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意識だけ高い?若手エンジニアのはしかを予防する方法

私はpaiza転職で、エンジニアを目指す方の転職活動やエンジニアを採用したい企業の採用活動をお手伝いしつつ、Webメディア「Tech Team Journal」(TTJ)の運用にも携わっています。

今回は、TTJで見つけたエンジニアの育成に役立つ記事をご紹介します。

伊藤由貴さんのこちらの記事です。
ttj.paiza.jp

伊藤さんは、意識の高い若手エンジニアが陥りやすい状態を「エンジニアのはしか」と称して、治し方などについても解説されています。

若手エンジニアのはしかとはどのような状態をいうのか、どうすれば防いだり治したりできるのか。

今回は、こちらの記事を抜粋してご紹介します。

エンジニアのはしかとは

まずエンジニアのはしかについて、伊藤さんは

「意識だけが高い状態」や「こじらせた状態」になったエンジニアのことを、病気の「はしか」になぞらえて表現した言葉です。

とくに社外活動をはじめた若手が陥りやすい状態を表すために、わたしはよく用いています。

と解説されています。

詳しい症状には、まず「自分の会社はダメだ、他社はすばらしい、などと不満を言う」ことが挙げられます。

勉強会などで他社のエンジニアの発表を聞くと、自社では考えられないような、とても魅力的な取り組みに見えることがあります。

とても難しい技術を使いこなしていたり、高度な自動化をおこなっていたり。実際には、そうした発表はあくまでも上澄み、キラキラした部分を見せてくれているにすぎません。その裏では泥臭い試行錯誤があったり、嘘ではない範囲で”盛られて”いたりすることも多々あります。

しかし、若いエンジニアはそれを知らずに「あの会社はすごい!」と素直に受け取ってしまう場合があります。

そうなると、たとえば平日の夜にエンジニア勉強会で他社の話を聞いて目を輝かせた翌日、自社でいつものメンバーといつもの業務に向かうと、そのギャップがとても大きく感じられてしまうことも。

また、「社外活動をしていないエンジニアを見下す」のも症状の1つです。

他社と自社を比べる以外にも、社外活動に参加している人としていない人を比べる、というパターンもあります。コミュニティ活動や勉強会などの社外活動に参加している人(≒自分)はきちんとしているが、そうでない周囲のエンジニアは意識が低い!やる気がない!と考えてしまうのです。

このような若手エンジニアがいると、組織にも以下のような影響を及ぼす可能性があると伊藤さんは言います。

“エンジニアのはしか”になってしまった人を放置しておくと、チームや会社の中にネガティブなエネルギーを拡散してしまいます。また、“エンジニアのはしか”になった人は社外の勉強会に積極的に参加したり「弊社の課題はこれです!」と声高に言ったりすることで、うっかり社内でよい評価をされてしまうことがあります。

しかしこの手のエンジニア、実は社外の勉強会に参加するだけで、自ら発表したり議論したりしていないことも…。実力は変わらず、自意識だけが大きくなっているパターンでは、目も当てられません。

そのような状態では、まわりのエンジニアは面白くありません。不平不満は言う、敬意を欠いた行動をとる、でも評価はされる。周りのモチベーションが下がったり、人間関係が悪化したりと、チームに悪影響が出てしまいます。

このように意識だけ高く、ほかのメンバーには悪影響を与えてしまうようになった若手エンジニアを、みなさんも見かけたことがあるのではないでしょうか。

エンジニアのはしかの対処方法

エンジニアのはしかに対して、伊藤さんは2つの対処方法を挙げていますが、共通して大事なのは以下の点です。

“エンジニアのはしか”になった人は、自己認識と実態とにギャップがある状態なので、そのギャップを自覚してもらうことが効果的です。

1つ目の対処方法は「改善のための行動を促す」ことです。

本人が感じてしまっている不平不満を、解消する主体として動いてもらう、という方法です。「周りの意識が低いと思うなら、感化するような動きをしてみよう」「学んだことを実際に試してみよう」「じゃあ、君が主体となって解決をしてみよう」などと促します。口だけではなく行動を起こしなさい、ということです。

2つ目の対処方法は「社内の優秀なエンジニアとたくさん接する機会を与える」ことです。

視野の狭まりを解消する意味でも、なるべくたくさんのロールや部署が異なるエンジニアと接する機会をもたせましょう。

部門をまたいだプロジェクトチームにアサインしたり、会社全体が関係するイベントの運営に携わってもらったり、などの手段があります。ただし、直接他部署の方と関わることになるので、普段の態度などには注意が必要かもしれません。

どちらも若手エンジニアが、自分のスキルレベルや言動、また社内にいるエンジニアの考えなどを客観的に知って見つめ直すのには有効な方法です。

エンジニアのはしかをなるべく防ぎたい!

エンジニアのはしかは、とくに意識の高い若手エンジニアが陥りやすい症状です。

個人の意識が高くなっているだけならまだしも、周囲のメンバーたちへの悪影響が及ぶような事態は、できれば事前に防止したいですよね。

社外の勉強会に積極的に参加したり「弊社の課題はこれです!」と声高に言ったりすることで、うっかり社内でよい評価をされてしまうことがあります。

(中略)

不平不満は言う、敬意を欠いた行動をとる、でも評価はされる。周りのモチベーションが下がったり、人間関係が悪化したりと、チームに悪影響が出てしまいます。

上記のケースでは、勉強会への参加や課題の提示などそれ自体はよいことなのですが、それだけで評価の対象となってしまう制度自体にも問題があるかもしれません。

この場合、たとえば

  • 勉強会にはただ参加するだけでなく持ち帰った内容の共有や報告ができて初めて評価対象とする
  • マインド面の評価基準も導入する(周囲のモチベーションが上がる言動を評価し、下げるような言動はよしとしない)

といった制度設計がされていれば、悪影響が少なくて済むかもしれません。

なお今回のお話に限らず、エンジニアの評価制度は「これに沿って評価すればOK」「一度決めたらずっとそのままでOK」というものではありません。企業のフェーズなどに合わせてそのつど見直したり、社員の意見を聞いたりしてアップデートしていく必要があります。

とくにエンジニアから不満が上がってきている場合は、評価制度そのものの見直しを検討するのもよいでしょう。

まとめ

伊藤さんは、最後に

自分たちが出来ていることや得意なことに目をむける、うまくいっていないところは受け入れて改善に向かう。そうした視点を、エンジニアのはしかを経ることで身につけることができます。

社外活動に積極的に参加しているエンジニアの方や、そうしたメンバーと働いているマネージャの方は、ぜひ一度“エンジニアのはしか”にかかっていないかどうか、気にかけてみてください。

と締めています。

たしかにエンジニアが社外活動に参加するのはよいことですが、とくに若手は気づかぬうちにはしかのような症状にかかりがりです。

メンバー同士がよい影響を与えあえる優秀なチームをつくるには、これに限らずメンバーのみんなが力を発揮できる組織づくりや、評価制度について考え続ける必要があるのだと思います。


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(文:谷口智香)





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