こんにちは。倉内です。
エンジニアの新卒採用で「いい人材からの応募がなくて困っている!」という採用担当の方は多いと思います。新卒採用では人気企業に応募が集中しやすいことに加え、たとえ応募があったとしても、中途と違って実務経験や過去の実績でスキルを測れないため、求めている人材の確保は難航しがちです。
一方、特に経験者採用において、積極的に応募者にスカウトメールを打ったり、リファラル採用に力を入れたりするのが一般的になってきました。それらの採用方法は「ダイレクトリクルーティング」といい、ITエンジニアのような求人倍率が高い専門職の採用では欠かせない手段となっています。
最近は新卒でも優秀なエンジニア候補と出会うためにダイレクトリクルーティングを活用している企業が増加しています。さらに、学生もスカウトが来た企業の中から選ぶ人が多くなってきました。
そこで今回は、自社の希望に沿ったエンジニア候補の学生と出会うために、ダイレクトリクルーティングをどのように活用していけばよいかをお話ししたいと思います。
ダイレクトリクルーティングの4つの方法
冒頭でも述べたとおり、ダイレクトリクルーティングとは、学生の応募を待つのではなく企業から学生にアプローチする採用方法のことをいいます。具体的に4つの方法を紹介します。
スカウト機能のある採用サービスの利用
新卒・中途に限らず、欲しい人材にスカウトメールを送ってアプローチする方法がよく利用されています。学生が登録したプロフィールや自己PRなどを見て、自社にマッチしそうな人材に採用担当者からメッセージを送ってコンタクトを取ります。
幅広く学生を集めたい場合(たとえば、職種としてはエンジニアだが理系・文系関係なく大量採用したい、など)は、学生が多く登録する大手の就活サービスを利用するとよいと思いますが、ITエンジニアの素養がある学生にフォーカスして採用したい場合は利用サービスの検討からおこなったほうがよいでしょう。
ちなみにpaiza新卒は、ITエンジニアの採用に特化したサービスで、登録学生のうち88.8%が理系、59.3%が情報系専攻の学生*1のため効率よくITエンジニア候補にスカウトを送ることができます。
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SNSで学生に直接コンタクト
採用やビジネスでの人脈構築に特化したSNSであるLinkedInは非常に有名ですが、私たちが普段利用しているFacebookやTwitter、InstagramといったSNSを通しての採用活動にも注目が集まっています。
こういった採用方法は「ソーシャルリクルーティング」と呼ばれており、発祥の地アメリカでは積極的に活用されています。
日本においては、現時点では採用よりも自社のブランディングや情報発信を目的にSNSを利用している企業が多いですよね。ただ、自分で開発したサービスなどの公開をSNSで積極的におこなっている若い層も多く、そういったアウトプットができる学生に直接コンタクトを取りたい場合は利用する価値があるでしょう。
ただし、SNSは気軽な分、情報流出などトラブルの元になる可能性もあります。担当者が操作に慣れているか、リテラシーが高いかなどあらかじめ確認しておく必要があります。
以下の記事にはソーシャルリクルーティングを実施している企業がまとめて紹介されていますので参考にしてみてください。
社員からの紹介(リファラル)で採用
中途のITエンジニア採用で多いリファラルですが、新卒採用でも利用されつつあります。
新卒ではリクルーター制度やOB・OG訪問といった、大学のつながりで紹介というのは昔からありますが、最近は大学にこだわらず勉強会などのコミュニティで知り合った人を紹介といった例もあります。
リファラル採用では紹介された人材が紹介者と近い属性・スキルを要していることが多く、紹介者を通して会社の情報を知ることができるためミスマッチが少ないという利点があります。
また、紹介する側も会社にとってプラスになると判断した、一緒に働きたいと思ったといった理由から紹介しているはずなので会社が求める人材にも近いと言えます。
ミートアップやセミナーの開催・参加
自社で開催し学生に来てもらう、もしくはそういったイベントへ参加して学生とコンタクトを取る方法です。
軽食やお菓子を食べながらカジュアルな雰囲気で社員と学生が交流し、よさそうな学生がいたら選考につながるようなアプローチをします。
しっかり新卒採用につなげたいのであれば、社内のエンジニアも巻き込んで勉強会といった形を取ってみるのがよいでしょう。
ちなみに以前、技術書典にて「勉強会で出てきたらうれしい食べものは?」というアンケートを実施してみたところ900名以上が回答してくださり、1位は堂々の「お寿司」(353票)という結果になりました。
新卒採用でのダイレクトリクルーティング利用状況
「ダイレクトリクルーティングが何かは分かったけど、ほんとに新卒採用で利用されてるの?」という疑問を解消するためいくつかの調査・アンケート結果を見てみましょう。
企業の採用情報提供・コミュニケーションの手段
まずは、リクルートキャリアが公開している、新卒採用を実施している企業を対象にしたアンケート「2020年卒の採用情報提供・コミュニケーションの実施予定」の結果です。
(出典)就職未来研究所『就職白書2019』(株式会社リクルートキャリア)
まだまだ「自社ホームページ」、「就職情報サイト」が圧倒的ですが、「スカウト型メール」は20.6%の企業(5社に1社)が利用を予定していたことが分かります。
スカウトといえば、従来は学生のあいだで知名度が低い中小企業が利用する傾向がありましたが、昨年12月の日経新聞のニュースではマイクロソフトや資生堂、日産自動車といった大手企業もスカウト型サービス「OfferBox」を利用し始めたと書かれています。
また、上記グラフの昨年比増加率トップ3の「自社の社員に対する学生の紹介依頼」「自社単体説明会・セミナー」そして「ソーシャルメディア」はすべてダイレクトリクルーティングの採用手法と言えます。
