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SIerから自社開発企業への転職、成功する人と失敗する人の違い3つ

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f:id:paiza:20180910132940p:plainこんにちは。倉内です。

私は前職のSIerでSEをしていたのですが、20代後半にもなると同期で転職する人が増えてきて、特に自社サービス開発企業への転職を希望する人が多かった記憶があります。

自社サービスを持っている企業というと、自分たちが普段利用するような身近なサービスを開発している企業も多いですし、裁量が大きかったりリモートワークが推進されていたりとなんとなくよいイメージがあるのかもしれません。

ただ、話を聞いているとスムーズに自社サービスの企業へ転職できた人と、なかなか選考に通過できなくて苦戦している人と二極化しているようです。

自社開発の企業にITエンジニアとして転職するには、開発スキルが必要だということを理解している人は多いのですが、受託と自社ではスキル以外にも企業が応募者に求めるものに違いがあります

そこで今回は、自社サービス開発の企業へ転職を希望しているITエンジニアの方が意外と認識できていない、企業が選考で見ているポイントについてお話ししたいと思います。

受託から自社への転職で前提となること

「自社開発の企業に行きたい理由」を言えるか

自分自身SIerにいるころに自社開発の企業へ転職していった同期などを見て、漠然と「いいなぁ」というイメージを持っていたことがありました。

ただ、転職するとなるともちろんそれでは駄目で、志望動機が「自社開発の企業で働きたい」にしかなってない人は、「なぜ自社開発に行きたいのか」そして「なぜその企業に行きたいのか」まで考えておく必要があります

極端な例かもしれませんが「とにかく受託を辞めて自社サービスを作っている会社に行きたいんです」と言う人よりも、「受託では現状このような課題があって、それを解決するためには自社サービスを持っている企業へ転職し、こういうことをやっていきたい」と言える人のほうがいいというのは明らかですよね。

そうは言ってもまだ志望動機ややりたいことがきちんと固まっていない…という人は、まずは求人票を見て興味を持った企業に応募して、カジュアル面談に行ってみることをおすすめします

paizaのカジュアル面談は志望動機が固まっていなくても受けることができますので、企業比較のための情報収集や自分のやりたいことを考えるのに活用できます。(ただし、あくまで採用の場であり、転職意志があることが前提です。)

カジュアル面談について、詳しくはこちらをごらんください。

 

開発における「ゴール」の違いを理解しているか

開発手法や開発のスピード感、業務システムとWebシステムであれば扱う技術が違うというのは知っている人も多いと思いますが、受託開発をやっている人があまり意識できていないことに「自社開発ではシステムを完成(リリース)したあとも改善することが前提である」があります。

受託案件の場合、納品=完成なので、作って納品したシステムを今後どうよくしていくか考えることはほとんどありません。(機能改善や追加の依頼があとであるかもしれませんが、顧客からの依頼なしに自主的に改善するということはないでしょう)

しかし、自社サービスはリリース後もどんどん改善を続けて、よりユーザーを増やしたり利益を生み出したりしていく必要があります。

そのため常に「ユーザーが求めているものは何か?」「今のシステムが抱えている課題や問題をどうやって解決していくべきか?」を考える必要があります。

また、システムを改善していくということは、拡張性やメンテナンス性の高さも重要になってきます。開発スピードとの兼ね合いにはなりますが…。

自社と受託の特徴や違いについては、paizaラーニングの動画講座「ITエンジニアの就活準備編1: 業界構造を学ぶ」でも解説しています。

以下のブログ記事では、求められるスキルの違いを説明しています。

paiza.hatenablog.com

自社開発のエンジニアが「スキル以外に」求められるもの

サービス志向があるか

「応募先企業のサービスが好き」というのは、いちユーザーとしてならいいのですが、ITエンジニアとして働きたいと思っているならそれだけでは物足りません。

受託開発ではいかに予算の範囲内に収めるか(かかる費用を抑えるか)を考えてシステム開発をしますが、自社開発では提供するシステムでいかに大きな利益を生むかというサービスの提供価値を考えられる視点が必要です。

面接では応募先企業のサービスに理解や興味があるか、魅力的だと思うことはなにかを聞かれることがあります。

入社後はそのサービスを改善したり、課題を解決したりといったことが業務になるので、たとえ扱っている技術への興味・関心があったとしても、サービス自体に興味がなさそうだと判断されると選考を通過するのは難しいでしょう。

受託は案件が変わればお客さまもシステムも変わることが多いため、そこは自社開発とはだいぶ感覚が違うと思います。

面接に臨む前に応募先企業のサービスについて理解を深めて、「そのサービスをよりよくするにはどうすればいいか?」「自分の経験やスキルはどう生きるか?」を考えてみてください。

ユーザー理解ができるか

ユーザーがどんな課題を持っていて、システム(サービス)でどうやってそれを解決するかを考えるのは受託でも自社でも一緒だと思います。(受託では多重請負の構造上、下請けに位置しているとすでに決まっている仕様で開発をせざるを得ない場合もありますが…)

ただ、違う点としては受託は「依頼されて作っている」ので、依頼元のニーズをしっかり引き出して、それらを満たしたシステムを作ればいいのですが、自社サービスは依頼元というのはありません。

つまりシステムを作ると同じかそれ以上に、「どういうユーザーが使ってくれるか」「どういうニーズがあるか」を自分たちで考えて、実際使ってもらって利益を出せるかが重要になってきます。

「エンジニア自身で考える必要あるの?」と思った人はおそらく受託思考のままなので、たとえば事業サイドや企画サイドが考えたものを作るのが自社サービスだと考えている人は、意識的に思考や発想を変えていく必要があるでしょう。

技術に対して探究心があるか

受託から自社への転職で、面接において、たとえば「現在の業務ではWebサービスはやってないので、これから勉強したいと思います」と言うと一見やる気があるアピールになりそうですが…実際は「なぜ今やってないのか?」と思われてしまいます。

というのも今はブラウザさえあれば利用できるプログラミング学習サービスがたくさん存在し、誰でも(無料で)Webサイトやアプリケーションなどを公開できる時代だといっても過言ではないからです。

そのため独学もせずに「やろうと思っています」と言うのは「やっていない」のと同じになってしまいます。

ちなみにpaizaラーニングでは、Webアプリケーション開発を学べる学習講座を用意していますのでぜひご活用ください。

なお、paiza転職では求人票で開発環境の情報が見れますので、応募先企業でどういった技術が採用されているのかを詳しく見ることができます。

現在自分ができること、応募先企業で求められることにギャップがある場合は、それをどうやって埋めようとしているかということも話せるとよりよいかと思います。

まとめ

受託開発から自社サービス開発の企業へ転職を考えているエンジニアに求められることをお伝えしてきました。

受託と自社では求められるスキルや開発手法、開発スピードの違いだけではなく、システム(サービス)に対する考え方そのものに違いがあるということが分かっていただけたかと思います。

本文でも述べましたが、「受託を辞めたい」という気持ちが転職を考えるきっかけだとしても、「なぜ自社サービスに転職したいのか」「自社サービスを開発している企業でやりたいこと」などは整理しておく必要があります

受託も自社も経験した身としては、受託開発の「誰かに求められてシステムを作る」というのは結構やりがいにつながっていたなと思っていて、もし同じように感じた方は受託のほうが合っている…という可能性もあります。

paizaで掲載中の転職者インタビューでは、受託から自社への転職をした方もいらっしゃいますので参考にしてみてください。

また今回取り上げた、技術以外で失敗しないための面接対策や不採用理由の分析など、詳しくは「転職成功ガイド」掲載していますのでごらんください。


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