paiza times

paizaがお届けする、テック・キャリア・マネジメント領域における「今必要な情報」を届けるWebメディア

logo

paizaがお届けする、テック・キャリア・マネジメント領域の「今必要な情報」を届けるWebメディア

エンジニア目指す就活生向け・5分でわかる自社開発と受託開発の違い【業界研究・企業研究】


Photo by Ruiwen Chua
こんにちは、谷口です。

ITエンジニアを目指す就活生の皆さんは、応募する企業をどんな基準で選んでいますか?

そもそも、業界研究・企業研究をして「企業ごとの違い」を理解できていますか?

たとえば「文系出身・プログラミング未経験者でもOK!」という求人と「開発経験や情報系の知識があることが必須・すぐに実務に入ります」という求人では、仕事で求められるスキルや将来的なキャリアパスなどは異なります。

プログラミングができればどこでもいいし、どこに入社しても同じでしょ」という人もいるかと思います。でも、そんな感じであまり考えずに就職先を選んでしまって、入社後に「思ってたのと違う…」と後悔する人や、そのせいで早々に転職を考えるはめになってしまう人が毎年あとを絶ちません。

今回は、そうならないためにIT業界の構造や、業種ごとに求められるスキルや仕事内容の違いなど、企業研究・企業選びに役立つ情報をご説明します。どんな企業に応募するか、どんな仕事を目指すかを考える際の参考になればと思います。

■開発エンジニアを募集している企業の種類とその特徴

今回は自社開発・受託開発の元請け・受託開発の下請けにおける開発部門のエンジニアという分類で説明していきます。

※このほかにも組み込みエンジニアや社内エンジニア、よりニッチな領域を研究開発をしているエンジニアなども含めると分類は非常に多岐に渡ります。
※特に大手企業では、開発部門以外にもインフラエンジニア、ネットワークエンジニア、セールスエンジニアなど職務が細かく分かれる場合もあります。より深く専門性を求められる求人は中途転職経験者の募集が多い傾向にあるため、今回は一般に新卒求人が多く、開発を担当する職種に絞ってご紹介します。

■自社開発

自社製品であるサービスやアプリケーション、ゲームやパッケージソフトなどを開発している企業です。B2B・B2C問わず多種多様なプロダクトがあります。

◆作るもの

  • Webサービス
  • スマホアプリ
  • パッケージソフト

など…

◆大手の自社開発企業

たとえば楽天、メルカリ、サイバーエージェントなどといった企業がこれに当たります。大手の中には情報系の知識がない人向けの育成枠を設けている企業もありますが、ほとんどの場合、開発エンジニアとしての即戦力が求められます。

◇メリット

  • 比較的自由な社風(私服通勤、裁量労働制、イヤホンOKなど)の企業が多い
  • ユーザー数が多い有名サービスやアプリなどの開発に携われる
  • 比較的新しい技術を使う企業が多い
  • 研修や福利厚生、昇給制度などがしっかりしている企業が多い

◇デメリット

  • 開発部門の人数が多いと、仕事が細かく分業されて、裁量が少ない場合もある

◇大手の自社開発企業で求められる資質

  • 開発スキル・情報系の知識(育成枠の場合も、採用時に論理的思考ができるか・地頭のよさなどが重視されます)
  • 新しい技術を追っていける感度(技術やモノ作りが好きであること)
  • 課題解決力(課題を見つける・対策を考える・対策を実施する)

 

◆小規模のスタートアップ自社開発企業

自社サービス開発企業と言われると前述のような有名サービスを提供している企業が思い浮かぶと思いますが、まだ数人~数十人規模の小規模スタートアップ企業も多くあります。paizaを開発している当社もこちらにあたります。

小規模な企業の場合、かつては経験のある中途転職者の募集が中心でしたが、最近は「ある程度の知識やスキルがある人なら新卒も採用したい」というところもかなり増えています。

◇メリット

  • 大手と同様に比較的自由な社風の企業、新しい技術を採用している企業が多い
  • 幅広く裁量の大きい仕事に携われる
  • 意見が反映されやすく自分事として仕事に取り組める

