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「得意」がなかった私が「なんとなく気が向くもの」を仕事にして生きてきた話

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f:id:paiza:20180910132940p:plainこんにちは。倉内です。

「好きなことを仕事にする」「自分の得意なことで生きる」みたいな言葉を見かけると、つい「別に仕事にできるほど好きなものも得意なものもないし……」と思ってしまうのですが皆さんはどうですか?

それって多分「好き」「得意」が持つ言葉の意味を高いレベルに定義していて、たとえば「趣味で作ったスマホアプリが10万DLされました」とか「競プロで最上位のレートです」とかの圧倒的な得意を持つ人たちと比べてそう思ってしまうんでしょうね。

大学の専攻が情報学科だったので、身近にいたスッとアルゴリズムが理解できて、思い通りにコードが書けて…という凄腕エンジニア候補を見てきたせいもあるかもしれません。

ただ、新卒でSEになって転職を経験して30歳を過ぎた今振り返ってみると、他を凌駕するほどの得意はないけれど、若いころやってみた中の「なんとなく気が向いて続いたもの」「やってても苦じゃなかったもの」たちが組み合わさって意外と働けています

そこで今回は、「好き」「得意」が見当たらなくて悩んでいる若い人に向けて、「なんとなく気が向くもの」という手札を増やす考え方についてお話していきたいと思います。

「なんとなく気が向くもの」を見つけるまでの道のり

ITに興味を持ったきっかけは中学時代にやったホームページ作成

簡単に経歴を話すと、中学のときに初めてPCを買ってもらって、高校で理系コースに進んで、大学は工学部情報学科を卒業して新卒でSEになりました。そのあと29歳でpaizaに転職して1年ちょっと経ちました。

これだけを見ると「学生時代からITが好きでやりたい道に進んでるじゃん」と思われそうな気がするんですが、学生時代はただ「体を動かす仕事、営業や接客みたいに人と話す仕事は自分には厳しそう」と思っていただけでした。のちにSEは結構人と話さないといけないと知るんですが…。

PCを使うことに興味を持ったのは、中学のとき友人から自分でホームページを作って公開していると聞いて、見るだけより面白そうだと思って自分も真似をして作ってみたのがきっかけです。

当時(15年くらい前)はメモ帳でHTMLとCSSを書いてレンタルサーバ上にアップロードするっていうやり方をしてました。このときは無駄に画面表示を凝るのにハマっていました。(iframe(インラインフレーム)とか通じますかね…)


レンタルサーバーの管理画面、今でも残ってました。黒歴史が掘り出されそう……

ホームページに載せるコンテンツも必要だということで、絵を描いてみたり小説や日記を書いてみたりしましたが絵は全然ダメでしたね。でも、文章を書くのが好きだと気づいたのはこのころでした。

あと、CGI(Perlで書くスクリプト)、JavaScript、Flash(ActionScript)あたりも手は出してみましたが、難しくて全然扱えなくてちょっとかじっただけでやめてしまいました。

ただ、友人はそういうのも駆使してかなり凝ったコンテンツを作っていたので、やっぱり向き不向きってあるのだなと感じました。

今ならpaizaラーニングのように動画で楽しく学びながら演習までブラウザでできちゃうサービスもあるので、もう少しがんばれたかもしれないですね。当時はそういった便利なものはほとんどなくあっという間の挫折でした。



 

高校で偶然理系を選んで大学でとにかくいろいろやってみた

かくして「なんかホームページを作るような仕事がしたいかもしれない」という漠然とした気持ちを持って高校生になります。

今でも覚えてるんですが、高校のときの担任から「ホームページを作る仕事とやらはよく分からんけどPC使う仕事なら理系行けば?」って言われて文理選択で理系を選びました。ちなみに物理が壊滅的だったのであとで苦しみます。

結局大学卒業するくらいまで個人サイトを維持し続けました。でも「月間○百万PVあるサイトを運営してました」とか「アフィリエイトでお金稼いでました」とかは一切なく、なんとなく続いただけです。

