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こんにちは。谷口です。
転職経験のあるITエンジニアの皆さんは、現在の職場に満足していますか?
2016年に転職会議が実施した「転職に関する意識調査」によれば、直近の転職の満足度について「成功」と答えた人は約74%、「失敗」と答えた人が26%という結果が出ています。
なんと転職者全体の4人に1人が転職したことを後悔!!転職に失敗してしまう理由とは? - 転職会議レポート
転職後のミスマッチは、企業情報が不足したまま入社を決めてしまうのが原因で起こります。これを防ぐには、面接時に応募者側も、企業のWebサイトや求人票だけでは不足している情報を収集しておく必要があります。
そこで重要なのが、面接の最後に「何か質問はありませんか?」と聞かれる逆質問タイムです。
今回は、転職で失敗しないために、逆質問をするメリットと聞くべき質問例について考えていきます。「逆質問で何を聞いたらいいかわからない」「今まで逆質問を軽視していた」といった方の参考になればと思います。
逆質問をするメリット
入社後のミスマッチを防げる
最初にも言いましたが、転職後のミスマッチは「入社前の情報不足」が一つの要因となっています。
例えば、以下は転職後によくあるミスマッチです。
- 専門分野ではないシステムの業務まで任されることになった。
- 給料は良いが、入社前に思っていたより個人の裁量が小さくやりがいを感じられない。
- 仕事内容と給与額が合っていないと感じる。
- 自社開発がメインだと思っていたのに受託開発がメインだった。
こうしたミスマッチの中には、「面接時の逆質問でしっかり聞いておけば回避できたこと」も多くあります。
当然ですが、逆質問で気になる情報を聞いた上で「自分の希望とは違うな」と感じたら、その時点で「次の選考に進まない」と判断をしてもよいわけです。むしろ入社してからミスマッチに気づくより、選考段階で見極められたほうがお互いにとって有益ですよね。
逆質問で面接の挽回や最後のアピールができる
逆質問の時間も面接に含まれているわけですから、選考の評価に影響を与える可能性は十分あります。
企業に応募をしているものの、「メイン言語を業務で使った経験がない」「同様のサービスを開発した経験がない」など、業務知識や経験が不十分なケースはよくありますよね。この場合、企業側にも「この人、うちの業務みたいな経験がないみたいだけど大丈夫かな?」と思われがちです。
ただ、能力的に多少不足していても「ここで働くイメージができている」と伝わる逆質問ができれば、プラスの評価につながるかもしれません。
実際に「技術的には少し未熟」と思われていた応募者が、次の面接で応募先のサービス内容や技術について深く調べて逆質問をしたおかげで「これだけ興味を持って調べているなら、現時点では多少足りていなくても素早くキャッチアップしてくれそう」と選考通過できた事例もあります。
これを聞こう!面接時の逆質問例
面接の最後に質問を聞かれると、「自分は口下手だし、何を質問したらいいのかわからない…」という人も多いですが、質問事項は事前にメモして持っていくのがおすすめです。
面接中にメモを出してもいいのかためらう人もいますが、質問を事前に考えているということは、それだけ熱意がある印象にもなりますし、マイナス評価になることはありません。「あらかじめお聞きしたい質問をまとめてきましたので、メモを確認させてください」と断れば大丈夫です。
以下が逆質問タイムでの質問例です。もちろんこれらの質問を聞かなければならないわけではなく、企業ごとに自分が重視したい点や調べてもわからなかったことを質問してみてください。
入社後に自分が求められる役割に関する質問
【例】
私が○○サービスの開発チームに入った場合はどのような役割を求められるのでしょうか?
私はRubyを使ったWebサービスの開発経験がないため現在公式のチュートリアル等で勉強しているのですが、ほかにも勉強しておくべきことはありますか?
御社は先日新しいサービスを立ち上げられたので、やはりサービス立ち上げ経験のあるエンジニアを求められているのでしょうか?
御社ではどのようなエンジニアの方が活躍され、評価されていますか?
「入社後に自分がどんな役割を求められるか」は、企業選びの判断基準として聞いておくとよい質問です。
企業や開発チームによって、エンジニアにも企画から関わってほしい、開発だけやってほしい、サービス立ち上げからできる人がほしい、安定運用できる人がほしい、チームリーダーをやってほしい、スペシャリストがほしい、ゼネラリストがほしい…などなど、業務で求められる役割は意外と異なります。
求人票などの情報をもとに、「自分なりに調べた上で、御社の業務ではこんなスキルや経験が必要かと思っているのですが、私の認識は合っていますか?」といった聞き方をしてみるのがよいでしょう。
実際に働いているエンジニアの業務に関する質問
【例】
御社のエンジニアのみなさんは、普段どのような流れで仕事を進められていますか?プロジェクトはどのような流れで進めることが多いですか?
