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なぜ企業はエンジニアの退職を止められないのか?3つの理由と対策


こんにちは。倉内です。

依然としてコロナウイルス感染症の影響があるとはいえ、ITエンジニアの採用市場、特に経験者の採用においては一部の有名企業などを除き、企業側が人材確保に苦労しているのが現状です。

リモートワークの導入で場所を問わず働けるようになり、柔軟な対応をしている企業とそうでない企業、つまり「選ばれる企業」と「選ばれない企業」がハッキリしてきたと言ってもよいでしょう。

そのため企業としては、エンジニアの経験者採用が難しい以上、今いるエンジニアにできるだけ辞めないでもらいたいという気持ちが強いと思います。

もちろんエンジニアは転職してキャリアアップや年収アップを目指す人が多い職業であり、本人の将来のキャリアビジョンもあるので絶対に辞めさせないというのは無理な話です。ただし、スキルやポジションのミスマッチ、組織や事業のやり方に失望などの理由で辞めてしまうのは防ぐ必要があります。

そこで今回は、なぜそういった理由での退職が起こるのか、それらを防ぐにはどうしたらいいかを考えてみましょう。

エンジニアが会社を辞める3つの理由

まず、エンジニアが会社を辞める理由について整理してみます。ここでは大きく3つに分類しました。

もっといい企業を見つけた

給与・待遇といった条件だけではなく、やりたいことをできる・大きな仕事や新しい領域の仕事をできるなどいろいろありますが、これはある程度は仕方がない理由です。

冒頭でもお伝えしたとおり、エンジニアが自分の将来のキャリアを考えて、転職先として今よりもっといいと思える企業をすでに見つけている場合、引きとめるのは難しいでしょう。

特に優秀なエンジニアであれば、積極的に転職先を探していなくてもなんとなく受け取ったスカウトメールが今よりずっといい条件で興味を引かれてトントン拍子に選考を通過してしまうこともあります。

むしろ「もっと給料上げるから!」「昇進させるから!」などと言って無理に引きとめようとすると、ますます「じゃあこうなる前にそうしてくれたらよかったのに…」とマイナスなイメージを与えかねません。

エンジニアはエンジニア同士で情報交換をしてリファラル転職することも多いので、こうなったらよい印象を持って退職してもらうほうに努めましょう。

以下の記事で紹介している調査結果では、実際に「辞めたけどいい会社だった」と思われる企業名が公開されており、その特徴も挙げられています。

paiza.hatenablog.com

エンゲージメントの低下

「エンゲージメント」という言葉、よく耳にすると思いますが、実はどんな意味かよく知らない方もいるかもしれません。人事・採用の領域では、「従業員(社員)エンゲージメント」という言葉で使われます。

ひと言でいえば、社員の会社に対する愛着心や思い入れといった意味です。最近では「個人と組織が対等の関係で、互いの成長に貢献し合う関係」のことを指すとも言われています。(出典:HRpro「エンゲージメントとは」)

社員のエンゲージメントが低い組織の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 社員のモチベーションが低い
  • 適切な評価制度がない(エンジニアのような専門職とその他職種の評価基準が同じ、長時間労働が評価されるなど)
  • 社員間のコミュニケーションが希薄
  • 過剰なコンプライアンスの姿勢(制限や規制、細かい手続きが多いなど)
  • 上司から無謀な目標設定を強いられる

など

思い当たるものはなかったでしょうか?

日本ではこれまで終身雇用・年功序列でひとつの会社に長く勤めるメリットが大きかったのですが、現代ではそういったものがなくなりつつあり、よりよい待遇や環境を求めて転職する人も多くなりました。転職に対する意識が変化し、以前ほど抵抗感がなくなったとも言えます。優秀な人材ほどその傾向が強いとされています。

特にエンジニアは仕事を通して、技術的スキルや経験値をより高めていきたいと考える方が多く、自身の成長につながらないと判断した組織にいつまでも残ってはくれません。

そもそも採用時点でミスマッチがあった

エンジニア採用は難易度が高く、募集をかけても思うように採用が進まないことも多いでしょう。そのため募集条件をゆるくしたり、採用基準を下げてでも選考を通過させて内定を出したい気持ちも分かります。

ただ、それをしてしまうと入社後のミスマッチにもつながりますし、採用された人・企業双方にとっていいことがありません。

たとえば、採用基準を下げて採用した人が実際に入社すると、既存社員に新人教育の負荷が想定以上にかかります。中途で新しく人を採用したということは、なんらかの人手を増やしたい理由があったはずが、既存社員の通常業務すらままならなくなってしまいます。

結果的に既存社員のエンゲージメントが低下し、退職を招く可能性もあります。

もしくはレベル感としては問題がなくても、応募者の得意とする領域や経験を生かせないポジションでの採用となってしまうことがあります。これは採用担当者がエンジニア採用において面接などで評価を正しくできていない場合に発生します。