大手に比べると人数が少ないぶん、企画や分析にも携われるなど、サービスの企画・開発・運営に関するさまざまな業務に幅広く携われるのが魅力かと思います。

◇デメリット

  • 安定性には欠ける
  • やりたいことだけに集中するのは難しい可能性がある
  • 新しい企業だと研修や会社の制度が整っていない場合もある

すでに「大企業なら絶対安定!」という世の中でもないですが、やはり小規模なスタートアップのほうが安定性には劣ります。また、これまでになかった新しいサービスを作って、軌道に乗せるのは、夢がある反面かなり大変な仕事です。

加えて、これはメリットともデメリットともなるポイントですが、明確なキャリアパスが用意されているわけではないため、将来的に自分でどんな方向に進むのか(例えば開発チームをまとめるリーダーポジションを目指すとか、そうではなく専門性を深めていくとか……)は自分で考えなければなりません

与えられた仕事をしていれば出世コースに乗れる、みたいな仕事ではありませんが、開発スキルとキャリアビジョンがあれば、自分の判断で転職や起業なども実行に移しやすい環境です。

◆スタートアップの自社開発企業で求められる資質


  • 開発スキル
  • 技術を追う感度
  • スピード感
  • ユーザーなどの調査、分析、企画スキル

研修などが用意されていない企業も多く、即戦力レベルの開発スキルが求められます。また、作ると決まった機能をすぐに開発してリリースして反応を見て改善して……といったことがよくあるため、そのスピード感についていけるかどうかも重要です。

■受託開発

顧客となる企業から依頼を受けてシステム開発をやっているのが受託開発企業です。(システム インテグレーター、SIer、SIと呼ばれることも多いです)

ざっくり分けるとメーカー系(日立、NEC、富士通などのIT子会社)、ユーザー系(NTTデータ、伊藤忠テクノソリューションズなど)、独立系(大塚商会、TIS、オービックなど)の3つに分類ができます。

例えば、銀行ではATMで作動するシステムが必要です。そこで、銀行からの「こういうシステムを作ってください」と注文を受けて、その通りに作るのが受託開発企業の仕事です。(銀行から直接注文を受けたのが元請け企業で、この元請けから注文を受けて、大きなATMシステムを分割したパーツごとにプログラミングして作っていくのが下請け企業となります)

◆作るもの

  • 金融系・官公庁系・医療系のシステム
  • 民間の非IT企業のサービス(メーカーの通販サイトなど)

など…

B2Bやバックエンドのシステムが多い傾向にありますが、B2Cサービスの依頼を受ける場合もあります。

◆元請け企業

元請け企業の場合、主に前述のATMのシステムのような大規模開発で、プロジェクトマネージャーとして開発担当者たちをまとめてシステムを作り上げるのが仕事です。社員は入社後大体1~2年ほどで、プログラミングをするよりもマネージャー側の管理業務を任されるようになります。

受託開発は、顧客から依頼を受けた上で「この日までにいくらでこういうシステムを作ってください」と契約を交わした上で開発業務に取り掛かるため、基本的にはシステムができあがればお金は入ってきます。また、元請け企業は大企業が多く、経営が比較的安定しているところも多くあります。

◇メリット

  • 上位請けは大企業で経営が安定していることが多い
  • いろいろな開発案件を経験できる
  • 明確なキャリアパスがある

元請けに近い上位企業になるほど、大手企業で経営が安定していたり、研修制度や昇給制度、福利厚生なども充実していたりします。また、仕事がマネジメント中心になっていくキャリアパスも用意されています。

