最近、ITエンジニアの働き方は多様化が進み、会社員だけでなくフリーランスとしてのキャリアを選ぶ人が増えています。paizaでも、「フリーランスに興味はあるけれど会社員経験しかないので不安…」という相談が少なくありません。フリーランスになるか、会社員でいるか、その決断は複合的に考えてすべきであり、向き不向きもあるため一概に片方を推奨はできません。
今回は、フリーランスと会社員、それぞれの働き方における課題を解説します。
【目次】
フリーランスエンジニアが抱える課題
1.自由度の光と影
フリーランスの最大の魅力は、なんといっても働き方の自由さです。勤務時間や働く場所に縛りがないため、自分の生活リズムや家庭の都合にあわせた働き方ができます。
しかし、もちろんその自由度の高さと成果を両立させるためには高い自己管理能力が必要です。
たとえばモチベーションの維持、スケジュール管理などをすべて自分で行い、納期までに契約通りの成果を出さなければなりません。複数案件の締切が重なった場合などは、長時間労働となることもあるでしょう。
会社員でも納期などはありますが、「間に合わなかった」「予定通りの成果が出なかった」という場合もいきなり解雇されたり、仕事がなくなったりすることはありません。
体調不良や家庭の事情などで一時的に仕事ができなくなった場合は、ほかの社員に引き継いだり、一時的に休職したりして、また復帰するという選択もできます。
しかしフリーランスの場合、間に合わなかったり依頼通りの成果物ができなかったりした場合、次以降の依頼は来なくなってしまうでしょう。
2.収入の不安定さへの対策
フリーランスは毎月一定の給与が受け取れるわけではありません。収入は月ごとの売上によって大きく変動します。ある月は収入が多くても、次の月には大きく減少するといったことも珍しくありません。
加えて支払い日や方法はクライアントによって異なります。きちんと支払われているかどうかは逐一自分で確認し、問題があれば問い合わせをしなければなりません。
収入を上げたりリスク分散をしたりするには、複数のクライアントを確保するために営業をしたり、長期の契約を結んだり、エージェントなどに登録して常に新しい仕事を探したりする必要があります。
3.求められる本業以外のスキル
フリーランスになると、エンジニアとしてのスキルだけでなく経理や営業のスキルも必要となります。
「フリーランスになった方が手取りが年で200万上がるから俺フリーになるわ。月50万の案件きまったから年収600万になる」
— しのゆ𝕏酒くずエンジニア (@shinoyu) 2024年5月22日
とランチしてる店で語ってたキミ、強く生きろよ(´・ω・`)
まず会社員とは違い、売り上げから自分で税金や保険料などを支払わなければならないため、事務処理や税金に関する知識が必要です。年に一度の確定申告も自分で行わなければなりません。最近は便利なクラウド会計ソフトなども増えているため、毎月きちんと売上や経費などを登録しておけば、それほど大きな負担なくできるでしょう。ただし、フリーランスとしての仕事を始める際は、最初に税金等の勉強をしておくとよいでしょう。
エンジニアの営業活動としては、友人や知人を通じて新たなクライアントを紹介してもらうほか、勉強会やSNSなどで自分の顔を売るといった方法があります。
会社員エンジニアのリアルな課題
1.安定性とその代償
会社員を続ける一番の魅力は、安定した収入があることです。加えて社会保険や休暇などの制度を活用できるのも、会社員ならではのメリットです。成果に関わらず毎月一定の収入があり、有給休暇が使えて、税金の手続きも継続的にしてもらえて、事情によっては長期休暇中も手当を受け取れる。会社員を続けていると当たり前に感じるかもしれませんが、こうした仕組みは長期に渡って生活を安定させてくれます。
しかし、安定性がもたらすリスクも存在します。同じ企業で同じ仕事を繰り返しているだけだと、自分を成長させる機会が減ってしまいがちです。「仕事で新たな技術を使いたい」「新しい挑戦を通してスキルアップしたい」という方には物足りないと感じる場面もあるでしょう。
2.会社に所属することの責任
会社員の場合、配属や役職、担当業務などは必ずしも本人の希望通りになるわけではありません。たとえ望まない仕事やポジションを担当することになったとしても、組織に所属している以上はそれを全うすることが求められます。
また、企業は一定の利益を上げ続けなければ営業を続けることができません。そのため社員は期間ごとに目標数値などを設定させられます。達成できなかった場合は、会社から改善や足りないスキルの習得などを求められるでしょう。
会社員として働きながら、こうした仕組みや責任を重荷に感じる人は多いかと思います。
3.働き方の制約
会社員エンジニアの大きな課題の一つが、固定された労働時間や場所といった制約です。
最近はリモートワークなどの導入によってこうした制約を減らしている企業も多くありますが、すべての企業が対応できているわけではありません。コロナ禍はフルリモートでの勤務を許可していたけど、最近は出社に戻している企業も増えています。
また、リモートワークであっても、フルフレックスであっても就業時間の概念がある会社員の比率が圧倒的に多く、そこはフリーランスと大きな違いとなります。
まとめ
フリーランスに興味があるけれど自分に適性があるのかわからない、会社を辞めたいわけではないけれど業務委託の仕事に興味があるという方は、まず副業として経験してみるのがオススメです。たとえば週末だけフリーランスとしての仕事を手がけることで、リスクを分散しながら新しい働き方を試せます。フリーランスとしての経験は売上や実績となるだけでなく、自分をマネジメントするスキルも磨けるでしょう。
経験してみた上で、自分は会社員のほうが向いていると思えば会社員に専念すればよいですし、逆にフリーランスとしてやっていきたいと思えば完全にフリーランスに転向することもできます。もちろんどちらかだけに絞らずに、最近は会社員として働きながら副業フリーランスとしての仕事を続けている人も少なくありません。
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(文:paizaメディアチーム)
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