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こんにちは。倉内です。
私は前職のSIerでリクルーターをやっていたのですが、学生に就活の悩みを聞いてみると「面接が苦手で……」と言う人が多くいました。
確かに面接は「質問に答えられなかったらどうしよう」「アピールできることがない」「そもそも人と話すことが苦手」など不安がたくさんありますよね。
そこで今回はリクルーター経験を踏まえ、面接で企業側が考えていることや評価しているポイント、合わせて応募者側が気をつけるべきポイントについてお伝えしていきます。
評価基準は企業によってさまざまですが、企業側が新卒採用でどういった点を重視しているか、何を求めているかは共通する部分もあるかと思います。
企業が新卒ITエンジニアに求めるものとは
面接を成功させるためには事前の準備が大切です。まずは企業側が新卒ITエンジニアに何を求めているかを把握しましょう。
チームで開発業務ができるコミュニケーション力
会社ではほとんどの場合、チームで開発を進めることになります。そのためチームのメンバーと円滑なコミュニケーションが取れるかどうかを重視しています。
ここでいうコミュニケーションとは、よどみなく話せるとか誰とでも仲良くなれるとかではなく、相手が考えていることを理解しようとする、自分の考えを相手に正しく伝えることができる、そして認識を合わせることができるといったことを指しています。
よって企業側は質問の意図に沿った適切な回答ができるか、あなたが複数の人との関わりの中でどのような考えや役割をする人かというのを知りたいと思っています。
内容はいいのに話が長すぎて結論が分かりづらかったり、論点がズレていたりすると非常にもったいないのでそのあたりも気をつけてみてください。
どのような質問で問われる?
- 集団や組織の中ではどんな役割を担うことが多いですか?
- チームで何かを成し遂げた経験はありますか?
- ○○についてあなたの考えを簡潔に説明してください(「簡潔に」がポイント)
課題に対して真摯に取り組む姿勢
ITエンジニアの仕事は課題解決の連続です。「この機能の実現にはどんな技術を採用すればいいか」といった技術的な面はもちろん、「どうすればユーザーにもっとサービスを使ってもらえるか」などビジネス的な観点の課題に向き合うこともあります。
そのため「どんな課題をどのように解決した経験があるか?」「責任を持って最後まで取り組めるか?」「問題に直面したとき自分で考え、行動することができるか?」を面接で知りたいと考えています。
よく「学生時代にものすごい経験をしたわけではないから話せるエピソードがない」と弱気になる人がいますが、企業側が知りたいのは輝かしい経験ではなく、プロセスや考え方の部分ですので自信を持って面接に臨みましょう。
テーマは研究やサークル活動などなんでもいいのですが、例えば「こういう活動をする中で、こういう問題が発生した。私は○○という役割だったので、このように考えて行動した。結果的に……」というように具体性があり筋道が立った話は納得感がありました。
どのような質問で問われる?
- あなたの強みと弱みを教えてください(なぜそう思うのかのエピソードも含めて)
- これまで経験した失敗とそれにどのように対応したか聞かせてください。
- 解決が難しい問題に直面したときあなたはどんな行動を取りますか?
ITエンジニアとしての素養や技術への興味
一部新卒でも即戦力採用というのはありますが、多くは現時点のスキルの有無というよりは、ITへの興味・関心があるかと将来的な見込み(ポテンシャル)があるかを見ていると言ってよいでしょう。
ただし「ITに興味があります!」だけでは説得力がないので、できれば「○○という技術に興味があって勉強しています」「趣味でWebサービスやアプリを作ったことがあります」など具体的な取り組みを話せるといいですね。
特に大学の専攻がITと関係なさそうな場合「なぜITエンジニアを志望しているのか?」は必ず聞かれます。「興味があったから(でも特に何もしていない)」「これから伸びそうな業界だと思ったから」といった理由を挙げる方がいましたが、それでは「本当にITエンジニアとして働いていけるのか?」と不安に思われます。
最近はpaizaラーニングのようなWebブラウザ上でプログラミング学習ができるサービスがたくさんありますので、ぜひ手を動かしてみてください。
どのような質問で問われる?
