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「エンジニア採用したい」と言う割には面接が下手な企業が多すぎるという話

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Photo by Simon Cunningham
f:id:paiza:20140916135428p:plainこんにちは。谷口です。

paizaはITエンジニアの転職・就職サービスなので、エンジニアを募集している企業の採用担当の方から「エンジニアがほしいのに全然採用できない」「採用したいと思った人に辞退されてしまう」といったご相談を受けることもよくあります。

残念ながら応募者からの辞退が続くような場合は、採用する側が「面接でエンジニアに嫌われるようなこと」を知らずにやらかしている可能性が非常に高いです。

たとえば

  • 人事担当者だけでエンジニアを面接したら辞退されてしまった
  • 面接が始まってすぐに志望動機などを聞いたら「は?」という顔をされた
  • 面接の最後に会社説明をしたが、あまり興味を持ってもらえなかった

といったことはありませんか?

面接でのこういった行為は応募者の志望度を下げ、辞退を招く原因となってしまいます。本当に優秀なエンジニアを採用したいのであれば、面接の進め方の改善が必要です。

今回は、エンジニア募集企業の採用担当者の方に向けて、エンジニアの面接で話すべき内容や、面接の進め方などについてお話しします。

エンジニア採用がうまくいかない、途中で辞退されてしまう、よい面接の進め方がわからない…といった方の参考になればと思います。

そもそもエンジニアの採用面接ってどんな場なの?

エンジニア採用を担当されているみなさんは、面接をどのような場だと思っていますか?

面接とは、採用する側が一方的に応募者を選ぶ場ではありません。

特に超売り手市場が続いているIT業界では、むしろその逆で「優秀なエンジニアに自社のことを紹介し、興味を持ってもらい、選んでもらう場」であると言っても過言ではありません。

この意識が抜けていると、まず優秀なエンジニアを採用することはできません。

エンジニアの採用面接では何を目指すべきか

上記の続きでもありますが、面接官がエンジニアの面接で目指すべきは

  • 応募者に自社への興味を持ってもらうこと
  • 採用したい応募者に、とりあえずでも「次の選考に進んでみるか」と思ってもらうこと
  • 不採用の応募者にも「悪くない企業だったな」と思ってもらうこと

です。

なぜか。さっきも言いましたが、優秀なエンジニアは、今や引く手あまたの超売り手市場で、転職先などいつでも選び放題です。

パーソルキャリアの転職求人倍率レポートによると、2019年1月時点で全体2.13倍に対し、IT/通信は5.63倍と、依然高い水準を維持し続けています。(※転職求人倍率=求人数(採用予定人員)÷転職希望者数)
www.persol-career.co.jp

気が向いて自社の面接に来てくれた優秀なエンジニアは、ほかにもたくさんの企業から「ぜひうちに来てください」と言われていると思って間違いありません。

ですから、面接を通して嫌な印象を受けた企業や、説明が不十分だった企業は、その時点で「ここはやめとこう」と容赦なく辞退されてしまいます。

それだけならまだしも、周りのエンジニアたちに「あの企業はやめておいたほうがいいんじゃないかな」という口コミを流される可能性もあります。エンジニアは常に情報交換をしあっていますので。

これは、たとえ選考段階で「スキルが足りない、うちにはマッチしない」などと判断した応募者でも同じことです。落とした人にも「残念だけど、あの企業いい感じだったな」と思ってもらえるような面接ができないといけません。

ですから、おおげさではなく「この人には自社のファンになってもらうぞ」ぐらいの気持ちで面接に臨んでください。

途中辞退を減らすための面接手順と注意点

では具体的に、エンジニアを面接するときの手順です。

1.まず自社紹介から始めよ

自己紹介を求める前に、自社紹介をしましょう。

ここで言う自社紹介とは、事業内容や開発環境、今回の求人ではどんなポジションにどんな人を採用したいと思っているのか、入社したらどんなチーム構成でどんな仕事をしてもらうことになるのか、自社や開発チームが抱えている課題点…などなどです。

何度も言いますが、優秀なエンジニアは、転職先に困ってはいませんし、「ぜひ御社に入社したい!」などとは思っていません。「どこを選ぼうかな〜」とか「知ってるサービスの中のエンジニアとしゃべってみたいな〜」ぐらいの気持ちで面接に来ている人も多くいます。

ですから、まず自社紹介をすることで、自社に興味を持ってもらうことから始めましょう。説明用の資料などもあらかじめ用意しておき、説明が終わったら質問タイムは必須です。

ちなみに、よく「会社の課題点を明確に話さないことで自社をよく見せよう」とする採用担当者の方がいますが、これは逆効果なので絶対にやめてください。

優秀な応募者ほど、「課題がない企業なんてこの世に存在しない」「課題がなかったら求人募集する必要なんかない」「入社したらすぐバレるようなことを選考段階で隠す企業は、ろくな企業ではない」ということを知っています。

2.エンジニア同士で技術的な話をしよう

まず、応募者は「応募先のエンジニアと技術的な話ができる」と思って面接に来てくれています。

逆に言うと、技術の話ができないような面接は、「無駄な時間だった」「辞退待ったなし」と思われても仕方ありません。

ですから、自社紹介の後は、自社のエンジニアに技術的な話をしてもらいましょう。

たとえば

  • スキルチェックはRubyで受けられているんですね、ふだんからRubyを使われているんですか?
  • 弊社の開発環境はこんな感じなんですが、現職ではどのような環境で開発されているんですか?
  • 最近勉強されている技術とか、これから使ってみたい技術とかってありますか?

