こんにちは。倉内です。
Kotlinは、2017年5月にGoogleがAndroidアプリの公式開発言語として追加して以来、人気が高まってきたプログラミング言語です。
たとえば、私たちにも馴染みのあるSlackやNetflixなどのAndroidアプリはKotlinで作られています。(出典:ZDNet)
Androidアプリの開発といえばJavaを思い浮かべる方も多いと思いますが、KotlinはJavaをより簡潔・安全に改良した言語と言われており、これから学習を始めたい方にもおすすめです。
そこで今回は、paizaラーニングの新講座「Kotlin体験編」(全編無料)を含めKotlinの基礎やAndroidアプリ開発を学べるサイトや書籍をご紹介します。
Kotlinについて知ろう
Kotlinは2011年に登場した、オブジェクト指向プログラミング言語です。静的型付け言語*1で、他にはJavaやC言語、C#が該当します。2012年にオープンソース化されました。
冒頭でもお伝えしたとおり、2017年5月にGoogleがKotlinをAndroidアプリの公式開発言語に採用し、さらに2019年5月には推奨言語に指定すると発表しました。それまではJavaが推奨言語とされていましたが、Kotlinが加わり、より強力にサポートされることになりました。
「今後、一番学びたい開発言語」5位に
paizaが現役ITエンジニアを対象に2021年3月に実施した「プログラミング言語に関する調査」(有効回答:369名)では、今後一番学びたいと思う言語5位にKotlinがランクインしました。
一方、得意だと思う開発言語では上位に挙がっておらず、習得済の人はまだ多くはないと言ってもいいでしょう。
それを裏付けるように言語別平均提示年収では4位にランクインしています。これは経験のあるエンジニアの数が少ないため、市場価値が高いことを示しています。
KotlinとJavaの関係性
冒頭でもお伝えしたとおり、KotlinはJavaを改良した言語と言われていて、Java仮想マシン(JVM)上で動作する言語です。
文法はJavaをベースにしながらも簡潔で、同じ処理を実装する場合はKotlinのほうがコード量が少なくて済むことが多いのが特徴です。
そのためこれからAndroidアプリ開発をしたいと考えている方は、環境構築も比較的楽におこなえるKotlinを選択することをおすすめします。ただし、参考書はやはりJavaのほうがまだ多いため「Kotlin対応」と書いてあるものを選ぶようにするとよいでしょう。
また、KotlinはAndroidアプリ開発専用の言語というわけではなく、Webサービスのサーバサイドの開発にも採用される事例が増えてきています。
Kotlinの基礎を学ぼう
Kotlinがどのような言語かつかんだところで、実際にKotlinを学べる学習サイト・書籍をご紹介します。
学習サイト
paizaラーニング「Kotlin体験編」
【無料】
はじめてのプログラミング学習をKotlinで始める方でもスムーズに取り組める内容になっています。
序盤はプログラミングとは何か、初心者がプログラミングで間違いやすいポイントなどからスタートするため、他の言語で経験がある方はスキップしてもよいでしょう。
中盤以降はKotlinでの数値や文字列の扱い方、データの受け取り方、基礎文法と言われるfor文・if文を学びます。
paizaラーニングはプロの声優さんのナレーションに合わせて、動画でプログラミングを学ぶ形式になっています。チャプターごとの演習課題を解くことで「分かったつもり」を防ぎ、確実に自分でコードが書けるようになってから次に進むことができます。
上記はすべてブラウザ上でおこなうため環境構築は不要です。
Udemy「はじめての Kotlin」
【有料】 ※料金は直接公式サイトにてご確認ください
Udemyは多数の動画学習コースが提供されており、基本から応用、演習や実践的な開発を経験できるものなどとにかく種類が豊富です。
内容や学習時間などはさまざまですが、「はじめてのKotlin」コースはJavaを習得していない方にも分かりやすく、効率的に学べるということで人気の講座になっています。
基礎文法から少し発展した内容までしっかりと網羅されており、Androidアプリ開発を意識した知識を身につけられるのが特徴です。
プレビュー動画も公開されているため、一度試しに見てみてから購入の検討が可能です。
ドットインストール「Kotlin入門」
【一部無料】
この講座はレッスン5まで無料で受講することができます。(以降はプレミアム会員限定)
自分のPCにKotlinをインストールしたい方には特におすすめです。環境構築から始まり、基本的なKotlinの文法はもちろん、クラスやインタフェース、例外処理なども扱っています。
動画形式による学習で、講師の方の説明を聞きながら実際のプログラミング画面を見て進められるので分からずに挫折してしまうといったことを防げます。
paiza「スキルチェック」
【無料】
スキルチェックは難易度別のプログラミング問題を時間制限内に解くことで、ランクを獲得し就職・転職で求人応募の際に自分のスキルレベルを示せるサービスです。
問題を解くだけという使い方もできるため、ある程度Kotlinの基本を学習した方はぜひ実力を試してみてください。
前述のとおり、スキルチェックは求人サービスとの連携のため解答・解説は公開していませんが、テストの入力値が参照できる時間制限なしの練習問題集「レベルアップ問題集」も公開しています。
Kotlinのコードをたくさん書いて身につけたいという方は活用していただければと思います。