- 入社後、弊社のサービスの中で携わってみたいものはなんですか?
- 弊社では○○という技術を使っていますが、○○について知っていることを教えてください。
- (情報系以外の専攻の場合)IT業界を志望した理由はなんですか?
- (特に理系修士の場合)大学での研究内容について詳しく教えてください。
なお、今回は触れていませんが、特に自社開発の企業では技術面接が実施されることもあります。技術面接の対策は以下の記事で解説しています。
面接失敗の多くは準備不足が原因
複数の選考が同時進行するとひとつひとつの準備が疎かになりがちです。
準備不足は思った以上に企業側に伝わりますし、面接への緊張感や不安感も必要以上に高まり、実力が十分に発揮できずに終わってしまうこともあります。
面接当日までに以下の2点ができているか確認しておきましょう。
自分の考えや方向性が明確か
「なぜITエンジニアになりたいのですか?」「なぜプログラミングに興味があるのですか?」といった質問に「プログラミングを仕事にしたいからです」と答えた場合、「なんとなくで受けに来たのかな?」と思われ、いい印象を持たれません。
これは自分が何を重視して企業を選ぶのか(企業選びの「軸」と言ったりもします)、なぜITエンジニアを目指すのかという自己分析が不足していることが原因です。
例えば「プログラミングを仕事にしたい」であれば「大学で情報工学を学ぶ中で、『自分でプログラミングをして、思ったとおりに動くものを作ること』がとても楽しいと感じていました。また、グループで共同研究をしていたときに、私がデータ解析をシステムを作ったところ……」というように背景や理由を語れるまで深掘りしてみてください。
これらの質問は基本なので、浅い回答にならないよう自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
応募先企業の特徴を捉えた志望動機があるか
1つ目にも関係しますが、「なぜ弊社に応募したのですか?」に対して「プログラミングを仕事にしたいからです」だと「うちじゃなくてもどこでもいいんだろうな」と思われてしまいます。
応募先企業の事業内容やサービスはもちろん、得意としている領域や特徴、同業他社と比べてどんな違いがあるかなど…調べるのは大変ですが、熱意ある志望動機にするためには欠かせない情報です。この準備がしっかりできていると面接にも自信を持って臨めます。
就活での面接対策については、paiza新卒の「就活成功ガイド」で具体例などを挙げてもっと詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
想像以上に評価を左右する「話し方」の基本
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「ITエンジニアならスキルがあればいいでしょ」と思う方がいるかもしれませんが、先ほども述べたように会社ではチームで仕事をすることになります。
「チーム内での意思疎通が難しそうな人だな…」と思われないためにも、面接では適切な声の大きさでハキハキ答える、視線を上げて相手の目(もしくは眉間のあたり)を見る、相手の話にリアクションや相槌を打つといった基本的なことが大切になってきます。
緊張するのは当たり前なので(企業側もそこは理解しています)、すらすらとうまく話すことを求めているわけではありませんが、話すときの姿勢や声の大きさ、目線などは思った以上に印象に残ります。
リクルーター面談でも「話している内容はいいので、もう少し声を大きくしてみて」とか「表情がこわばってるから笑顔を意識してみて」と言うと、その次からかなり印象がよくなった学生もいました。
少し意識を変えるだけで改善されますので、もし面接がなかなかうまくいかないと感じている方は気をつけてみてください。
まとめ
就活の面接で企業が新卒のITエンジニアに求めるもの、応募者が気をつけるべきポイントなどをお伝えしてきました。それらを把握し、準備を整えて面接に臨むことで成功に近づきます。
また、面接は経験を重ねることで上達します。既に面接を経験した人もこれからという人も、自信を持って面接に臨めるよう準備をしっかりして、経験値を積んでいきましょう。
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paiza新卒は、プログラミング問題を解いてランクが獲得できていれば、事前の書類選考なしで確実に企業の面接を受けられます。また、paiza新卒が応募者と企業の間に立って面接の日程調整などを行うため、わずらわしいやりとりに時間をとられず、スムーズに就活を進めていけます。
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