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一次面接で企業に「会わなきゃよかった」と思われてしまう人、3つの特徴

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Photo by Amtec Staffing
f:id:paiza:20140916135428p:plainこんにちは、谷口です。

転職活動を始めた方にとって、最初の関門は「一次面接」かと思います。まずはここを通過できないと何も始まりませんよね。

しかし、何社も応募しているのに「一次面接すらなかなか通過できない…」という人は珍しくありません。

一次面接を通過できない人は、一体何がマズいのでしょうか?

実は、面接で「企業側が応募者に対して知りたいこと」というのは、まとめると「3つ」しかありません。

応募者はその「3つのこと」を考えて、話せるようにしておけばよいのです。

これができていれば、「スキルが必須要件に達していない」などでない限り、ほとんど落ちることはありません。(むしろ「この人なら現時点でのスキルが足りていなくてもキャッチアップしてくれそう」と思われて通過できるケースも大いにあります

しかし、落ちた企業はお祈りメールしかくれないし、「どこが悪かったのか」を教えてくれるわけではありません。再び何社かに応募をしてみて、面接で聞かれた質問には何となく答えているはずなのに、なかなか次に進めない……。こういった人は少なくないのです。

今回は、そうした一次面接で落とされる人の特徴と、企業が応募者に対して知りたい3つのこと、そして一次面接を通過するための対策についてお話しします。

■一次面接で企業に「会わなきゃよかった」と思われてしまう人の特徴

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◆面接を「就活時の説明会」みたいなものだと思って何も準備しない

「そんな人いるの?」と思うかもしれませんが、

  • 転職理由を聞かれて「えっと今の会社が何となく不安で…」ぐらいしか言えない
  • これからやりたいことを聞かれても、特に考えてなかったので答えられない

という人は、特に「初めて転職活動をする人」や「中途の転職活動なのに新卒時の就活と同じ気分でいる人」に多いです。

「企業側の話を聞いた上で考えよっと」と思うのは悪いことではありませんが、一次面接は既に選考の場です

応募者がどんなに「次の選考に進みたいです!」と思っていても、企業に「考えが浅い人だったので見送りたい」と思われたら、その選考はそこで終了です。そもそも企業を選べるようなステージに立つことができません。

これが新卒ならまだ許容してもらえる場合もありますが、中途求人の場合、企業は基本的に即戦力になってくれる人を求めています。一次面接という選考を受ける段階に来ているのに「何にも考えてないけど話だけ聞きたいなーと思って」みたいな人は当然のように落とされます。

また、たとえ選考とは直接関係ない場だとしても、次の選考に進むのであれば、企業に「何も考えてない人だな」と思われてしまうのはマイナスにしかなりません。

◆「スカウト」を勘違いしている

最近は、いろいろな転職サービスやエージェントで、企業側から「選考を受けませんか」とメッセージが届く「スカウトシステム」が使われています。(もちろんpaizaにもあります)

ときどき、スカウトが来た企業の面接に自信満々で行って、厳しい質問を受けたり落とされたりして戸惑っている人がいますが、スカウトを送ってきた企業は、ほとんどの場合、別に「ぜひあなたを採用したい!」とまでは思っていないのです。

そもそも書類や登録データを見ただけで、本人に会ってもいないのに「採用したい!」とは思いません。(応募者も、テキストの企業情報だけを見て「絶対にこの会社がいい!」とまでは思いませんよね

スカウトを受けた応募者は、多くの企業にとって「もっと詳しく知りたい候補者の一人」に過ぎません。「もっと詳しく知りたい」から「選考を受けませんか?」と声をかけているのです。

それなのに、肝心の詳しい話が用意されていないのであれば、当然落とされてしまいます。最初は少なくとも「会ってみたい」と思われていた、つまり通常の応募者よりも期待値が高かったにもかかわらず、準備不足でチャンスを逃しているとしたら、これはすごくもったいないことです。

◆「企業が知りたいこと」について考えていない

中途採用において、募集企業と応募者とでは「叶えたい目的」が異なります。

例えば、多くの応募者は「今までB2Bの仕事をしていたけど、これからはB2Cのサービスを作りたい!(作ったことはないけど!)」といった感じで、「やりたい仕事をやる」ために転職を目指しますよね。

