paiza開発日誌

IT/Webエンジニア向け総合求人・学習サービス「paiza」(https://paiza.jp ギノ株式会社)の開発者が開発の事、プログラミングネタ、ITエンジニアの転職などについて書いています。

【2019卒の就活はどうなる?】去年の就活生達の後悔から学ぶ注意点とは

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Photo by Mary Cullen
f:id:paiza:20140916135428p:plainこんにちは、谷口です。

2019年卒業予定者の就活解禁日は3月1日、採用面接の解禁日は6月1日となっています。

2月ももうすぐ終わりますから、既に就活を始めている方も多いかと思います。paiza新卒でも、求人応募を始めている方は珍しくありません。中には、19卒で既に内定を獲得されて就活を終えた方もいらっしゃいます。

そこで今回は、paiza新卒が就活生をサポートしてきたなかでわかった昨年の就活動向と、19卒予定者への注意点などをお話しします。


【目次】

■18卒の先輩に共通する後悔とは

毎年、就活を終えた先輩方にお話を聞いていると、皆さん口をそろえて「もっと早くから就活を始めておけばよかった」と言われます。

さらに詳しく聞くと

  • 経団連の言う解禁時期まで何もせずにいたら、既に応募が始まっていたり締め切ったりしている企業が結構あった
  • もっとインターンに積極的に参加しておけば可能性を広げることができたと思う
  • 早めに就活を終えた友人が、卒業研究や遊びなど別のことに時間を割けていてうらやましかった

といった理由がよく挙がってきます。

就活を後回しにしていた人だけではなく、夏頃までに内定を獲得できた人でも「もっと早く始めておけば…」と言う人は少なくありません。

ここ数年の就活は売り手市場となっているため、「どこかは拾ってくれるでしょ」と強気になっている就活生もいます。しかし、倍率的には売り手市場でも、毎年秋頃になると、就活生は複数社の内定を獲得している人とまだ一社も内定がない人にはっきりと分かれます。(18卒もそうでした)

納得のいく就活をするには、解禁時期に関わらず早めに動き出しておくことが重要です。

◆19卒予定者の就活における注意点

経団連の解禁時期を厳守している企業ばかりではない

下記は18卒予定者の内定率推移ですが、6月1日時点で61.9%が内定を所持しています。
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【確報版】「2017年12月1日時点内定状況」 就職プロセス調査(2018年卒) | プレスリリース | リクルートキャリア - Recruit Career

早い段階で過半数が内定を獲得している理由の一つは、経団連に加盟していない外資系や中小企業が、例年解禁月より前の段階から採用活動を実施しているからです。

こうした企業は、解禁月を待っている企業、特に大手企業・有名企業に学生をとられてしまうのを恐れていたり、近年の解禁時期の変動によって採用活動が難航していたりします。そのため、より早い段階で内定を出しておくことで、優秀な学生をしっかり確保しておきたいと考える傾向にあります。(ちなみに大手は大手で、選考の解禁を遅らせる分、早期のインターンシップに力を入れて企業の魅力を深く知ってもらうことで、実質的な採用活動はしないものの、どちらにせよ早くから優秀な学生を囲い込もうとする傾向にあります)

経団連の言う解禁時期とは、新卒採用を実施する日本の全企業に厳守が義務付けられているわけではありません。18卒の内定率を見ても、6月1日時点で61.9%の人に内定があるわけで、それだけの数の企業が解禁前から採用活動を実施していたことになります。

◇解禁時期の発表や売り手市場を過信して動き出しが遅れる

経団連は、16卒から説明会開始の時期を大学3年(4年制大学の場合)の3月へとずらしました。(選考開始時期は、17卒から大学4年の6月になっています)

近年はこうした解禁時期の変動が多いためか、就活市場を見ていると「解禁時期はこの月か、じゃあそれまで何もしなくてもいいや」と考える人と「毎年スケジュールが不安定だから早めに動き出して対策をとろう」とする人に分かれます。

早く動き出して早く就活を終えられる人はいいのですが、毎年秋〜冬になると「事前の対策がとれていないため夏を過ぎても内定が出ず、ようやく真剣に就活と向き合うようになった」という人からの相談が後を絶ちません。