もちろん採用時に100%完璧に応募者を見極めるのは簡単ではありません。しかし「とにかく誰でもいいから採用する」といった方針では、入社した人の早期退職と既存社員の退職という最悪な結末を迎えるかもしれません。

エンジニアが辞めない組織づくりを目指す方法


社員のエンゲージメントを高める

さきほどご説明したとおり、エンゲージメントが下がると退職につながります。よって、どうすれば社員のエンゲージメントを高められるかについて考えるとよいでしょう。

たとえば以下のようことを実践してみてください。

  • 会社のミッションやビジョンを社員に共有する
  • 自身の働きが事業に貢献していると感じられる状態を作る
  • 情報の見える化をして評価を明瞭にする
  • (専門職は特に)自身の強みを生かし、担当業務に集中してもらう
  • 社員に適度な裁量を与え、自律的に目標達成のために努力する環境を作る
  • ワークライフバランスの取れる働き方ができる

など

具体的には、業務を通してスキルアップできる機会をエンジニアに提供し、エンジニアのキャリアパスを整えるなどの取り組みが有効です。これはエンジニアの評価制度を整えることでもあります。

また、エンジニアという職業の特徴として「クリエイティブなことをしたい」「新しい技術に挑戦してみたい」といった気持ちが強い方が多いため、業務を通してでも業務外でもそれらに取り組める時間を持たせることも大切です。

コミュニケーションについては、社員同士の問題だと考えている企業も多いかもしれません。しかし、現在のようにリモートワーク中心の環境ではオフィス勤務以上にコミュニケーションの問題を抱えている社員は多いと思ったほうがよいでしょう。

チーム内のコミュニケーションが円滑にできているかは、リーダーやマネジャーはもちろん、ときには人事も社員と面談する時間を取るなどして相談しやすい空気を作ることも大切です。

また、高い目標を掲げて一生懸命に取り組むのはよいことですが、無理に高い目標設定をさせられ、未達の場合は減給などがあると、社員はそのリスクを避けようとして目標を下げるほうに努力します。これでは本末転倒です。目標は納得のいく内容かつレベル感を社員とすり合わせる必要があります。

社員のエンゲージメントが高い組織では、社員のモチベーションも高く、生産性も上がっていくと言われています。

ただ、エンゲージメントを上げるというのはなかなか難しいので、現在退職者が続いている、採用がうまくいっていないなど組織的に課題がある場合、まずは「下げないためにどうするか」を考えるといいかもしれません。

エンジニアが辞めない組織を作る具体的な方法については、以下の記事でも詳しく紹介しています。

paiza.hatenablog.com

エンジニア採用基準・方法の見直し

つづいて新しく入ってくるエンジニアが、できるだけ長く組織に定着してくれる方法を2つお伝えします。

採用基準を見直す

まずは採用基準を見直します。エンジニア採用は人事だけでは適切な要件を決めるのが難しいため、社内のエンジニアに採用に入ってもらい一緒に進めていくのが確実です。

前述のとおり、特に専門職であるエンジニアは、「入ってもらえれば誰でもいい」というわけにはいきません。

自社で働いてもらうにあたって必要なスキルや経験を持っているか、価値観や方向性が会社組織やエンジニアチームと合っているかなどを見極める必要があります。

逆に採用基準を厳しくしすぎても今度は応募者がおらず採用に至らないということになります。妥協点が必要になる場合もありますが、必須要件と歓迎要件とをきちんと定めておくことが大切です。

採用要件が決まったら求人票やスカウトメール文面を作成します。このときも公開する前にエンジニアに一度見てもらい「興味を持って応募したいと思うかどうか」を聞いてみるとよいでしょう。

エンジニア採用専門のサービスを利用する

エンジニア採用が難しい理由のひとつに、書類や面接ではスキルを測ることが難しいという点が挙げられます。

自社で技術テストを課している企業もあると思いますが、導入コストを考えるとなかなか難しいですよね。そこで応募者のスキルを測れるサービスを利用するのがよい解決策になることがあります。

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まとめ

エンジニアが辞める理由と、ネガティブな理由の退職を防ぐための方法についてお伝えしました。

本文でも書いたとおり、エンジニアの転職は珍しくなく、むしろ自身のスキルやキャリアのために1社に5年10年と長く居続けるのを避ける人もいるくらいです。

ただし、組織やチーム、自身の仕事にネガティブな感情を持っての退職が続くのであれば企業として対策をする必要があります。そういった企業では、採用もスムーズにいかないからです。

社員にモチベーション高く生き生きと働いてもらうための環境を整えることは、社員の生産性の向上をはかり、ひいては利益を上げることにもつながります。

なお、paizaではエンジニアを採用したい企業が採用活動において知っておくとよいことについて、以下の「採用成功ガイド」にまとめていますのでぜひごらんください。

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