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オンプレ・クラウドの両方に精通する40代エンジニアの市場価値と需要

近年は多くの企業で既存システムのクラウド移行が進み、オンプレミス(従来型の自社サーバ環境)とクラウドの両方に精通しているエンジニアは希少価値が高まっています​。こうしたスキルセットを持ったエンジニアは、年次を重ねていても転職市場で高く評価される傾向にあります。

とくにクラウド移行の経験があるエンジニアは重宝されるため、クラウド上でのサーバ構築・移行・運用といった経験があれば大きなアピールポイントとなるでしょう。

実際に40代のクラウドエンジニアの平均年収は約621万~651万円と、同業の30代や全体平均を大きく上回る金額となっています。(参考クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料

今後は「オンプレの知識を土台にして、クラウドを活用できる」ような、経験と専門性を持ち合わせた40代以降のエンジニアの需要がさらに高まっていくでしょう。


【目次】


企業が40代のエンジニアを求める背景

レガシーシステムの知見とクラウド移行ニーズの融合

近年企業が40代のエンジニアを積極的に採用している背景には、「長年の実務で培ったレガシーな技術の知識をクラウド時代に活かしてほしい」というねらいがあると言えるでしょう。

現在の日本では「2025年の崖」と呼ばれる問題が目前に迫り、老朽化した基幹システムの不具合増大や、それを支えてきたベテラン人材の大量退職が懸念されています​。

ブラックボックス化した古いシステムは、経験の浅い若手エンジニアでは対応が難しい場合も多く、知見を持ったシニアエンジニアが貴重な戦力となるでしょう​。

実際に大手企業の中には定年再雇用者(60代)であっても現役世代と同水準の給与を支給する動きを見せるなど、経験者の処遇改善に乗り出す例も発生しています。

40代のエンジニアはこうした「ミッシングリンク」を埋める存在として、レガシー環境と最新クラウド環境の双方を理解し、円滑な移行や統合を主導できることが期待されています。

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IT人材不足とDX推進

また近年はIT業界全体で慢性的な人材不足が続くなかでDXの重要性も高まり、豊富な業務経験を持った即戦力人材への需要が高まっています​。単に若いエンジニアを増やすだけでは知見が追いつかない場合も多く、特定の業界知識や深い技術領域での経験を持った40代のエンジニアが重宝されているケースもめずらしくありません。

オンプレ時代の基礎知識(ネットワーク、サーバ、ミドルウェア等)があり、クラウド技術にも対応できる人材はクラウド移行プロジェクトでもリスクや課題を的確に洗い出せるでしょう。

ただしこうした40代以降のエンジニアには新しい技術のキャッチアップやプロジェクトの推進力も求められるため、経験にあぐらをかかず最新の動向に対応できる柔軟性も不可欠にはなります。

総じて、「若手にはない経験値」と「変化への適応力」をあわせ持った40代エンジニアは、多くの企業で求められていると言えるでしょう。


クラウド環境における40代エンジニアの具体的な役割

クラウド全盛の現在、40代のエンジニアはその豊富な知識と経験を活かして高度専門職やリーダー役を担う場面が増えています。主な役割としては、以下のような例が挙げられます。

クラウドアーキテクト

クラウドシステム全体のアーキテクチャ設計を担当する役割です。

40代のエンジニアが若手時代に培ったシステム設計の経験やインフラ全体を俯瞰する視点は、複雑なクラウド基盤を最適化する際にも大いに役立ちます​。

とくにAWSやAzure、GCPといったクラウドプラットフォームの深い知識や高度なスキルを持つクラウドアーキテクトは、年収800~1,200万円といった高待遇で迎えられるケースもあります​。

ITコンサルタント/クラウドコンサルタント

技術的な知見と業務知識を活かして、企業のDX推進やクラウド導入を支援するコンサルタントとして活躍する道もあります。

40代のエンジニアであれば、特定の業界における業務フローや既存システムの課題を深く理解している人も少なくありません。こうした知見を活かせば、クラウド化への具体的な提案や説得力のあるアドバイスができるはずです。

またDX関連プロジェクトでは、知見のあるITエンジニアが顧客とエンジニアリングの橋渡し役を務める場面も増えています。たとえばレガシーシステムのクラウド移行コンサルティングでは、オンプレ時代からの知識があるこそできる的確なアドバイスが重宝されています。

プロジェクトマネージャー/テクニカルリーダー

技術だけでなく人やプロジェクトを動かすスキルのあるエンジニアは、開発プロジェクトやインフラ刷新プロジェクトのマネジメントを任されるケースも増えています。

実際、40代のエンジニアには管理職に近いポジション(プロジェクトマネジメントやシステム設計責任者など)で活躍している人も少なくありません​。プロジェクト全体を統括し、若手メンバーを指導・育成しながら顧客や経営層との調整役を務めるなど、豊富な経験に裏打ちされたリーダーシップを発揮できるでしょう。


