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転職前に知っておきたい、自社開発と受託開発(SIer)で求められるスキルの違い

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Photo by Rawpixel Ltd
f:id:paiza:20180910132940p:plainこんにちは。倉内です。

転職を考えている皆さんは、ITエンジニアは人材不足で転職は売り手市場と聞いて「楽に転職できそう」と油断していませんか?

実は採用する企業側はIT人材の“量”と同じくらい“質”の不足を感じているという調査結果もあり、ITスキルや実績が突出している人でもない限り、理想通りの転職を実現させるのは難しいと感じている人も多いようです。

(参考)IT人材白書2018「3. IT人材の“量”と“質”の経年変化」より

特に「SIerに疲れて自社サービス開発の企業へ行きたい…」と思っている人や、「未経験からITエンジニアになりたい」と考えている人は、必要とされるスキルについて正しく把握できておらず、転職活動がうまくいかない原因となっている可能性があります。

そこで今回はITエンジニアが求められるスキルについて、自社開発と受託開発(SIer)に分けてそれぞれご説明します。

自社開発と受託開発(SIer)の特徴

初めに自社開発企業と受託開発企業の特徴を簡単に整理しておきましょう。

自社開発の特徴

自社開発企業は、その名の通り自社でWebサービスやサイト、アプリ、ゲームやパッケージソフトなどを開発・運営している企業です。

サービスのアイディアを出しリリースするまでのスピードを重視し、リリースしてからもユーザの反応を見てブラッシュアップしていくのが普通です。

自社のサービスなので新しい技術を取り入れることもできますし、顧客と納期を決めているわけではないので比較的柔軟なスケジュールを組むことが可能です。

一方、リリースしたもののユーザを集められないと、利益を出すどころか開発費用すら回収が難しい場合もあります

既にヒットサービスを持っており、ユーザーを多く獲得している有名企業もありますが、社員数が数名~十数名の小規模なスタートアップ企業も多く存在します。

受託開発(SIer)の特徴

さまざまなシステム作りに関する業務を、顧客から依頼を受けておこなうのが受託開発(SIer)です。イメージしやすいのは、銀行のATMや小売店のPOSレジなどでしょうか。

受託開発で最も重視するのは、システム開発を依頼してきた顧客に対して、決められた期日までに要件を満たしたシステムを納品することです。

要件・予算・スケジュールはプロジェクト開始時に決まっているため、基本的には開発途中やリリース後に(不具合は別にして)顧客の反応を見てシステムに手を加えるということはありません。

顧客からの依頼でシステム開発をおこなうため、よっぽどのことがない限り費用を回収できるのはいいところだと言えるでしょう。

しかし、開発で使用できる技術や環境に制限があることが多かったり、納期に間に合わせるため長時間労働を強いられたり、といった側面もあります。


このように自社開発企業と受託開発企業では、仕事の進め方や仕事に対する考え方、重視しているものがまったく異なるため、求められるスキルにも違いが出てきます。

自社開発で求められるスキル

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自社サービスの開発をしている企業では、以下のようなスキルが求められます。

  • 開発スキル(実務経験が浅くてもプログラミングに対する興味や素質を重視)
  • スピーディーな開発サイクルに対応できるスキル
  • サービスを利用するユーザーを理解するための調査、分析スキル

自社開発の場合、顧客と要件を詰めて仕様を固めた上で開発に取りかかるということはありません。

ユーザニーズの仮説を立て、まずはその検証をおこなうためのシステムをすばやくリリースし、ユーザーの反応を見てブラッシュアップしていく必要があります。

そのためあらかじめ立てた計画に基づいて着実に業務を進行していくよりも、変化に対応し続けることが重要になってきます。

そして、何よりもそれらに柔軟に対応するためのプログラミングスキルを持っていることが前提です。

SIerで管理業務をしていた人が自社開発企業への転職を考えている場合、転職先でもそれなりに高い額の給与を希望している割にプログラミングスキルが必須レベルに届いておらず、転職に苦労することがあります。

