こんにちは。谷口です。
エンジニアのみなさんは、転職・就職活動の面接は得意ですか?
得意だという方はあまりこんな記事を読んでいないと思いますが、みなさんは
- そもそも面接とはどのような場なのか
- 企業は応募者の何を見ているのか
- なぜ自分が面接で落とされるのか
を知っていますか。
今回はこちらを解説します。
転職したいけど面接に苦手意識がある方、志望度の高い企業の面接で落とされた経験がある方、これから転職活動を始めようとしている方の参考になればと思います。
面接とは一体どんな場なのか
面接は、すごく簡単に言うと「採用する側と応募者がお互いの話をして、選び合うための場」です。
当然、採用する側である企業が、応募者を一方的に選ぶ場ではありません。応募者にも転職先を選ぶ権利があります。企業から「内定を出すからあなたにぜひ入社してほしい」と言われても、「入社したくないな」と思うのであれば、その時点で辞退すればよいのです。
ただ、逆に応募者がどんなに入社したいと思っていても、採用する側に選ばれない限りは入社することはできません。
だから、少なくとも自分が希望する給与額や業務内容などの条件を満たしている企業、自分が入社したいと思う企業に入社するためには、「その企業に選ばれる」必要があります。
「何を当たり前の話をしてるんだ」と思われるかもしれませんが、この「まず採用する側に選ばれなければ、働く場所は選べない」という意識が抜けている人は少なくありません。
企業が聞きたい話と応募者が話したいことのギャップ
求人募集をしている企業には、「やってほしいポジション、やってほしい仕事」があります。求人票にも書いてありますよね。
だから面接で企業が知りたいのは、簡単に言うと「この人は、このポジションで、その仕事ができる人なのだろうか?」ということです。
しかし「この仕事をできますか?」 と聞いて、「はい、できます」と言われたところで「そうか、できるのか、採用!」とはなりません。「できます」だけなら誰でも言えますし、「できます」だけでは、本当にできるのかどうかわからないからです。
では、何が聞きたいのか。「この仕事ができそうという根拠」です。
あなたはなぜ面接に落ちるのか?
求人情報を見て、面接を受けて、自分としては「とても入社したい」と感じた企業なのに、なぜ面接で落とされてしまうのか。
面接に落ちるのは「募集しているポジションの業務は任せられない」と判断されたからです。スキルが足りない、業務理解が足りない、人間性に不安がある、条件が合わない、など分解するといろいろな落選理由がありますが、まとめるとその一点につきます。
だから、面接に行くのであれば、前述の「この仕事ができそうという根拠」を用意しておく必要があるわけです。
例えば面接では、前職までの経歴・経験やスキル、勉強している内容などをよく聞かれますよね。
それは
- 今までどんな仕事をやってきて、どんな成果を出したのか
- どんなスキルがあって、次の仕事でどんなふうに生かせそうか
- これからどんな方向性に進みたくて、どんな勉強をしているのか
といった話を聞けば、「本当にこの仕事をできそうかどうか」がわかるからです。
なかなか面接を通過できない人は、ここをうまく説明できていない人がほとんどです。
例えば
- 前職のこんなところが嫌だったから転職を希望している
- 次はこんな条件の企業に入りたい、こんな条件の仕事はしたくない
- コーディングさえできれば扱うサービスやプロダクトは何でもいい
などといった話しかできない応募者だと、転職したいのはわかるけど、肝心の「本当にこの仕事をできそうかどうか」がわからないので、落選になってしまいます。
「自分ができること」と「企業がやってほしいこと」を絡める
また面接で落選する人で多いのが、自分の経験やスキルの説明はできても、肝心の応募しているポジションや業務内容に対してうまく絡められていないケースです。
例えば、前職で営業をしていた人がエンジニア職の面接に来たとします。「私はずっとこのような商材の営業をやっていて、こんな営業のやり方をしていて、こんな結果を残して…」という話をされても、採用する側は「営業ができるのはわかったけど、エンジニアの仕事はできるの?」と思うでしょう。
でも、「今までこんなふうに営業をしてきたので、顧客との要件定義やコミュニケーションはうまくできると思います」「エンジニアとしての業務経験はありませんが、自分でこんな勉強をして、こんなサイトを作ってみました」などといった話ができれば、応募先の業務内容を理解して、自分の経験やスキルの活かし方を考えているのが伝わります。
上記は極端な例ですが、エンジニアが転職をするときも同じです。応募先から求められる業務やポジションに対して、「こんな経験があるから、こんな仕事ならすぐにできます」「この分野は経験がないから自分で勉強しています」といった話を準備しておくとよいでしょう。
盛り上がった面接で落選したのはなぜ?
