Photo by Eugene Kim
こんにちは。倉内です。
皆さんは毎日オフィスで集中して仕事ができていますか?
ITエンジニアは特にPCに向かう時間が多い仕事です。座りっぱなしの人も多く「集中力が続かないなあ」と悩む人もいるのではないでしょうか。
さらに私の場合は、前職がSIerで就業ルールも厳しめでした。「音楽を聞きながら仕事をする」「ちょっと外に出て気分転換」なんてこともできず、集中力を保つのに苦労していました。
paiza(ギノ)に転職して、格段に自由度が上がったので「集中するためにいろいろやっていこう」と決意していたのですが、まだまだ試行錯誤中です。
そこで、興味本位で弊社の健康オタク(兼論文オタク)エンジニアに「集中するために何をしていますか」と聞いてみたところ、想像を遥かに超える「集中のために実践していることリスト」が返ってきましたのでご紹介したいと思います。
なお、健康オタクエンジニアは過去にこのブログで食事や運動、睡眠そしてストレス対策に関する記事を書いているエンジニアのことです。
健康オタクエンジニアが集中のために実践していること
まずはこのエンジニアが何をやっているのかのリストをご覧ください。
仕事環境編
- 気温は20度くらい、湿度は50%くらいに保つ
- シングルタスクにする
- 目の前のタスクしかできない状況を作る
- まとまった時間を持てるようにする
- オフィスで「集中する場所」と「集中しない場所」を分ける
- 立って仕事をする
- むしろ座るな、そして歩け
- BGMは拡散的思考(後述)になりたいときだけにする
- 自然音とピンクノイズ*1を組み合わせて聞く
- 会議はいろいろなものを犠牲にするので必要最低限にする
- 集中して仕事をするのは1日4時間程度にし、あとは休憩して翌日の4時間に備える
- 17時〜19時は基本休む(集中力の要る作業はしない)
意識改革編
- 自分が集中できる時間を把握する
- 毎日集中を高める方法を工夫して検証する
- 「今から集中するぞ」というポーズを決める
- 少しでもゾーン*2に入って仕事ができたら自分を褒める
- 1日に1個でも何かできたら自分を褒めちぎる
- 集中状態というのは高嶺の花であると理解し追い求め続ける
- 「集中している」と「集中した気になっている」は別物と認識する
生活習慣編
- 健康状態を高く保っておく
- お酒やタバコを控える
- 適度に水分を摂る
- 集中したい時間の前に階段を登るなど軽い運動をして血行をよくする
- 不安やストレスを作らない(つぶすか逃げる)
- 人生において孤独にならないようにする
- お腹を抱えて笑える瞬間を作る(幸福度を上げると健康になるため集中に結びつく)
や、やりすぎじゃないですか…? 集中力を保つのって大変なんですね…。
集中力を高めたい人にオススメの本3冊
根拠については、いろいろな実験結果や文献を参考にしているとのことですが、以下3冊の本を特にオススメされたので合わせて紹介しておきます。
DEEP WORK 大事なことに集中する
スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術
これは直接集中力に関する本ではないのですが、集中の重要性が随所に散りばめられており、非常に学びが多い1冊です。
ちなみに「立って仕事をするといい」については以下の記事に詳しく書いています。
そもそも「集中」ってなんだろう?
私は健康やそれに付随する知識がまったくないので、いまさらですが「そもそも集中って人間にとってなんなんだろう?」ということでちょっと調べてみました。
集中力は遺伝よりも生活環境で決まる
集中力がある・ないってなんとなく遺伝なのかなと思いませんか?