では、企業側はどう考えているかというと、当然ながら「B2Cのサービスを作ったことがある人」、つまり「やってほしい仕事があって、それをできる人」を採用したいと思っています。

一次面接で落ちる人は、面接を自分本位でしか考えたことがない(=企業の立場に立って考えたことがない)ため、この大きなギャップに気付いていないケースがほとんどです。

特に上記のような人は、面接で「B2Cのサービスを作りたいんです!やる気はあります!」といった的外れなアピールに徹しがちです。

もちろん、やる気のアピールは大切です。ただ、企業は「やりたい」以前に「やれる」人に仕事を任せたいので、「やりたいのはわかったけど、本当にやれるの?やれる根拠はどこにあるの?」と思われてしまいます。

これが解決できないと、「未経験者大歓迎」と銘打っている求人でもない限りはなかなか通過できません。

■企業が「面接で知りたいこと」とは

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最初に「企業側が応募者に対して知りたいことは3つ」と言いました。面接ではいろいろな質問をいろいろな聞き方で聞かれますが、基本的にはほとんど全てが

  1. 何ができるのか(can)
  2. 何がしたいのか(want)
  3. なぜ応募したのか(志望動機)

の3つのうち、どれかを発展させただけの質問です。

これを踏まえた上で、よくある質問と、よくあるNG回答例・OK回答例を見てみましょう。

◆よくある質問と回答例

1.何ができるのか

Q.「これまでの職務経歴を簡単に教えてください」

この質問において、企業が知りたいことをさらに分解すると…

  • どんな経験があり、どんなスキルを持っているのか
  • これまでの経験をわかりやすくまとめ、相手に伝えられるか
【NG回答例】

○○株式会社でユーザー側のシステム全般を開発しています。その他にも「いいね」増加のための施策実行なども行っています。開発環境は主にPHPとMySQLです。Rubyも少し使ったことがあります。

どんな会社のどんなサービスでどんな仕事を担当しているのか、初めて聞く人にとってはまったくわかりませんよね。経歴をもとに自分のできることも整理されていません。少し極端な例ではありますが、何も考えずに一次面接に行って、こういった答え方をして企業側に「???」という顔をされてしまう人は少なくありません。

【OK回答例】

2015年4月から、10代・20代の女性向けの美容院検索サービスである「××××」を運営する○○株式会社へ入社しました。これまで2年半ほど、主に「××××」におけるユーザー側のシステム開発業務に携わっています。「××××」はSNSに近い形で、画像などを投稿・閲覧できるサービスで、ユーザーがインスタグラムやツイッターに近い感覚で気軽に利用できるよう、システム開発を行ってきました。それだけでなく、利用を活性化させるために「いいねボタン」機能の企画・実装など、開発だけでなく施策を考えるところから取り組んできました。その中で、開発スキルはもちろんですが、調整力や企画力なども身につけてきました。開発環境は、主にPHP、JavaScript、MySQLを使っています。個人的にRubyでWebアプリを作る勉強もしています。

どんな会社でどんな仕事をしているのか、どんな経験があって何ができるのか、初めて聞く人でも理解しやすくなったかと思います。特に、事業内容→業務内容→自分のスキルという感じで、広い視点から自分の手元の仕事へとフォーカスしていくと、初対面の相手にもわかりやすくなるのはもちろん「自分の手元の仕事だけでなく、事業を広い視野で捉えているんだな」と思ってもらえます。

Q.「これまでの業務で苦労したエピソードを教えてください」

この質問において、企業が知りたいことをさらに分解すると…

  • ピンチや壁にぶつかったらどんな対処ができる人なのか
  • 仕事における問題解決能力がある人なのか
【NG回答例】

残業が多いプロジェクトにアサインされた時は、体力的にもつらくて苦労しましたね。

具体的にどんなプロジェクトで、苦労した原因は何だったのか、どんな対策をとったのか、どうやって解決したのか…などが全然わかりませんよね。企業は「ピンチのときにどう考えどう動く人なのか」「その経験を経て何ができるようになったのか」といったことを知りたいと思ってこの質問をしているので、この視点が抜け落ちた答え方をしていると「苦労をしても次に活かせない」「当事者意識がない」人だと思わがちです。

