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転職面接の最後に合否を左右する、よい逆質問・悪い逆質問のパターン

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Photo by Maryland GovPics
f:id:paiza:20140916135428p:plainこんにちは。谷口です。

最近、企業の中途採用担当者の方に応募者の落選理由を聞くと「面接の逆質問で聞かれた内容でミスマッチを感じて落とした」と言われたことがありました。

面接では、つい「何を答えるか」ばかりに気をとられがちですが、実は逆質問で「何を聞かれたか」も、評価の対象になっています。

実際に「逆質問についてきちんと考えていなかったせいでマイナス評価につながってしまった……」という事例や、落選して後悔している応募者は少なくありません。

転職希望者の中には「逆質問タイムなんて面接終了後のおまけじゃないの?」と軽視してしまっている方も多いですが、実はおまけどころか、応募者の評価を左右する重要な時間なのです

今回は、採用企業は逆質問をどう見ているのか?逆質問で聞くとよい例・よくない例や、逆質問の考え方についてお話ししたいと思います。

「逆質問で何を聞いたらいいかわからない」「今まで逆質問を軽視していた……」といった方の参考になればと思います。

■意外と知らない逆質問の大切さ

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Photo by Eric
まず、逆質問は応募者と企業の双方にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?

◆応募者のメリット

◇入社後のミスマッチを防げる

入社後のミスマッチは、会社選びで重視すべき点に関する情報収集が不十分だったり、勝手なイメージだけで解釈したりして、情報不足のまま入社を決めてしまうことで起こります。

これを防ぐには、面接時に企業のWebサイトや求人票だけではわからない情報をしっかり質問しておく必要があります。

逆質問で気になる項目をきちんと聞けて、その上で「思っていたのと違った……」と感じたら、その時点で選考を受け続けるかどうか考え直してもよいのです。むしろ入社してからミスマッチに悩むより、選考段階で見極められた方が、企業と応募者の双方にとって有益です。

◇逆質問で面接内容の挽回やアピールができる

逆質問の時間も面接に含まれているわけですから、逆質問の内容によって評価がプラスになったりマイナスになったりするケースは充分にあり得ます

転職活動では、例えば「応募先のようなB2Cサービスの開発経験はない…」「求人票にメイン言語って書いてあったRubyは業務で使ったことない…」といった感じで、応募先の業務についでの知識や経験が充分でない場合も多いでしょう。不足がある点は、企業側にも「この人、B2Cの経験ないみたいだけど、ちゃんとユーザーのことを考えてサービスを作れるかな?」と懸念されても仕方ありません。

ただ、不足がある点に対しても、「よく調べた上で仕事のイメージができている」と伝わる逆質問ができれば、その懸念を払拭できる可能性は高いです。

実際に、自社サービスを開発している企業の面接で「技術的には少し未熟ですね」とフィードバックを受けていた応募者が、次の面接でサービスやユーザーについて深く調べた上での逆質問をしたおかげで、「既にうちのサービスについてこれだけ考えてくれているのであれば、多少技術が未熟でも早くキャッチアップしてくれそうだから通過させよう」とよい評価につながった事例もあります。

◆企業側のメリット

◇応募者の興味や知識、志望度をより深く知れる

面接官は、逆質問に入ったからといって選考スイッチを切るわけではありません。

面接官にとっての逆質問タイムは、「この応募者が何に興味を持ち、何を重視しているか」を知るための貴重な時間です。

前述のとおり、面接官が逆質問を通して応募者の評価を上げるケースは少なくありません。その一方で、例えば終始待遇についての質問ばかりで事業や業務に関わる質問が全くない応募者に対し、「技術的には申し分ないと思っていたけど、うちのサービスやユーザーについては全然興味がなさそうだからちょっと心配だな」と評価を下げることもよくあります。

また、「特にないです」と言われた応募者に対しては「うちの会社に興味ないんだな」「志望度が低いんだろうな」と感じてしまう面接官が多いでしょう。

■プラスの逆質問

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Photo by Asheesh Laroia

◆入社後に自分が求められる役割についての質問

【例】

御社のサービスは運用が始まったばかりだと思いますが、私が開発チームに入った場合はどういった役割を求められるのでしょうか?

私はRubyを使ったWebサービスの開発経験がないため現在公式のチュートリアル等で勉強しているのですが、御社で開発をするために、他にも勉強しておくべきことはありますか?

