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エンジニアへの依頼・相談、現役Webディレクターはこう気をつけている

Webディレクターとは、ひとりでは何もできない仕事なのだなぁとつくづく思います。

作ったワイヤーフレームはただの設計図であって、それだけでは役に立ちません。デザイナーさんにデザインしてもらい、エンジニアさんにコーディングしてもらって——。多くの人の協力があって初めて形となり、成果として仕上がります。

そんな仕事だからこそ、Webディレクターとして重要なのは「どうしたら周りの人が気持ちよく仕事をできるか」を考えること。そのためには気配りや言葉遣いが大切です。

特に「依頼」や「相談」はセンシティブなので、どうされるのがうれしいか、相手の立場になってよく考えて行動するようにしています。

今日はそんな「依頼・相談」のときに意識しているポイントをまとめてみました。

【目次】

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「依頼」と「相談」を明確に区別する

「自分がこれからエンジニアさんに持ちかける内容が、依頼なのか、相談なのか、きちんと区別できているか?」これを大切にしています。

「依頼」とはお願い事です。「これをしてください」という具体的なアクションを指します。なにか判断・思考・創意工夫をこらしてもらいたいものではなく、明確な行動をお願いしたい内容です。

たとえば、

「この画像を、送付したものに差し替えてください」
「ここのレイアウトは、3行×2列に変更してください」

など。エンジニアさんのほうで「何を、どうしたらいいか」を検討・判断する必要がないものになります。

一方の「相談」は、私だけの知識や経験では決断ができなかったり、課題が解決できないので、一緒に答えを探してもらいたいというときに持ちかけるものです。

たとえば、

「ここのアニメーションをもっとシンプルにしたいんですが、どういう動きができそうですか?」
「CMSの仕様をすこし変更したいって希望があるんですが、あまり工数をかけずに変更する方法ってあるでしょうか?」

など。

エンジニアさんのほうにも頭をひねっていただき、調査検討やアイデア発想をお願いしたい内容です。手を動かすものではなく、頭を動かしてもらいたい内容ともいえますね。

要するに「私はあなたに Do してほしいんです/Thinkしてほしいんです」という意図を明確に伝えることを心がけています。これをきちんと区別すれば、受け取った側は求められているNextActionを正しく理解できます。

エンジニア側で解釈をさせない

なにか具体的なアクションを依頼するときは、エンジニアさんが解釈できないぐらい具体的に指示を出すようにします。

たとえば「ここのボタンを、赤から青に変更してください」という依頼の仕方はしません。「青」では具体性に欠けてしまい、エンジニアさんのほうで悩んだり、判断しなくてはならないためです。

この場合、私なら「青」ではなく「#465DAA」とカラーコードを指定します。100人いたら100人が同じ行動を起こせることが、理想的な指示だと私は考えています。

実際の現場では、デザインデータに色が指定されているので、「青」と指定されただけでも間違いが起こるケースは少ないでしょう。ですが100%ではありません。

指示を受け取った側が「こうだと思った」と解釈する余地を与えてしまうような指示では、二度手間・三度手間のリスクが発生します。

「考えなくていいところは考えさせたくない」というのが私のポリシー。時間は有限なので、もっと他のところで時間を使ってもらえるように、できるかぎりの道筋はディレクター側で用意しようと心がけています。

言葉だけに頼らない

「解釈をさせない」ための工夫として、言葉だけに頼らないようにしています。

たとえば「ページ内のボタンのテキストを変更してください」といっても、どこのボタンを指しているのか判断が難しいケースもあります。
その結果「一部だけでよかったのに、すべてのボタンのテキストを変更してしまった」などというミスが生まれる可能性も出てきます。

こうした「認識のすれ違い」のタネを摘むのは、Webディレクターの重要な役割のひとつ。

たとえばキャプチャを取り、矢印で場所を指し示したら、絶対に間違いは起こりません。すこし込み入った依頼であれば、コメント付きで画面収録を行い、それを共有するようにしています。

手間はかかります。ですがこうした手間を惜しむと、小さなミスが積み重なって、後々大きな面倒事へと膨れ上がってしまうものなのです。面倒であっても、丁寧な仕事が大切。

なおオススメのツールは「Dropbox Capture」。

画面キャプチャや録画をできるMacアプリで、保存したデータをURLで手軽にシェアできるのが最大の特徴。保存したキャプチャに注釈や図を入れられるので、簡単な指示書・依頼書ならこれだけですぐに作れてしまいます。

↓メニューからいつでも利用可能

↓撮影した画面キャプチャ。簡単な注釈や図の挿入が可能で、この画像をURLでシェアできる。

自分の意見を持つ

自分の経験や知識だけでは判断ができないものを相談する機会は多々あります。「クライアントからこういう希望をもらったんですが、どうしたらいいでしょう?」と。

ですがどんなときでも「丸投げ」はしないようにしています。足りないながらも、必ず私自身の意見や考えをまとめた上で相談します。

「サイト内の一部分を、クライアント側で更新できるようにしたいと希望をもらっていまして……。規模も大きくないですし、該当箇所だけを抜き出した外部ファイルを用意して、それを読み込むような形にするのが良いかなと思うんですが、何かいい方法ってないでしょうか?」

こうして話しかけたほうが、一方的に「どうしたらいいですか?」と意見を求めるよりも、建設的に意見を交換できます。

至らないがゆえにトンチンカンな話をしてしまうこともあります。でもそれでいい。「足りないながらも、理解しようと努力している。一緒に考えたいと思っている」という意思をエンジニアさんに見せるのが大事だと思っているからです。

仕事はチームで行うもの。そこで大切なのは、一緒に作っているのだという相互関係です。お互いの力を持ち寄ることで、相乗効果となり、それがクリエイティブとなります。一方的に「これをやっといて」とタスクを割り振るのがディレクターの仕事ではありません。

言葉のチョイスに気を配る

言葉遣いには細心の注意を払うようにしています。リモートワークが主体となって、チャットでのコミュニケーションが主体となった今は、特に気を配るようになりました。

基本的に、私からの一方的な「言いっぱなし」はしないようにしています。

ページ内の修正が必要になったときも、「これやっておいてください」みたいな言い方はしません。「修正をお願いできますか?」というような言い回しをします。

期限が決まっている場合も同様。「月曜までにお願いします」といえば冷たく聞こえますが、「月曜までにお願いしたいのですが、ご都合だいじょうぶでしょうか?」といえば嫌な感じはしません。

各人それぞれには事情と都合があります。プロジェクトのスケジュールは守らなければなりませんが、個々人の状況を無視していいものではありません。

また、こうやって話しかけるのには、もうひとつ理由があります。それはリアクションを引き出したいからです。

一方的に「お願いします」では、相手に伝わったのか、承諾してもらえたのかわかりません。「お願いできますか?」と投げかければ、それに対して答えてくれるので、会話としてキャッチボールができるようになります。

さいごに

とにかく大事にしたいのは相互のコミュニケーション。チームとしての一体感を大切にして、それぞれが自主的に「がんばろう!」と思えるような環境を作ることが、Webディレクターの重要な務めだと考えています。

まだまだ至らない点は多い我が身ですが、いつでも謙虚で素直な気持ちで向き合うようにしています。

(文:ばんか(bamka))





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