■まとめ

IT企業は既に19卒の採用活動を始めているところも多いため、エンジニアを目指す方はなるべく後悔しないで済むよう、早めに就活を始めておいたほうがよいでしょう。

paiza新卒では、既に応募可能な19卒向けの求人票を多数掲載しております。またpaiza新卒の掲載求人は、スキルチェック問題を解いて規定のランクが獲得できていれば、事前の書類選考なしで必ず企業の面談を受けられます。

現時点でのプログラミングスキルに自信がない方は、paizaラーニングの動画でプログラミングを学べる講座でスキルアップしてからランクを上げていくこともできます。

応募後は、paiza新卒が応募者と企業の間に立って面接の日程調整などをするため、採用担当者とのやりとりに気を遣うこともありません。
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コード不要・ブラウザ上で簡単にWebVRアプリを開発&公開できる「Patches」を使ってみた!

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どうも、まさとらん(@0310lan)です!

今回は、PC・スマホのブラウザ上でVR体験ができるWebアプリを簡単に開発可能なWebサービスをご紹介します。

コード不要でブラウザ上から誰でも手軽に開発できるように設計されており、ブロック化されたさまざまな機能を「線」でつなげていくだけで開発できます。

VR開発にご興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください!

Patches

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■「Patches」とは?

「Patches」は、ビジュアルプログラミングをベースにしており、さまざまな機能を「パッチ」と呼ばれるブロック同士をつなげていくことでVR開発を実現しているのが特徴です。
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このパッチには基本的なプログラミング構造であるループ処理や条件分岐・関数処理などが含まれているだけでなく、画像・動画・音楽などのマルチメディアや3Dモデルなど…VR開発に必要な機能がすべて含まれています。

また、WebVRの特徴としてPC・スマホに搭載されているブラウザだけでVRを楽しめるというのも大きな魅力の1つでしょう。

そのため、VR用のHMDバイスを持っていなくても疑似体験が可能で、URLをシェアするだけですぐに世界中の人が楽しめるので便利です。


「Patches」を利用すると、例えば以下のような360度写真にボタンを追加してポップアップを表示するのも簡単です!

【ポップアップ付き360度写真の例】

コチラのリンクから実際に体験できます)


もちろん、3Dモデルを読み込んで仮想空間に没入することもできます。

以下の例はポイントをタッチすることで、VR空間内をさまざまな視点で閲覧できるようにした例です。


【仮想空間内を移動する例】

コチラのリンクから実際に体験できます)


3Dモデルをアニメーションさせることも可能で、以下の例はロケットをタッチすると上空に飛んでいきます。そして「リセットボタン」をタッチすると元に戻るという例です。


【ロケット発射の例】

コチラのリンクから実際に体験できます)


他にも、音源を再生したりゲームのようなインタラクティブなアプリを開発したりなど、アイデア次第で可能性は無限大と言えるでしょう。

■「Patches」の使い方

それでは、実際に「Patches」を使いながらどのようなサービスなのかを見ていきましょう!

まず最初に、サイトのトップページから「Sign up」ボタンをクリックして無料のユーザー登録を済ませましょう。
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「ユーザー名」「メールアドレス」「パスワード」を設定するだけで、すぐに登録が完了します。
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すると、VR開発ができる「製作エディタ」が表示されます!
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あとは、この画面上でインタラクティブなオブジェクトの設置や「パッチ」をつなげてロジックを組み立てていくだけで自由にVR開発ができます!

また、同時に自分専用のマイページも作成されており、作品をポートフォリオのように公開することも可能です。

インタラクティブな360度写真を作ってみよう!