【OK回答例】

半年ほど前、他の同様案件よりも3割ほど納期の短いプロジェクトにアサインされた時に苦労をしました。タスク整理と作業の効率化を徹底して何とかギリギリ間に合わせることはできましたが、なぜこんなプロジェクトになってしまったのかと見直した結果、プロジェクを受注してくる営業側に、社内エンジニアのリソースがしっかり把握されていないことが問題であると気付きました。これを解決するために、開発者と営業で話し合いを持ち掛け、社内のリソースを把握できるツールを作成・導入しました。その後はリソース不足に悩まされることは大幅に減りました。

自分なりに「苦労をした原因はどこにあったのか」と分析ができており、「その経験から何を学んだのか」「その後なるべく同じ苦労をしないためにどんな対策をとったのか」ということがわかります。

2.何がしたいのか

Q.「どうして転職しようと思ったのですか?」

この質問において、企業が知りたいことをさらに分解すると…

  • 今回の転職でどんな目的を叶えたいのか
  • その目的がなぜ前職では叶わないのか
【NG回答例】

現職は残業が多く、使いたい技術も使えず、給与も低いため転職を決意しました。

「転職理由」を聞かれて非常に多いのが、このような「退職理由(≒現職が嫌になった理由)」しか答えられない人です。これでは肝心の「転職したら何がやりたいのか」がわかりませんし、「何かやりたいことがあるのではなく、現職から逃げたいだけなのでは?」と思われてしまいます。

【OK回答例】

私は今後も技術者として開発業務に携わりたい、また最新の技術やサービスにも積極的に関わっていきたいと考えています。しかし、現職はレガシーな技術しか使えない案件が中心な上、いずれは開発を離れてマネジメントにまわるキャリアパスしか用意されていません。そのため、ずっとエンジニアとして開発が続けられる企業、なかでも特に新しい分野の技術を積極的に取り入れている企業への転職を目指して、活動をしています。

企業側を納得させられる転職理由は、ほとんどが「仕事に対する自分の何らかの希望→その希望は頑張っても前職では叶わない→希望が叶う仕事に転職したい」という流れで組み立てられています。

Q.「3年後にどんなエンジニアになっていたいと思いますか?」

この質問において、企業が知りたいことをさらに分解すると…

  • 将来的にどうなりたいと考えているのか
  • 自分のキャリアをどう設計しているのか
【NG回答例】

とりあえず何でも一通り使える技術を身につけて、一人前のエンジニアになっていたいですね。

具体的に「どうなりたいのか」「そのためにどんな行動をとるつもりでいるのか」などがまったくわからないため、「特に何も考えていないんだな」という印象になってしまいます。

【OK回答例】

今後もエンジニアとして開発業務に携わっていきたいとは思っていますが、将来的にはいわゆるプレイングマネージャーとして、開発に取り組みながら、組織を引っ張っていくこともできる人間を目指すつもりでいます。入社後は、まずスマホネイティブアプリの開発経験を積み、3年目までには大規模処理にも対応できるサーバーサイドの設計・実装ノウハウを習得した上で、開発チームをまとめ上げてリードしていけるリーダーポジションにつきたいと考えております。

曖昧な回答ではなく、将来的にどんなエンジニアになりたいのか、そのためにどのような知識や経験を積む気でいるのか、具体的に語れるとベストです。また、その企業で実現可能な将来像が語れるといいでしょう。(例えば、法人向けシステムを作っている会社で「将来はゲームエンジニアになりたいです!」というキャリアプランをどんなに明確に話せても、それは当然「うちでは実現できないから、他へ応募したほうが…」と思われてしまいますよね)

◆よくある質問と回答例におけるポイント

企業が聞きたい3つのことは、基本的に一続きの一貫した内容になっているはずですから、例えば「転職理由」と「今後やりたいこと」など、同じような内容が繰り返し出てくるかと思います。ここで内容に差が出てしまうと「一貫性がない」「本当はちゃんと考えてないんだな」という印象になってしまいます。

