Photo by Mike Cohen
こんにちは。谷口です。
転職時の企業選びにおいて「ベンチャー企業と大手企業で迷っている」「どんな違いがあるのかわからない…」といった方のご相談を受けることがよくあります。
ベンチャー企業と大手企業にはそれぞれどんな違いや特徴があるか、どんな人が向いているのか、あるいは向いていないのか…というのは、転職を目指すエンジニアの方なら知っておいたほうがよいでしょう。
よく考えずに転職先を選んで、入社してから「思っていたのと全然違った…」となってしまうのは避けたいですよね。
そこで今回は、ベンチャー企業と大手企業、それぞれの違いや特徴について書いていきます。転職に興味のあるエンジニアの方の参考になればと思います。
ベンチャー企業の特徴
即戦力や自走力に加え、「何でもやる」が求められる
ベンチャー企業の中途採用で求められるのは、基本的に「前職で結果を出した経験があり、それを自社でも再現できそう」ということです。
教育体制が整っていない企業も多いため、入社後は指導らしい指導もなく即実務に入る…といったケースも珍しくありません。
また、業務ごとに細かく分業ができるほど社員数が多くない企業がほとんどです。そのため、仕事では「自分がやりたいこと・得意なことに特化する」よりも「必要があれば幅広い業務に携わる」のが求められます。
エンジニアであれば、開発もインフラ周りもやって、サービス企画やマーケティングにも意見を求められて…みたいな感じですね。(職務範囲については企業によっても異なりますので、企業ごとに面接で聞いたほうがよいでしょう)
これらはベンチャー企業の大変なところでもありますが、逆におもしろみを感じて転職を決める方も多くいます。
また、多少経験が浅くても、実践を通して学んだり、自分なりに考えて試したりするのが好きで、幅広くいろいろできるようになりたい…といった方には向いているかもしれません。
意思決定が早くスピード感がある
ベンチャーの場合、実装できたサービスをすぐにリリースしたり、ユーザーの反応を見ながら追加・変更をしたり…といったことが柔軟にしやすい傾向にあります。(もちろん、それに伴う検証なども必要ですが)
やはり規模が小さい組織のほうが、意思決定のスピードが速いですから、そのぶん現場も早く動ける…というのはありますね。
ベンチャー企業を選ぶ人の中には、そういった仕事のスピード感に魅力を感じている人、また、大手にいたけど意思決定が遅くてなかなか動けなかったのが嫌だったという人が多くいます。
自由度が高い(そのぶん制度などが整っていない場合も)
ベンチャー企業だとやることが多く激務で残業が多いのでは?と思っている方もいるのではないでしょうか。しかし、最近はむしろ成果が出ていれば働き方はゆるめでもOK…といった企業も珍しくありません。
手前味噌ですが、paiza(ギノ)は特にコアタイムなしの裁量労働制で、「今日は銀行と役所に行く用事があるから午後から出社」「今日は子供のお迎えに行くから早めに退社」といったことが自由にできます。また業務中のイヤホンOKで、残業はほとんどありません。
paiza転職では、一部在宅勤務化、原則定時退社、副業OK、イヤホンOKなどなど、こうした自由度の高い条件で求人票の検索をすることもできます。
ただ、立ち上げられて間もないベンチャー企業ですと、そもそも制度や仕組みが定まっていなかったり、自分たちで掛け合って決めたり変えたりしていかなければならない場合もあります。それはそれで大変ですし、やはり福利厚生などの面ではあまり期待できないかと思います。
やはり安定性には欠ける
最近は、大企業であれば絶対安泰…という時代でもないですが、やはり大手と比較するとベンチャーの不安定さはその比ではありません。
大手企業の場合、複数サービスを運営しているからひとつがダメになってもしばらくは大丈夫とか、何かあっても系列企業に転属とか、下請けを切るとか、何らかの対策を打てるかもしれません。が、ベンチャー企業は簡単につぶれます。paiza(ギノ)も今のところ一応順調ですが、いつどうにかなってしまうか、わかったもんじゃありません。
これまでになかった新しいサービスを企画・制作・運営し、ビジネスとして軌道に乗せるのはかなり大変です。頑張って作ったのに思いのほかお金にならないとか、競合に似たようなサービスをリリースされてしまうこともありますし、軌道に乗らなかったサービスが終了…といったケースも珍しくはありません。やはり、着実に安定した企業で働きたい人には向かないでしょう。
大手企業の特徴
意思決定に時間がかかることが多い
