こんにちは。倉内です。
就活中に任意参加で設定されることがある「座談会」は、選考とは異なり社員と比較的フランクな雰囲気でコミュニケーションがとれる場です。「社員懇親会」といった名称の場合もあります。
ただ、情報量の多いESや面接対策と違って、「選考ではないと言われたけど何を聞けばいい?」「そもそも企業にとってどういう位置づけ?」と悩む方も多いようです。
企業側の意図としては、学生の疑問点や不安点を解消してミスマッチを防ぐ、選考とは違った自然体に近い様子を見たい…などさまざまで、座談会がいつ設定されるかにもよりますが、選考中となるとやはり見られているポイントというものは存在します。
そこで今回は、特に最終面接前の座談会にフォーカスして、有効活用するために知っておくこと・準備することをお伝えします。
就活生向け「座談会」とは
冒頭でも少し触れたとおり、社員とコミュニケーションができる場で、ざっくばらんに質問をする時間と捉えていただくとよいと思います。学生が入社後に働くイメージがしやすいよう、基本的には20代の若手社員がアサインされることが多いでしょう。
座談会は出席は任意と言われるケースが多いかもしれませんが、OB・OG訪問を自分でするのが難しい方は、ぜひ座談会をリアルな社員の声を聞く情報収集の機会として活用してください。
開催タイミングによっては、自社への志望度を測る意味合いもあり、志望度が高い企業であれば参加して損はありません。
企業が最終面接前に座談会を実施する目的
会社説明会のあとに続けて実施されるなど選考に入る前の座談会と、最終面接前の座談会とでは企業の目的は違います。
たとえば、会社説明会と合わせておこなわれる座談会の場合、自社のことをもっと知ってほしいという意味合いが強いです。若手社員への質問を通して、どんな雰囲気の社員がいて、どんな社風や文化があるのか、日々の業務はどのような感じかを知ることができます。
ただ、選考前とは言え採用担当者や質問に対応する社員は「どの学生の印象がよかったか」くらいは控えていると思ったほうがよいでしょう。
一方、最終面接まで進んだ学生を相手に座談会を実施するということは、企業としてはよいと思っている学生に内定承諾の意向を高めて欲しい気持ちがあります。もしくは、最終面接を担当する役員や幹部クラスの面接官が学生の志望度や人柄などを知りたいというリサーチ目的の場合もあります。
座談会に参加するメリット
- 実務について知ることができる、理解が深まる
- 年齢の近い若手社員の声を聞くことで働くイメージができる
- 選考での志望動機を組み立てやすくなる
- 会社HPや就活サイトでは分かりにくい企業の雰囲気や社風が感じられる
- 最終面接に向けた情報収集ができる
たとえばITエンジニアを目指している方は趣味や大学の授業でプログラミングを経験している方も多いと思いますが、業務では決められた期日のリリースに向かってチームで開発をしています。話を聞いてみると想像と実態が大きく違う場合もありますし、仕事をする上で思わぬおもしろい点・大変な点が見つかることもあるでしょう。
また、いくつかの選考を経て最終面接に臨む前ということで、志望企業に対するこれまでの情報をアップデートするにもよい機会です。
座談会に参加するデメリット
- 選考ではないとはいえ最終面接前の応募者としてチェックはされる
- 質問を用意するなどある程度の準備は必要
- 面接と違い定形のやり取りのイメージがしづらいのでその場でうまくコミュニケーションする力が試される
- 志望度があまり高くない企業の場合時間を割いて参加するか迷う
最終面接前という位置づけ上、まったく選考や評価に関係ないとは言い切れないというのは念頭に置いておいたほうがいいでしょう。
もちろん座談会の参加・不参加、参加した際の言動や態度でその後の最終面接の結果が決まるわけではありません。ただ、評価するのが人間である以上、そのときの印象は多少なりとも影響を与えます。
反対に座談会での社員の雰囲気や態度があまりよくなく、自身の意向が下がる場合もあると思います。残念に思うかもしれませんが、入社前に合わないことを知れたのはよいことです。決して評価される側だと萎縮するのではなく、評価する側でもあると考え見極めてみてください。
座談会に向けての準備
オンライン実施ならではの注意点
「座談会」と言っても、最近はオンラインで実施する企業が多いです。最終面接前までにはオンラインでの説明会や選考を経験していると思いますが、念のためオンラインで気をつけたいポイントをおさらいしておきましょう。
カメラ・マイク・通信状況などに問題はないか
あまり使い慣れていないといざというときに機能しない・調子が悪いといったトラブルが発生することもあるので、カメラやマイクは一度は事前に確認しておくことをおすすめします。
また、途中で途切れてしまわないよう通信状況が安定した場所でおこなってください。雑音が入ると会話しづらいだけでなく印象もよくないので静かな環境を選びましょう。
身だしなみや背景は映ってもよいものか
「座談会は選考ではない」と聞いて気軽な気持ちを持ってしまうかもしれませんが、最終面接前というタイミングを考えるとある程度の身だしなみは整えて臨んでください。
自宅の部屋から参加する場合、背景も注意が必要です。整頓されているか、特殊なバーチャル背景になってないかを確認しておきましょう。
相槌を打ち聞こえないときはきちんと聞き返す
オンラインでの会話には、対面とは違った独特な間の取り方やタイミングの難しさがあります。
話す側になったことがある方は分かると思いますが、画面越しに無反応だと「本当に聞いているのかな…?」と不安になります。あいさつはもちろん、相槌などのリアクションを意識しましょう。
また、一時的に通信が途切れたり雑音が入ったりしてしまうトラブルもありがちです。そういった場合に「すみません、さきほど音声が途切れてしまったのでもう一度お願いできますか」と聞き返すのは失礼には当たりません。
むしろ聞こえないまま適当に受け流したり、分かったふりをして話を進めてしまうと自分が困ります。
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オンライン面接を受ける際のマナーについて解説したページもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
最終面接前の座談会への心構え
参加するからには座って話を聞いているだけではなく、積極的に質問をしたいところですよね。
やはり最終面接前なので「入社後のイメージをしながらポジティブな質問」をするのが意欲を伝えられます。志望度が高い企業であればなおさらです。
ただ、リアルな情報収集ということで、聞き方を間違えなければ多少込み入った質問をしてもよいと思います。むしろ「本気でうちに入って働くことを考えているんだな」と思ってもらえるような内容であればプラスの評価になる可能性もあります。逆に最終面接まで来て、インターネットで調べれば分かるようなことを聞いてしまうと印象がよくありません。
そのためどんな質問をするかは必ず事前に準備していきましょう。
質問例
入社の決め手に関して
- ○○さんが入社を決めた一番の決め手はなんでしたか?