今ならホームページ(もしくはWebサービス)を作ると一口に言ってもWebデザイン、フロントエンド、バックエンドなど…どのあたりを強みにして仕事にするかとか考えないとなって思うんですが、そんな概念は高校生の自分にはなく工学部情報学科のある大学に進みました。

私が行っていた学科はちょっと変わっていて、半分が情報系の授業、もう半分がデザイン系の授業を取れる学科でした。

授業では物理・数学といったいわゆる理系の基礎的な内容から、コンピュータサイエンスの基礎、アルゴリズム、C言語やJavaでプログラミングを学び、研究ではC#で開発をしました。

同時に石膏デッサンをしたり、家具のミニチュアのモックをパテやスチレンボードで作って塗装してサーフェイサーを吹いたり、Adobe Illustratorでポスター作成をしたり、LightWaveというソフトで3Dの短編アニメを作ったり、間取りの図面を描いて簡単な建築模型を作ったりもしました。


約10年前の課題の写真が残っていました。恥ずかしいですが懐かしい気持ちも。

さらに作ったものを売り込むためのプレゼン大会みたいなのも結構やりました。

特に学科の特徴が出ていたなと思うのは、Javaでオセロゲームを作ったときです。処理を複雑にして自分ルールでゲーム性を与えるのも、画面デザインを凝るのもどちらもプラスの評価対象で、たとえばプログラミングが得意でない人も画面をグラフィカルにする・写真やイラストを載せるなどして高評価を得ることができました。(逆もしかり)

情報系の学科なんで大学までにプログラミングやったことある人も多かったですが、もちろん大学の授業で初めてプログラミングやった人もいて「めちゃくちゃ向いてるわ」とそのままITエンジニアになった人もいます。

このころは自ら進んでいろいろやってみたというよりは、授業だから期限があってとにかくやるしかないし、半ば強制的にやらされたとも言えますが…フィードバックももらえますし、大学の施設や機器は使い放題だしで、この環境はかなりありがたかったですね。

大変な部分もありましたが内容が濃くて面白かったなと思います。

大学で「圧倒的な得意」を持つ人を前に絶望したけど

大学では自分がやってみて面白かったもの・苦痛だったものが分かると同時に、そのうち「あの人はプログラミングがめちゃくちゃ得意だな」とか「あの人はデザインの授業でいつも高評価だな」とか「プレゼンがすごくうまい人がいる…」とか見えてきます。

私は残念ながらどの分野でも特別高い評価を得る人間ではなかったので、冒頭の圧倒的な得意にはかなわないという気持ちが生まれてくるわけです。

中でもデザインは厳しい領域で、デザインの授業でトップを取ってる人でもプロのデザイナーとして就職が決まる先輩方はほとんどいないと聞かされました。それで私は「Webデザインを仕事にするのは無理だな」と…。(もちろんデザイナーになった友人もいます)

ただ、いろいろやってみた中で「PCにずっと向かうのは嫌いではない」「評価は平凡だけど、なんか作るのって楽しい」と思えました。

あと経済学は知っておいたほうがいいかなとか、西洋美術史が面白そうだなとか…とにかく気の赴くまま専攻外の授業も取ってました。結局経済学はいまいちピンとこなくて途中で行かなくなりましたが。

それらが今すべて役立ってるわけではないですし、多分無駄もあったと思います。でもいろいろやってみたことで「好き」「嫌い」「得意」「苦手」だけじゃなくて、「続けても苦じゃない」「なんとなく気が向く」とかいう判断軸もあるなと分かった気がします。

たとえば、「制作課題は大変だけど、何を作るか企画書を書くのは嫌じゃない」とか「アドリブでしゃべらされるのは苦手だけど、プレゼンは準備ができるからそんなに苦じゃない」とか…別にそれらが「得意です!」「成績トップでした!」って言えるレベルではないんですが「まあやってもいいかな」と思えるレベルではありました。