などといったことですね。

当然ですが、面接官にエンジニアが一人もいない企業は話になりません。現場のエンジニアを巻き込んで応募者と話してもらわない限り、いつまでたってもエンジニアを増やすことは難しいでしょう。

どうしても面接にエンジニアが参加できない場合

とはいえ、一次面接は人事担当者だけで面接をしなければならない仕組みになっている企業もあるでしょうし、急な障害対応などでエンジニアが面接に参加できなくなってしまった…といったやむを得ないケースもあるかと思います。

エンジニアが面接に参加できない場合は、せめて事前に応募者の情報を見てもらい、当日は「本日はエンジニアがどうしても参加できないのですが、応募者さんの提出されたコードやプロフィールを見て『こういうところを評価していて、こういうところがうちの開発チームに合いそうだと感じたので、ぜひ次の面接でお話ししてみたい』と言っていました」といったことを伝えましょう。

「それならとりあえず次の選考に進んで、エンジニアの人たちと話してみようかなー」と思ってもらえるかもしれません。

一番避けたいのは、エンジニアの面接なのに、技術的なことを知らない人事担当者だけの判断で、優秀な応募者を落としてしまうことです。基本的には、一緒に働くことになるエンジニアの判断を仰ぎましょう。

スカウトした人が来てくれた場合

今や多くの求人サービスに、企業側からスカウトメールを送れる機能がありますよね。

スカウトを受けて面接に来てくれた人は、「スカウトが来たからとりあえず行ってみるか」ぐらいの気持ちでいることがほとんどです。

事業内容もよく知りませんし、志望動機なんかまったくありません。(というかまだ志望していません)

スカウトを受けた人が気になっているのは、「どうして自分にスカウトをくれたのだろう?」ということです。

ですからこの場合も、その人の提出コードやプロフィールをきちんと見た上で『こういうところを評価していて、こういうところがうちの開発チームに合いそうだと感じたので、ぜひお会いしたいと思って、スカウトを送りました』という話をする必要があります。

これがあると、「自分の経歴やスキルをそんなふうに評価してくれたんだ」とよい印象を持ってもらいやすいです。

3.上記の1と2があって、初めて採用面接的な質問ができる

ここまでの話ができて初めて、いわゆる面接然とした転職やキャリアについての質問ができると思ってください。

間違ってもいきなり「弊社を志望していただいた志望動機を教えてください」などと言わないでください。(何度も言いますがまだ志望していません)

1と2をしっかり話した上で、改めて

  • なぜ現職からの転職を考えているのですか?今回の転職でかなえたい課題ってどんなことですか?

(※ただしこの段階ではまだ転職の意志が固まっていない人も多くいます)

  • 今後はどのようなキャリアや開発分野に進みたいと考えていますか?
  • これまでの仕事で苦労したことってどんなことですか?達成感を感じたときってどんなときですか?

などといった質問をすれば、緊張もある程度はほぐれていますし、場もあたたまっていますから、少なくとも面接開始直後にいきなり聞くよりは、応募者もスムーズに話しやすいはずです。

スムーズに話せた面接は、応募者にとって「いい感じの面接だったな」という印象が残りますから、ぜひやってみてください。

まとめ

というわけで、エンジニアの面接がどういう場なのか、面接の進め方や話す内容についてお話ししました。

まとめると

  • 自己紹介を求める前に自社紹介をして、自社に興味を持ってもらう
  • エンジニアの面接なんだから、エンジニア同士で技術の話をしてもらう
  • 応募者の情報を事前に見て「こんなところを評価している」ということを伝える
  • いわゆる面接っぽい質問をするなら、上記を終えてから

ということですね。

これらを実践するだけでも、選考途中で辞退されてしまうようなケースは減らせるはずです。

paizaでは、採用基準の定め方や面接の進め方などについてもサポートを実施しております。

「求人票の書き方がわからない」「どんなふうに面接するとよいのかわからない」「応募があって面接をしても辞退されてしまう」「積極的に採用活動しているつもりだけどなかなかエンジニアを採用できない」といったご相談にものらせていただいておりますので、ぜひご活用ください。

今後エンジニアの採用にpaizaを導入してみようかなと検討されている担当者の方は、こちらからお問い合わせください。(※既にpaizaとご契約いただいております企業様は、直接担当者へご連絡ください)


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