paiza開発日誌

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ニーズをつかめてますか?エンジニアのためのマーケティング思考入門

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Photo by Damien @ Flickr
こんにちは。可知です。

エンジニアの皆さんは、技術に対する探求心が強い方が多いかと思いますが、その技術を使ったサービスの利用者や市場のニーズ調査もできている……という方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。

どんなに最先端の技術を使っていても、画期的な機能を実装することができたとしても、そのサービスや機能自体が利用者にとって価値のないもの、ニーズが全くないものだったら誰にも使ってもらえないでしょう。下手したらリリースすらされません。自分で作ったサービスや機能がお蔵入りになってしまったら悲しいですよね。

価値あるサービスを作るためには、エンジニアもマーケティングについて知っておいた方がよいでしょう。マーケティングができれば市場を知ることができて、技術力を社会へ還元できる可能性も高まります。

そこで、今回はITエンジニアに向けて、「マーケティング」について簡単にご紹介していきたいと思います。

私自身は元々ハードウェアよりのITエンジニアでしたが、10年ほど前にベンチャー企業に関わったときに初めてマーケティングに触れ、目の覚める思いをしました。またその経験が、後の人生でITシステムベンダーでマーケティングやプロモーションに携わるきっかけにもなりました。

マーケティングとは、お客様のことを理解すること

エンジニアであってもなくても、お客様のことを知るというのはビジネスにおいて極めて重要なポイントですよね。「マーケティング」とは、どのようなお客様がどのような価値を求めているかを理解した上で、製品やサービス・情報を届けるための活動です。

身近なところを見渡しても、いたるところにマーケティングは存在しており、多くのビジネスでは、対象となるお客様が極めて明確になっています。

たとえば、システムインテグレータ大手のNTTデータの売上高構成は、金融系が28.6%、公共・社会基盤系が23.5%というように、この2つの領域で半分以上を占めていますが、これは同社の株主向け資料(2015年3月期)に書いてあります。

また、イケてるWebサービスの代表格であるレシピ検索No.1サービス「クックパッド」の利用者は、75%が女性で、67%が既婚者です。これは、クックパッドが広告関連情報として公開(広告 | クックパッド株式会社)しています。お客様が明確になっているから、広告の対象も明確です。

さらに、大きなお友達にも大人気の女子向けトレーディングカードゲーム「プリパラ」の場合、メインターゲットは6~9歳の女児です。ちなみに、日本の6~9歳の女児の人口は約200万人なのですが、稼動開始から1年3ヶ月で会員登録者数が200万人を超えました。プリパラを提供しているタカラトミーアーツは、「6~9歳の女児に換算すると、全員がユーザーということになる」と発表(タカラトミーアーツ NEWS RELEASE)しています。

このように、企業は自分たちがどのようなお客様を対象としているかをよく分かっているのです。

では、エンジニアにとってマーケティングを理解することは、どのようなメリットがあるのでしょうか。

マーケティングは、ビジネス全体の共通言語

マーケティングは、ビジネス全体の共通言語になっており、ビジネスサイドの方針を理解するための重要な基礎知識のひとつになっています。もちろん、ITエンジニアがビジネスに関わる場合にも、この共通言語を理解しておく必要があります。

そこで、システム開発を例にマーケティングの役割をもう少し説明してみましょう。

企業内業務システムを開発する場合は、お客様となる利用者が事前に明確になっているため、マーケティングはあまり関係ありません。IT部門が、複数の利用者の要望を取りまとめて「要件定義」して、SIerシステム開発会社がその要件に従ってシステムを開発し、完成したシステムをIT部門が運用して、利用者が利用します。特定の一人・部門・企業のためにシステムを作る場合、相手の求める要件をシステムにできる限り盛り込んでいけば、利用部門の求めるシステムができ上がります。

