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SIerから自社サービス企業への転職が苦戦する人に足りない4つのこと

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f:id:paiza:20180910132940p:plainこんにちは。倉内です。

paizaを利用して転職してくださる方もたくさんいらっしゃいますが、その中でもSIer(SES含む、受託開発)から自社サービス開発の企業への転職を希望される方はとても多いです。(実際に前職のSIerの同期もそう言って転職していった人は多かったです)

「ITエンジニアは引く手あまただ」とよく耳にするかもしれませんが、実はあっさりと自社サービスへの転職に成功する方と、なかなかうまくいかず苦戦する方と二極化しているというのが現状です。

paizaでは、企業から採用・不採用の理由を聞いており、選考に通過できない方の多くには共通点があるということが分かりました。今回はその特徴と対策方法についてお伝えしたいと思います。

これから転職をしたいと考えている方や転職活動をしているけど思うように選考が進まない…と悩んでいる方はぜひ目を通していただければと思います。

即戦力として活躍するための準備ができていない

まず結論から言うと、自社サービスの企業で即戦力として活躍する準備ができていないということに尽きます。

経験者の中途採用は、新卒採用と違い即戦力として採用されるのが普通です。第二新卒くらいの年齢であれば、ポテンシャルを感じてもらえれば「入ってから育てよう」と思われる場合もありますが、年齢が上がるにつれて即戦力としての活躍が求められます。

paiza.hatenablog.com

また、私自身が新卒入社したSIerで7年ほど働いて、今はpaizaのサービスに関わっているのでよく分かるのですが、受託システムの開発で扱う技術や考え方は自社サービスの開発とは違う部分が多いことを理解する必要があります(どちらがよい・悪いではなく)。違うということはそのままの技術や考え方で面接を受けても通過するのは難しいですよね。

たとえば、ちょっと極端な例ですが、Javaでずっとある分野の業務に特化した業務システムを作ってきた人が、Pythonの勉強もしていない・数学やアルゴリズムの知識もなしに「機械学習をやってみたいので御社を志望しました」と面接で言う感じです。

もう少しイメージしやすいように逆で考えてみましょう。SIerにいるあなたは、中途採用の面接官をすることになりました。ほぼ100%受託開発案件で、公共系の大規模業務システムを扱ったりしています。

ある応募者が「自分はWebサービスの開発をやっていますが、業務系システムをやりたいと思うようになったから転職したいんです」「でもRubyしかできません。JavaやC言語で開発するんですか? では入社してから勉強します」と言ってきました。

さて…その応募者を通しますか? おそらく通さないと答える方が多いのではないでしょうか。新卒採用ならまだしも、経験者の中途採用では、入社後に育てるという悠長なことはしていられません。

本気で「自社サービス開発をしている企業へ転職したい」と考えているのであれば、当然その会社で使うであろう技術の知識が求められます。Webサービスを扱っている企業を志望しているならPHP・JavaScript、Ruby(+Webフレームワーク)あたりは理解しておくべきでしょう。そして、面接で自分にその技術があることを示せない限りは中途採用で自社サービス開発の企業の選考に通過するのは厳しいと思われます。

専門職であるエンジニア職の中途採用で「今何もやっていないので入ってから頑張ります」なんて言う人が、面接官からどういった印象を持たれるかは、なんとなく想像がつきますよね。

いろいろと述べてきましたが、うまくいかない原因が「準備ができていない」というのは、裏を返せば正しい方向にしっかり準備をすれば確実にチャンスが生まれるということでもあります。

SIerから自社サービス企業に行きたい人が準備すべきこと

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ここからは実際どういった準備をするとよいのかをお伝えしていきます。これも自分が面接をする立場になったときを考えて、どう判断するかを考えるとイメージしやすいです。

技術力を高める

すべてのSIerがそうとは言いませんが、特に業務システムの開発では安定して稼働した実績のある技術を使い続ける傾向にあり、新しい技術を取り入れることに積極的ではないことが多いです。そのため、そういったプロジェクトに従事するエンジニアは自身のスキルをアップデートできていない場合があります。

特に大手SIでは3年目(もっと早い人もいるかもしれません)くらいからチームやプロジェクトのマネジメントを任されるようになり開発をやらなくなる人も多いと思います。

もしくは多重下請け構造の下に位置していると、全体像が見えない大規模開発のほんの一部を割り当てられたり、延々とテスト(とExcelでのスクショ貼り(覚えあり))をしたりという業務になりがちです。

しかし、自社開発の場合、リーダーやマネジャークラスの採用でも開発経験を求められますし、技術動向に明るい人を欲しいと思っています

これはもう時間を確保してとにかく勉強するしかありません。むしろ技術的な勉強や情報収集が苦痛に感じるなら自社サービスへの転職を再検討したほうがいいですし、面白いと思えたなら頑張っていけば結果は出ます。

