Photo by russellstreet
paiza(ギノ)に入社して3ヶ月くらいのWebデザイナーです。
今回は、Webデザイン初心者の方や、デザイナーと一緒に仕事をする機会の多い方々が疑問に感じやすい「デザイン」ってそもそも何なの? デザインってセンスがないとできないんじゃないの? よいデザインと悪いデザインの違いとは? などといったことについて書きたいと思います。
最後のほうにはおすすめのデザインが学べる系の書籍も紹介します。
デザイン初心者の方、これからデザインを学びたい方、「私はセンスがないから…」的な感じでデザインに苦手意識を持っている方にとって少しでも参考になればと思います。
そもそも「デザイン」って何なの?
「デザイン」とは何なのか。
世の中にはWebデザイン、ファッションデザイン、建築デザインなどなど、いろいろなもののデザインとデザイナーが存在していますが、やっていることは基本的にみんな同じです。
デザインがやっていることって、要は課題解決なんです。
この世のほとんどの仕事が突き詰めれば「課題解決」に至ってしまうので、もうちょっと詳しく言うと、「課題を解決するための視覚表現を使ったアプローチ」という感じですね。
注意していただきたいのは、「見た目をいじるだけがデザインではない」ということです。
デザインの業務フロー
デザインをするときの業務フローは大体こんな感じです。
これだけ見ても「ふーん」って感じだと思いますので、「親戚の家族の夕食を準備することになった」ときを事例にちょっと説明します。
分析・計画
課題理解・分析→ 企画提案
親戚の家族の夕食を準備する場合
- 家族構成や人物の理解(どんなユーザーが対象者なのか)
- 予算はどれくらいか
- 好き嫌いやアレルギーはあるか
…などといった情報を分析し、最適な献立(企画)を提案をする
表現
準備や材料集め→実際の制作
料理をするための準備
- 材料を買ってくる
- 所要時間や必要な工程を考える
料理をつくる
- 下ごしらえ・味付け・味見(調整)
- 盛り付け(おいしそうな見た目に導く)
テーブルセッティング
- よりよい体験ができるための演出
振り返り
効果測定・検証→改善提案
食べた人の感想を聞いてみる
- 好評だった部分→キープ
- 不評だった部分→改善点を再考する
結果を踏まえて次に生かす
…といった料理における一連の流れも、デザインの実務と同じです。
「センスがないからデザインがわからない」って本当?
デザインに苦手意識がある人や初心者の人が、よく「自分はセンスがないからデザインとかは無理」的なことを言いますよね。
でも、ここまで説明してきたように、デザインとはあくまで課題解決のためのアプローチであり、芸術作品の制作ではありません。だから必要なのは「美的・芸術的なセンス」ではなく「理論や事例に関する知識・情報」なのです。
もちろん、課題解決のために結果的に美しくて見やすいものができあがっているケースは多いです(情報が伝わりやすいデザインは基本的に見やすく洗練されているので…)。ただ、それも背景にあるのは制作者が勉強や実務を通して得てきた理論であり、生まれ持ったセンスを頼りに作っているわけではありません。
だから、「自分にはセンスがないから…」と思っている人のほとんどは、別にセンスがないのではなくて、単に「デザインの知識が足りていない」だけです。逆に言えば、そういった人でもデザインの理論を勉強してみるだけで、それなりにいい感じのデザインが作れるようになったり、デザインのよい・悪いを見分けられるようになったりするわけです。
デザインができる人とは?
- デザインの知識をある程度学んでいる
- 広告やクリエイティブなどの事例をよく見ている
- 事例に対して「なぜこんなふうに作ったのか」をよく考えている
デザインができない人とは?
- デザインの知識が足りていない
- 広告やクリエイティブなどの事例を見ていない、目にする機会があってもスルーしている
- 事例に対して「なぜこんなふうに作ったのか」を考えずに「ふーん」「すごーい」で思考が止まっている
よいデザイン・悪いデザインの違い
最後に、よいデザイン・悪いデザインについてまとめるとこんな感じです。
よいデザイン
- 伝えたい意図に沿った設計ができている
- ユーザーを困らせたり思考を止めたりせず、自然に誘導できる
→課題解決につながっている
悪いデザイン
- 何を伝えたいのかよく分からない
- ユーザーを悩ませたり行動や思考を止めたりする
- 違和感を覚えさせる・思考を止めてしまう
→課題解決につながっていない
要は、伝わるのがよいデザイン、伝わらないのが悪いデザインということです。
一言で伝えると言っても、たとえばプログラミングの学習レッスンの広告を作るとして、「プログラミング経験がまったくない初心者」向けのレッスンなのか、「すでにプログラミングがある程度できていて、より深い内容を学びたい経験者」向けのレッスンなのかで、伝えたいイメージ(簡単そうとか上級者になれそうとか)や情報、伝えるための設計は全然違うものになります。
最初のほうにも言いましたけど、デザインに正解はありません。しかし、それでもなるべく正解に近い結果を出すためには、理論の勉強と事例をよく見ること、そして考え続けることが大事なのだと思います。
まとめ
というわけで、「デザイン」ってそもそも何なの? デザインってセンスがないとできないの? よいデザインと悪いデザインの違いとは? などなどのお話でした。
最後に、デザイナーじゃなくてもデザインについて学べる書籍とサイトをいくつかご紹介しておきます。
- 作者:筒井 美希
- 発売日: 2015/07/31
- メディア: 単行本
- 作者:Robin Williams
- 発売日: 2016/06/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者:佐野 彰彦
- 発売日: 2014/01/31
- メディア: 単行本
また、paizaラーニングの「Webデザイン入門編」では、ITエンジニアやデザイン初心者の方向けに、Webデザインの基礎が学べる動画レッスンを公開しています。
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