- 同業界の他社と比べて今の企業を選んだ理由はなんですか?
最終面接対策の情報収集としてはもちろん、志望度の高い企業が複数あり判断材料として使いたい、といった場合には「決め手」を聞くとよい情報が得られる場合があります。
特に入社数年の若手社員であれば実際の就活経験をもとに他社と比較した話を聞けるかもしれません。
将来像・キャリアについて
- ○○さんが目標としている、憧れている先輩はいますか?
- ○○さんから見てどのような人が評価されている/活躍されていると思いますか?
自己成長のためにはやはり身近に目標があるかどうかが大きなポイントです。目指したい姿について聞くことで、モチベーション高く仕事をしているかどうかも分かります。
最終面接では「入社後、どのように活躍していきたいか」と将来について問われることもよくあるので聞いておくとよいでしょう。
また、特に専門職であればどんな人が評価されているかは大切な情報です。ストレートに言う人はいませんが、質問を通して「スキルがある人・成果を出している人ではなく、上司に気に入られている人が上がりやすい」という片鱗を感じることもあるかもしれません。
業務について
- ○○さんが現在の業務で一番魅力に感じているのはどういった点ですか?
- ○○さんが今まで担当した業務で記憶に残っている大変だったこと、またそれをどのように乗り越えたかを教えてください。
実際の業務の魅力はインターネットで調べてもなかなか感じにくい点なので、ぜひリアルな声を聞いてみてください。
生き生きと働けるか、裁量を持って仕事ができるかといったことは実際に働いている人にしか分からない部分でもあります。
そして新人のうちはもちろんですが、仕事をしているとうまくいくことばかりではありません。困難にぶつかったときの乗り越え方が個人の努力や気合いだけに頼っていないかなどを確認してみるとよいでしょう。
求める人材について
- ○○さんの部署に配属される新人に求めるスキルや資質はありますか?
- ○○さんはどんな人と一緒に働きたいと思いますか?
- 振り返ってみて、入社までに「学生のうちにこれをやっておけばよかった」というものはありますか?
エンジニア職での採用であれば、新卒入社と言っても(程度の差はありますが)プログラミング経験を求める企業も多くあります。
また、求められるスキルだけでなくものづくりやサービス、ユーザーに対する考え方も企業によって文化の違いがあります。
最終面接まで来ているということは内定になる可能性も十分あります。社員の方の思考に共通点や特徴はあるのかなどを知っておくと面接でも役に経ちます。また、入社までにどのような過ごし方をするかの参考にするという意味でも聞いておいて損はないでしょう。
私は実際にリクルーターとして社員側で座談会に参加したことがあるのですが、本当に知りたいという熱意が伝わる学生とそうでない学生というのはやはり肌で感じるものがありました。
質問内容を考えるのはもちろん、「なぜそれを聞きたいのか?」「さらに深堀りするためには?」まで考えて臨んでいただければと思います。
最後に、座談会に限らず選考でも「質問はありませんか?」といわゆる逆質問の時間を設けられることがあると思います。以下の記事ではシーン別で質問例を紹介していますので合わせて参考にしてみてください。
まとめ
最終面接前の座談会に向けて、メリット・デメリット、準備などについて考えてきました。
企業としては入社後できるだけ早く、長く活躍してくれる人に入社してほしいと考えています。そのため選考だけでなく、形式を変えたり面接官以外のより現場に近い社員とのコミュニケーションを通して学生を見たい気持ちがあります。
本文中にも書きましたが、同時に学生側も企業の実態を見ることができるチャンスでもあります。
自分のリクルーター経験から考えてみても、面接官と違って座談会に参加する社員は簡単なレクチャーしか受けておらず、あまりにも普段の業務や会社の雰囲気・文化とかけ離れた内容を話すことはないと思います。
せっかくの機会ですのでぜひ有効活用して、後悔のない就職活動にしてください。
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