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制作会社がフリーランスのエンジニアにスキルマップを求める理由

<この記事の著者>
ばんか(bamka) - Tech Team Journal

Web制作会社の会社員として働きつつ、個人でブログ/メディアライターとして活動するパラレルワーカー。
iPhone・iPad・Mac・ITツールを用いて人々の生活をより豊かにするための活用術を提供する「デジタルライフブロガー」です。

Webディレクターの役割の中で、プロジェクトメンバーのアサインには苦労と悩みはつきものです。プロジェクトによって制約やルールが違うので、適任を割り当てるのは簡単ではありません。

そんなときに、なにかと重宝しているのが「スキルマップ」です。 特にフリーランスのエンジニアで初めて仕事をご一緒するようなときには、非常に大切な資料となっていました。

今回は、Webディレクターの立場として、なぜこのスキルマップが重要なのかについてお話ししていこうと思います。

【目次】

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スキルマップとは

スキルマップは、その人の持っているスキルや技術を可視化したもの。スキルシートと呼んだりもします。

言葉の定義や作り方は人によって異なるかと思いますが「さまざまなスキルが一覧で並んでいて、それぞれに対して自身のレベルを記入する」というのが基本の形となります。

私が働いていた制作会社では、以下のようなスキルマップを用いていました。ちょっと情報が古いですが、参考程度にみてください。

自分が使える言語だけでなく、使えるツールや技術以外のスキルについても項目を設けています。それぞれの項目は、ただ知識として知っているだけでなく、「自分一人で遂行できるかどうか」という点が重要なラインになります。

スキルマップが重要な理由

私はディレクターとして、自社のエンジニアだけでなく外部のフリーランスのエンジニアに協力を仰ぐことも少なくありませんでした。初めて仕事をご一緒する機会も多かったため、その際は上記のようなスキルマップを作ってもらっていました。

このスキルマップを記入する意味は、その人の “スゴさ” を知りたいからではありません。その人が「技術的に優れている」「高いレベルのエンジニアである」と認識することが重要なのではないのです。

そもそもエンジニアの優秀さは、自己申告制のスキルマップ程度では推し量れません。何度も一緒にプロジェクトを完遂させていく中で、徐々にお互いのことがわかっていくものです。

ではなぜスキルマップが重要なのか。それは「プロジェクトに適しているかどうかを判断するため」です。

Web制作において、プロジェクトごとにさまざまな制約や制限があります。クライアントの課題を解決するために取るべき手段や手法も違えば、環境や自社都合によって制限される場合もあります。

ディレクターは、これらのプロジェクトにおける要件や制約を考慮しながら、最適な人材をアサインします。

付き合いの長い馴染のエンジニアならアサインも困りません。「この人はこれが得意」「こういう仕事をやりたがっている」「WordPressは得意だけどMovable Typeは苦手」など、得手・不得手、できる・できないが判断できます。

しかし初めて仕事をご一緒するエンジニアはそれがわからないので、プロジェクトにおける制限・制約をクリアできるか判断するための材料が欲しい。そのためにスキルマップが必要なのです。

スキルマップに背伸びは必要ない

スキルマップの失敗談として「少し背伸びをした内容で書いてしまった結果、プロジェクトで苦労した」という声を聞きます。

「以前やったことがあるから得意といってもいいか」
「この前セミナーで勉強したから、一人でできるといっていいよね」
「頑張ればなんとかなると思う」
「こんなこともできないのかと思われたくない」

こういう気持ち、とてもよくわかります。しかしその結果でミスマッチが起こると、誰も幸せになれません。

ディレクターの立場からいいますと、初めてお付き合いするエンジニアに、チャレンジングなプロジェクトは相談しません。まずはお互いの信頼関係を築くために、難易度の高くないプロジェクトを一緒に進めようとします。

そこから何度もプロジェクトを共にして、互いの信頼関係を築き、等身大の実力と経験値が知れたら、少しチャレンジするようなプロジェクトの相談を持ちかけられるようになります。

まだ互いのことをよく知らない間は、ディレクターも渡されたスキルマップでしか実力を判断できません。したがってそこに書かれている内容は素直に受け入れて「できて当然」という認識で依頼します。

スキルマップには「できる」と記載されていたにも関わらず、実際には「頑張ってようやく実装できた」というレベルだとすると、ディレクター的には期待を下回ったことになります。

すると次からのプロジェクトの相談はしづらくなります。少なくとも、より難易度の低いプロジェクトでしか依頼しづらくなってしまいます。

ディレクターとエンジニアは、互いの信頼関係の構築がとても大切。

大きなプロジェクト・やりがいのある仕事は、互いの信頼関係が構築されれば、自然と機会に恵まれるようになります。スキルマップは信頼関係を築くための最初の一歩ですから、見栄をはらず、確実な内容で作るのが大切です。

スキルマップは自分を守るためにも大切

なぜこのような話をしたかというと、とあるエンジニアが炎上に近いような失敗をしたと、SNSで呟いていたのが気になったからでした。

その方は「頑張ればできると思う」と判断して仕事を請け負った結果、クライアントの期待したレベルに到達できず、クレームに近い形になってしまったと仰っていました。

仕事を受注したい気持ちが強くなって、少しぐらいの無理は通そうと思う気持ちは理解できます。しかしプロジェクトには「できる・できない」以前に「適している・適していない」という判断があります。

ここでミスマッチが起こったまま受注してしまうと、苦しい思いをするばかりで、誰もハッピーになれません。

スキルマップさえあれば、自分では対処が難しいようなプロジェクトを未然に退けることができます。ご自身の身を守る意味でも、スキルマップはとても重要なので、ぜひ一度作ってみてください。

(文:ばんか(bamka))





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