大きな組織の中にいると、会議に時間をとられてしまう、たくさんの上司や部署の承認を得ないと仕事が進められない…などといったケースもよくあります。
ベンチャー企業の裏返しにはなりますが、意思決定のスピード感は、どうしても遅くなってしまいがちです。
スピード感のある仕事がしたくてベンチャーに転職したという人は多いです。ただ逆に、動くものを素早く作っていくようなやり方が合わないとか、じっくり決めてきっちりやるほうが好きな人もいますよね。
実際、よく考えずにベンチャー企業に転職したものの、前職での仕事の進め方がしみついてなかなか切り替えられずに悩んでしまう人もいます。自分にはどのような仕事の進め方が合っているか、転職前にしっかり考えたほうがよいでしょう。
分業が進んでいる
これもベンチャー企業の裏返しになりますが、大きな企業ほど分業が進んでいて、部署や職種ごとに業務範囲が細かくわかれている傾向にあります。
たとえば、ベンチャー企業だとサーバもフロントもデータベースもインフラやネットワーク周りも全部見ないといけないのが、大手企業だと部署やサービスごとにサーバサイドエンジニア、フロントエンドエンジニア、データベースエンジニアがいたり、インフラエンジニア、ネットワークエンジニアがいたり…と分業が進んでいる企業が珍しくありません。
教育・研修や会社の仕組み、福利厚生などが整っている
「教育や制度がしっかりしたところでないと不安…」という方もいるかと思いますが、大手であれば、そのあたりは受け入れ態勢も整っている場合が多いです。
不安がある人は、研修制度などについて、面接の段階で聞いておいたほうがよいでしょう。
また、すでに会社の仕組みや制度ができている、福利厚生が手厚いなどといった点は、大手企業ならではのメリットです。
新しいものを取り入れたり、仕組みを変えたりするのが大変かも
前述の通り、大きな企業だとすでに仕組みができあがっているケースが多いわけですが、逆にその仕組みを変えたり、新しいものを取り入れたりするのは大変…という側面もあります。
例えば新しいツールをひとつ取り入れたりするのにも、たくさんの上司の承認が必要だったり、何か不便があっても「全社的な制度で変えようがありません」と言われてしまうかもしれません。
何かを変えるのが大変…というのは大きな組織だと仕方のないことかもしれません。
有名サービスや大型のプロダクトなどに携われるかもしれない
ベンチャー企業で新しいサービスを立ち上げて、軌道に乗せるのはかなり大変です。
大手企業であれば、ある程度ユーザーがいる既存のサービスがあり、利益も生まれているはずですから、そこに乗っかれるというのはやはり大手のよいところだと思います。もちろん大手で新たなサービスを立ち上げる場合もありますが、それでもノウハウや運営元の知名度などは蓄積されたものがありますからね。
ユーザーが多いサービスですと、それだけ反応も大きなものとなりますから、それがやりがいにつながっている人も多いかと思います。
ときどき、自社開発サービスなら絶対的にユーザーと近くて反応がもらえるものだと思っている人がいますが、ベンチャー企業だと、作ったけどほとんど誰にも使ってもらえなかった…といったケースも珍しくありませんから、注意してください。
社内にロールモデルとなる先輩がいる
「このままここに勤めていたらこういうキャリアを積んでいくことになるだろう」というキャリアコースが用意されているのは、大手企業のよいところです。
ロールモデルとなる先輩もたくさんいるので、「ここに10年いたらこんなキャリアを経て、あの先輩のような感じになるのかな」というのは想像がしやすいですよね。(もちろん、そのキャリアが自分にとって望ましいものかどうかはまた別の話ですが)
ベンチャー企業ですと、そもそも社内にロールモデルがいないので、「自分のキャリアは自分で考える」必要があります。
明確にやりたい仕事やなりたいエンジニア像が見えている人ならよいのですが、ロールモデルがいないことで自分のキャリアについて悩んでしまう方も多く見受けられます。
まとめ
というわけで、ベンチャーと大手企業の違いや特徴についてのお話でした。
特に大きくわけて、自分が携わりたい業務範囲や、進め方のスピード感によって、向き・不向きがわかれると思います。
ただ、この話はあくまでよくある共通項であり、すべての大手企業やベンチャー企業が絶対に当てはまるわけではありません。自分に合う企業かどうかは、求人票などの情報を調べたり、気になることを面接で聞いたりした上で、見極めるのが重要です。
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