学生が利用している就活サービスの変化
就活サービスは数多く存在していますが、実際に学生が利用しているサービスはどんなものが多いでしょうか。
ここでは、HR総研(ProFuture株式会社)が主体となって学生に対しておこなわれた調査「活用している/活用した就職ナビや逆求人型サイト」の結果を見てみます。
(出典)「どうなる?2021年卒新卒採用動向・変化予測」(株式会社i-plug)
二強と呼ばれているリクナビ、マイナビは非常に多くの学生が利用しており、理系学生のあいだでもその順位は揺るぎないものとなっています。
ただし、「OfferBox」「キミスカ」「JOBRASS新卒」「Iroots」といった逆求人型のサービスもじわじわと食い込んできていることが分かります。おそらく2020年卒、2021年卒ではまたその割合は少しずつ高くなっていると思われます。
何度か名前が挙がっている「OfferBox」は、企業が学生を検索してオファーを出すことに特化しているサービスで、年々登録学生が増加しており、公式サイトによると2020年卒学生の登録数は127,000名とのことです。
もうひとつ同様のサービス「キミスカ」でも年々登録数は増加しており、2020年卒学生は延べ10万名の学生が就職活動をおこなったと発表しています。(プレスリリース)
また、近年はインターンシップに参加した企業の選考を受ける学生も多く、インターンシップに参加した企業にそのまま入社する学生が2019卒では37.3%にのぼるという調査結果もあります。
(出典)採用サロン「新卒採用の調査資料「就職白書2019」を分かりやすく解説しました。」
ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット
メリット
欲しい人材に直接アプローチできる
最大のメリットは、通常の応募ではなかなか出会えない層に自らアプローチできるという点です。
ITエンジニア職であれば、学生時代からすでに高い技術力を持っていたり、プログラミングが好きでサービスやアプリをリリースしたりといった経験がある層は、競合他社も同様に必要としている人材のためいち早くコンタクトを取ることが大切です。
自社の魅力をよりアピールできる
通常の採用ではある程度広いターゲットに向けて情報発信すると思いますが(自社採用ページや求人票など)、ダイレクトリクルーティングではコンタクトを取りたい学生が興味を持っていることと自社のアピールポイントを絡めて伝えることができます。
たとえば、学生がプロフィールや自己PRで「統計学を専攻しておりPythonを使ってのデータ分析・解析をおこなったことがある。将来的には専攻を生かして働きたい」と書いている場合、スカウトメールで「ビッグデータを扱う業務があり、Pythonでのデータ分析の経験が生かせる」と書けば、その学生からの反応率は高くなるでしょう。
費用をおさえることができる
求人掲載型のサービスでは、採用できた・できないにかかわらず掲載時に料金が発生するところが多いのですが、スカウトサービスは多くの場合、成功型報酬となっています。
そのため「思ったように採用ができなかったのに費用だけかかった…」といった状況を回避することができます。
ちなみにサービスによってはスカウトの送信数に制限があり、それを超える場合は追加費用がかかるといったものもありますが、paiza新卒ではそういった制限なくスカウトメールの送信が可能で完全成功報酬型となっています。
デメリット
採用担当者の負担が増える可能性が高い
よい面ばかりお伝えしてきましたが、やはりデメリットというものもあります。
まずは、求人掲載費用は抑えられる一方、ダイレクトリクルーティングを実施するにあたって採用担当者の対応コストや負担がかなり重くなる可能性があります。
たとえばスカウトを打つ場合を例にすると…コンタクトを取りたい学生を選んで、プロフィールや自己PRを読み込んで、スカウトメールを考えて送るといった作業がありますが採用人数が多い企業では難しいですよね。
その場合は、採用予定人数の大部分は通常の方法で確保し、残りをエキスパート人材のような位置づけでダイレクトリクルーティングで獲得するのもよいでしょう。
ターゲットとなる学生のスクリーニングが大変
ITエンジニアなどの専門職の場合、採用担当者だけでは学生を選びきれない、ポテンシャルのある優秀層に刺さる内容のスカウトメールが書けない…といった悩みが発生します。
ダイレクトリクルーティングでよい人材を見つけてアプローチするためには、新卒採用でも現役のエンジニアの協力が必要と言えるでしょう。
このあたりは詳しく以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。
まとめ
新卒採用でのダイレクトリクルーティングの活用についてお伝えしてきました。
スカウト機能を使って学生に直接アプローチできる就活サービスは増えてはいますが、ITエンジニアの新卒採用をしている企業が採りたいのは、ITエンジニアとしての資質やポテンシャルのある学生だと思います。
paiza新卒では、履歴書やESだけでは見極めるのが難しいITエンジニアとしての資質やポテンシャルといった部分をコーディングスキルを図るスキルチェックでランク分けしています。詳しくはこちら
前述のとおり、ITエンジニアに特化した就活サービスということもあり、もともと理系学生や情報系学生の割合が多く、それ以外でもプログラミングが好きで普段から取り組んでいるという学生がほとんどです。
もちろんpaiza新卒にはスカウト機能があり、特に学生から興味を持たれ「気になる」された企業から送れるプラチナスカウトの応募率・内定率が高くなっています。
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*1:2019年5月時点