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なぜエンジニアを採用したい企業が、転職志望者を不安にさせる求人票しか作れないのか?

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Photo by Joopey
f:id:paiza:20140916135428p:plainこんにちは、谷口です。

ITエンジニアを採用したい企業の皆さんは、どんな求人票を作って公開していますか?「エンジニアが思わず応募したくなる求人票」ができていると、自信を持って言えますか?

paizaでも「エンジニアの方に見てもらえる求人票の書き方」についてのご相談に乗ったりしていますが、応募者目線で見ていると、おかしな内容の求人票が本当に多いのです。

エンジニアに嫌われる求人票は、「エンジニアが求人票から何を読み取りたいと思っているのか」が全く考慮されていません。今回は、これまでたくさんの求人票を見てきてわかった、エンジニアに嫌われてしまう求人票のパターンをお話ししていきます。

エンジニアを採用したいのに全然応募が来ない…」という方は参考にしていただければと思います。

■エンジニアの知りたいことがわかりにくい!だめな求人票にありがちなパターン

◆開発環境・応募要件編

◇開発環境や応募要件に書かれている言語数が多すぎる

【例】
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このような、なぜか言語数が妙に多く記載されている求人票は非常によく見かけます。

プログラミング言語は、一つを習得していれば他の言語でも共通する部分が多く、開発しながら勉強していくこともできます。そのため、要件を書いた人は「メジャーな言語どれかの経験さえあればいい」と思って、間口を広げたつもりなのかもしれません。

また、現場のエンジニアが開発環境の項目を書いている場合、過去に少しでも導入したことがある言語やフレームワークなどを全て並べて、開発チームの技術力アピールをしたつもりになっていることもよくあります。

しかし求職中のエンジニア目線で考えると、知りたいのは「入社した際に具体的にどんな環境で開発をするのか、メイン言語は何で、サブ言語は何なのか」という正確な情報です。

ここであまりにもいろいろな言語が書いてあると「結局どれが必要なの?どれをメインに使って開発しているの?」「結局何をやらされるのか分からないな…」と不安を感じてしまいます。

こういう話をすると、ときどき「高いスキルを持ったエンジニアの中には『特に使用言語にこだわりはない』という人がいるじゃないか!」と言われます。

もちろん、中には「使用言語はどれでも構わない」というエンジニアもいます。しかしそういったレベルの高いエンジニアは、業務内容と開発環境の関連性の有無が判断できるため「このサービスを作るのに、こんなにいろんな開発言語使ってるわけないよね?」「何で業務に関連のない言語が書いてあるの?」と、余計に疑問や不信感を感じさせてしまいます。

過去にpaizaでユーザーの皆さんにとった「求人票に希望すること」のアンケートでは、書いてある言語数に関して「5言語までがいい」と回答した人が45%、「なるべく少ない方がいい」と回答した人が22%でした。

【質問:募集ポジションで使用する開発言語は、何言語まで表示されているのが望ましいですか?】

言語数の話をすると、「うちはいろいろな開発チームがあって、環境も様々なのでどうしても煩雑になる」と言われることがありますが、そういった場合は環境やポジションごとで分けて複数の求人票を作成した方がよいでしょう。その方が、一つの求人票に詰め込むよりも、より個々の役割にマッチするエンジニアの方々のもとに届きやすくなります

◇応募要件で頻出する「〇〇言語経験2年以上」

【例】
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中途のエンジニアを募集する場合、「新人すぎず、かといってベテランすぎない人がほしい」という企業が大半かと思います。そのため、応募要件に「〇〇言語の開発経験2年以上」などと書きたくなってしまう気持ちもわかります。

しかし、本当に「〇〇言語での開発経験」が「〇年以上」ある人なら良いのかよく考えてみてください。

一概に、経験年数だけでこれまで身につけてきたスキルや業務内容が測れるわけではありません。長年コピペプログラミングや運用だけで何となく経験年数だけが長い人もいれば、短期間でサービスの企画段階から参加し、開発と運営に携わってきた人もいます。