Kotlin 公式リファレンス
【無料】
学習サイトではありませんが、やはり公式リファレンスは欠かせません。最新バージョンに関する正確な情報はこちらを確認しましょう。
ただ、英語なのでちょっと厳しいかもという方は、有志の日本語訳も参考にしてみてください。
今からはじめてプログラミングを勉強する方が最初に参照するには少し大変かもしれませんが、コードを書く段階になったら重宝すると思いますので覚えておくとよいですね。
書籍
Kotlinの入門~初級レベルのおすすめ参考書を3冊ご紹介します。
やさしいKotlin入門
Javaの知識は必要なしと記載のとおり、Kotlinがはじめてのプログラミングという方に特におすすめの1冊。
演習よりもまずは文章でしっかりKotlinを理解したい方にも適しています。
Kotlinプログラミング
開発環境のインストールから、サンプルコードによる演習、Kotlinの基本はもちろんAndroidアプリ開発についても触れています。
こちらはJavaをある程度知っている方向けで、JavaとKotlinの違いを知りたい方におすすめです。
速習 Kotlin
簡潔に書かれていて分かりやすいと評判の1冊。効率的にKotlinを学びたい方におすすめです。
Javaを知っているとより理解が深まりますが、知らなくてもある程度は補足があるため困ることはないと思います。
Androidアプリ開発を始めよう
いよいよAndroidアプリ開発に進みましょう。
KotlinはAndroid Studioで開発環境の構築が容易にできます。チュートリアルやサンプルコードなども多く公開されていますので、実際に自分の手を動かしながら学んでいくのがおすすめです。
学習サイト
ドットインストール「Androidアプリ開発入門」
【無料】
ドットインストールでは、Androidアプリ開発の講座も公開しています。
Androidアプリの公式開発環境「Android Studio」のインストールや画面の見方からていねいに説明されているため、はじめてアプリ開発をおこなう方も安心です。
Kotlinを使ったAndroidアプリ開発入門サイト
テキストベースのシンプルなサイトで、Androidアプリ開発に必要なKotlinの基本から、アプリ開発に必要な情報がひと通り揃っています。
広告がやや多いのが難点ですが、動画形式の学習がちょっと合わないかもという方はこちらがおすすめです。
Google Developers「KotlinでAndroidアプリを開発する」
【無料】
Googleが提供している、KotlinでAndroidアプリを開発をする方向けのチュートリアルサイトです。
まずはスタートガイドから自分に合ったものを選択して進めてみるとよいでしょう。
Kotlinという言語についての基本事項から、Androidアプリ開発の基礎~応用までさまざまな内容を学ぶことができます。初心者の段階を抜けて、高度なアプリ開発に挑戦したいときも参考にできるページです。
書籍
最後に、Androidアプリ開発に関する書籍を3冊ご紹介します。
作って楽しむプログラミング Androidアプリ超入門
プログラミング初心者でも、簡単なゲームアプリのサンプルを作ることで、Androidアプリ開発を楽しく体験できます。
イラストつきで分かりやすく、実習形式で学べるためまずは最初の1冊としておすすめです。
はじめてのAndroidプログラミング
サンプルコードが非常にバリエーションに富んでおり、楽しくアプリを作りながらAndroidアプリ開発について学ぶことができます。
初心者がつまづきやすいところをピンポイントで解説しているため、はじめてAndroidアプリ作成をする人に最適です。
基礎&応用力をしっかり育成! Androidアプリ開発の教科書
初心者より一歩進んだ方におすすめしたい1冊。特にJavaでのアプリ開発経験はあるが、Kotlinははじめてという方に適しています。
Kotlinの言語自体への解説はないため、Kotlinそのものについての学習は別でおこなう必要があります。
まとめ
Androidアプリ開発で注目されているKotlinの学習サイトや書籍を紹介してきました。
KotlinはGoogleのチュートリアルや開発環境のサポートも充実しており、習得難易度もそれほど高くはないため、これからプログラミング学習を方にはおすすめの言語です。
一方でJavaと比べると日本語の情報がまだ少ないので、それほど抵抗がなければ英語での情報収集もできるとなおよいでしょう。
paizaは学習サービスだけでなく、ITエンジニア向け就活・転職サービスも運営しています。プログラミング言語を指定して求人検索もできますので、興味がある方は覗いてみてください。
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そしてpaizaでは、Webサービス開発企業などで求められるコーディング力や、テストケースを想定する力などが問われるプログラミングスキルチェック問題も提供しています。
スキルチェックに挑戦した人は、その結果によってS・A・B・C・D・Eの6段階のランクを取得できます。必要なスキルランクを取得すれば、書類選考なしで企業の求人に応募することも可能です。「自分のプログラミングスキルを客観的に知りたい」「スキルを使って転職したい」という方は、ぜひチャレンジしてみてください。
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*1:簡単に言うと、変数などを使用する際に型宣言が必要で、その型以外のデータを扱えない言語のこと