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SIerを辞めた元SEが「転職活動中にもっとこうしておけばよかった」と思うこと

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Photo by Say_No_To_Turtles
f:id:paiza:20180910132940p:plainこんにちは。倉内です。

もうすぐ初めての転職を経験してから半年経ちます。前職のSIerを辞めてpaiza(ギノ)へ入社したのは8月でしたが「本気で転職したい」と思い立ったのは、担当していた炎上プロジェクトの終わりが見えてきた2018年の2月頃でした。

目の前の業務をこなすことに必死だったのが、プロジェクトの終わりかけにふと「私は延々とこのサイクルを続けていくのだろうか……?」と我に返ってしまったんですよね。

ちょうど1~3月は転職活動をする人が多い時期でもあります。そこで今回は自身の転職活動を振り返って、どんなスケジュールで転職活動を進めていたか、困ったこと・やっておけばよかったことなどをお伝えしようと思います。

前職での業務

前職のSIerには新卒で入社し、SEとして公共系の業務システムの開発案件を担当していました。

提案活動・要件定義・設計・実装・テスト・運用保守と一通りやりましたが、実装は9割外注さんだったので自分でコードはほとんど書いてません。どちらかというとマネジメントをやっていた期間のほうが長かったです。

配属希望がかなって興味があった分野の仕事ができていたので仕事自体は好きでした。受託開発で自分の興味のある分野に携われたのは幸運だったと思います。

転職活動スケジュール

以下に入社~本格的に転職を考え始め、転職活動をして、転職先へ入社するまでのスケジュールを示しました。

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実際に転職活動をスタートしたのは2018年の3月半ばです。そのときまで一度も転職を考えたことがない…というわけではないのですが、行動を起こしたのは初めてでした。

過去に2回ほど「もうどうにでもな~れ」と1週間逃亡→落ち着いたら戻るということはありました。(明日から来ませんと連絡は入れてたので可愛いもんです。)

在職中の転職活動は時間の確保が厳しいという難点はありますが、退職後だと金銭的にも気持ち的にも焦ってしまうのでできれば在職中をおすすめします。

そして5月末に内定をもらい、上司にはすぐに7月末での退職意思を伝えました。

しかし…「9月末までいて」と言われ、ちょっともめましたが8月のお盆明けまでということで決着がつきなんとかギノへ入社できました。

私は転職活動に2ヶ月ちょっとかかりましたが、もっと早く決まる方もいると思います。

一般的な転職活動スケジュールの目安はpaizaが提供している、こちらの「転職スケジュールと転職準備3つのポイント」のページも参考にしてみてください。

なぜ「辞めよう」と思ったか

改善を諦め現状から逃げ出すことを選んだ

約3年続いた炎上プロジェクトの終わりが見えた頃、次の炎上しそうなプロジェクトの体制図に自分の名前を見つけたので、このままではまたヤバいことになると思い転職を考え出しました。

私自身が仕事を取ってこれるわけではなかったので、営業や上司が始まる前から絶対炎上するって分かりきっているスケジュール・難易度の案件を引き受けて、予想通り炎上して人海戦術で無理やり乗り越えることを繰り返しているのが死ぬほど苦痛でした。つまりそんな状況から逃げ出したかったんです。

エンジニアなら「もっと新しい技術や開発環境で仕事がしたい」とか、「技術レベルの高い職場に行きたい」とかいう理由じゃないと転職を成功させるのは難しいのでは?という意見もあると思います。

確かに「現状への不満だけで転職してもうまくいかないに決まってる…」と思って転職を踏みとどまっていた時期もありました。過去に何度か上司にやり方を改善してほしいと直談判したこともあります。(結構熱血タイプでした…)

でも会社の制度や慣習といった、長年染み付いたやり方って簡単には変えられないですよね。転職したあとだから言えるというのはもちろんありますが、自分が変わったほうが早いし我慢しても仕方なかったなと思います。

転職時の面接でそれをそのまま言うのはアレですが、きっかけとしては別に悪いことではないと思います。

心身が元気になうちに行動したかった

心身に異常をきたしてから初めて転職を考えたと話す友人が周りにとても多いのですが、元気なうちに行動したほうがいいと私は思います。休職してやっと時間ができたという友人の言葉も分かる部分はありますが…。

