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日本 vs アメリカ:ITエンジニア文化の5つの違い

ITエンジニアといっても職種は多数、個性もそれぞれというところ。その異なる人と人とがコミュニケーションを取る中でテックチームは築かれていきます。

グローバル化が進む中で、多国籍のテックチームも増えており、それぞれの価値観は合うこぶつかり合うこともあればケミストリーを生むことも。

今回は、日本とアメリカ、それぞれ国の歴史や社会背景からそれぞれの特徴を客観的に論じます。異論や反論も大歓迎です、まずはご覧ください。

【目次】[:contents]

1. キャリアパスの違い:長期勤続 vs 流動的キャリア

日本:一つの会社で長く

日本ではITエンジニアに限らず、一つの会社に長く勤めることを重視する傾向があります。ベンチャー企業では多少異なりますが、大多数はまだまだそうです。

会社への忠誠心が評価されたり、年功序列的な昇進システムがまだまだ残っています。このスタイルは一概に古いと切り捨てるものではなく利点もあります。会社に対する深い理解から、長期的なプロジェクトにも腰を据えて取り組めることです。また、社内での人間関係も築きやすく、チームワークを重視する日本の文化にマッチしていたりもします。

しかし、デメリットも当然あり、組織の停滞感から新しい技術やアイデアへの露出が限られる恐れがあります。また、転職市場での競争力が低下する恐れもあります。

アメリカ:スキルアップのための転職

一方、アメリカでは、キャリアの流動性が一般的です。ITエンジニアは自身のスキルアップや経験を重視して、転職を積極的に行っています。

この文化は、シリコンバレーのスタートアップ文化と密接に関連していたりもします。

Paysa社の調査によると、アメリカの著名なテクノロジー企業におけるITエンジニアの平均在職期間は2年をわずかに上回る程度です。多様な環境で経験を積み、最新の技術に常に触れることでスキルアップが見込めます。

ただし、頻繁な転職は長期的なテックチームや人間関係の構築を難しくする恐れも。また、深い専門知識やスキルが身につきにくくもあります。

日本とアメリカ、どちらが優れているというわけではなく、それぞれの環境に適した形で発展してきており、グローバル化の中でそれらがミックスしたハイブリットで働きやすい環境が日本でも生まれてきています。

2. 意思決定スピードの違い:慎重 vs 迅速

日本:慎重な意思決定プロセス

日本企業の意思決定プロセスはとても慎重です。多くの企業で当たり前に存在する「稟議制度」は最たるものだったりします。

この慎重さはメリットでもあり、全員の意見を聞くことで、問題点を洗い出せる可能性が高まります。また、決定プロセスから多くの人が関わるため、組織全体で決まったことが強力に推進されやすくもあります。

しかし、この方法は当然スピード感とはかけ離れています。急速に変化するIT業界では、スピードが命といわれる中、競争力の低下につながる可能性があります。生成AIが普及し始めたこの一年はよりそれを実感します。

アメリカ:超高速の意思決定

アメリカの企業、特にシリコンバレーのIT関連企業では、意思決定のスピードが非常に速いことで知られています。

METIの報告書やbtraxのブログ記事などでもそれらは言及されており、日本企業と比較すると決断に要する時間が100分の1程度というデータまでもあります。「完璧を求めるよりも、まず行動」という考えの元で、新しいアイデアを素早く市場に投入し、フィードバックを得て改善するサイクルを回せます。

ただし、日本型の逆であるためそのメリットはデメリットでもあり、十分な検討なしに決定を下すことで、予期せぬ問題が後から発生するリスクが高まります。また、頻繁な方向転換は従業員が疲弊に繋がる恐れもあります。

超高速の意思決定は、競争の激しい市場での優位性を保つための一つの戦略とも言えるわけです。

3. 働き方の自由度の違い:オフィス中心 vs フレキシブル

日本:オフィスでの勤務が主流

paizaにおいてSNSで実施したアンケートでは、フルリモートで働かれている方はたったの36%で半数以下でした。

意外と思われる読者の方もおられるかもしれませんが、アフターコロナの中で出社回帰が進んでいるのが実情です。オフィスでの勤務には、チームの一体感を醸成しやすい、即時のコミュニケーションが可能、といった利点があります。