自社開発企業への転職を考えている方は、ぜひpaizaラーニングを活用してスキルアップに取り組んでみてください。

ある程度学習が進んだらスキルチェックを受験し、本当にプログラミングスキルが身についたか確認してみましょう。paizaのスキルチェックの詳細はこちら

受託開発(SIer)で求められるスキル

受託開発では、以下のようなスキルが求められます。

  • 顧客要件をシステム仕様に整理し設計書に落としこめるスキル
  • 開発スケジュールの作成・調整・管理ができるスキル
  • 業務仕様を理解しタスクを確実にこなすことができるスキル

自社開発と違い、受託開発の場合は顧客から要件が提示されます。それを予算やスケジュールを考慮してシステム仕様として固め、設計書を作成して、ようやく開発がスタートします。

受託開発ではあらかじめ立てた計画に沿ってプロジェクトを進め、納期というゴールに向かって着実にシステムを作り上げることがもっとも重要です。

業務システムの開発など大規模・長期のプロジェクトが多いため、途中でお客様から「あ、やっぱりあの機能はこういうこともできないとダメだった!」といった要望が飛び出すこともありますが、それをすべて聞いているとプロジェクト計画が破綻します。(前職のSIerで何度も遭遇しました…)

プロジェクトを円滑に進めるためには、プロジェクトメンバーだけでなく顧客もコントロールしなければならないため、特に元請けのエンジニアは管理能力が必要とされます。

もちろん元請けから開発工程を請け負う側のエンジニアも同様に、割り振られたタスクをスケジュールに沿って着実に進める能力が求められます。

ITエンジニアの転職で気をつけたいこと

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SIerから自社開発企業への転職

ひと昔前まではITエンジニアというと、携わったプロジェクトの規模やマネジメント経験が重視されていました。

しかし自社開発の企業では、まず一定のプログラミングスキルがあるということが大前提として求められます。

前職のSIerでSEをしていたときの同僚で自社開発企業へ転職したいと言っている人は何人もいましたが、先ほど述べたとおり業務はマネジメント中心でプログラミングに関わることはなく、スキルが足りないから無理だと諦めている人もいたようです。

ただし、転職前にしっかりプログラミングスキルをつけ、希望どおり自社開発の企業へ転職していった人たちも見てきました。

また自社開発とSIerではビジネスモデルや開発手法、企業文化やスピード感においても大きく違うということを覚えておきましょう。SIerで働いていたときと同じ感覚でいるとかなりギャップを感じると思います。

未経験でITエンジニアに転職

自社開発の企業ではITエンジニアとして即戦力を求められる場合が多いため、開発未経験から中途で入社するのは難しいのが現実です。(もちろん不可能ではないのですが…)

もしまだIT業界への転職や自分のスキルに自信がないのであれば、まずは受託開発の企業への入社をめざしたほうがスムーズです。

そこでITエンジニアとしてベースとなる技術を身につけ、実務経験を積んだあとに希望する企業へ転職する…というようにステップアップしていくと考えてください。

ただし、受かればどこでもいいかというとそうではなく、「いずれはWeb開発ができるようになりたい」という人ならWeb系の案件を受託している企業を選ぶなど、自分のやりたいことに合った技術が身につけられる企業を目指したほうがよいでしょう。

まとめ

自社開発と受託開発の特徴を踏まえ、それぞれで求められるスキルや転職時に気をつけたいことについてお話ししてきました。

どちらがいい・悪いということではなく、仕事のやり方や重視していることが違うということを理解していただければと思います。

現職でつらい思いをしているとつい転職を急ぎがちですが、自分はなぜ転職をするのか・ITエンジニアとしてどのようにキャリアを築いていきたいかをよく考え、後悔のない転職ができるといいですね。

そのためには自分が希望する企業がどういったスキルを持ったITエンジニアを求めているかを把握し、準備をすることが大切です。

paizaラーニングでは、「ITエンジニアの就活準備編」として自社開発と受託開発(SIer)の違いなど、業界構造を学べる講座(完全無料)をご用意しています。そちらもぜひチェックしてみてください。


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