確かに遺伝するという仮説はありますが、どちらかというと生活環境に依存する説のほうが有力のようです。(集中力は遺伝するの? | 雑誌『プレジデントファミリー』)
よく「東大に入れるくらい(集中して)勉強できる子の親も東大卒が多いから遺伝だ」と言われたりしますが、実は両親が家で本を読む・勉強するなどの習慣があると、子どももそれを見て育つため集中して勉強に取り組める子になるだけだそうです。
ということは「自分はもともと集中力がない人間だ…」と諦めるよりは、集中できる環境・習慣を整えることで集中力は高められると考えたほうがいいなと思いました。
1日の中で集中しやすい時間・しづらい時間がある
人間の脳がもっとも活発に働くのは起床してから4時間後と言われており、この時間帯はクリエイティブな作業をするのに向いています。
起床後8時間も経つと脳は活発に働かなくなってきます。集中してタスクをこなしたり、物事の判断や決断をしたりするのが難しい状態と言えます。
このような起床後何時間はこういったタスクがよいというのは、アドレナリンやセロトニンといった分泌物によるものなので、万人に共通ではなく自分の生活リズムに合わせてカスタマイズが必要です。
1日のタスクをどのようにスケジューリングするかは、以下の本が分かりやすくて参考になりました。著者は作業療法士の方で、生体リズムや脳の仕組みについても精通していらっしゃいます。
脳にいい24時間の使い方
収束的思考と拡散的思考を上手く使い分ける
タスクは何でも集中しておこなったほうがいいと思っていたのですが、実は集中していない状態のほうが成果が出るタスクもあります。
それはアメリカの心理学者ジョイ・ギルフォードが提唱した、人間の思考には「収束的思考」と「拡散的思考」の2つの側面があるという考え方で説明ができます。
「収束的思考」のときは、いわゆる集中状態で論理的に思考することで問題について深く掘り下げ、すばやく解決に導くことができます。システム開発における実装方法の検討やコーディング、そして学習などは、このモードで集中しておこなうとよさそうです。
一方、「拡散的思考」のときは、考えを拡散させて思いをめぐらせながら新たなことを生み出すことができます。「拡散的思考」でいるためには積極的な気分でいる必要があるので、アイディア出しなど発想を必要とするタスクをおこなうのに適しています。
1日中ずっと集中するというより、集中している時間とそうでない時間を上手く使い分けてタスクをこなすことが大切だと言えます。
実践してみての感想
リストの項目のうち、(一般人にはハードルが高いものもあったので)とりあえずすぐできそうなものをいくつか試してみました。
まず、SIerにいた頃に憧れていた「音楽を聞きながら仕事をする」は、音楽の種類や作業内容にもよるかもしれませんが、想像以上に作業に没頭できて驚きました。また、ピンクノイズというのを初めて聞いてみましたが、こちらも雑念が消え去っていいですね。最初ちょっとぞわぞわしましたが…。
自然音やノイズ音をミックスしてBGMにできるサイトも教えてもらいました。ブラウザからは無料で利用できます。(有料ですがアプリ版もあります。)
Noisli - Improve Focus and Boost Productivity with Background Sounds
午後一など眠いときに「立って仕事する」はよさそうだなと思うのですが、これはオフィスでやるのは勇気が要ります。まだ実践できていないのでそのうち試してみたいです。
一番重要だと感じたのが「自分が集中できる時間を把握する」です。私はわりと朝が強いのでまだ人が少ない時間に来て、そこで仕事をするのが一番集中できることが分かりました。前職だと朝一会議とか、一番集中してくる10時くらいの打ち合わせが多かったのでもったいなかったですね。
こうしていろいろ試してみると、「健康エンジニア…会社の入り口付近の本棚の前にずーっと立ってるな……」とか、「(気温がちょうどいいという理由で)非常階段で仕事をしていて、通りがかった人をビビらせてるらしい」というのは奇行に走っていたわけではなく、集中力を高めるための行動だったんだなと分かりました。
まとめ
普通の人間が1日に集中できる時間は限られており、その短時間の中で最高のパフォーマンスを出して、サクッと仕事を片付けられたら理想的ですよね。
しかし会社のルールによっては、今回紹介したような方法で集中状態を意図的に作ることが難しい場合もあると思いますので、できる範囲で試してみてください。
ちなみにpaiza転職では「イヤホンOK」や「裁量労働」、「一部在宅勤務可」などの特徴から求人を検索することができます。
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