私はpaiza転職で、エンジニアを目指す方の転職活動やエンジニアを採用したい企業の採用活動をお手伝いしつつ、Webメディア「Tech Team Journal」(TTJ)の運用にも携わっています。
今回は、TTJで見つけたエンジニアのキャリアに役立つ記事をご紹介します。
伊藤由貴さんのこちらの記事です。
ttj.paiza.jp
伊藤さんの記事は、「QAエンジニアが事業会社に行っても活躍できないのは本当かどうか」というお話ですが、それ以外のエンジニアについても同じように考えている人はいるかと思います。
たとえば、「SIerで受託開発をしていたエンジニアが、自社開発企業へ行っても活躍できないのでは・前職までの経験が役に立たないのでは・そもそも転職できないのでは」などと考えていませんか。
ただ、決してそのようなことはありません。業態や開発分野が異なる企業に転職しても、前職までの経験を活かして活躍することは可能です。
今回は、こちらの記事を抜粋してご紹介します。
QAエンジニアが事業会社で活躍できないと言われる理由
伊藤さんは、 QAエンジニアが事業会社で活躍できないと言われる理由について、
- 受け身であること
- 開発チームの外にいること
を挙げています。
しかし、この2つは誤解であると伊藤さんは言います。
テスト会社にも主体性を持って動けるエンジニアが数多くいます。もちろん言われたことしかやらない・できないエンジニアもいますが、それはテスト会社だからではありません。事業会社にも主体性を持ったエンジニアとそうでないエンジニアがいて、テスト会社における割合とは特段変わらないと感じています。
それなのに「テスト会社のQAは主体性がない」と思われてしまう要因には、「スキルと単価の都合」があります。
普段の業務に加えてさまざまな改善活動に取り組んだり、メンバーの教育に力を入れたりできるエンジニアは、当然テスト会社の中でも評価されます。その結果、現場でのリーダーになったり、複数チームをマネージメントする立場になったりします。そうしたQAエンジニアに業務を行ってもらうには当然単価も高くなりますし、テスト会社に業務を依頼する事業会社間での取り合いのような形にもなります。
テスト会社のQAに主体性がない、と思っている場合は、主体性のあるQAエンジニアをテスト会社がアサインできるほどの金額を出していない可能性があります。
また「開発チームの外にいる」という点も、QAエンジニアが自ら望んでそうなっているわけではありません。
昨今の内製化の動きやアジャイル開発などの普及にともない、多くのQAエンジニアは開発チームとの協力・協調や、開発チームの中に入ってともに品質向上のために取り組むことを望んでいます。
そうしなければ、昨今の早い開発サイクルにおいてはテストがボトルネックになってリリーススピードを落としてしまいます。また、品質はQAが後からテストするだけでは担保できず、開発サイクル全体で早い段階から意識するべきものというのが共通認識になっています。
そのため、テスト会社のQAであっても「開発と自分たちとは別」といった線引きをすることは、基本的にはないでしょう。
テスト会社で身につけたスキルを事業会社で活かす
伊藤さんはご自身がテスト会社から事業会社に転職されていますが、「品質課題を見つけ、改善を行う」「さまざまな業種・会社での知識と経験」など、テスト会社時代に身につけたスキルが役に立っていると感じるポイントも数多くあるそうです。
テスト会社のQAエンジニアは、顧客である事業会社などからくる「***で困っているのでなんとかなりませんか?」という相談に対して適切な対策を検討したり、逆にテスト会社側から「ここが課題なので、***に取り組んで改善していきませんか?」と提案をし、業務を受注します。
(中略)
事業会社、とくに1人目のQAを募集している会社にJoinする場合、QAエンジニアは自ら仕事を作る動きが求められます。決まったタスクがない中で、開発チームの話を聞きながらやるべきことや目標を決め、交渉し、実行に移す。実際に私が今やっていることですが、これはまさにテスト会社での提案活動と同じです。
テスト会社のQAとして関わったことがある業種・会社の幅も、事業会社におけるQA業務の役に立っていると感じています。
テスト会社ではWebや組込み、toBやtoCなど、さまざまなQA業務に関わる機会があります。これらの経験は、品質保証のやり方・考え方について幅を広げる役に立ちます。
もちろんこれはQAエンジニアに限った話ではありません。
エンジニアが前職で身につけたスキルを転職先で活かすには
paizaで転職を希望するエンジニアの方から「このような企業に転職したいけど、前職とは異なる分野なのでどのようなアピールをしたほうがよいのかわからない」「この分野の企業に興味はあるけど、前職での経験が活かせなさそうなので転職できる自信がない」といったご相談を受けることがよくあります。
実際にテスト会社→事業会社、SIer→自社開発企業などといった転職をして、活躍されているエンジニアの方は多くいらっしゃいます。
たとえば、SIerや受託開発から自社開発企業への転職を目指す方の中には「プロジェクトマネージメントの経験なんて、転職先では役に立たないだろうな…」と言われる方もいますが、決してそのようなことはありません。
自社開発企業でも、Aサービスのフロントエンド開発チームのリーダー、Aサービス全体の開発部門のリーダー、CTO…などというように、プレイングマネージャー的な役割のエンジニア達がこういったマネージメント業務を務めています。
プレイングマネージャーとはその名の通り、「実務もできるしマネージメントもする」ポジションです。チームリーダーから、大きな組織をまとめる管理職まで、「マネージメントを担ってくれる人材」を募集している企業は多いですが、近年ではほとんどの募集企業がこうしたプレイングマネージャーを求めています。
SIerなどでプロジェクトマネージメントをしてきた経験がある方は、チームマネージメントでもその経験が生かせます。そのため、プロジェクトマネージメントの経験を意外に高く評価してくれる自社開発企業も少なくありません。(実際にpaizaにも、SIer出身のエンジニアが何人もいます)
このように、前職までの経験が分野の異なる企業で意外と求められていたり、役立つケースは多くあります。
「転職先では前職までの経験が役に立たなさそう」ではなく、まずは求人情報や面接で聞いた話をもとに、転職先で具体的にどのような仕事や役割が求められているのかを把握する。その上で、今までの経験や身につけたスキルから活かせそうなポイントがないかを考えてみましょう。
まとめ
伊藤さんは、最後に
テスト会社のQAエンジニアも、事業会社で十分活躍できる、と私は考えています。
もちろん、テスト会社にも多様なQAエンジニアがいて、それぞれスキルや経験は異なります。しかし、テスト会社だから大半のQAは受け身だ、ということはないです。それぞれ業種は異なりますが、同じQAエンジニアというロールである以上、その役割や求められる振る舞い・スキルには共通する部分も多いです。
と締めています。
エンジニアとしての年次を重ねていくと、さまざまなスキルや経験が身についてくるでしょう。
その上で「自分の強みは何なのか」を把握して、「この分野の仕事ならどの経験やスキルが活かせそうか」を考えられるエンジニアなら、さまざまな企業から求められますし、自分ができる領域もどんどん広げられるはずです。
paiza転職では、さまざまなポジションのエンジニア求人を掲載しています。
(文:谷口智香)
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