ただ、病気などで動けない場合を除いて、「転職したいな~」と言いながら何も行動していないうちは本気じゃないと思うので、それはそれでいいような気もします。

むしろ忙しくて時間がないとか給与はいいからとか現職に留まる理由を探しているなら転職しないほうがいい可能性があります。転職が100%成功するという保証はないので。

そういう正常な判断をするためにもやっぱり転職活動は心身ともに健康なときにしましょう。

現職業務と並行しての転職活動について

スケジュール調整に苦労する

炎上プロジェクトから炎上予備軍プロジェクトへの間がなさすぎて、転職活動中にあっという間にまた忙しくなって、多いときは週2日県外出張が入っていてしんどかったです。

面接の日程調整に苦労しましたし、選考に課題がある会社だとそれをやる時間がなかなか確保できなくて大変でした。

でも相談して融通してもらえることも多かったです。転職希望先がまったく融通がきかない会社だと入ってからもつらいことが予想されるので、常識の範囲内で調整してくれる企業のほうが安心感はありますね。

あと、選考結果の連絡が(なんの事前連絡もなく)極端に遅い企業も不安だしスケジュールが立てられないので、よっぽどのことがなければやめたほうがいいと思います。

現職に隠し通すのに気をつかう

前職も普段はスーツではなかったため、例えば午前中に面接を受けて、午後スーツで出勤すると怪しまれてました。タイミングよくリクルーターをやっていたので、一応はごまかせてはいたかもしれないですが。

当たり前ですが、この段階では転職活動してることは誰にも言わないほうがいいです。私はどれだけ親しい人にも言いませんでした。どこから広まるか分からないですし…。内定出なくてとどまる場合もありますしね。

中堅社員だからこその利点があった

30歳目前の初転職は、IT業界で見るとそんなに若くはない年齢だったと思います。

ただ、自分の仕事を自分でコントロールできる年齢(経験年数)だったので、転職活動をするにあたってある程度業務を調整できたのはよかったです。

客先への出張の日程を変えたり、案件としての全体作業量を減らしたり…ということは難しくても、仕事の裁量の有無は転職活動の効率にかなり影響があります。

例えば、自分に裁量がなくて先輩や上司の指示に従わないと仕事ができない1~3年目の頃だったら、「今日は早めに帰って面接準備して、明日残業しても終わらなかったら休出しよう」とかは難しかっただろうなと思います。もちろんチームに迷惑かけない範囲でというのが前提ですが。

退職意思を伝えたあとに発生した問題とその対策

引き止めで好条件を提示される

5月末に内定が出て上司に退職の意思を伝えたのですが、深刻な人手不足だったことと、自分で言うのもなんですが業務知識のある中堅のSEがいなくなるのはダメージがあったのではないかなと思います。

「昇進させるから考え直せ」「給料もボーナスも上がるぞ」と言われました。それならもっと早くそうしてほしかった…!

あとは「ベンチャー企業に行ってもいいことはない」「うちのよさに辞めてから気付いても遅い」「新規参画した後輩を見捨てるのか」…などいろいろ言われました。上司に悪気はなく、本気でうちはいい会社だ!と思って止めてくれていたみたいです。

もしこういうことを言われて揺らぐ人は転職しても後悔しそうなので、ここで踏みとどまるのも一つの手です。転職意思を伝えている会社に残るのが平気であれば。

引き継ぎが想像以上に大変

よくある状況だと思いますが、前述のとおり人手不足すぎて、なかなか後任者を見つけてもらえませんでした。

実際に引き継ぎ作業を始めたのは辞める2週間ほど前で、お互いかなり大変な思いをしました。引き継がれる人も本来の担当案件がありましたし。

引き継ぎ資料だけは事前に少しずつ作り続けていたのでなんとかなりましたが、それがなかったら完全に間に合いませんでした。

引き継ぎに専念させてもらえる場合はいいのですが、業務と並行して引き継ぎするのは時間的にも体力的にも厳しいので、自分に無理がない範囲で最低限やるくらいの気持ちで大丈夫だと思います。

退職日・入社日の変更が発生

炎上予備軍プロジェクトがスタートしていたので、それの要件定義が一区切りするまではいてくれと言われて希望の退職日から変更せざるを得ませんでした。

つまり、入社日の調整も発生しました。私の場合は変更してもらえたのでよかったですが、会社によってはずらせないこともあるでしょう。

そのときは基本は毅然とした態度で交渉して「もう転職先は決まっていますので変更できません。ここまでに引き継げば大丈夫ですよね?」とはっきり伝えて進めていくのがいいと思います。ズルズル引き伸ばされて結局転職できないなんて事態にならないように…。