また、よく3つ目の「志望動機」だけを一生懸命考えて用意しておく人が多いのですが、実は「志望動機」を単体で考える必要はありません。というか、何もないところからいきなり志望動機だけを考えようとしてもあまりうまくいかないかと思います。

実際は、1つ目の「何ができるのか」と2つ目の「何がしたいのか」が明確になっていれば、それをつなげれば志望動機は自然とできあがるはずなのです。話に一貫性がない人は、たいていこの2つが自分の中で明確になっていないので、志望動機よりも、まずはそこから始めたほうがよいでしょう。

企業側も「何ができるのか」と「何がしたいのか」がわかれば「なるほど、それならうちの会社の仕事やキャリアパスが合っていますね」と納得できるので、「いちいち志望動機は聞かない」というところも増えています。

■一次面接対策としてやっておくべきこと

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どんな人が落ちるのかわかったところで、「企業が知りたいこと」を「自分の中で明確にしておく」ために、何を考えどんな対策をとっておくとよいのでしょうか。

◆(1)どうなりたいかざっくりでいいので考える

まずはざっくり殴り書きでもよいので、「今後どんなことがやりたいか」「どんなエンジニアになりたいか」「今回の転職で叶えたいこと」といった「自分のやりたいこと、なりたい姿」を思いつくまま書き出してみましょう。これが「何をやりたいのか」のもとになります。

◆(2)応募先の求人票を読み込む

応募先がどんな事業をやっているのか、どんな会社でどんな仕事があるのか、どんな人が求められているのか、将来はどんなポジションにつけそうか…といったことを「企業の目線に立って」把握しましょう。

(1)で考えた希望や理想を念頭に置いて読み込むと、自分の希望と通ずるところや、魅力的に感じるところがあるはずなので、それも「何をやりたいのか」のもとになります。

◆(3)「どんな人が求められているか」をもとに、自分のスキルや経験を棚卸しする

(2)でわかった「この求人の募集ポジションで求められる役割」に対し、「こんなスキルや経験があるのでできます」と答えられるように、自分のスキルや経験を棚卸しして、使えるエピソードをピックアップしましょう。「何ができるのか」のもとになります。

未経験職種への応募など、どうしても足りない部分がある場合は「経験はないですが、早くできるようになるために自分で勉強してます」と言えるようにしておきましょう。

◆(4)上記で考えたことをもとに、今後のキャリアプランを考える

特に(1)で考えた自分の希望や理想をもとに「それを実現するにはどうすべきか?」を考えてみましょう。キャリアプランができるだけでなく、「今の会社だとこの希望は叶いそうにない」ということも明確になれば、納得感のある転職理由もできあがります。

転職理由が思いつかない人や退職理由止まりの人は、キャリアプランをベースに考えると「こうなりたいから転職したいんです」といったポジティブな転職理由が作れます。(もちろん、やりたいことやキャリアプランをよく考えた上で「今の会社で実現できるのでは?」と思ったら、その時点で転職は見送ればよいのです)

◆(5)全体を整えつつ話をまとめておく

ここまでだと話としては散らかっているかと思いますし、散らかったままだと本番でど忘れしてしまう場合も多いため、一度まとめて話せる形に整えておくとよいでしょう。

(2)で企業目線に立って考えた「どんな人が求められているのか」を加味したうえで、(3)で考えた「何ができるのか」と(4)で考えた「何がしたいのか」を整えてみましょう。「企業が知りたいこと」を押さえた一貫性のある考えがまとまってくるはずです。

■まとめ

「こんなにいろいろ面接前に考えとかないといけないのか!」と思った人もいるかと思います(私も思います)。

ただ、上記のようなことを考えていると、面接対策以前に「この企業は果たして自分の希望に合っているのか?」がより明確になってくるかと思います。

「合わない企業をちゃんと見極める」のは、志望度が高い企業の選考を通過するのと同じくらい重要です。

面接官にとってもそれは同じことで、突っ込みどころや不明点がある人に対して、曖昧なまま「まあ通過でいいや」とはできません。

「一次面接をなかなか通過できない」また「これから転職活動を始めるけど面接対策をどうしたらいいのかわからない」という方は、参考にしていただければと思います。


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