こんにちは。谷口です。
ITエンジニアは転職がめずらしくない職種だとよく言われています。
転職が当たり前で、転職へのハードルが低いとは、裏を返せば今いる会社から離れるのにも抵抗がないということですよね。
エンジニアはなぜ会社を辞めるのでしょうか。今回はこれについて考えてみます。
エンジニアが会社を辞める要因とは
エンジニアに限った話ではないですが、ほとんどの場合、転職・退職を決意する裏側には今いる会社や業務内容、周りの人たちに対する不満があります。
主な不満となる要素
退職のきっかけとなる不満には、主に以下のようなものがあります。
- 会社・組織への不満
意思決定が遅い・社長がワンマン・声の大きい人が有利になっている
- 業務内容への不満
内容がつまらない・好きな技術が使えない・サービスや企画に興味が持てない・仕事量が多い
- 周りの人たちに対する不満
同期や先輩との関係がうまくいかない・意識やスキルが低い人が多い
- 評価に対する不満
自分の評価が不当に低い・給与が低い
大体はこのような項目に当てはまるでしょう。
「キャリアアップしたい」は嘘か
もちろん「前職に不満はないけどもっとやりたい仕事やキャリアアップしたい」といった前向きな理由で転職する人も、いないわけではありません。そうした退職ブログを見かけることもあるでしょう。
ただ、実際転職サービスを運営していますと、転職にあたって「前職に不満はないけれど」な人はほとんどいません。
まあ不満がなければ転職する必要もないですしね。むしろ不満に対して「もうこの耐えられないから転職しよう」となった段階で、初めて「ではどんな条件の企業なら不満を解消できるか」を考え始める。そして前向きな転職理由(=次は何がしたいか)や企業選びの軸を整理して、それをもとに転職活動を進めていく。そういった人のほうが多いかと思います。
エンジニアが会社を辞めるまでの過程は
多くの人は、会社や仕事に対して不満が生じても、いったんは耐えてみるかと思います。ちょっと嫌なことが起きただけで転職を決意していたら、毎日が転職日和になってしまいます。いくらエンジニアの転職が多いとはいっても、これはさすがに多すぎます。
しばらくはみなさん、「いやお金もらってるしな」「どこに行っても同じだしな」「自分が辞めたらこの組織が回らなくなるしな」など、なんとか自分に言い聞かせているはずです。それでも不満が積み重なって耐えきれなくなった頃に、いよいよ転職活動を始めるのではないでしょうか。
ただ、ここで注意したいのは、優秀なエンジニアほど、割とこの耐える期間が長くない傾向にあります。
例えば、会社・組織への不満、業務内容への不満、評価などに不満があった場合。このへんは一個人の力で改善のしようがないでしょう。すごくがんばれば変えられる部分もあるのかもしれませんが、技術職であるエンジニアの仕事として、そこに掛け合って改善することは本業ではないとも言えます。周囲の人に関しても、人を変えるのは難しい。そして、わざわざ苦労して今の組織を変えようとしなくても、よそにもっとよい企業がある、ということは大体のエンジニアが知っています。
リモートワークをさせてくれない自社に一生懸命掛け合うよりも、リモートOKの企業に転職したほうが早いですし、Pythonを使わせてくれない企業にPythonをなぜ使うべきか説き続けるよりも、すでにPythonで開発している企業に転職したほうが早い。だからエンジニアは、わざわざ不満を明らかにせずに転職していきます。
不足があるのは企業か?自分か?
そんなこと言ったらエンジニアはどんどん転職していったほうが得だなと思われるかもしれませんが、もちろん転職すれば何もかもうまくいくわけではありません。
転職は嫌な現状からのリセットではありません。リセットであれば、面接で前職の話を逐一聞かれたりしないでしょう。私はむしろ、それまでの積み上げで行けるところにしか行けないと思っています。
中途で転職をする場合、「今までの経験を次の仕事に生かすこと」が求められます。それがたとえ異業種への転職でも。異業種だろうと未経験だろうと、前職までの経験や学んできた内容を語れない人が、採用する側に「これから心機一転、がんばってくれそうだな!」と思われることはありません。
でも人間関係とかはリセットできるじゃんと思いますよね。まあたしかに、いったんはリセットできます。嫌な上司や同僚と接しなくて済むようになるのはそうなんですが、どこに行っても人と接することはあります。会社に所属するエンジニアは基本的にチーム開発が求められますから。そのときに衝突をどう防ぐのか。チームで協力できているか。毅然な態度はとれるか、建設的に議論できるか、人格を否定したり傷つけるような物言いをしていないか……。
前職ではいい仕事が回ってこなかったとか、教えてもらえなかったという場合もそうですね。そもそも自分のスキル不足が要因になっている部分はなかったか。何の知識が足りていなかったか。転職先ではどんな知識が必要なのか。何をどれくらいできるようになる必要があるのか。そのためにはどんな勉強が必要なのか。
転職にいくらかリセット的な要素はあれど、自分で解決する術が身についていないと、どこへ行っても同じことの繰り返しを招きます。
まとめ
優秀なエンジニアがとっとと会社を辞めて次へ行くのはもはやめずらしいことでもなんでもなく、むしろ自分を生かすための効率的な選択だと言えます。
ただ、そこまで自信がのない人や現職の範囲で不満が解決できそうな人は、無理に転職する前に、不満と向き合ったり、どこに要因があるか、どんな仕事なら不満を解消できるか…を考えてみるとよいでしょう。
同時に、自分に補うべき不足はないか、補えない場合はどんな方法をとるか(その部分は得意な人に任せられる環境を探す、勉強して知識を増やすなど)といったことも考えてみるとよいかと思います。
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