「入社後はどんなふうに働くことになるんだろう?」と具体的にイメージするには、実際に中の人やプロジェクトの実例を聞くのが有効です。
「可能であれば実際にエンジニアの話を聞かせてほしい」とお願いしてみるのもよいでしょう(選考過程でそういった場を設ける企業も増えていますし)。中の人たちと直接話すと、そこで働くイメージもわきやすくなります。
プロダクトやユーザーへの興味が感じられる質問
【例】
御社の○○サービスはこういう人たちがターゲットだと思うのですが、使ってもらうために何か工夫されていることはあるのでしょうか?
○○サービスの△△機能はこういう改善をしたほうが使いやすくなりそうだと感じているのですが、今後のこの機能の運用や改修についてはどうお考えですか?
御社の〇〇サービスの競合は××社の△△サービスだと考えておりますが、他社とはどのような差別化をされているのですか?
志望度が高い企業の場合、事業内容などについては調べがついていることもありますよね。その場合はさらに踏み込んで、「このサービスの課題ってこんなところにあるのでは?」「ユーザーは何を考えてこのサービスを使っているのだろう?」などと開発チームの一員になったつもりで考えてみるとよいでしょう。
「うちのサービスやユーザーについてよく考えて調査できているんだな」と思われる質問ができれば、プラスに評価される可能性も高まります。
マイナスな印象になりやすい質問
こだわりが出すぎる質問
【例】
絶対にPythonで開発したくて御社を志望しているのですが、開発環境はPythonから変わる予定はないですよね?
もちろんエンジニアですから、技術について気になる点はたくさんあるかと思いますし、それが悪いわけではありません。
ただ、ひとつの業務や技術へのこだわりが強く出ている質問ばかりをして、「これができないと嫌だ」もしくは「それ以外はどうでもいい」といった感じになってしまうのはよくありません。
企業は何らかの目的や課題感があり、それを達成するためにサービスを開発して提供しています。上記の質問を例にとると、別にPythonで開発するのが企業の目的なわけではありません。
どうしても「これができる企業にしか入社したくない!」と強いこだわりがある場合は仕方ありませんし、それが叶わない企業は辞退したほうがお互いに有益かもしれません。
ただ、自分のこだわりや思想が強すぎる人は「他の部分でも柔軟性がなくてトラブルを起こしそう」と懸念されるケースが非常に多いです。
これを防ぐには、こだわりの強い質問ばかりにならないよう、キャリアやプロダクトなどに関する質問も考えて用意しておくとよいでしょう。
面接官の立場に合わない質問
【例】
(役員に対して)フロントエンドの開発チームは一日何回ぐらいデプロイしていますか?テストツールは何を使用していますか?
(開発チームのエンジニアに対して)求人票に掲載されていた待遇に関して質問があるのですが。
大前提として、面接官の立場に合った質問をするようにしましょう。その人の立場にそぐわない質問は、そもそも聞かれてもわからないことがほとんどですし、「なんでそれまでの面接官に聞かなかったの?」「ここで聞く質問ではないのでは?」と思われ、印象を悪くしかねません。
ざっくりした質問・答えがイエスノーだけで終わる質問・サイトや求人票を見ればわかる質問
【例】
御社の雰囲気は全体的にどんな感じですか?
御社の〇〇サービスって何をするサービスなんですか?
質問が思いつかないからといって、ざっくりしすぎな質問やちょっと調べればわかる質問など、「それを聞いてどうするんだ」「うちの仕事について何も調べずに応募してきたんだな」と思われそうな質問はやめましょう。(しょうもない質問をするくらいなら、しないほうがましです)
ざっくりした質問は、例えば開発チームの雰囲気が知りたいのであれば、「〇〇サービスのフロントエンド開発チームはどのような方がいらっしゃいますか?バックエンドの開発チームや営業部の方々とはどんな感じでやりとりをしていますか?」といった感じで、もう少し具体的なところにフォーカスした質問に落とし込めないか考えてみましょう。
まとめ
選考をスムーズに通過するためにも、入社後のミスマッチを防ぐためにも、逆質問はとても重要なものです。
面接の場では緊張したり萎縮したりしてしまう事もあるかと思いますが、メモを用意しておけば、質問内容を忘れてしまう事もありません。逆質問で有効な情報を集められれば、自分に合う企業選びに大変役立ちます。
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また、多くの企業がカジュアル面談を実施しているため、逆質問による情報集めや複数企業の比較もしやすくなっています。
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