この場合、「〇〇言語によるWebサービスのサーバサイド開発経験がある人」や「業務・個人問わずゲームアプリの開発からリリースまでの経験がある人」、「〇人以上の開発チームのリーダー経験がある人」というように、より具体的なスキルや業務経験をベースに考えた方が、必要な人材のレベル感に近い応募要件を書くことができます。

ただ、この応募要件を現場のエンジニアが考える場合は、つい要件のレベルを必要以上に上げすぎてしまいがちなため、注意が必要です。

エンジニアにとっては、自分たちで仕事を教えたり、一緒に働いたりする相手の条件になるため、「なるべく自分たちと同等レベルの経験やスキルのある人に来てもらいたい」「前任者と同じくらいのレベルの人がいい」と考えて、「絶対にこの業務経験がある人」「このスキルもあのスキルも持っててほしい」等と、必要以上に条件を厳しくしてしまいがちです。

もちろん、絶対に必要な条件を取り下げたり、間口を広げすぎる必要はありません。しかし必須条件が無駄に厳しくなっているせいで、当てはまる人材が少なすぎて応募が全然来ない……という求人も多いのです。

応募はあるけど求めているレベルに達している人が来ない……という場合は応募要件をより具体的に落とし込んでいき条件を厳しくしすぎてしまって応募が来ない場合は、何が必須で何が歓迎要件になるのか客観的に考えて分類してみると、よりマッチする人材に届きやすい求人票を作ることができます。

◆企業情報編

応募要件はびっしり書いているものの、肝心の応募先での業務や、開発チームにおける情報が余りにも少なすぎる求人票というのもよく見かけます。

  • 写真が少ない。ロゴだけ・受付だけなどで特に意味がない。
  • 入社したら配属される予定の開発チームに関する情報がない。

このような求人票は、エンジニアに嫌われがちです。

求職者は求人票を見て、この企業に入ったらどんな環境で開発するのか、どんな人達とどんなふうに働くのか…というように「そこで働く自分」をイメージします。情報が少なすぎる求人票では、「どんな会社かわかりにくい」と不安に思われてしまうのです。

過去にpaizaでユーザーの皆さんにとった求人票に関するアンケートでは、「求人票から知りたい開発現場に関する情報」として一番多く挙げられたのが「開発チームの構成」でした。
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応募の来ない求人票を改善する場合は、「どういう人を求めるか」という応募要件だけでなく、「入社後はこんな開発チームに配属予定です」「どういう環境でどんな開発をしています」「ここにはこんな仕事があります」ということが分かる求人票になっているかどうかを、まず見直してください。

写真も、なるべくエンジニアのデスクで開発風景を撮らせてもらったものを載せた方がよいでしょう。どんなオフィスなのか、どんなデスクでパーテーションはあるのか、どんなマシンでディスプレイは2つ使えるのか……などなど、文字で説明するよりも一目でわかり、見ているエンジニアもイメージを膨らますことができます。

こういう話をすると、「そういうことは面接で聞いてほしい」と言われることがあるのですが、応募者側からすると、「何で求人票の段階で書いておけないんだ」と思ってしまいますし、求人票の情報が少なくて不安を感じる企業に、わざわざ応募して詳しい話を聞きに行こうとは思えません

■なぜ企業の求人票と求職者の間でギャップが生まれるの?

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Photo by angela n.
そもそも、なぜこのようなエンジニアに嫌われてしまう求人票が生まれてしまうのでしょうか?

