Python 3.7.0が一昨日リリースされましたね!
What’s New In Python 3.7 — Python 3.7.0 documentation
何が変わったのかしらんということで、いろいろドキュメントを読んだり実際に試したりしてみましたが、ざっくり言うと型ヒント関係のアップデート、速度改善、asyncioの改善などがありました。
今回はPython 3.7.0で気になった新しい機能&改善点を書いてみます。
■型ヒント関連
型ヒント等のためにいろいろ整備されたっぽいです。
- PEP 560
www.python.org
__class_getitem__, __mro_entries__ が追加されました。今までメタクラスでやっていたクラスの添字処理のオーバーヘッドを減らせる(typingのimportが7倍速くなった!)&メタクラスの競合やバグが危険なときがあるかも…ということで追加されています。
- PEP 561
www.python.org
型情報の配布や利用周りのルールが決められています。
- PEP 563
www.python.org
アノテーションの遅延評価関連です。
これは、型ヒントが評価されるタイミングの問題で前方参照ができなかったのが直りました。前方参照できるようになって、自分自身を返す・受け取るといったクラスも自然に書けるようになった感じです。
class Foo: def __init__(self, n: int): self.n = n def foo(self, params: Foo) -> Foo: return params foo_10 = Foo(10) foo_20 = Foo(20) foo_foo = foo_10.foo(foo_20) print(foo_foo.n)
↑Foo自身内で、型ヒントでFooを使いたいとなったときに、これでは動きません。
ただし互換性に影響があるので、 from __future__ import annotations をインポートする必要があります。(Python4.0では標準になるっぽいです)
■速度改善関連
Linuxで10%速度改善、MacOSでは30%改善など。あとは先に書きましたが、PEP 560でtyping(型ヒント)のimportにかかる時間が7分の1になったようです。
https://docs.python.org/3.7/whatsnew/3.7.html#optimizations
ほかにも、ソートが40~75%高速化(一般的なケースへの最適化なので、偏ってる場合とかはどうなんだろう…というのはありそう)、dict.copy()が最大5.5倍高速化、正規表現やUnicodeの検索なども高速化しているようです。
このへんは、いろいろなプログラムが影響を受けて地味に高速化できそうな感じですね。
■その他
dictの挿入順保証が宣言されていますね。なんとなく手元で調べてみたら、3.6.0からしれっと挿入順になっていました。
3.5.2とかで試してみたら挿入順ではなかったですが、明確に宣言されたのは3.7.0からなので、一応知っておいたほうがよいかと思います。
他には、Pythonドキュメントの翻訳に関するPEPも書かれてます。
- PEP 545
www.python.org
日本語版とフランス語版と韓国語版に関する記載があります。翻訳チームの方に感謝しつつ参考にしたいですね。
あとは asyncio 周りの改善が大きなところでしょうか。
https://docs.python.org/3.7/whatsnew/3.7.html#asyncio
dataclasses というのが追加されていますが、 __eq__ などがいい感じに同じ dataclass 同士の比較をしてくれるようです。使い道ありそう。
https://docs.python.org/3.7/whatsnew/3.7.html#dataclasses
■まとめ
というわけで、Python 3.7.0の変更点について書いてみました。
型ヒント関連の改善とかは、個人的にはうれしいですね。
細かく見るとほかにもいろいろな変更が入っているかと思うので、詳しく知りたい人は公式ドキュメントを見てみましょう。
What’s New In Python 3.7 — Python 3.7.0 documentation
ほかにもPythonや機械学習などに関する記事をいろいろ書いているので、興味のある方は見てみてください。
paiza.hatenablog.com
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