一般的に、肉体的にも精神的にもタフな仕事のイメージがあるエンジニア。特にメンタル面の管理で苦労されている人を多く見かけます。スキルアップだけでなく、健康維持もエンジニアを続けるために不可欠なポイントです。
この連載は「すべてうまくいく:エンジニアを続けていくための心得」と題して、元エンジニアで現在はライターの加山恵美さんが、自らの経験や数多くのエンジニアへの取材経験をもとに、健康で充実した日々を送るためのヒントをお伝えしていきます。仕事に疲れたときやキャリアに迷ったときに、ちょっと一息入れるつもりで読んでみてください。(バックナンバーはこちらから)
第9回は、「目標との向き合い方」について。自分の願いや野望を実現するためには、目標ときちんと向き合うことが必要です。次々と困難を打ち破り目標を達成していく人がいる一方で、強く願っていて環境にも恵まれているのに、なかなか実現しない人もいます。彼らを分けているのは何なのでしょうか。ここでは、目標達成を妨げる内的な要因について考えてみましょう。
こんにちは、ライターの加山恵美です。
突然ですが、あなたにはかなえたいことはありますか?「エンジニアとしてスペシャリストになりたい」「コンサルタントになりたい」「起業したい」「フルマラソンを完走したい」「持病を治したい」「結婚したい」「家を持ちたい」…それぞれ、いろんな目標があるのではないでしょうか。
その目標を実現するには何らかの行動に移す必要があります。加えて願うこと、意識することも大事です。「それは自分にふさわしい」と自信を持ち、確信することです。こうした意識は実現の後押しになります。さらに「それが当然である」と思えるほど確信できればしめたものです。自動運転の車で目的地をセットしたようなものです。
逆に強く願っているのに実現しないときは、心の奥で抵抗している場合があります。「どうせできない」、「そんなの許されない」、「実現したらろくでもないことが起きる」などと自分の願いを否定する自分も抱えてしまうのです。そうしたブロックが外れて「自分はできる」と確信できるようになれば、スムーズに物事は動いていきます。
自分のかなえたいことを実現するためにはしっかりと意識することが重要です。意識するときには、いくつかのコツがあります。
1.リラックスした状態で
前に交感神経と副交感神経の話をしました。緊張している時が交感神経優位の状態です。荒野でライオンと鹿が出会ったときのように、やるかやられるかで余裕がありません。逆にリラックスしている時が副交感神経優位の状態です。部屋の外で鳴いている虫の声が聞こえるなど、余裕があります。
中長期的な視野で自分の意識と向き合うときはリラックスすることです。テンパっていては余裕がないので、自分の意識に何かを伝えようとしても伝わりません。何かを願うときは落ち着いた状態で行うことです。試合前の重要な時でも一度リラックスすると、本番で集中力が高まり的確な判断ができます。
2.肯定文で
何かを願う時、ありがちなのが否定文です。例えば「失敗しませんように」。ここでは「失敗」という言葉に強く意識が向きます。失敗を避けたいのに失敗を強く意識すると、失敗を招きやすいのです。強くイメージすることは実現してしまいます。
初めて自転車に乗った時、目の前に誰かがいて「ぶつからないで」と願っているのに自然と体が引き寄せられてしまうのを経験したことはありませんか。「ぶつからないで」が「ぶつかってしまう」になるのです。
実現したいことを意識するときは肯定文にしましょう。「失敗しませんように」ではなく「成功する」に。「ぶつからないで」ではなく「うまく避けられる」に。誰かに何かを指示する時も肯定文にするとよく伝わります。特に子どもにはいいです。
3.現在形にする
実現のタイミングを将来に設定していると、いつまでも実現しません。「いつかリーダーになれますように」では「今」はその時ではないので、心は待機モードになってしまいます。ですので「リーダーになる」と現在形で言いましょう。「いま実現する道を歩んでいる」と現在形で意識することが大事です。
実現したいことはリラックスした状態で、肯定文で、現在形で意識しましょう。実現したシーンを具体的に想像してみてください。「それが自分にとって当然だ」と自信と確信を持てるようになれば、障壁を乗り越える力が高まり実現に近づきます。
もちろん、目標はそれぞれ実現への難易度が違いますし、意識を変えたからすべてがすぐに実現できるというものではありません。意識するだけでなく、日々の勉強や経験を重ねることで近づいていくものです。
ただ、努力をしているにもかかわらず、なかなか目標に近づいている実感がないと思う人は、少し自分の考え方を変えてみることで、実現へのスピードを高められるかもしれません。特にエンジニアは、技術的な部分で明確なゴールがない仕事ですから、目標次第では果てしない旅を続けることになりがちです。自分で自分を追い込みすぎないためにも、目標とはいい形で向き合い、お付き合いできるようになってください。(つづく)
著者プロフィール
加山恵美
フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関の子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。
Twitter:@emiekayama
site:http://emiekayama.net
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