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こんにちは。倉内です。
今や転職は珍しいことではありませんが、会社としては社員にできる限り長く自社で活躍して欲しいですよね。
特にスキルや経験値の高いエンジニアが去ってしまうと、同じくらいできる人材を採用し、パフォーマンスを発揮してもらうのは非常に大変です。
しかし、「まったく別のことにチャレンジしたくなった」、もしくは「起業する」など前向きな理由で退職する人もおり、一定数の退職者が出るのは仕方のないことでもあります。
退職者が「いい会社だった」「お世話になった」と思うか、「二度と思い出したくもない」と思うか、ハッキリ分かれる傾向にありますが「辞める社員にどう思われてもいい」と言うのはちょっと危険かもしれません。
今回は、なぜ退職者に「辞めたけどいい会社だった」と思われたほうがよいのか、そう思われる会社にはどんな特徴があるのかをお伝えします。
なぜ気持ちよく去ってもらう必要があるのか
冒頭にも書きましたが、なぜ会社を去る人によい印象を持ったまま辞めてもらったほうがよいのか、ここでは3つ挙げて説明したいと思います。
転職先は業界内であることが多い
エンジニアの場合、業態や扱っているサービスは違ったとしても同業他社へ転職することがほとんどです。
もしエンジニア同士で情報交換する際に「前にいたあの会社は酷かった」という話が出ると、自社の採用ターゲットとなる層から敬遠されてしまいます。
人間関係や労働環境といった内容以上に、「技術的に成長できない」「エンジニアが働きやすい環境ではなかった」などと言われないよう気をつけたほうがよいでしょう。
口コミサイトで会社の評判が下がる
転職活動をしている人にとって、求人票や会社HPだけではリアルな情報は得にくいため、口コミサイトを見てどんな企業か調べることがあります。
多くのサイトが誰でも書き込めるわけではなく、登録や証明が必要であるため信憑性のある情報だと認識している人も多くいます。また、複数の口コミサイトを比較してより情報を集めようとする人もいます。
そこに会社に悪い印象を持って辞めた社員が「元社員」として口コミを書くとどうなるでしょうか?
もちろん会社側にすべての非があると言えない状況のときもあるかもしれません。しかし、前向きな退職ではなく問題点を解決できずに辞めてしまった場合は、その点が口コミサイトに書かれることになります。
退職者が続く可能性がある
ひとりが辞めたあと、バタバタと退職者が続くことがあります。
業務量過多でひとり辞めたことで残っている人が耐えきれなくなり辞めるパターン、辞めた人がリーダー的な立場で「その人がいたからなんとか頑張ってたのに…」と心の拠りどころがなくなるパターン…などさまざまですが社員が続けて辞めることは企業にとって大きな問題です。
定着率が悪いことと人材の流動性が高いことは違います。もし退職者が続いている場合は、たとえば「若手が次々辞めている」「あるポジションは採用しても続かない」など何か問題がないか調査が必要でしょう。
「いい会社だった」と思われる会社・思われない会社の特徴
ITmediaに掲載された「退職者が選ぶ『辞めたけど良い会社ランキング2020』」の調査結果によると、上位にランクインしている会社は単に有名企業というだけでなく、在職中に培った経験が次のキャリアに生きる企業だと言えそうです。
上位が外資系ばかりなのが少々寂しいですが、それらの企業も念頭に置きながら、それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。
「いい会社だった」と思われる会社の特徴
よい経験やキャリアを積めたと感じられる
ランキング上位企業は、在職中に自身のスキルやキャリアをアップでき、退職後のキャリア形成にプラスになると社員が感じているという声が多く挙がっています。
もともと、退職したあとの新たな挑戦を見据えて入社する人がいるほどです。
もちろん社員自身の意欲がある前提ですが、いきいきと働けて、自身の成長にもつながると感じる環境を提供できる企業は「いい会社だった」と言えるでしょう。
退職した社員が活躍している