ちなみにpaiza転職から応募していただくと、できる限り希望通りの入社ができるようpaizaが企業と入社日などの交渉をおこないます。

paiza転職について詳しくはこちら
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情報は自分でかき集める必要がある

一応大きめの会社だったので退職届はフォーマットがあってフローも整っていましたが、保険や年金、住民税などの情報提供はほとんどありません。社員証返すとか福利厚生の会員カード返すとかは懇切丁寧に説明があったのに…。

なので既に退職した友人に連絡を取ったり自分で担当部署を調べて電話したりしてなんとか手続きをしました。特に住民税なんかは前の会社から発行してもらわないといけない資料があって、時間がかかるのでハラハラしました。

まあそれよりも上司が私の退職手続きを放置していたせいで(上司を通してしか退職手続きができない仕組み)間に合わないかもってなったときのほうが焦りましたけどね。

退職時は自分で動いて情報を集める必要があるということを学びました。

退職時にもっと気をつけておけばよかったこと

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Photo by Matthias

上記を踏まえて、今思えばもっと気をつけておけばよかったと思うことを挙げておきます。

  • 退職意思は相談事項ではなく決定事項として伝える

退職を切り出したときに「転職しようと思ってるんですが」「PMの仕事のやり方が合わないので辞めたいです」という言い方は失敗でしたね…。

退職意思を伝えるときは、「◯月末で退職します。転職先と入社日は決まっていますのでずらせません。引き継ぎはちゃんとします」といった感じで、すでに誰にも揺るがせない決定事項(相談事項ではない)として伝えることが大切です。

また、退職理由を聞かれたときも現状の不満を言うと改善するからとかなんとか言われ引き止められるので、「私にはやりたいことがあって、転職先ではそれができます」ときっぱり伝えましょう。

  • 内定が出て退職まで丸2ヶ月あっても油断してはいけない

現行業務に区切りをつけて引き継ぎもして、さらに転職先で必要になるスキルを少しでも身につけておこう・勉強しておこう…と思うと2ヶ月では足りなかったです。

かと言って、よっぽど特別なスキルがあってものすごく必要とされるような人材でもない限り、長期間待ってもらうのも難しいのでどう折り合いをつけるかが大事ですね。

  • 退職時の会社の制度や税金関係など必要な手続きを前もって調べておく

常日頃からとは言いませんが、少なくとも転職を考え始めたときには調べておけばよかったなと思いました。在職中の人に聞くわけにはいかないので、退職した先輩・後輩や同期がいたらぜひ聞いてみましょう。

転職先企業を選ぶときに気をつけたいこと

退職や現職と並行しながらの転職活動のことを中心にお伝えしてきましたが、どんな企業に転職するかももちろん非常に重要なことです。

企業選びについては以下の記事を参考にしてみてください。

paiza.hatenablog.com

また、私の場合大手SIer→ベンチャーへの転職だったので、同じような転職を考えている方はこちらの記事も参考になると思います。

paiza.hatenablog.com


まとめ

転職時のことを振り返って、実際に遭遇した問題やこうしておけばよかったなということを書いてきました。

おそらく「転職したいけど、こんな理由で転職してもうまくいかないだろうな…」と悩んで踏みとどまった経験がある方もいるのではないでしょうか。

安易な転職はおすすめしませんが、環境を変えたいというきっかけでもいいと思います。私は実際「環境を変えたら人生変わった」と言えるくらい働き方が変わりました。

もちろん前職と現職は会社の規模ややっていることも全く違うので、いい点も悪い点もありますが、これは転職しなかったら絶対に分からなかったことです。

あと、退職のときってやっぱりなんだかんだ問題が発生しますし、会社の本性が見えるのでできる限り自分が不利にならないように頭を使って行動したほうがいいです。私はいろいろ失敗もしたなぁ…と思ってます。

また、本文では触れてませんが中途採用で自社開発へ転職したいならプログラミングスキルは必須なので、SIerで私のようにコードを書かずに仕事をしていた人や転職先で扱うプログラミング言語の経験がないという人はpaizaラーニングを使ってスキルを磨いておきましょう。

paizaの転職成功ガイドには、プログラマ・エンジニアが転職準備から、面接、退職、入社までをスムーズに成功させるためのノウハウをまとめてありますので、そちらもぜひチェックしてみてください。



 

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