◇デメリット

  • プログラミングする仕事は数年でなくなる
  • 仕事で新しい技術を使えないことが多い

前述の通り、キャリアを積んでいくと、そのぶん開発よりもマネジメント業務が中心となっていくため、仕事を通して開発スキルを磨くのが難しくなっていきます。

また、使用できる開発環境は顧客や既存システムの都合で限定されることも多く、「仕事で最新技術をがんがん使いたい」という人にはあまり向かないかもしれません。

◇元請け企業で求められる資質

  • 顧客とのすり合わせや交渉ができる
  • スケジュールや人員を管理できる
  • システムを設計するスキル
  • 技術選定ができる

受託開発の場合、何としてでも期日や予算を守ってシステムを完成させなければなりません。そのため、プロジェクトの人員やスケジュールを管理するスキルが必要となります。

また、「受注したシステムをどんな技術を使って作るのか?」を決める技術選定をする機会もあるため、開発から離れてもある程度の技術的な知識は必要となります。

◆下請け企業

元請けから仕事を受注して、実際の開発を行うのが下請け企業です。ややこしい構造ですが、大規模な開発案件の場合、顧客から元請け企業が受注し、大きなシステムのパーツを分割してさらに二次請け、三次請けへ発注する……というプロセスで作られるものがほとんどです。この二次請け、三次請け……n次請け……とおりてくるのが下請け企業です。

◇メリット

  • 未経験でも入社でき、研修でプログラミングを学べる
  • 開発要件は決まっているので、実装だけに集中しやすい
  • 元請け企業よりも手を動かしていられる期間が長い

◇デメリット

  • 元請けと同様に、開発環境が限られているため仕事で新しい技術を使えないことも多い
  • スケジュールのしわよせを受けて激務になることもある
  • 元請け企業や顧客企業で常駐して開発する仕事が多い

元請け企業や顧客企業の都合に合わせるため、自社ではなく常駐先での開発が非常に多くなります。また、期限どおりに作ることが要求されるため、スケジュールの厳しいプロジェクトに入ると業務量のコントロールがしにくく激務になってしまう場合もあります。

◇下請け企業で求められる資質

  • タスクを管理できる
  • 納期までに作りきる
  • 設計書などのドキュメントを読んで理解できる

決められた技術を使って、仕様に沿ったモノを期日どおりに作ることが求められます。

■まとめ

同じ開発エンジニアでも、業務の進め方や求められるスキルはこのように異なります。

どちらがよい・悪いということではなく、「自分がどんな仕事がしたいか」「どんなエンジニアになりたいか」を考えて応募先を選ぶのがよいでしょう。また、応募する前に業務内容や特徴を把握できていれば、入社してから「思ってたのと違った」「こんなはずじゃなかった」といったミスマッチも減らせます。

新卒向けエンジニア求人について、詳しくはpaiza新卒の掲載求人をごらんください。
paiza新卒

ITエンジニア就活に役立つ情報は「就活成功ガイド」にまとめています。IT業界・企業やエンジニアの職種について解説した記事や、プロフィールの書き方、面接対策に参考になる記事を公開しています。

また、動画でプログラミングが学べるpaizaラーニングでは、「ITエンジニアの就活準備編」講座を公開しています。IT業界の構造やエンジニアの働き方についてさらに詳しく学べるレッスンや、就活で使えるポートフォリオの作り方を学べるレッスンが【完全無料】で見られます。

詳しくはこちら




paiza新卒では、プログラミング問題を解いて規定のランクが獲得できていれば、事前の書類選考なしで確実に企業の面接を受けることができます。また、paiza新卒が応募者と企業の間に立って面接の日程調整などを行うため、わずらわしいやりとりに時間をとられず、スムーズに就活を進めていけます。

オンライン面談・面接OKの企業も多数掲載しておりますので、自宅にいながら面接を受けることも可能です。「東京の企業に就職したいけど、就活は交通費がかかりすぎる」「研究で忙しいのに、就活は移動に時間がかかりすぎる」という方もぜひご利用ください。

paiza新卒

paizaのおすすめコンテンツ

PPG proken プログラミングゲーム「初恋 プログラミング研究会〜海に行こうよ〜」 PPG Bingo プログラミングゲーム「コードレビューBINGO!!」
paiza転職 paiza新卒 EN:TRY paizaラーニング 記事内に記載している情報は、記事公開時点でのものとなります。 Copyright Paiza, Inc, All rights reserved.