パッケージソフトウェアやWebサービスを提供する場合も、要件定義からシステム開発、利用・運用という大きな流れは共通です。しかし、具体的な利用者は決まっていません。まだ想定顧客がいるだけで、そこからできるだけ多くのお客様や、できるだけ高い金額を払ってくれるお客様を見つける必要があるのです。そのために、市場調査や顧客分析を行います。そして、製品・サービスを利用してもらう前に、実際にお客様を見つけて購入してもらわなければなりません。

実をいうと、マーケティングはこの全てのプロセスを対象にしています。そのため、マーケティングはビジネス全体の共通言語になっているのです。
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■Webマーケティングとサービス運用は一体化している

最近のWebサービスでは、マーケティングがさらに重要となっています。なぜなら、利用者の獲得や継続的な利用を促進するWebマーケティングとサービス運用が一体化しているからです。Webマーケティングで何をやっているのかは、サービスの開発・運用側も理解しておくことが必要です。

先ほどのWebサービス開発プロセスを見ると、一番後ろに「宣伝・販売」と「利用・運用」があります。ここがWebマーケティングとサービス運用の領域です。

この領域では、サービスの利用者が対象となる製品・サービスを発見してから、実際に利用申込みをして、さらにその後の行動(たとえば、評価・レビュー・口コミなど)に至るまでの一連の行動を時系列で把握する「カスタマージャーニー」を考慮することが増えています。

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Webサービスの開発に興味を持っているエンジニアであれば、アジャイルと呼ばれる開発手法について知っているかと思います。このアジャイル開発では、プロダクトオーナーが開発するプロダクトのバックログを編集していきます。プロダクトオーナーは、このバックログの編集を通じてカスタマージャーニーの改善とパフォーマンスの向上を目指しているのです。

Webマーケティングというと、Googleなどの検索結果に自社サービスを上位表示させるSEO(Search Engine Optimization:サーチエンジン最適化)や、自社サービスへの流入口を最適化するLPO(Landing Page Optimization:ランディングページ最適化)という手法を聞いたことがあるかも知れません。

最近では、パーマネントリンクやディープリンクと呼ばれるWebサービスやアプリ上の投稿情報に直接アクセスできるリンクを用意することで、アクセスの質と量を向上させることも増えてきました。このような手法を活かすには、Webサービスやアプリの内部構造をサーチエンジンやソーシャルサービスなどで利用しやすい形にしておく必要があります。それには、Webサービススマホアプリの開発者とWebマーケティングの担当者が共通言語を通じて連携することがとても重要になるでしょう。

■4P:マーケティングの要素と組み合わせ

マーケティングでは、製品・サービスを提供するにあたって次の4つの項目を整理するのが一般的です。このような分類方法を知っておくと、ビジネスサイドの人たちがしている話がどこへ飛んでいるのかを理解することが容易になると思います。

・製品・サービス(Product)
・価格(Price)
・流通(Place)
・広告・宣伝(Promotion)

「製品・サービス」は、その名のとおり、提供する製品・サービスです。お客様に提供する価値を、製品・サービスの形で実現します。カスタマーサポートサービスなどもここに入ります。

「価格」は、値段だけでなく販売形態も考えます。例えば、パッケージソフトウェアをライセンス販売するのか、サブスクリプションで課金するのか、1ユーザーあたりで課金するのか、CPU課金するのかといった具合に販売形態を設計します。

「流通」では、お客様に製品・サービスを届ける方法を考えます。最近はインターネットを経由して販売するのが一般的になりましたが、クラウドサービス化しておくのか、ダウンロードして自分でインストールしてもらうのか、といった方法を決定します。

「広告・宣伝」にはGoogleなどの検索結果に表示するリスティング広告のような広告もあれば、Web記事の中で取り上げてもらうタイアップ広告などもあります。お客様からおすすめのサービスとして拡散してもらうというのも広告の手法のひとつです。