Web系企業への転職に成功した友人たちが驚くほど努力していたのを見ていたので、やはりそういった苦労は裏切らないと感じています。

その苦労すらせずに自社サービスに憧れだけで転職したいと考えているうちは通過は難しいでしょう。

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アウトプットする

スキルを身に着けたら、目に見える形でアウトプットしてポートフォリオなどにまとめましょう。

アウトプットのやり方はいろいろですが、Webサービスやアプリケーションを作成してみるとか、コードをGitHubに上げてみるとか、技術的なブログ記事を書くのを習慣にするとか…何でも試してみるといいと思います。

こういうことができていると面接をしているエンジニアからも「自分で取り組んでアウトプットできる人なら、新しい仕事にも早くついてきてくれそうだ」と思われますし、実際に取り組みが習慣化している人は転職後のキャッチアップもスムーズです。

アウトプットの仕方やまとめ方がよく分からないという方は、「ITエンジニアの就活準備編2: ポートフォリオ制作」を参考にしてみてください。就活だけでなく転職でも役立つ講座となっています。

「なんか作れと言われても…アウトプットって苦手だな」という人には、paizaのスキルチェックを受けてランクを取得するのがおすすめです。

スキルチェックは、プログラミング問題の解答結果によって、S・A・B・C・D・Eの6段階でスキルランクを判定しています。

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言語は自由に選べるため、たとえばWeb系に行きたい人は、Rubyなどで高ランクを取って、面接官にも「Rubyで勉強しててAランク取りました」と言えば「ちゃんと勉強しているな」というのが伝わります。

とにかく中途経験者の選考では、相手に「私はあなたの会社でも即戦力ですよ」と説明できる材料をそろえることが大切です。

ターゲットにすべきユーザーとその課題について考える

受託の場合は、お客さまから依頼されたシステムを作るので、ヒアリングで要件を正確に引き出して(これが大変なんですが…)お客さまが抱えている課題を決められた期限内に解決することがもっとも重要です。

一方、自社サービスのシステム開発では「不特定多数のユーザーの中で、どういった層をターゲットにして、その人たちが何を必要としているか?」という課題そのものを発見するところから始まり、「どうやったら使い続けてもらえるか?(お金を出し続けてくれるか?)」を仮説やデータから分析・検証して導き出さなければいけません。

初めて立ち上げるサービスであれば、類似サービスを参考にすることはできても実績値がないので大変です。

つまり極端に言えば、まったく見当外れなサービスを開発・リリースして、誰にも使ってもらえず費用の回収もできないことがありえます。

自社サービスのスタートアップ企業が、年間どのくらい起業・廃業を繰り返しているかを調べてみるとその大変さがよく分かると思います。アメリカの例ですが、スタートアップの生存状況はやはり厳しいです…。

(出典)「過去事例から学ぶスタートアップ失敗の要因と共通法則」(JNEWS)

このように受託開発と自社開発では、システムを作るまでの考え方が大きく違います。

もちろん自分たちで出したアイデアを元に作り上げたサービスが、多くのユーザーに利用されるというのはとてもうれしいことです。それがとても魅力的だと感じる人は自社サービス企業は向いているでしょう。

転職後のキャリアについて考える

SIerから自社サービスを開発している企業へ転職したいと思った人は「ここではやりたいことができない」「多重下請け構造の中にいてはいいものが作れない」など、現状になんらかの問題や疑問、課題を感じて行動を起こしたのだと思います。

面接でやってしまいがちなのは、それをそのまま志望動機として話すことです。

たとえば、「やりたいことができない」は退職理由なので「○○という技術を使った開発をしてみたいと思って勉強しているが、今の会社では新しい技術を取り入れることが現状難しいため転職を考えた」といったように「何をしたい(そのために何をしている)」まで話せる必要があります。

課題感をもとに自分なりに勉強したり行動を起こしたりできている人は採用選考でも評価されます。

そして、できれば自分が将来的にはどういう方向性でやっていこうと考えているのかも答えられるとよいでしょう。(面接で聞かれることもあります)

たとえばプレイヤーとして技術を極めていくのか、CTOのようなポジションで経営的なことも考えた開発・運営をしていきたいのか…転職活動を始めた段階で考えるのは難しい部分もあるかもしれませんが、3年後、5年後、10年後はどうなっていたいのか……といったキャリアプランを改めて考えるとより納得感のある転職が実現できます。

まとめ

SIerから自社サービス開発の企業への転職に必要な準備についてお伝えしてきました。

「同じ業界・同じ職種への転職なのにいろいろ大変だな…」と思った人もいるかもしれませんが、転職に成功した人の多くはこのような準備をして自分の希望をかなえています。

どちらにしてもWeb技術のように、はやり廃りのスピードが速い領域でエンジニアとして活躍しようと思ったら、入社後も勉強を続ける必要があります。

エンジニアの中には勉強しなきゃと思ってやるというより、好きで技術を追求するタイプも多いので、大変だけど楽しいと感じられる人は転職後もやりがいをとても感じられると思います。

もちろん大変な部分はたくさんありますが、いろいろな技術や手法をスピード感を持って試せたり、ユーザーニーズを探ってヒットサービスが出せたときに大きな喜びを得たりと自社サービスならではのいいところはたくさんあります。

paizaではITエンジニアの転職で押さえるべきポイントをまとめた「転職成功ガイド」を公開していますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。




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