「バレットジャーナル」というノート術があります。タスク・アイデア・日記・予定など、あらゆる物事をノートに書き記していき、自分に関する記録を一元管理できるようにする手法です。
一番の特徴は、文章を使わず箇条書きで記述していく点。「バレット(弾丸)」と名がつくように、「・」から始まるリスト形式で記述していきます。 日本語の文章を考えて作る必要がないので、ラフな気持ちでメモを書き殴れる。形式や表現に縛られないのがとても心地よくて好きなのです。
さて、そんなバレットジャーナルですが「便利なのはわかったけど、具体的にどういう使い方をすればいいのかわからない」という意見をよく耳にします。たしかに、バレットジャーナルを運用するためのお作法やルールがあるので、ややこしさを感じてしまうのかもしれません。
そこで今回は、私が実践している具体的な運用方法をご紹介していきます。バレットジャーナルを取り入れている人も、これから使ってみようと考えている人も、参考になれば幸いです。
【目次】
使用するツール:Appleのメモアプリ
まずは道具の話。私はAppleのメモアプリを利用しています。主な理由は以下の通り。
- マルチデバイス対応でMac・iPad・iPhoneのどれでもメモが取れる。
- 手書きとテキストメモをひとつのノートに混在させられる。
- マークダウン記法に対応している。
- フォルダとタグが使えて管理方法の幅が広い。
いままでさまざまなノートアプリ・タスク管理ツールでトライしてきましたが、結局はメモアプリが一番ですね。シンプルなのであれこれ考えすぎずに使えますし、使い方によってアレンジも効かせやすいです。
運用の流れ1:クイックノートにDailyLogを記す
バレットジャーナルの始まりは「DailyLog」を作ることから始まります。「今日」という日のできごとをすべて記録するためのノートです。
ここにはやるべきタスクも書きますし、考えたアイデアも書きます。読んで面白かった記事も、人から聞いてためになった話も、すべてです。
ノートのタイトルは日付にしておきます。「年月日」にするか「/」でつなぐか、入力形式も決めておいたほうがよいです。私は「2024/01/19」という形にしています。
DailyLogへの記録は箇条書きで書きますが、書くものの種類によって接頭記号を変えます。たとえば私の場合はこんな感じ。
「・」タスク・やるべきこと 「✖︎」タスク:完了 「>」タスク:移動 「<」タスク:タスクを予定に入れる 「 - 」考えたこと、思ったこと、行った行動など。 「☆ 」今日の目標 「★」達成できた目標・今日のハイライト 「!」アイデア。記事ネタなど。 「⚪︎」予定・スケジュール
このあたりは個々人でカスタマイズしてOK。あれこれ考えて先にルールをギチギチに作るより、実際にやってみてから徐々に構築してくのがオススメです。
大切なのは形よりも記録すること。どんな形であれ、記録が残っていさえすれば、振り返ることができます。
クイックノートをDailyLogで使う理由
クイックノートは、iPhone・iPad・Macにおいて最速でアクセスできるノートです。
Macではショートカットキー「option + Q」を設定しており、iPhoneではウィジェットにて表示。iPadでは、画面右下から左上にスワイプすると小窓が表示されます。
DailyLogは「今日」という一日のあらゆるできごと・考え・メモを書き記す場所です。一瞬でも「メモを開くのが面倒くさいなぁ」と感じたら習慣化できませんので、瞬時にメモできる環境を用意する必要がありました。
その結果がクイックノート。とくに「すべてのデバイスから同じノートに最速でアクセスできる」という条件を満たせるツールは、Appleのメモ.appしか思いつきませんでした。
運用の流れ2:DailyLogの棚卸しをする
一日の終わりに、DailyLogの棚卸しを行います。
基本的には「今日もいちにちいっぱいメモしたぞ」という達成感を味わうだけで良いのですが、未来に託したメモやタスクがある場合は、それを転記しなければなりません。
個別のプロジェクトに移動
先送りにしたタスクは通常「未来の予定」として、期限付きのタスクにしたり、カレンダーに登録したりします。
ですが、たとえばブログのネタみたいなものは、「特定の日に必要なもの」ではなく「定期的に見返して、折をみて行動に移したいもの」になります。
こういうものは個別のプロジェクトフォルダに転記します。私は「ブログのネタリスト」を持っていますので、そこに転記しておきます。
FutureLogに移動
「明日に先送り」「1月20日にやろう」と特定の日に実行できるタスクは処理が簡単ですが、難しいのが「今月中のいつかやろう」というもの。忘れたくないけれど、いつやるか決めきれないものになります。
こういうものは「FutureLog」に移し替えます。
「FutureLog」は月間目標ノートのようなものです。その月の目標ややりたいこと、あるいはDailyLogでとくに思い出深かったものをハイライトとしてリスト化します。
こうすると後から振り返るときに、月単位で「どういうことがあったのか」「何ができて、何ができなかったのか」を簡単にチェックできます。
週ごとの「Weekly」で作ってもいいですが、私は月ごとの「Monthly」がちょうどいいと感じています。
DailyLogをアーカイブに移動
その日にやり残したことを未来に先送りできたら、最後にその日のノートをアーカイブとして保存します。
クイックノートの中に残ったままだと、翌日のDailyLogを邪魔してしまうので、「DailyLogをまとめたアーカイブフォルダ」を作成し、そこに格納します。
バレットジャーナルはノート術でタスク管理とは少し違う
最後に重要なお話なのですが、バレットジャーナルの目的は「自分史を作る」になります。
近い未来への目標と今日行うべきことの予定を決めて、実行したものを記録として残していく。その積み重ねをログとして残し、次の未来に活かしていく。これが目的です。
したがって、バレットジャーナルで「タスクを管理しよう」と意気込むと、使いづらさを感じるかと思います。単独のタスクの管理ぐらいであれば問題ありませんが、「プロジェクトの管理」のようなものには不向きです。
タスクの全体像を把握したり、タスクに期限をつけたり、プロジェクトの進行状況を管理したりするのは難しいので、プロジェクト管理についてはNotionやBacklogなどの別ツールを頼るといいでしょう。
(文:ばんか(bamka))
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