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エンジニア転職に苦戦する未経験者が陥る「技術の潔癖症」とは


PexelsによるPixabayからの画像

こんにちは。倉内です。

まったく別の業種・職種から、ITエンジニアのような専門職への転職を考えている方は多いですよね。

最近はプログラミング学習サイトなどを活用し、未経験からの転職といってもある程度スキルを身に着けて転職活動をおこなっている方も増えています。

paizaが運営している、エンジニア未経験や実務経験の浅い方向けの転職サービス「EN:TRY」では、そのような方々が希望をかなえてエンジニア転職していく一方、なかなか転職活動がうまくいかない方もお見かけします。

要因はひとつではないと思いますが、企業が挙げる落選理由に「勉強してきた言語や技術だけをやりたいというこだわりが強すぎる」があります。

一見、技術者としてこだわりを持つのは悪いことではなさそうですが…。今回は、なぜそれが落選理由になってしまうのか、その問題点と対策についてお伝えしたいと思います。

転職活動がうまくいかない「技術の潔癖症」とは

経験者の転職と未経験者の転職で大きく違う点は、自身のスキルを実績で証明できるか否かです。

たとえば、経験者はこれまで担当したプロジェクトや業務内容などから「自分はこういったことができる」と証明できます。そのため実務経験を踏まえてのこだわり、すなわち得意な分野で実力を発揮したいという主張は採用側も納得できると言えます。

一方で実務経験がない方を採用する場合、企業の判断材料は「エンジニアとしてのポテンシャルはあるだろうか」「自分で学びながら成長してくれるだろうか」という将来への期待がほとんどです。

ここで押さえておきたいのは「入社後はこういったことをやりたい」という希望を持つこと自体は大切で、「そのためにこういった勉強をしてきた」というアピールも転職活動においては必要になってきます。

では、どういった考え方だと選考通過が難しいかというと…

  • 勉強してきた開発言語やフレームワーク以外はやりたくない
  • プログラミングだけをしたい、テストや調査などはやりたくない

といった主張が強い場合です。これをこの記事では「技術の潔癖症」と呼ぶことにします。

以降で「技術の潔癖症」のまま転職活動を続けた場合の具体的な問題点と対策について考えてみましょう。

こだわりが強すぎることの弊害

自分のレベル感を客観的に把握できない

「これだけしかやりたくない」という思考は視野を狭くしてしまうため、自身を客観的に評価できず転職活動の際に苦戦してしまうことがあります。

よく例に挙がるのは、研究実績や実務経験がないのに機械学習をやりたいとか、データサイエンティストになりたいといった話ですが、そもそも大量に求人数がある職種ではないので未経験からの転職となると簡単ではありません。

もちろん「勉強してスキルを高めてきた」「趣味で開発経験がある」と自信を持って言える人もいると思います。それは未経験者の中ではアドバンテージになりますし、面接でもアピールするべきです。

ただ実際の現場ではチームで開発することが多く、期限やかけられる工数など制約もありますし、趣味の開発とは異なる点が多くあります。

また、ひとくちにWebサービスといっても複数の技術が組み合わされて作られており、エンジニアとして開発に関わる以上、幅広い知識が必要になるシーンが多くあります。

そのため「これだけしかやりたくない」という強い主張は、採用企業にポテンシャルを感じてもらうことが難しくなります。

実際の需要や企業が求めるものと一致しない

業界未経験ですと実感しづらいのですが、現在のエンジニア求人での需要は、必ずしもプログラミング言語や開発領域の人気と一致していません。

最近の例でいうとPythonが非常に人気ですが(paizaでもスキルチェックの受験者はPythonを選ぶ方がダントツで多いです)実際の求人数でいうとJavaScript、Java、PHPが圧倒的に多く、Pythonは人気の高さほど求人数は多くありません。

特に実務経験が浅い、もしくは未経験でも応募可能な求人に限ってみるとJavaとPHPの需要が高いことが分かります。

(参考)プログラミング学習、最初はどの言語を選ぶべき?未経験者向けに解説 - paiza開発日誌

人気が高いのに求人の数はそれほど多くないと取り合いになり、ほとんどの場合はスキルの高い経験者から決まっていきます。厳しいと思うかもしれませんが、未経験者が入り込む余地はどうしても少なくなってしまうのです。

技術を使うことが目的になってしまっている


応募した時点では、たしかに希望している言語やフレームワークはその企業がメインで扱っているものかもしれません。

でも技術はあくまで目的を達成する手段でしかないため、他の技術のほうがサービスを作る上で適しているとなったら変わる場合もありますよね。

サービスやアプリケーション、製品…なんでもそうですが、企業の目的はそれらを作ってビジネスをすることです。(研究職など先端技術の新規性や有用性を突き詰めるといった職種もあるとは思いますが、未経験から目指すにはかなりハードルが高いと思ったほうがいいでしょう)

そういった目的のために最適な技術を調べたり選定したりするのも含めてエンジニアの仕事です。ただ好きな技術を使うことだけが仕事ではありません。

そのため転職活動において「これしかやりたくない」という強い主張を持っていると「採用しても思い通りのことができないと辞めてしまうかな…」「技術を使うことが目的になっているな」と判断されてしまいます。