また、「すごく和やかな面接で、盛り上がって楽しく話せたのに、結果は落選だった…どうして…」といったご相談もよく耳にします。
転職の面接では、実は盛り上がったかどうかは合否にほとんど関係ありません。何度も言いますが合否を左右するのは「この仕事を任せられそうか」です。
雑談や業務と関係ない話で盛り上がったとしても、合否には関係ないし、面接官の中ではすでに「この人はないな」となっている場合すらあります。
応募者からしたら、「それなら早く終わらせてくれ」と思いますよね。ただ、企業にとっては応募者が今後自社のサービスのユーザーや取引相手になる可能性もありますし、面接官が複数人いる場合は、終わってから一度合否の話し合いをする必要があるので、誰かの一存で終了させるわけにもいきません。そのため、ひとまず「企業やサービスが悪い印象にならないように雑談で終わらせておこう…」となるケースはめずらしくないのです。
(もちろん、面接での会話が盛り上がること自体は問題ではありません。特にエンジニア同士の場合、技術や好きなサービスの話などで盛り上がるケースはよくあります)
逆に「この仕事ではどんな対応をしたの?」「それはなぜ?」「こんな手段はとらなかったの?」などと詰められて、「これは絶対に落ちた」と思ったけど、なぜか通過できたというケースもあります。
特にリーダーやCTO、役員など、立場が上の人の場合、経験や考え方、判断基準や仕事の進め方、苦労した経験などについて深掘りされる場合があります。
厳しく詰められている気持ちになるかもしれませんが、これは応募者を詰めていじめたくて聞いているわけでも、スキルが足りないから厳しいことを言っているわけでもなくて、応募者の経験やスキル、仕事の仕方などに興味があって、さらに深く知りたくて質問をしているだけの場合がほとんどです。
(これは圧迫面接とはまた違う話です。仕事と関係ない嫌な話をしたり、わざと高圧的な態度をとったりして圧迫面接をしてくる企業は、その時点で辞退したほうがよいでしょう。ただ、そういった意味のない圧迫面接と、質問を重ねて深掘りされるケースは全然違う…という話です。)
ベストを尽くした面接で落選したのはなぜ?
残念ですが、どんなに優秀な人でも、落選することはあります。
例えば
- 先に選考を受けた人が内定を承諾し、募集人数が埋まってしまった
- 入社時期の希望(もしくはその他の条件)がどうしても合わない(企業はどうしても3ヶ月後から始まる新プロジェクトに参画できる人がほしいけど応募者が半年後以降しか入社できないとか)
などといったケースです。
求人が公開されている以上、不特定多数の人が応募してきます。自分以外の応募者を選ぶことはできません。企業の採用人数や許諾できる条件にも限りがあります。一人しか枠のないところに、自分よりずっと優秀な人が同時に応募していることもあり得ます。
その場合は、まさに「縁がなかった」ということです。「何が悪かったんだろう」と落ち込む必要はありませんし、切り替えて次の応募先を探すしかありません。
まとめ
今回は応募者側の落選理由に特化した話なので、「応募者が選ばれるため」の話をしました。
最初にも言いましたが、面接はお互いが選び合う場ですから、企業側に無理に迎合する必要はありません。
ただ、paizaを運営していると「すごく入社したいと感じていた企業に落とされてしまった」というご相談を受けることも多いので、そういった方々のために今回の記事を書きました。
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