この4つのマーケティングの要素は、英語の頭文字から「4P」と呼ばれています。ITエンジニアがMVCフレームワークやMEANスタックといった英語頭文字の専門用語を使うように、マーケティングでも使うんですね。

さて、この4Pの要素はバラバラに考えるのではなく組み合わせて効果を発揮します。

たとえば、前述の女子向けトレーディングカードゲーム「プリパラ」はゲーム筐体にカメラとプリンタが搭載されており、トレーディングカード自体にプレイヤーの顔写真を掲載することができます。これにより、トレーディングカードの転売や欠品を防止することができます。これは、製品の機能とカードの流通を組み合わせて解決しているわけです。

また、プリパラではトレーディングカード自体も、自分の手元に置く「マイチケ」と友達と交換できる「トモチケ」をセットにしています。これでカード自体をプロモーション素材にすると同時に、子供同士のトレーディングカード本体の交換を防止しています。

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(写真はタカラトミーアーツ プレスリリースより)

このように、マーケティングの対象は製品・サービスを企画・販売・提供する全域に及んでいます。価格やビジネスモデルにも密接に関係しているのです。

■エンジニアがマーケティング感覚を活かすには

いかがでしょう。あなたも、マーケティングについて少しだけ理解が深まったのではないかと思います。とはいえエンジニアの方にとって、なかなか日常の仕事や生活の中ではマーケティングの知識を活用することは少ないかも知れません。

そこで、エンジニアとして自分が活躍する場所やスキルアップを考えるとき、練習問題としてマーケティングの発想で一度考えてみてはどうでしょうか。誰かが自分を見つけてくれるのを待つのではなく、自分が得意とする技術や興味のある領域について市場調査のようにざっくりと調べて、そこに自分をどうアピールすればいいのかちょっと工夫してみるのです。

そのためには、自分のスキルを棚卸しするのはもちろんですが、自社や対象領域の企業がやっていることや今後やろうとしていることを調べてみると良いでしょう。これは、企業の会社情報ページやIR情報などでも知ることができます。過去3年分ほどのプレスリリースなどを読んでみてもいいでしょう。冒頭で紹介したように、NTTデータのような株式公開企業やクックパッドのようなサービス提供企業であれば多くの情報がネットで分かります。

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対象企業のエンジニアが社外発表などをしているのであれば、その発表資料や開発者ブログなどを一通り読んでみるとよいでしょう。そうすればどんな技術を採用しているか、ある程度把握できる場合もあります。

現在どのような人材を求めているのか、採用情報ページなどでチェックしておくのも良いでしょう。新卒採用であれば、まともな技術スキルと積極的な態度と興味が重要でしょう。中途採用であれば、エンジニアリングチームでの役割、マネジメント体験やスキルなどを評価しようとするでしょう。

■まとめ

いきなりマーケティングを活用しようと言われても、このようなアプローチは最初から上手にできるとは限りません。相手が求めるものは相手に聞かないと分かりません。

それでも想像してみることはできますし、自分なりに想像して仮説を立て、自分の持つ能力やスキルを相手に役立つ形で少しでも提案してその仮説をすり合わせていけば、お互いのコミュニケーションも順調に進んでいくのではないでしょうか。

自分自身をマーケットに合わせて変えていくのは大変です。しかしそこまでしなくても、対象となる市場のことをもう少しだけ調べてみれば目新しい可能性が開けて、エンジニアとしての価値も高められるかも知れませんよ。




paizaではスキルのあるエンジニアがきちんと評価されるようにし、技術を追い続ける事が仕事につながるようにする事で、日本のITエンジニアの地位向上を図っていければと考えています。特にpaizaではWebサービス提供企業などでもとめられる、システム開発力や、テストケースを想定できるかの力(テストコードを書く力)などが問われる問題を出題しています。

テストの結果によりS,A,B,C,D,Eの6段階でランクが分かります。自分のプログラミングスキルを客観的に知りたいという方は是非チャレンジしてみてください。

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