「入社後に自分がどんな役割を求められるか」は、企業選びの判断基準として聞いておくとよい質問です。

「そんなこと求人票に書いてあるし」と思われるかもしれませんが、求人票には「〇〇言語を使ったWebアプリの開発エンジニア」程度しか書いてない場合もあります。より詳しく聞いてみましょう。

エンジニアにも企画から関わってほしい、安定的に運用できる人がほしい、企画は別の人間が考えるからコーディングを中心にやってほしい、早い段階でリーダー的なポジションを担ってほしい、この技術に特化したスペシャリストがほしい、ゼネラリストがほしい……など、同じエンジニア職でも、企業や開発チームによって求められる役割は意外と異なるものです。こうした質問をしておけば、入社時のイメージをより明確にできます。

その上で「新サービスの立ち上げから携わりたいから、老舗サービスの運用を求められる企業はちょっと違うかもな……」「企画にも携わりたいから、企画部と開発部が分かれていてコーディングだけを求められるのは嫌かもしれない……」といった感じで、自分の中で企業を選ぶ判断材料にもできます

◆プロダクトやユーザーへの興味が感じられる質問

【例】

こちらのアプリはメインターゲットが主婦の方ということで、隙間時間で使用しているユーザーが多いかと思うのですが、長時間滞在してもらうために何か工夫されていることはあるのでしょうか?

御社のサービスを友人にも使ってもらって感想を聞いたところ「〇〇機能が使いにくい」という意見が多く、私もそう感じました。開発チームでは、今後のこの機能の運用や改修についてはどうお考えですか?

御社の〇〇サービスの競合は、××社の△△サービスだと考えておりますが、他社とはどのような差別化をされているのですか?

志望度が高い企業の場合、既に基本的なサービス内容やユーザーについては、ある程度調べもついているかと思います。その場合はさらに一歩踏み込んで、「このサービスの課題ってこういうところにあるのでは?」「ユーザーは何を考えてこのサービスを使っているのだろう?」と、自分が既に開発チームの一員になったぐらいのイメージで考えてみるとよいでしょう。

うちのサービスやユーザーについてよく考えて調査できているんだな」と思われる質問ができれば、プラスに評価してもらえる可能性も高まります。

■マイナスの逆質問

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Photo by Asheesh Laroia

◆技術志向な質問ばかりをする

【例】

Railsで開発したくて御社を志望しているのですが、開発環境はRailsから変わる予定はないですよね?

もちろんエンジニアですから、応募先の技術について気になる点はたくさんあるかと思いますし、質問すること自体はよいのです。

ただ、一つの業務や開発環境等にこだわりすぎた質問ばかりをして、肝心のサービスやユーザーに関する質問がない応募者は、その時点で評価が下がってしまうケースがよくあります。

多くの企業は何らかの目的や課題感があり、それを達成するためにサービスを開発して提供しています。上記の質問を例にとると、別にRailsで開発することが企業の目的なわけではありません。また今はRailsを使っているとしても、今後も使い続けるとは限りません

どうしても「これができる企業にしか入社したくない!」と強いこだわりがある場合は仕方ありませんし、それが叶わない企業からは落としてもらった方がいい場合もあるでしょう。

ただ、「サービスには興味ないんだろうな」「開発環境が変わったらまた転職するのかな」と思われてしまう可能性もありますし、自分のこだわりや思想が強すぎる人は、他の部分でも柔軟性がなくてトラブルを起こしそう……と懸念される場合も多いです。技術的な質問ばかりにならないよう、サービスやプロダクトに関する質問も考えて用意しておいた方がよいでしょう。

◆面接官の立場に合わない質問

【例】

(役員に対して)フロントエンドの開発チームは一日何回ぐらいデプロイしていますか?テストツールは何を使用していますか?私が開発チームに入ったら〇〇サービスの××機能の改修を担当したいのですが可能でしょうか?

(開発チームのエンジニアに対して)求人票に掲載されていた待遇に関して質問があるのですが……

選考段階によって面接官を変える企業がほとんどかと思いますが、面接官の立場に合った質問をするよう気をつけましょう。その人の立場にそぐわない質問は、そもそも聞かれてもわからないことが多いです。

また、例えば一次・二次で人事担当者や現場のエンジニアによる面接を経て役員面接に進むプロセスだった場合に、最終面接で現場レベルの細かい技術や業務について聞くと「それはもっと前の段階で聞いておいてよ!」「何で一次・二次でエンジニアに聞いておかなかったの?」と思われ、印象を悪くしかねません。適切な相手に適切な質問をしましょう。

◆ざっくりした質問・答えがイエスノーだけで終わる質問・サイトや求人票を見ればわかる質問

【例】

御社の雰囲気は全体的にどんな感じですか?

御社の〇〇サービスって何ができるサービスなんですか?