一方で、長時間労働や通勤時のストレスといった問題もあります。

アメリカ:柔軟な働き方

アメリカのIT企業では、働き方の自由度が高い傾向にあります。リモートワークやフレックスタイム制が一般的で、結果を出せば勤務時間にはあまりこだわらないという文化があります。

この柔軟な働き方は、個人の生産性向上だけでなく、ワークライフバランスの改善に寄与すると言われています。

また、地理的制約なく優秀な人材を採用できるというメリットもあります。コスタリカにおいて、アメリカの大手企業で働かれているITエンジニアが多いのもこの延長と言えるでしょう。

参考:コスタリカ人が日本企業でテックリードとして働く本音<マネーフォワード、グローバルエンジニアチームの最前線>

しかし、イーロン・マスクを見ていてもわかる通り、最近では出社回帰の動きも増えてきています。日本型とアメリカ型と示しはしましたが、それぞれにメリットとデメリットがあるということで、ハイブリット勤務が一つの最適解なのかもしれません。

4. 専門性とジェネラリストの違い:深さ vs 広さ

日本:専門性重視

日本のITエンジニアは、特定の分野での専門性を高めることを重視する傾向があります。例えば、「機械学習エンジニア」「クラウドアーキテクト」など、非常に専門的な役割が存在します。この専門性重視のアプローチは、高度な技術的課題に対応できる深い知識を持つITエンジニアを育成します。また、特定分野のエキスパートとして高い報酬を得やすいというキャリア面でのメリットもあります。
ただし、技術の変化が激しいIT業界では、特定の技術が陳腐化するリスクもあります。また、プロジェクト全体を俯瞰する能力が不足し、マネジメントレイヤーの人材不足に繋がる恐れもあります。

アメリカ:幅広い知識

アメリカのITエンジニアは、幅広い知識を持つジェネラリストとしての役割を求められることが多いです。システムの設計から実装、運用まで幅広く担当することが一般的です。このアプローチの利点は、プロジェクト全体を理解し、異なる役割間の調整を行いやすいことです。また、技術の変化に柔軟に対応できる可能性も高いです。

一方で、特定分野での深い専門知識を持つことが難しく、グローバル市場での競争力が不足する可能性があります。

これは、両国の教育システムや企業文化の違いから生まれています。専門性と汎用性、どちらも重要な要素であり、両者のバランスを取ることが今後のグローバル市場では求められるでしょう。

5. イノベーションへのアプローチの違い:完璧主義 vs 試行錯誤

日本:高品質重視

日本では、慎重にリスクを検討し、完成度の高い製品を作り上げてから市場に出す傾向があります。

これはプログラミング領域ではなく製品開発でも言えることで「ジャパンクオリティ」として高い評価を受けています。このアプローチの強みは、信頼性の高い製品を生み出せることです。日本製品の品質の高さは世界的に有名です。また、細部まで配慮された製品は、ユーザー体験の向上にもつながります。

しかし、市場投入のタイミングが遅れたり、コストが高くなりすぎるといった問題も当然見せてきます。

アメリカ:フェイルファスト

アメリカ、特にシリコンバレーでは、「フェイルファスト(早く失敗する)」の精神が根付いています。新しいアイデアを素早く試し、失敗を恐れずにイノベーションを追求する文化があります。

この手法の利点は、市場のニーズに素早く対応できること、そして失敗から学んだ教訓を迅速に次の製品開発に活かせることです。また、小さな失敗を重ねることで、大きな失敗のリスクを減らすこともできます。

「リターン・トゥ・スペース」というNetflixのドキュメンタリー作品では、イーロン・マスク率いるSpaceXの失敗の積み重ねと成功が描かれ、失敗時に拍手が起きるのも印象的です。

まとめ:日本人だからこそ、現地の価値観に触れてみては

日本とアメリカのITエンジニア文化には、確かに違いがあります。

しかし、これらの違いは単なる優劣ではなく、それぞれの国の強みを反映しています。グローバル化が進む中、互いの文化を理解し、良いところを学び合うことが重要と言えます。
また、文化的要素は文章や動画で理解する以上に直接触れてこそ腑に落ちるものです。

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