ここからは、「Pathces」を使って実際に簡単な作品を作りながら基本的な使い方を見ていきましょう。

そこで、冒頭で紹介したような360度写真の中に「ポップアップ」を表示させるインタラクティブなVRアプリを作りたいと思います。


まず最初にエディタの使い方ですが、キーボードの「タブ」キーを押すたびに「Buildモード」と「Programモード」が切り替えられることを覚えておきましょう。
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「Buildモード」は3Dモデルなどのオブジェクトを空間内に配置するモードで、「Programモード」がパッチをつなげて基本的なロジックを組み立てるモードになります。

また、画面左側にあるメニューはすべての「パッチ」が選択できるようにカテゴライズされており、ここから必要な機能を持ったパッチをドラッグして使うことになります。


画面下にある「VR視点モード」に切り替えると、ブラウザで表示された時にどのように見えるかを確認することができます。
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「Buildモード」では、マウスをドラッグすると画面の視点を変更でき、右クリックで並行移動などができます。

基本的な操作としてはこのくらいなので、誰でもすぐに扱えるようになるはずです!


それでは「360度写真」を表示させてみましょう。

まず最初に、デフォルトで表示されている左側のパッチをすべて削除します。
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画面が「真っ黒」になりますが問題ありません。


次に、画面左側の「パッチメニュー」にある検索窓から「360」と入力します。
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すると、「360 photo」というパッチが見つかるのでクリック(ドラッグでも可)しましょう!


このパッチの端をマウスでドラッグしながら「Scene1」というパッチの「0番」と接続します。
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たったこれだけで、360度写真が背景に合成されます。
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「VR視点モード」に切り替えて、マウスでグリグリ動かしながらどのように動作するのかチェックしてみましょう。
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当然ですが、自分で撮影した「360度写真」を利用することも可能です。

その場合は「Texture」パッチのアイコンをクリックすることで、写真をアップロードすることができます。
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ちなみに、360度を撮影できるカメラを持っていない方でも「Googleストリートビュー」のアプリを使うことで、スマホのカメラだけを使って360度写真を撮影できるのでオススメです!

iPhoneGogoleストリートビュー

AndroidGoogleストリートビュー

■「ポップアップ表示」を組み込んでみよう!

今度は、360度写真の中にポップアップを表示できる機能を組み込んでみましょう。

パッチメニューから、「HOTSPOTS」→「Hotspot」というパッチをクリックします。
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先ほどと同じように「Hotspot」パッチを1番に接続します。
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そして、パッチの「編集アイコン」をクリックしましょう。
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すると、「Hotspot」パッチの中に別のロジックが組み立てられているのが分かります。
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パッと見ると複雑そうな感じですが、変更するのは左側にある「Pop-up-card」と書かれたパッチだけです。

このパッチは、ポップアップ表示される画像を指定する機能になります。編集アイコンをクリックして自分の好きな画像を選んでみましょう。!


今回は、サンプルなので以下のような画像にしました。
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画像の設定が終わったら、「Buildモード」に切り替えてオブジェクトの位置を中心に近づけておきましょう。
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中心に近いほど、VR視点になった時に近くで見ることができます。

■作品を公開してみよう!

ある程度、作品ができたら「公開」をしてみましょう。

方法は簡単で、画面上にある「Publish(書き出し)」ボタンをクリックするだけです。
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「作品名」を入力して「Public(公開)」か「Private(非公開)」を選択したら、「Publish」ボタンをクリックして完了です!
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今回のサンプルは以下のような感じで動作します!
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また、公開用のURLをシェアしたり「埋め込みコード」を利用してブログやサイトに貼り付けることも可能なのでぜひ試してみてください。

■3Dモデルをアニメーションさせる!

「Patches」には、数多くの3Dモデルがあらかじめ用意されているので、これを使ってアニメーションを作成してみましょう!

パッチメニューから「OBJECTS:ANIMALS」→「Eagle」を選択して鷹の3Dモデルを表示してみます。
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(他にも、キャラクター・街並み・ビル・家具など多数の3Dモデルがあります…)


「Eagle」のパッチを4番に接続します。
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そして「Buildモード」に切り替えると、見事に3Dモデルが表示されていますね!
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このモデルはすでに羽を動かすアニメーションが搭載されているのですが、指でタッチすると大空に飛んでいくアニメーションを追加してみたいと思います。


そこで、「球体」をタッチするとアニメーションが実行されるようにしたいので、「Sphere」を追加しておきます。
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あとは、これまで通りに「Eagle」パッチの編集アイコンをクリックして中身のロジックを組み立てていきます!
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簡単な繰り返しアニメーションを作る方法として、「Toggle Sine Animation」というパッチが用意されているので検索して選択しましょう。
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「X Y Z」方向の座標を出力する「XYZ to Vector」パッチも追加して、それぞれを接続していきます。
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今回は「Y方向」「Z方向」だけを接続し、最後に「position」の箇所へ接続すればOKです!


