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プロジェクト管理で失敗する社員の共通点


<この記事の著者>
ばんか(bamka) - Tech Team Journal

Web制作会社の会社員(Webディレクター)として働きつつ、個人でブログ/メディアライターとしても活動するパラレルワーカー。
ChatGPT等AIを公私で駆使し、ITツール・ガジェットを用いて人々の生活をより豊かにするための活用術を提供するブログも運営。


複数人のメンバーが関わるプロジェクトでは、取りまとめをする人が必要です。

そうでなければ、メンバー間のコミュニケーション不足により連携ができなくなったり、タスクを譲り合って宙ぶらりんの状態になったりと、プロジェクトが円滑に回らなくなってしまいます。

そんな役を担っているのが「Webディレクター」です。ディレクターの態度・行動次第で、プロジェクトがスムーズに進むかはもちろん、メンバーの士気や空気感も変わってきます。

そこで今回は、12年間のWebディレクター業務を通して、「こういう姿勢・態度・行動はあまり良くなかったなぁ」と反省しているポイントについてお話しします。


【目次】

1.責任感が強すぎる

責任感は大切ですが、過度に強すぎると、プレッシャーに押しつぶされそうになります。

とくにWebディレクターは、クライアントと社内の相互にコミュニケーションを取らなければならない立場なので、単身孤独であるような錯覚をしてしまいます。

「自分が頑張らなくちゃ」
「この問題をどうにか解決しなくちゃ」
「クライアントに交渉しなくちゃ」

「これは、自分にしかわからない。自分にしかできないんだ」と思い込んでしまい、相談ができなくなったり、弱音を吐ける相手がいなくなったりします。

しかし、ワンチームである意識をなくしてはいけなかったのです。ひとつの目的を共有して、クライアントも社員も、みんな同じ方向に向かっているのですから、困りごとや悩みごとは気軽に打ち明けていいのだと気づきました。

それに、相談してみると意外とあっさり解決したりします。自分一人の知識・経験なんて大したものじゃないのですから、早め早めに周りを頼るのがいいんだと知りました。


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2.自分で抱え込みすぎる

「自分が頑張れば……」と考えてしまいがちなのも、私の悪い癖でした。
とくにスケジュールが逼迫してくると「明日自分が徹夜すれば間に合う」「週末に自分が作業をすればスケジュールを取り戻せる」などと考えてしまいがちでした。

ですがこれは非常に良くない。誰か一人に負担が集中するのは、プロジェクトの健康状態が悪いことを意味します。

負担は分散させなければ、いずれどこかで亀裂が生まれます。スケジュールを調整したり、ヘルプを要請したりと、きちんと自分の健康も勘定にいれて計画を立てなければなりません。

3.決定事項を崩したがらない

プロジェクトは生き物です。時間の経過とともに、当初の計画から外れた事態や、予想していなかった状態になったりするのは、当たり前のこと。

どれだけ綿密な計画を立てても、変化は余儀なくされる。そういうものです。
“そういうものである” と理解するのには、少し時間がかかりました。
とくにスケジュールについて、過去の自分は「スケジュール通りに進めるためには…」とばかり考えていたように思います。

ですがWebディレクターにとって大切なのは「計画を守る」ではなく「目的の達成」であると理解を改めました。それからは、変化を恐れず、受け入れられるようになりました。

スケジュールの変更、タスクの優先順位、仕様の変更。ときにはプロジェクトメンバーの追加・変更を行うなど、素早く柔軟な対応力が身につきました。

4.人と向き合わない

以前の私は、プロジェクトメンバーに対して杓子定規な見方しかできませんでした。

たとえば「このタスクの期限は来週でお願いします」と依頼したら、それを遂行するのが社会人であり、当然だと考えていました。したがって、途中経過で「進捗はどうですか?」と声をかけるのは失礼だし、期日まで大人しく待てばいいのだと、そう思っていました。

しかし、タスクリストの期日を見ているだけでは、プロジェクトはうまく回らないのだと知りました。

やる気・気分・モチベーション・体調・家庭事情など、人には目に見えない、その人にしかわからない事情があります。そういった事情に気を配れないと、プロジェクトは失敗します。

