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Rubyは死んだ、Railsはオワコンと言われていたが、復活してきた件

これまで「Rubyは死んだ」、「Railsがオワコン」と定期的に言われて、そういった記事やSNSの書き込みにさまざまな意見が寄せられてきました。が、今年はRuby on Rails復活の兆しが見えてきました。我々paizaもRailsで開発をしているので嬉しい限りです。

【目次】

Ruby on Railsはオワコンと言われている背景

「Ruby on Railsはオワコン」という言説に関して、あえて「そうなのかもしれない」という些か騙されたかのようなマインドセットで情報を追っていくとそのオワコン側の理由は複数整理できます。

(1)他言語比較での言及数の少なさ

まず、Ruby on Railsが他言語(競合しない言語含む)に比べて言及されていないという点が挙げられます。

PHP、JavaScript、Pythonなどは、言語そのものの価値観論に限らずWeb開発論やフレームワーク等での技術ブログでの言及なども多いです。

例えばGoogle上におけるRuby on Rails、PHP、JavaScript、Pythonと比較をしてもその言及数は少ないです。下記のようにRubyも並列してもやはり少なく、近年Pythonへの言及がいかに増えているかを証明するデータにもなってしまいます。


(2)言語特性における短所を語られやすい

Ruby on Railsの言語特性から短所を語られやすい、語りやすいというのもあります。

処理速度に関する点、保守性に関する点、時代に合わせた変化がない点、そして別言語で代替可能とも言われています。

特に時代に合わせた変化は、新しい言語や各言語の進化と嫌でも比較されてしまい、それらを評価する視点でオワコンを語れば論理的に見えてしまうという点があります。(実際その視点でオワコンだと言われれば、そうだよなとなります)

(3)AIやデータサイエンスの普及

2023年以降、生成AIがエンジニアに限らず一般層まで幅広く言及されるようになりました。そうなってくると、非エンジニアのIT人材視点でAIを活用した新たなプロダクト開発やデータサイエンスにおいてPythonその他が優先的に言及されてしまうということになります。

ある意味(1)の延長線ではありますが、AIや機械学習の普及で別軸でのトレンドが出てくると、プロダクト開発現場においてRuby on Railsの言及が減るため、それで「オワコン」とは言えるっちゃ言えるということになります。

いい加減「Ruby on Railsはオワコン」とは言えなくなってきた背景

(1)面接リクエスト数の増加

Hiredのレポートによると、Ruby on Railsは2022年の時点で企業からの需要が高かったスキルであり、その傾向は変わっていないとのこと。アメリカのデータではありますが、市場平均と比較しても1.64倍面接リクエストを受けやすいという結果が出ています。


(2)成熟した言語であり安定性がある

何事も「物は言いよう」であり、時代に合わせた変化がないということは成熟しているということであり、それは安定をもたらすということになるのです。

HiredのCTOであるDave Walters氏も下記のようにコメントをしています。

“Ruby on Rails (RoR) is a very mature and easy-touse framework, which leads to its popularity among
engineers and engineering leaders. It allows for faster coding (or increased productivity) which helps
engineers deliver minimum viable products (MVPs)
and features at a higher pace.”
— Hired CTO Dave Walters

<翻訳>
“Ruby on Rails は非常に成熟した、使いやすいフレームワークです。
エンジニアやエンジニアリング・リーダーの間で人気があります。Ruby on Railsは、コーディングの高速化(または生産性の向上)を可能にします。エンジニアが最小実行可能プロダクトを提供するのに役立ち、速いペースで機能を提供するのに役立つのです。"
— Hired CTO Dave Walters

引用元ー: Hired’s 2023 State of Software Engineers report

ちなみに、Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏自身が技育祭にて下記のような発言をされています。

まつもと:日本でも海外でも、毎年のように「Rubyは死んだ」みたいなことをブログに書く人がいます。

楓:毎年言われている印象がありますよね。

まつもと:そうですね。コミュニティの中では「今年も死んだ」とか、「今年の死に方は近年ないナントカで」とか、ボジョレーヌーヴォーみたいな言い方をしていることがけっこうあるんですけれども。

引用元ー:https://logmi.jp/tech/articles/326541
ボジョレー・ヌーヴォーみたいに毎年言われる「Rubyは死んだ」 まつもとゆきひろ氏が考える、プログラミング言語の未来 - ログミーTech

(3)エンジニアスキルとして今でも求められている

Hired’s 2023 State of Software Engineers reportに基づいて記述されたDevOps.comの「The Ruby on Rails Resurgence」(Ruby on Railsの復活)にも記載されている通り、 Airbnb, Basecamp, GitHub, Hulu そして Shopifyという有名サービスはRuby on Railsで構築されています。

0ベースの新たなプロダクト開発がこの世における最重要とは断定できず、今既にIT時代となった世の中において既に普及しているプロダクトを支え、かつそのプロダクトをより良いものにするために、Ruby on Railsに成熟したエンジニアは重宝されていくわけです、

Ruby on Railsのスピーディーな開発能力や、スケーラビリティ、レジリエンスなどが各企業にマッチしているということでもあるわけです。

「オワコン」は抽象的過ぎる表現

ここまで記した通り、さまざまな角度で言及され、企業で必要とされている現状においてオワコンとはかけ離れているという印象です。

paizaでも講座を用意しております。
paiza.jp


なお、「オワコン」という言葉自体がそんなもんなので、下記のようなポストもポストも見かけました。

自分で情報を取り、表面だけを見ず、現場において真に必要なものを理解していくことが改めて必要と感じる次第です。

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(文:paizaメディアチーム)



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