オプションとして、「Min」「Max」パッチが用意されているので「Max」の値を変更して3Dモデルが飛び上がる高さを大きくしておきます。
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最後に、球体をタッチしたらアニメーションが実行されるようにしたいので、「Sphere」モデルを指定しておきましょう!
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あとは、「Publish」ボタンをクリックして公開すると以下のようになります!
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「球体」をタッチすると大空へ飛び上がるアニメーションが実行されるのが分かりますね。


このように、簡単なアニメーションを作成できるパッチが数多く用意されているので、上手く組み合わせることで自由自在に3Dモデルを動かすことが可能です。

ちなみに、3Dモデルは別のソフトウェアで作成したものを読み込むことも出来るし、Googleが公開している「Poly」から好きなモデルを利用することも可能なので便利ですよ!

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■まとめ

今回は、WebVRアプリを簡単に開発できる「Patches」について駆け足でご紹介しました!

VR空間に音源を追加したり、パーティクルエンジンを利用したエフェクトや移動モーションを追加するなど、まだまだ紹介できていない機能がたくさんありますが今回ご紹介した基本的な機能だけでも十分に楽しめると思います。

ぜひ、みなさんもオリジナルのVRアプリを開発して友人・知人とシェアして遊んでみてください!


<参考>





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paizaのスキルチェック

会社に「安定」を求めるエンジニアの将来が危険な3つの理由

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Photo by Mark Hawkins
f:id:paiza:20140916135428p:plainこんにちは。谷口です。

最近、どことは言えませんが会社(IT系ではない)が倒産してしまった友人に会ってきました。

友人は「自分の会社は大丈夫だと思ってたのに、急に経営が傾いてしまった」と言っていましたが、paizaに登録しているエンジニアでも、同じように「大企業だから安定していると思って入社したのに、急に会社が傾き出した」「自分の会社だけは大丈夫だと思っていたので、転職なんか考えたこともなかった」と言う方はいらっしゃいます。

「うちの会社は大丈夫」「大手だから大丈夫」と無意識に思い込んでいる人は結構多いようですが、よく考えてみるとこの「大丈夫」には何の根拠もありませんよね。今や大手の家電メーカーでも簡単に傾きますし…いろいろな会社が急に倒産したり記者会見したりしています。

永続的な安定が保障されている会社なんてこの世に存在しないのに、なぜ「自分だけは大丈夫」だと思ってしまうのでしょうか?そして、エンジニアにとっての本当の安定って、どんな状態のことなんでしょうか?今回はこれについて考えてみます。

【目次】

■なぜみんな「自分だけは大丈夫」と思うのか?

社会心理学などに、「多数派(集団)同調バイアス」という用語があります。簡単に言うと、都合の悪い情報や危険を察知しても、周りが動いていないと「みんながそうしているから大丈夫」ととらえてしまう心理状態です。

1950年代に、心理学者ソロモン・アッシュが同調に関する興味深い研究を発表をしていました。

指示通りのカードを選ばせる簡単な問題を出題して、周りの人たち(※あらかじめ仕込まれたサクラ)が明らかに間違ったカードを選んでいた場合、被験者はどのカードを選ぶのか?という実験をしたところ、被験者の75%は少なくとも一度以上は周りのサクラの回答、つまり明らかに間違っているカードを選んだそうです。集団の力というのは、個人を同調させるにはかなり効果がありますね。

もちろん、それで集団全体がよい方向に進める場合ならよいのですが、前述の実験みたいに、正誤や問題察知よりも同調の方が強く働いてしまうと、危険なケースも多々あるかと思います。