質問が思いつかないからといって、ざっくりしすぎな質問やちょっと調べればわかる質問など、「それを聞いてどうするんだ」「うちの仕事について何も調べずに応募してきたんだな」と思われそうな質問はやめましょう。特にちょっとネットで検索したり求人票を見たりすればわかることを聞くのは問題外です。

ざっくりした質問は、例えば開発チームの雰囲気が知りたいのであれば、「募集していらっしゃる〇〇サービスのフロントエンド開発チームのメンバーにはどのような方がいらっしゃいますか?バックエンドの開発チームや営業部の方々とはどんな感じでやりとりをしていますか?」といった感じで、もう少し具体的なところにフォーカスした質問に落とし込めないか考えてみるとよいでしょう。

◆給与や残業時間について

【例】

前職が激務で体調を崩したのでなるべく残業したくないんですけど、開発チームの残業時間ってどれくらいですか?

前職での給与は年間〇〇万円ほどで、今回の転職で××万円にアップさせたいと思っているのですが可能でしょうか?

待遇や残業時間等は気になりますが、聞き方に気を遣うデリケートな項目です。逆質問がこういった質問だけで終わってしまうと、「業務について聞きたいことはないんかい」「いやそりゃ忙しいときは残業あるよ…」と思われてしまうケースも多いです。

paizaの場合、選考通過のご連絡や調整に関してはpaiza運営事務局が間に入りますから、待遇や労働環境に関するご質問は事務局の担当者にご相談いただくとよいでしょう。聞きづらい質問や交渉も間に立って聞いてもらえます。

面接で聞かざるを得ない場合は「エンジニアの評価制度はどうなっていますか?また、御社で評価されているエンジニアはどのような方ですか?」「御社の〇〇サービスは最近とても人気があるので、開発チームの方々は大変お忙しいと思いますが、毎月平均どれくらい残業されているのでしょうか?」といった質問の仕方がよいかと思います。

「私は前職では毎月平均○時間ほど残業し、○日ほど休日出勤をしておりました。」など、自分が前職でどうだったかを前置きした上で、応募先の社員のモデルケースをあげてもらうのもよいですね。

勤務時間については、前述の「その企業で実際に働いているエンジニアの仕事のフロー、プロジェクトの動き」を知るとイメージがわきやすくなります。「皆さんがどんな働き方をされているのか、一日の平均タイムスケジュールを教えてください」といった聞き方をするとよいでしょう。

■逆質問が思いつかないときの考え方

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Photo by Creative Ignition
逆質問に限らず、会社説明や求人票・Webサイト等の情報を含めると、応募先に対して知りたい情報は主に事業・仕事・人・待遇の4ジャンルにわかれるかと思います。

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この中から、自分が今回の転職で重視したいポイントがどこに当たるかを明らかにして、聞くべき部分を重点的に考える必要があります。また、なかなか逆質問を思いつけない人は、まずは事業や業務の枠から興味のわくことを探して質問に落とし込んでいくのがよいでしょう。

◆転職で失敗しないために

注意すべきは「前職からの退職理由や転職によって叶えたい目的は人によって全く異なる」ということです。

開発環境、作りたいサービス、ポジション、やりがい、一緒に働く人、今後のキャリア、給与等々……求めるものや重視したいものは人によって違うので、必ず自分で、自分と向き合って考える行為が必要になります。

例えば、本来は仕事内容やキャリアアップを重視すべきだったのに、つい給与の良さや残業時間、ブランド力にひかれた企業に入社してしまった人が、仕事を始めた途端に後悔する……というのもよくあるケースです。

その転職によって実現すべきだった目的ができていないと、転職先に対して不満が募る結果になってしまいます。

これを防ぐために、やはり逆質問で聞けることをしっかり聞いた上で、企業選びの判断軸に加えていくが重要だと思います。

■まとめ

志望度の高い応募先の選考をスムーズに通過するためにも、入社後のミスマッチを防止するためにも、逆質問はとても重要なものです。

そのためには応募者も、「入社できたらどこでもいい」ではなく「自分も企業を選ぶ立場にいる」という気持ちを持っておくことが大切なんだと思います。

paizaでは、プログラミング問題を解いて規定のランクを取得している方であれば、必ず応募した企業と面談できますから、逆質問による情報集めや企業の比較もしやすくなっています。

選考後は事務局からフィードバックやアドバイスがあり、エンジニア未経験の方や経験が浅い方も、その後の選考対策を立てるための参考にすることもできます。

■業務未経験者や経験が浅い方のエンジニア転職に特化した「EN:TRY」スタート

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EN:TRYは、エンジニア職未経験者や経験が浅い方をITエンジニアキャリアへ導く転職サービスです。

paiza同様、「EN:TRY」もプログラミング力、コーディング力で転職をする「コーディング転職サイト」です。転職希望者には「プログラミングスキルチェック」を受けていただき、提出していただいたコードをもとにスキルランクを評価します。求人には必要なスキルランクが設定されており、評価がそれを満たしていれば書類選考なしで応募が可能です。

“EN:TRY"




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