エンジニア転職を実現させるための改善ポイント

求人情報から企業が求めるものを知る

特に一次面接の通過が難しいという方は、求人票から企業が求めていることと、自分がやりたいことにずれがないかよく確認してみてください。

さまざまな求人票を見て、業務内容や必須要件をチェックしていると「自分がやってみたいと思える求人」と「自分が応募できる(未経験可の)求人」で、どんなレベルのスキルや経験が求められているのか、どんな開発言語や環境が使われているのかといったことがつかめてきます。

そのふたつに差があまりないのであればよいのですが、「やりたいと思える求人は求められるレベルがかなり高い」場合、ギャップを埋めるか、もう少し自分が応募できる求人のほうにフォーカスする必要があります。

paizaの求人票には、開発ジャンルだけでなく、使用言語やフレームワークなどの開発環境や開発手法、その企業の開発部門の特徴・強みやチーム構成などの情報が詳しく掲載されています。合わせて「研修が充実している企業特集」「自社サービス企業のエンジニア求人特集」といった特集も公開していますので、情報収集にぜひ覗いてみてください。

また、転職活動中は気になる企業があれば実際に応募をして、カジュアル面談で質問して情報収集するとよいでしょう。paizaのカジュアル面談について、詳しくはこちら

未経験からエンジニア転職に成功した方で、「選考には通過できなかった企業でも、業界や開発についてたくさん質問して答えてもらったおかげで転職活動がだんだんうまくいくようになった」と話してくださる方は多いです。

実務に使われている技術をもっと広く知る


さきほどお伝えしたとおり、システムというのはいろいろな技術の組み合わせで成り立っています。

たとえば、フロントではJavaScriptやHTML/CSSがメインで使われており、サーバサイドではPHPを採用しているといったことがあります。(例としてPHPを挙げましたがJavaやRubyなどさまざまです)

もちろんデータベースを操作するためにSQLの知識も必要になってくる場合もあるでしょうし、フレームワークを用いて開発するといった案件もあります。

それらを理解するために、簡単なWebサービスやアプリケーションを自分で作ってみることをおすすめします。作って公開するまでの一連の流れ、開発ツールの使い方、どこにどんな技術が使われていて、何を考える必要があるのか…などを把握するには自分の手を動かすのが一番です。

「そうは言ってもいきなり何をどうしたらいい分からない…」という方は、paizaラーニングで公開している学習講座「Webアプリ開発入門」を活用してみてください。

Webフレームワークを使った簡単なサービス開発が実践できる講座になっていて、ブラウザ上で進められます。

実際に動くものを完成させてみたという経験は、採用選考でぜひアピールしてください。そのためにはアウトプットしたものを見せられるようにポートフォリオの準備も忘れないようにしましょう。


「やりたいこと」にこだわりたい場合の考え方

冒頭でも少し述べましたが、技術者としてこだわりを持つのは悪いことではありません。

誰しも現職で満足していたら転職には至らないわけですから、程度の差はあれ「現職ではできていないことを転職してやりたい」という思いを持っており、それを実現させたい気持ちがあるのが普通です。

よって、「今すぐ転職できなくていいので、自分がやりたいことをどうしても転職でかなえたい」「現職でまだしばらく働きながら転職活動して、よい企業に出会えてうまくいったらいいな」という人はこだわっていいと思います。むしろそれを実現できなければ転職する意味がないとも言えますよね。

一方、「すでに会社を辞めてしまった」「心身に影響があり今の会社をすぐに退職せざるをえない」「年齢的にあまり猶予がなさそうだ」といった長期で転職活動ができない人がこだわりすぎるのは禁物です。

今転職を考えているあなたが置かれている状況を冷静に見て、エンジニアへの転職活動を進めていきましょう。エンジニアとして経験を積んで、また転職をするという考え方もあります。


paizaでは、今回取り上げた内容の他にもよくある失敗事例と対策など、未経験からのエンジニア転職について役に立つ情報をまとめた「転職成功ガイド」を公開しています。詳しくはこちら

また、未経験からエンジニア転職を実現させた方へのインタビューも掲載しています。転職にあたってやったこと、入社後のエンジニアとしてのやりがいなどリアルな声を聞くことができます。


まとめ

「これだけしかやりたくない」というこだわりが強すぎる、「技術の潔癖症」にかかっている方がなぜ転職活動がうまくいかないか考えてきました。

今回お伝えしたかったのは、未経験者がやりたいことがあることの否定ではなく、まずはエンジニアになりスタートラインに立つことを目指して転職活動を進めていきましょうということです。

転職には、明確な期限というものはないように思えますが、やはり未経験からの転職は少しでも行動が早いほうが実現可能性としては高いと言えます。

現状の自分のスキルを把握し、早期に戦力になれる求人・企業を探して、業務経験を積みながらエンジニアとしての実力をつけていきましょう。

とはいえ、自分がどのくらいの実力があるのかを把握するのは難しいですよね。そんなときはpaizaのスキルチェックがおすすめです。プログラミング問題を解いた結果でスキルが評価されランクづけされるので、ひとつの指標とすることができます。

スキルチェックについて、詳しくはこちら
paizaのスキルチェック




冒頭でもご紹介した「EN:TRY」では、開発経験がない未経験者や若手エンジニアでも応募できる求人情報を中心に掲載しています。スキルチェック問題を解いてスキルがあると判定されれば、事前の書類選考なしでさまざまな求人に応募できます。

詳しくはこちら
“EN:TRY"

まずはプログラミングの学習から始めたいという方は、「paizaラーニング」でプログラミング言語の入門講座などから始めるのがおすすめです。

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