すべての事情を把握する必要はありません。

たとえば「エンジニアさん、他のプロジェクトで忙しそうだな」と感じたら、優しく声をかければいい。「最近忙しそうですけど、来週期日のタスク、大丈夫そうです?なんか手伝えますか?」と話しかけたら、早めにリスク回避できます。

タスクリストと向き合っていても見えてこないものがあります。人と向き合ってこそ、プロジェクトは成功するのだと知りました。

5.気を使いすぎる

プロジェクトメンバーに対して、過度に萎縮したり気を使いすぎるのはよくありません。
年上のデザイナーさん。言葉数の多くないITエンジニアさん。声をかけたり相談するのに勇気が必要な気持ちもわかります。

ですがWebディレクターは、一人では何もできない役回りです。さまざまな人の協力なしではプロジェクトを進められません。

ときには言いにくい依頼もあるでしょう。「クライアントからのフィードバックなのですが、急ぎの事情があって、明日までに対応お願いできないでしょうか」と声をかけなければならないときはあります。

そういうときに、素直なコミュニケーションができるようにならねばなりません。

6.優しさが足りない

これはすべての仕事にいえますが、すべての人がほんの少しずつ優しさを持ち寄るだけで、生産性は大きく上がると私は信じています。

たとえば「資料アップしたんで見といてください」と言うだけではなく、アップ先のURLを添えたほうが、相手は確認のための時間が減ります。

「ここは黒でお願いします」より、「#333 にしておいてください」のほうが、指示が明確で、迷いなく修正作業ができます。

ちょっと複雑な指示だったら、画面のキャプチャを添えたらいい。原稿の修正だったら、コピペできるようにテキストデータも送ったほうがいい。

こうやって、受け取った相手がどうやったら仕事をしやすいか、ほんのちょっと考えるだけで、プロジェクトはスムーズに回り始めます。

忙しくなってくると、自分のことで精一杯になってしまい、他の人への気配りがなくなったりします。しかしそういうときこそ、心に余裕を持ち続けたいものです。

7.率先して自分が動けない

Webディレクターという職は、自分一人では何も作れません。デザイナー・ITエンジニアなど多くの人の力を借りながら、ひとつのプロジェクトを成功に導いていきます。

人の力を借りるためには、まず自分が積極的に動かなければなりません。とくにWebディレクターは、ときには難しい相談をしなければならないときもあります。

そういうとき「あいつのためなら、ちょっと頑張るか」と思われたい。くわえて、デザイナー・ITエンジニアは職人さんですから、自分のクリエイティブに集中してもらいたいのです。

だから私は率先して動くようにしていて、関連メンバーのクリエイティビティを最大限に発揮させたいと思っています。

8.お金の計算が苦手

商社の営業時代、100万円以上するような取引で、会社の上司に「すみません。5万円ほど値下げして売ってもいいですか?」と相談したことがありました。

100万円からみたら5万円なんて少ない金額です。大した影響もないだろうし、値下げして売れるのであればいいだろうと思っていました。

しかし上司は言いました。
「仮のその5万円が、お前の財布から出ていくって考えても、同じ結論が出せるのか?」と。

上司は別に、5万円の値引きが許せなかったのではありません。5万円の値引きに至るまでの経緯に、努力があったのかどうかが大事。「5万円」という金額を軽く考えてはいけないという戒めでした。

この出来事を今でも鮮明に覚えていて、それからは会社の財布だろうとお金は重要なのだと意識するようになりました。

たとえば1時間の定例に10人集まったら、それだけで10時間分の工数を消費します。それを毎週行ったら、プロジェクトが完了するまでには大きな額に膨れています。

「じゃあ定例はやるべきでない」という話ではなく、それだけの価値を生み出すための時間にしなければならない。そういう意識を持つのが大切だと考えるようになりました。

さいごに

メンバー全員がプロジェクトの目的を意識して、達成のために自分の役割にだけ全力を注げる。そういう環境を作れるようになったら、Webディレクターとしては100点だと思います。

自分もまだまだ未熟ですが、関わった人がみんな、気持ちよく仕事ができたらいいなぁと常々思っています。


(文:ばんか(bamka))


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