就職・転職して役に立ったこと

ほんとは就職までに「私はこれなら誰にも負けません。ナンバーワンです」みたいなものができたらよかったんですけど、残念ながらそんなものはありませんでした…。

ただ、いろいろやってみてIT業界でなんか作ることに関われるっていうのが一番続けられるのかな~ということは分かりました。

SIerにSEとして入社し、配属先が開発業務よりその手前の企画・提案、設計が多かったということもあり(できたての新規事業推進部署でした)情報工学の知識はもちろん、授業でかじったデザインやプレゼンの経験が生きる場面が多くありました。

たとえば、企画書やプレゼン資料をキレイに見せるとか、予算的にデザイナーを入れられないシステムの画面設計をちょっといい感じにするとかですね。

それってもちろんプロのデザイナーや営業職の人の足元にも及ばないんですが、SEの中で見ると意外に苦手な人が多かったりして、素人に毛が生えた程度でもSEという職種+αの能力になってそこそこの価値になってたような気がします。

またSEはドキュメントを書く仕事も多かったですし、転職後も今こうして開発日誌の記事を書いてるとおり文章を書く機会も多いので、はるか昔ホームページに載せるコンテンツを作るために文章を書いてみて「嫌いじゃないな」と思えたことが生きてるのかもしれません。

趣味や授業でやったことが仕事に思いもよらない形で役立つのって特別なことではなくて、よくよく考えてみたら結構多くの人が思い当たるんじゃないかなと思います。

「試す」ための効率のよい方法はどんどん利用する

今の時代、スマホで何でもすぐ情報が手に入って、どうすると効率がいいか、正解にたどり着ける最短ルートはなにかを調べられるので「失敗したくない」「非効率なこと・無駄なことをやりたくない」という気持ちが強い人が多いのかなと思います。

もちろん最適かつ最短ルートを見極めて進んでいくことができるのも一つの能力ですし、本当にやりたいことが明確な人はそれが正しい道である可能性も高いでしょう。

でも、自分の「好き」「得意」ってなんだろ…ともやもやしている人は、できるだけ若いうちにいろいろ試してみて「好き・得意までいかないけどなんとなく気が向くもの」という手札を増やしてみると、あとでちょっと自分が楽になれるかもしれません。

ただし、やみくもに手当りしだいやればいいというわけではなくて、便利なサービスやツール、場合によっては有識者は大いに利用していきましょう。試すための効率は求めていいと思うので。

そもそも「やってみる」って、ものによっては結果が出るまで時間がかかるものもありますし(たとえば資格や免許がいるもの)、そもそも試してみるハードルが高い場合もありますけど、実はプログラミングは「やってみて苦じゃないか・続けられるかどうか判断する」がすごく短時間で試せます

たとえば、これからプログラミングを始めたいという方は、以下の講座から1つプログラミング言語を選んでコードを書いてみるのもいいですし…

いきなり何か作ってみたいという方は以下の講座を受講してみるのもいいでしょう。paizaラーニングならブラウザ上でなんでも試せるのでおすすめです。

 

まとめ

長々と自分語りをしてきましたが…まとめると言いたいことは以下の2点です。

  • ずば抜けた「得意」「好き」がないなら「気が向くもの」「続けても苦じゃなさそうなもの」を探してみてもいい
  • それを見つけるためにはいろいろ試して自分の手札を増やす必要がある

世の中にはずば抜けた得意を武器にして、キラキラ輝いてる人がたくさんいる(ように見える)ので、そういったものを見つけられないとしんどいときがあるかもしれません。

でも立ち止まってしまうよりは、とりあえずなんかいろいろ試してみたらちょっと考え方も変わるかもしれません。

結局私には「これが私の得意だ!誰にも負けない!」というものはないですが、試す中で無駄なことはあっても無意味なことはなかったなと思います。

ちなみに大学時代に苦しんで授業を受けた、プログラミングやコンピュータの基礎的な内容はpaizaラーニングでは動画講座でわかりやすく解説してくれてます。10年前これがあったらもう少し授業が楽しかったかも…。



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