このほかにもセキュリティアーキテクトやDevOpsエンジニア、SRE(Site Reliability Engineer)リーダーなど、クラウド時代に需要が高い専門職ポジションにつくケースもあります。いずれの場合も、40代以降のエンジニアが持つ幅広い基盤知識とマネジメントスキルが強みとなります。



35歳以降も活躍の場を広げるための戦略

かつては「35歳定年説」という言葉もあり、ITエンジニアは年齢を重ねると第一線での活躍が難しくなるといったイメージがありました。

しかし現在のIT業界では経験豊富なミドル・シニア層の需要が強まり、35歳以降にキャリアアップや転職を叶える人もめずらしくありません。

エンジニアが35歳以降も活躍の場を広げるためには、どのような戦略が必要となるのでしょうか。

技術トレンドへの継続的な適応

最新技術に置いていかれないようにするには、勉強を継続するのが重要です。クラウドやAIといった需要が高い分野のスキル習得も効果的だと言えるでしょう。経験と新たな技術を組み合わせれば、自分の市場価値も高まります。

たとえばオンライン講座や専門書で知識をアップデートしたり、社内外の勉強会に参加したりして情報収集をするのもよいでしょう。最近ではクラウド関連の資格取得も効果的な学習方法として注目されています。また技術カンファレンスやコミュニティに参加し、技術トレンドに触れる機会を増やすのも有効だと言えるでしょう。

不足しているスキルがあれば補ったり新分野に挑戦したりできる柔軟性こそが、エンジニアとしての強みに繋がるのです。

自分の強みの明確化と発揮

35歳以降のエンジニアには、若手にはない強み(業界知識、マネジメント経験、専門領域の深い知見など)があります。これらを棚卸しして明確化し、キャリア戦略に活かしましょう。

たとえば過去に金融業界の基幹系システムの構築に携わったエンジニアがクラウドネイティブアプリの開発手法を習得すれば、「金融×クラウド」のスペシャリストとして活躍できるかもしれません。

また40代ともなるとプロジェクト内外で調整役を担う場面も増えるため、技術的な対話はもちろん顧客や経営層への説明力、折衝力といったソフトスキルも必要となります。長年の業務で身につけた調整力やリーダーシップをさらに伸ばしつつ、エンジニアとしての技術力と融合させていくのがよいでしょう。​

キャリアパスの再設計(スペシャリスト路線かマネジメント路線か)

35歳前後は、自身の志向に合わせてキャリアの方向性を再設計するのによいタイミングです。

技術が好きで現場志向であれば、特定分野のスペシャリストとして地位を築く道があります。一方で、プロジェクトリーダーや部署のマネージャーといったマネジメント職にシフトする道もあります。

いずれにせよ中途半端にならないよう、自身のキャリアビジョンを描いた上で必要なスキルを重点的に伸ばしていくのが重要です。

実績とスキルの見える化・アピール

ミドル世代の転職市場では即戦力かどうかが重視されるため、自分のスキルを的確にアピールしなければなりません。

これまで手掛けたプロジェクトでの成果や役割、新たに習得した技術などを整理して伝えましょう。

たとえば「◯◯のプロジェクトでリーダーを務め、△△%の効率化を達成」「AWS認定資格を取得しクラウド移行を主導」など、具体的な数字や事例を交えるとわかりやすくなり説得力が増します。

プロフェッショナルネットワークと支援の活用

年齢を重ねるほど、機会を切り開いていくには人的ネットワークが重要になります。たとえば業界内のコミュニティや勉強会に参加して人脈を築いておくと、思いがけない仕事の紹介や情報提供を得られる場合があります。

また転職エージェントを活用するのも有効です。最近は40代以降のキャリア支援に強いエージェントも増えているため、市場の動向に即したアドバイスがもらえます。

信頼できるエージェントやメンターから客観的な意見をもらったり、自分の強みや弱みを認識したりできればより的確なキャリア戦略を描けるようになるでしょう。

柔軟な働き方・キャリアの模索

従来とは異なる働き方を視野に入れておくのもよいでしょう。

たとえば、最近はフリーランスや副業といった形で活躍の場を広げる40代エンジニアも増えています。また副業から始めて徐々に独立する道や、専門性を活かした契約ベースのコンサルタントに転身する例もあります。

固定観念にとらわれず自分に合った働き方を柔軟に追求することで、新たなチャンスもつかみやすくなるでしょう。

まとめ

40代以降のエンジニアのキャリアは決して閉ざされたものではなく、戦略次第ではむしろ活躍の幅を広げることも可能です。

重要なのは常に環境の変化に適応し続けることと、自らの経験をアップデートし価値提供につなげる姿勢です。

IT業界は変化が激しい反面、経験者を必要とする領域も確実に存在します。

「35歳を超えたらエンジニアとして終わり」ではなく、「35歳を超えてからが本当の勝負」ととらえて学び続け挑戦し続けるエンジニアこそが、これからのクラウド時代においても輝き続けることでしょう​。

自信を持ってキャリアをデザインし、年齢を重ねるごとに進化できるようなエンジニア人生を歩んでいきましょう。


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