと思います。

■まとめ

サービスの立ち上げや育てる仕事に強い魅力を感じる人、またスピード感のある開発環境に魅力を感じる人は、スタートアップが向いているかもしれません。ただ、この話はあくまで「スタートアップ」全体のざっくりした方向性であり、個々の企業によって、自分に合う・合わないは異なります。自分に合う企業かどうかは、自分自身でしっかり調べたり聞いたりして、見極めるのが重要です。

余談ですが、「言われたことを言われたとおりにやる」のって楽そうに見えて、実は誰にでもできることではないですよね。私にはできません。学生時代の私は「自分で仕事作るなんて大変すぎるやろ…絶対言われたことを言われたとおりにやる仕事の方が楽やで…」と思っていたのですが、就職して初めて自分が「言われたとおりにやる」「みんなと同じようにやる」系の仕事が苦手すぎるとわかり、それが求められる企業で働いている間はすごくしんどい思いをしました。その後、なんだかんだあって弊社に転職し、「自分で考えて自分で作る」系の仕事をするようになったら「こっちの方が合ってるわ…」と痛感しました。自分に合うか合わないかは、実際に転職してみないとわからない部分も大きいですね…。

とは言え、事前の情報収集や企業研究をしっかりしておけば、転職後のミスマッチは大幅に減らすことができます。「応募する企業選びに迷っている…」「どの企業が自分に合うのかわからない…」という場合はpaiza運営事務局がご相談に乗ります。

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