一般的に、肉体的にも精神的にもタフな仕事のイメージがあるエンジニア。特にメンタル面の管理で苦労されている人を多く見かけます。スキルアップだけでなく、健康維持もエンジニアを続けるために不可欠なポイントです。
この連載は「すべてうまくいく:エンジニアを続けていくための心得」と題して、元エンジニアで現在はライターの加山恵美さんが、自らの経験や数多くのエンジニアへの取材経験をもとに、健康で充実した日々を送るためのヒントをお伝えしていきます。仕事に疲れたときやキャリアに迷ったときに、ちょっと一息入れるつもりで読んでみてください。(バックナンバーはこちらから)
最終回となる第10回は、「わくわくすることを見つけられるか」について。エンジニアとしてこれからも長く頑張るためには、仕事の中で「わくわくすること」を見つけられるか、それを追求できるかがとても大切です。日々の仕事の中で、そんな「わくわく」を見つける方法とは?
こんにちは、ライターの加山恵美です。
今回で一区切りです。読者となる若手エンジニアさんたちにエールを送らせていただくならなんだろうと考えました。ありきたりですが「わくわくすることを見つけ、追求してください」です。
簡単そうですが、けっこう難しいです。特に真面目な人にとっては。
今、自分がわくわくすることが何か分かりますか?
分からないのであれば、一度、真面目に考えてみてください。心の余裕がなくなっているかもしれません。
わくわくすることは私生活でも仕事でも追求してほしいのですが、ここでは仕事で考えましょう。
例えば「私は仲間とプロジェクトを進めていくのが楽しい」と感じるなら、プロジェクトマネジメントなどチームワークを極める方向で挑戦してみるといいかもしれません。一方「プログラムを書いている時が楽しい」のであれば、論理的思考や創造力があるのでしょう。得意の言語を極めるなど、技術で何かを形にするスキルを高めて、プロフェッショナルを目指すのがいいのかも。この2つは分かりやすい例ですが、仕事を見渡せば、どこかに「楽しい」「わくわくする」と感じられる何かがあるはずです。それを大事にしてください。
自分がわくわくすることが見つけられるかが長いキャリアでは重要です。わくわくは活力の源泉であり、その気持ちがあれば、作業や労働の苦痛が減ります(もちろん過労で倒れるほど根をつめるのはよくありませんが)。仕事で苦痛が少ないならそれに超したことはないですよね。わくわくしている間は元気が無尽蔵に出てきますし、失敗してもあまりダメージになりません。失敗を失敗と思わず、「成功までの1つの過程」と見なすなどポジティブにとらえられます。そしてぐんぐん、わくわくする道を突き進んでいけるのです。楽しめれば「もっと上達したい」とスキルアップも難なく進めていけます。スキルアップしてさらにいい結果が出るようになれば、さらにわくわくできるでしょう。好循環が生まれます。
もし、わくわくがないとしたらどうでしょうか。ひたすら耐えるばかりの仕事であれば、仕事がつらくなってきます。しだいに心も体も衰弱してしまうのです。そんな仕事を長く続けることは難しいでしょう。何もわくわくできることを見つけられないのであれば、それは自分には合っていない仕事なのかもしれません。
知り合いで「なぜあの人はあんなに頑張れるのか」と思える人はいませんか。その人はわくわくしているか、あるいはよほどタフかどちらかです。前者であればいいのですが、後者であればいつか気力体力が尽きたときに倒れてしまいます。
本当にわくわくすることは自分にしかわかりません。実はわくわくすることが分かっているのに「自分はこれをしなくてはならない」と目を背けている場合もあります。組織の中で求められていることをしっかりとこなすこともすばらしいですが、一方で、自分にとってわくわくすることは何か、無尽蔵の活力がわくのは何をしている時か知っておくといいでしょう。「疲れを忘れて打ち込んだ経験」は過去にありませんでしたか?もしあったなら、それがわくわくの源泉かもしれません。
そしてできれば、その「わくわくすること」を追求してみてください。きっと目指すべき道が見えてくるはずです。
キャリアも人生も長く続きます。時には根気もいります。早めに見切りを付けることが重要な場合もありますが、根気強く続けることで到達できる境地もあるでしょう。わくわくがあれば効率的にその道を突き進んでいけるのです。
これまで合計10回にわたり読んでくださり、ありがとうございました。
またどこかでお目にかかれるのを楽しみにしています。(おわり)
著者プロフィール
加山恵美
フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関の子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。
Twitter:@emiekayama
site:http://emiekayama.net
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