自分の都合に悪い情報や危険な気配を察知しても、自社にいる周囲の人たちだけを判断基準にして

  • 周りに転職経験のある人なんかいないし、転職なんか考えなくて大丈夫。転職してわざわざレールを外れるのはよくないことだ。
  • 上司や先輩が「ここでやっていけないならどこに行っても同じ」「○年は続けないとどこも採用してくれない」と言っているから、きっとそうなんだろう。
  • みんなが言うにはこの会社は安定しているらしいから、ずっとここにいれば大丈夫でしょう。

といったことを、無意識に思い込んでいる人たちは、多数派同調バイアスに近い心理状態かと思います。

社外の情報も入ってこない状況で、何の保証もないのに「社内はみんな同じ状態だから」というだけで安心していると、身近に危険が迫ってきたときに気付けないかもしれません。

■外の世界を知らないエンジニアが危険な理由

◆自社に不満や不都合があっても辞めづらくなってしまう

「今の会社に何の不満もないから、このままここで働き続けたい!」という人ならよいかもしれません。が、「100%希望通りの仕事ができているので、何の問題も不満もない!」なんて人、ほとんどいないのではないでしょうか。

それに、もし今の仕事に不満がなかったとしても、それが未来永劫変わらないかというと、そんなはずありませんよね。この先、会社の都合で担当プロジェクトや配属先が変わるかもしれないし、それによって労働環境や待遇も変わるかもしれません。

自分の会社に大きな不満があったり、労働環境が劣悪だったりしても、「ここ以外にもいろいろな企業がある」という情報を知らないと、「別の会社へ行く」という選択肢が出てきません。「ただ耐え忍ぶ」一択になってしまいます。

同じ会社の仲間だけを見て「みんなもやってるから」とか、転職活動もした経験ないのに「どこへ行っても一緒だから」と思って耐え続けると、いずれは追い詰められてしまいます。(なぜか転職経験のない人ほど「どこに行っても一緒」って言いますよね)

もちろん仕事をしていれば、課題や壁にぶつかることは多々あります。ただ、自分で解決できない会社への不満や劣悪な労働環境は、耐え続けて潰れてしまうより、とっとと自分に合う企業を探して移ったほうが効率的ではないでしょうか。

◆現職が傾いたら自分も一緒に傾いてしまう

転職に対して「新たに仕事を覚えなければならない」「人間関係を一から築かなければならない」ことを不安に思う人もいるかもしれません。ただ、それは最初にちょっと面倒なだけで、リスクとは異なります。そんなの会社内の人事異動でも多かれ少なかれ起こりますよね。

逆に、同じ場所で同じ仕事を続けていくのは楽ですが、異動もなく同じポジションにとどまり続けると、どうしてもスキルは広がりにくくなります。成長速度も鈍化していき、年齢相応に求められるスキルを身につけるのが難しくなっていきます。

ほとんどの人は何となく「今の仕事がこのままずっと続く」と思って働いていますが、そんな保障はどこにもありません。前の項目でも書いたように、会社の経営が傾いたり、会社都合で担当プロジェクトや配属先、労働環境などが変更になったりして、「希望する仕事じゃなくなってしまった…」といったケースもあり特ます。

そうなってから初めて自分のキャリアについて考えたり転職活動を始めたりしても、社外で通用するスキルを身につけてこれなかった人は大変です。今の会社に居続けるか、どうしても転職したいなら給与レンジを下げるしかない…という結末にもなりかねません。

◆自分のレベル感や市場価値を意識しないまま年齢を重ねてしまうと転職しにくくなる

年齢が上がったら転職できなくなる、というわけではありません。ただ、「年齢に応じて求められる要求が上がる」ために転職が難しくなってしまうケースはあり得ます。

ある程度の年齢を過ぎて一社しか経験のない人に対しては、面接官も「この人、今から新しい変化に対応できるのかな?」と不安を感じます。必ずと言っていいほど「今まで転職しようとは思わなかったのか?」「なぜあえて今から転職したいのか?」と突っ込まれます。

加えて、自分のレベル感や市場価値を正確に知らないまま年齢を重ねてしまうのも、転職の難易度を上げてしまいます。

たとえば、急に「40歳から違う分野に転職したいです!」と言い出した人に、「では、現在その分野で働いている40歳ぐらいの人たちはどんなスキルを持っていると思いますか?企業ではどんな人材が求められていると思いますか?」と聞くと、うまく答えられないというか「考えたこともなかった」と言う人がほとんどです。(給与レンジがものすごく下がってもいい覚悟があれば何とかなるかもしれませんが…)

年齢が上がって初めて「外の企業が求めるレベル感」と「自分のレベル」の相違を知っても、すぐにその差を埋めるのは難しいかと思います。

■エンジニアにとっての「本当の安定」とは何なのか?