これもさきほどのランキング上位企業にもあてはまりますが、元社員が活躍しているというのは現在の社員にもよい影響を与える場合が多いです。
退職しても前職の社員と交流がある人も多くいます。前職で得たスキル、経験を生かしてよりよい条件や環境で働いていれば、元社員自身が「辞めたけどいい会社だったよ」と言うでしょう。
社員の決断を後押ししてくれる・応援してくれる
キャリアチェンジもしくはキャリアアップのために転職すると告げた際、背中を押せる企業でありたいですよね。
重要なポジションについていたり、スキルが高かったりすると引き止めたくなる気持ちは分かりますが、特に前向きな退職の場合は快く送り出してあげましょう。
優秀なエンジニアはリファラルで転職を決めるケースも多いため、元社員が会社に対してポジティブな印象を持っていることがよい採用につながる可能性もあります。
引き継ぎや年休取得に十分時間をもらえる
「当たり前では…?」と思うかもしれませんが、転職を経験している人は実際これがなかなか難しいことを知っていると思います。
後任者をすぐに決める、年休取得を考慮して仕事量を調整する…など、最後にそういった対応ができる企業は退職者にとって「辞めたけどいい会社だった」となるでしょう。
「いい会社だった」と思われない会社の特徴
若手のうちに成長機会がない
最近はどの企業も「若手のうちに裁量がある」「実力主義」とうたっていますが、実際入ってみると企業体質が古いままで、年功序列や社内政治をうまくやらないとステップアップできない組織だったりします。
その場合は「ここにいても意味がない」というイメージを持って退職することになります。
入社年数だけで裁量があったり昇進したりする状況を目の前にすると、まず優秀な人から辞めていきます。
スキルアップできる環境でない
新しい技術を取り入れる文化がない、もしくは否定的であると仕事に対するモチベーションも下がりますし、退職時のイメージは悪くなります。
エンジニアは転職時に「自分より優秀なエンジニアがいるか」を基準にする人もいます。あこがれの対象となるような人材がいない会社を「いい会社だった」とは思わないでしょう。
組織や仕事のやり方について課題をあげても改善されない
特にエンジニアは、効率よく働くことについてよい意見を出してくれることが多いと思いますが、何も改善されないと会社に対して不信感を抱きます。
「どうせ言っても何も変わらない」「自分の意見は軽視されている」といったマイナスな感情が退職の一因になることは多く、この場合は辞めたけどいい会社だったとは思わることはありません。
会社側として意見を反映するのが難しい状況や理由もあると思います。そういったものは積極的に社員にも共有しておけるとよいですね。
なかなか後任を見つけてもらえない・有給消化できない
いい会社の特徴の裏返しになってしまいますが、退職を告げたあとに会社側の態度が急に変わったり、退職までの期間に非協力的だと印象は最悪です。
これまで会社に貢献してきた社員であれば、退職時のサポートもしっかりおこなってください。
また、社員の有給休暇の消化を拒否することは違法です。最後にトラブルにならないよう、後任者の決定や有給消化は計画的に実施するよう働きかけましょう。
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まとめ
なぜ「辞めたけどいい会社だった」と思われたほうがよいのか、そう思われる会社にはどんな特徴があるのかについてお伝えしてきました。
本文中でも述べたとおり、エンジニアはIT業界内で転職することが多く、またエンジニア同士意見交換・情報収集することも多いため退職者をぞんざいに扱うことは結局は企業にとってもマイナスでしかありません。
退職者を出さないというのは現実的ではありませんが、退職者にとっていい会社であることはできます。
社員が会社を去る理由はさまざまとはいえ、これまで一緒に働いた仲間を気持ちよく送り出せるといいですよね。
また、現在いる社員が「成長機会がない」「スキルアップできない」などと感じて辞める要因を作り出していないかも一度振り返ってみるとよいかもしれません。
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