今やメールでのやり取りはほとんどなく、Slackによるコミュニケーションが主体となってきました。チャット型のコミュニケーションに、まだ違和感やぎこちなさを感じている人も少なくないのではないでしょうか。
今回は私が仕事で気を配っているSlackコミュニケーションのポイントについてご紹介します。メール時代の文化はいったん脇に置いておいて、チャットならではのコミュニケーションを楽しみましょう。
【目次】
- メールで使っていた定型文は不要
- 絵文字やスタンプはためらわない
- リアクションを心がける
- 感嘆や感想も言葉にして表現する
- 「話し言葉」と「ビジネス言葉」をわける
- テキストだけに頼らない
- 決定事項は別のところに記録を残す
メールで使っていた定型文は不要
チャットによるコミュニケーションでは、メールのような回りくどい言い回しや表現は、かえって邪魔になってしまいます。
「お世話になっております」「よろしくお願いいたします」といった枕詞は不要。スピード感とリズムが大事なコミュニケーションですから、話し言葉に近い感覚で使います。
ただし、なんでもかんでも要件から入ればよいってものでもありません。
人と人とのコミュニケーションですから、相手がどのように感じるかは常に意識しなければなりません。
相手のことを気遣って「昨日はありがとうございました!あの件についてですが…」と言葉を添えるのは大切ですし、「お忙しいところすみません。ちょっとご相談なのですが…」と切り出すのもよいでしょう。
大切なのは、「これだ!」という型を決めず、相手と状況に応じて変化させていく気配りです。
絵文字やスタンプはためらわない
ビジネスメールでは、絵文字やスタンプはもちろん、「!」や「?」を使うことさえためらっていました。しかしSlackでは、使用することをためらわないようにしています。
もちろんTPOをわきまえず、クライアントや上司に対してハートの絵文字を入れてよいわけではありません。
しかし「。」ばかりの文章を送り、相手に「冷たい」「怖い」「怒っていそう」という誤った印象を与えてしまうのも、こちらの本意ではありません。
絵文字やスタンプは、こちらが伝えたい絶妙なニュアンスを表現するのに適しています。
「無理なご相談だとわかっているけれど、お願いしたいのです…」というこちらの感情は、言葉だけで伝えるにはあまりに繊細です。そのためにお辞儀のスタンプを添えることは、大切なコミュニケーションの手段です。
「相手に失礼かな」「礼儀がないように思われるだろうか」といった不安は捨ててしまいました。
リアクションを心がける
チャットでのコミュニケーションで難しいのは、相手の反応がないことにとても大きな不安を感じてしまう点にあります。
メールと違い、チャットは話し言葉に近いコミュニケーションなので、テンポとリズムが大切になります。
そのため、投げかけられたコメントについて何も反応がないと、「ちゃんと伝わらなかったかな」「怒らせてしまったかな」「何か変なことを言ってしまっただろうか…」と、とても不安を感じてしまいます。
対面での会話で不安を感じないのは、相手の表情や反応が目で見てわかるから。こちらの投げかけに対しての相手のリアクションを肌で感じられるので、届いていることに安心します。
このような「あいずち」を疑似的に行うのが「スタンプ」です。
コメントに対してひとつスタンプを押すだけで「読んでもらえた」「伝わっている」と、相手を安心させられます。
「あとでやっておきます」「いま手が離せないので、あとで返信しますね」といったコメントを添えられれば、より相手に安心感を与えられるでしょう。
なので私は細かくリアクションをして、自分との会話が成立していることを相手にアピールするよう心がけています。
感嘆や感想も言葉にして表現する
「あいずち」をもっとリアルに近づけるため、自分のちょっとした気持ちの変化も言葉にして相手に届けるように努力をしています。
たとえばエンジニアさんからページの制作が完了したと報告があった場合。できあがったページを確認したら「おぉ…すごい…」とか「スケジュールに間に合ってよかったぁ」といった、様々な感情が湧き出ると思います。
対面であれば、そういった「感心した表情」「安堵した感情」をエンジニアさんも感じ取ることができるでしょう。
しかし普通、これらの感情をSlackに入れることはありません。「ありがとうございます!確認しておきます」ぐらいの返信が一般的でしょう。
でもそれでは相手に寂しい思いをさせてしまいます。クリエイティブを発揮してくれた人には、やりがいや達成感をきちんと感じてほしい。
だから私は、感情や感嘆もなるべく言葉にして相手に伝えます。多少表現としてバカになってもいいから「めちゃくちゃよい感じに仕上がりましたね!うれしいです!」と素直な気持ちを伝えるようにしています。
「話し言葉」と「ビジネス言葉」をわける
Slackがいくら話し言葉に近いコミュニケーションだからといって、何でもかんでも口語的な表現にしていいわけではありません。
基本的には日常の会話のようなニュアンスを大事にしますが、「理路整然とまとめあげた文章」が必要なときもあります。
何かの依頼や相談事、状況や背景の説明、案件概要など。テキストコミュニケーションならではの強みを活かすべきタイミングでは、淡々とした文章を作ります。
なんでもかんでも「柔らかくコメントすればよい」というわけじゃありません。どうやったら相手にとって「目で読みやすいか」を考えて文章をつくるようにしています。
テキストだけに頼らない
いくらSlackがコミュニケーションツールとして優れていても、テキストのやりとりであることに変わりはありません。表現には限界があります。
そのため私は言葉だけに頼らず、あらゆる工夫をもって伝える努力をします。
よく利用するのは「Dropbox Capture」。保存した画像や動画に共有用のURLを発行することができ、簡単にシェアできる優れたツール。画面収録や動画収録、画像への注釈・図の挿入もできます。
スクリーン キャプチャ - Mac と Windows でのスクリーンショットの撮影 - Dropbox
言葉だけで伝えにくいことは、図解をつくったり、簡単な解説動画を作成して、相手に共有しています。
決定事項は別のところに記録を残す
Slackはフロー型のコミュニケーション。話した内容は時間経過とともに流れていってしまい、あとから振り返るには不向きとなっています。とくに無料アカウントの場合は、一定期間で過去のやりとりが見えなくなってしまいます。
そのためSlackで行った協議に決着がついて、そこから結論が出たのなら、それを他の管理ツールに転機するようにしています。
私は主なプロジェクト管理ツールとしてBacklogやNotionを活用していましたので、それらの課題に転記していました。
そうすれば「言った / 言わない」の話にも発展しにくいですし、後から仕様を見返しやすくもなります。
(文:ばんか(bamka))
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