安定を求めて企業に就職したはずなのに、今のご時世じゃそうでもないらしい…。自分の会社が傾いてきたら、どうしたらいいの?もっと安定している会社に移ればいいの?それはどの会社なの?

…と言いたくなるかもしれませんが、「エンジニアにとっての本当の安定」とは、会社に求めるものではなく、「常に別の企業にも入れるレベルの開発スキル」を持っておくことなのだと思います。

「シンプルプログラマー」の設立者であるジョン・ソンメズは、著書『SOFT SKILLS』において、「ほとんどのソフトウェア開発者は会社に属しているものの、私たちのスキルや取引は私たちのものであり、いつでもどこか別の場所に店を出すことができる」としたうえで、以下のように語っています。

ソフトウェア開発というあなたの事業の顧客として、雇用主を考えた方がいい。確かに、あなたの顧客は1件しかなく、あなたの収益はすべてその1件の顧客によるものかもしれない。しかし、あなたと会社の関係をこのように捉えると、あなたは会社に依存する力のない存在から自律的で自由な存在に変わる。
(中略)
事業として提供しているものについてこのように考えるだけで、自分のキャリアに対する見方に深い影響が及ぶ。事業者は、絶えず自分の製品を改定し、改良している。あなたもそうでなければならない。あなたがソフトウェア開発者として提供するサービスには、明らかな価値がある。そして、あなたは、その価値がどのようなものかということだけでなく、ゴマンといるそこらのソフトウェア開発者とあなたの価値がどのように違うのかということも伝えられなければならない。
(ジョン・ソンメズ著・長尾高広訳『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル』日経BP,2016年,p.9)

ITエンジニアは、その開発スキルを企業(『SOFT SKILLS』で言うところの「顧客」)に提供し、対価を得る仕事です。本当に開発スキルのある人であれば、一つの顧客に依存し、そこが傾けば自分の人生も一緒に傾いてしまうなんてことはあり得ません。

例えば「一ヶ月後にうちの会社は潰れます」と通達があったとしましょう。慌てて転職活動の準備を始めたり、不安になったりする人はエンジニアとして安定しているとは言えませんよね。

ソフトウェア開発というサービスを提供できるスキルがあれば、次の顧客はすぐに見つかります。「じゃあ次の会社に行くわ」と言って、自分の条件に合った企業をピックアップし、面接を受け、次の行き先がすぐに決まる(しかも行き先を複数社から選べる)のが、本当に安定しているエンジニアの姿ではないでしょうか。

そのためにはやはり、「自分だけは大丈夫」「この会社なら大丈夫」などと根拠のない同調に流されるのではなく、「自分だけは大丈夫じゃないかもしれない」ぐらいの気持ちで

  • ほかの企業でどんな開発スキルが求められているのか
  • それに対して今の自分はどれぐらいのレベル感なのか

を把握しておくこと、それをもとに他社でも通用するレベルのスキルを身につけておくことが重要なのだと思います。

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル

■まとめ

というわけで、エンジニアにとっての本当の安定について考えてみました。

勘違いしないでいただきたいのは、転職さえすればよいというものではありません。むしろ考えなしの転職は「後からこんなはずじゃなかった…」となりやすいので…。

ただ、今すぐ転職する・しないにかかわらず、日ごろから社内だけでなく社外の情報にも触れておくこと、そして自分のスキルの提供先を、自分で選べるようにしておくのが重要なのだと思います。




paiza転職は、転職時のミスマッチをなくし、エンジニアがより技術面にフォーカスしたやりがいある仕事を探せる転職サービスです。プログラミングスキルチェック(コーディングのテスト)を受けて、スコアが一定基準を超えれば、書類選考なしで複数の会社へ応募ができます。

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