優秀なエンジニアの方は技術的な向上心が高いため、転職先を選ぶ際も「自分の興味のある開発が可能か?」「スキルを向上させられそうな環境か?」といった目線で求人票を見ています。

しかし求人票は、必ずしも技術に理解がある人が書いているわけではありません。特に応募の少ない求人票は、人事担当者だけで書いていたり、現場のエンジニアに聞いたとしても、言われた条件をただまとめて載せただけでわかりにくいものになっていたりする場合がほとんどです。

以前、エンジニアの方々に転職方法について聞いてみたことがありますが、この業界は優秀な方ほど、求人経由ではなく縁故で転職される方が多いです。エンジニアの場合、縁故による転職の割合は他の職種と比べてかなり高くなっています。

これは、よくわからない求人票を出している企業を受けに行くよりも、知り合いのエンジニアが問題なく働いている企業の方が、どういう環境でどんな開発を行っているかがわかりやすく自分の技術力についても正しく理解してもらいやすそうであるといったことにも起因しています。

求職中のエンジニアが知りたいのは、人事担当者ではなく現場のエンジニア目線の話です

ほしい情報がろくに載ってなかったり、内容に不安が感じられる求人票を見ると、エンジニアは「この会社、技術をわかっている人がいないのでは?」「エンジニアが正しく評価されていないのでは?」という印象を受けてしまいます。

かつて日本のIT産業は、コストセンターのような業務効率改善システム等の受託開発の割合が高く、「IT業務はコスト削減のための裏方的な仕事」という認識が根付いていました。そのため、採用現場でも「利益を上げるための業務ではないし、安くそれなりに作れる人」を中心的に求めていたため、従来のような求人票が主流となっていたのです。

しかし、現在はWebサービスや機械学習等も台頭し、ITがビジネスの根幹となって利益を上げている企業も増加したため、技術があるエンジニアなら、より高い給与レンジを求められる時代となっています。

そんな中で、「技術を分かってなさそう、エンジニアがきちんと評価されてなさそう」と感じられる求人票の企業に、わざわざ応募する人はいないでしょう。

「エンジニアの目に止まる求人票をどう書いたらいいかわからない」「求人票を出しているけどマッチするエンジニアからの応募が全然来ない」という場合はpaizaもご相談に乗っております。また、今後エンジニアの採用にpaizaを導入してみようかなと検討されている担当者の方がおられましたら、ぜひ一度こちらからご連絡ください

■まとめ

よい求人票は、「どんな人を求めるか」だけでなく、「ここにどんな仕事があって、私たち(現場のエンジニア)は何をしています」ということがしっかりわかる内容になっています。

応募要件がおかしかったり、技術的に不審な感じが漂っている求人票の企業は、文面上の情報だけでなく、「なんかエンジニアに非協力的そう」「正当に評価をされていなさそう」と思われてしまいます。

しかし逆に、エンジニアが知りたい情報がしっかり書いてある求人票を作れば、「エンジニアが正しく評価をされていて働きやすそう」「スキルアップなどにも協力的で成長できる仕事がありそう」と思ってもらうこともできるのです。

応募がないからといって、必要以上に条件を下げたりして間口を広げようとするよりも、まずは読んだ人が「その企業で働くイメージをしやすい求人票」を目指した方が、より条件にマッチした人からの応募が増えるはずです。

paiza掲載の求人票には「開発言語、フレームワーク、データベース、プロジェクト管理ツールから支給マシン、開発手法」といった開発環境だけでなく、「自社サービス、Webサイト、ソーシャルメディア、ソーシャルゲーム、コンシューマーゲーム、ECサイト、スマートフォンアプリ、アドテク、機械学習、AI、リサーチ・解析」等の開発ジャンルや「イヤホンOK、服装自由、社長が元エンジニア、1920×1200以上のモニターを提供、一部在宅勤務可、残業30時間以内」等といった企業の特徴も記載されています。

細かい項目を組み合わせた検索もできますので、求職者がより自分の希望にマッチした求人票を探せるようになっています。




paizaは、技術を追い続けることが仕事につながり、スキルのある人がきちんと評価される場を作ることで、日本のITエンジニアの地位向上を目指したいと考えています。

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