こんにちは。谷口です。
paizaを運営していると「転職活動がなかなかうまくいかない」「面接で落とされるけど何をどう改善したらよいのかわからない」といったご相談を受けることがあります。
たしかに個人で求人応募をしていると、落選のときはお祈りメール一通で終わる場合がほとんどで、落選理由や改善点がわからないから悩みますよね。
paizaでは、採用選考で応募者を落とした企業には必ず「落選理由」をお聞きしています。そして今回、直近約2万人分の落選理由を調査。その中で、転職活動がなかなかうまくいかないエンジニアの方の共通点、さらに面接を通過できるようになるために考えたほうがよいこと・やっておいたほうがよいことが見えてきましたので、解説していこうと思います。
転職活動がなかなかうまくいかないエンジニアの方、これから転職活動を始める予定の方の参考になれば幸いです。
転職がうまくいかない人がすぐやるべきこと
今後のキャリアについて深く考える
厳しいようですが、企業から
- もう新人でもないのに、自分がこれからやりたいことや今後のキャリアについてちゃんと考えていない
- 今までの経験やこれから目指す方向に関する考えがつながっておらず、キャリアに対して場当たり的な考えしかできていない
といったフィードバックを受ける応募者の方は少なくありません。
こうした方に転職理由や希望する条件を聞くと
- 現職の仕事から逃げ出したい
- やったことはないけれど、はやりの技術を使ってみたい
というだけで考えが止まってしまっているケースがよくあります。
「現職を辞めたい」「この技術を使いたい」と思うのが悪いわけではありません。ただ、それだけだと企業側に「もう新人でもないのに場当たり的だな」「現職を辞められたらなんでもいいのかな」「経験が浅いのにあこがれだけで応募されても困る」と思われてしまいます。
自分のキャリアについて改めて考えた上で、たとえば「現職までで積み上げてきた経験やスキルをもとに、さらに成功していきたい」「さらに専門性やスキルを高められる仕事へ転職したい」などというふうに「今回の転職を経てどんな展望を考えているか」を整理して話せるようにしておけるとよいでしょう。
転職する理由・根拠をしっかりと固める
面接で聞かれている「転職理由」とは、「今回の転職でかなえたいこととその理由」です。ところが、企業の採用担当者からは「この会社に転職したいんだという気持ちが強く感じられなかった」「どういう理由で転職したいのかがあまりよく分からなかった」という理由が返ってくることが少なくありません。
面接で落ちる人にありがちなのは「残業が多かったから」「人間関係に疲れたから」などと退職理由にフォーカスするパターンです。しかしそうではなく
- 今回の転職で、どんな仕事ができるどんな会社に入りたいと考えているのか
- どうしてそう思うようになったのか
などを中心に転職理由を考えてみましょう。
転職理由の考え方について、詳しくはこちらの記事でも解説しています。
paiza.hatenablog.com
企業選びの条件に優先順位をつける
今まで落選した応募先はどう選んでいましたか? 「現職を辞められたらなんでもいい」と思って適当に選んでいませんでしたか?
たとえば仕事内容ひとつをとっても、サービスの内容や目的、開発環境、開発の進め方、キャリアパスなど、人によって合う条件やかなえたい希望は異なります。もちろん、労働環境、給与などもそうですよね。
「今回の転職で何をかなえたいのか」を考えておかないと、企業選びも適当になってしまいがちです。自分に合っていない企業に応募しても「どんな企業への転職を目指しているのか」「これからどんな仕事がしたいと思っているのか」など、面接での受け答えも噛み合わなくなってしまいがちです。
また、「あれもこれも」と、条件に対して優先順位をつけず、すべてを満たす企業を追い求めようとする人もいます。しかし、多くの場合そんな条件を満たす企業は存在しません。
いろいろな企業の求人票を見比べたり、実際に応募をして情報を集めたりする中で、自分と向き合って
- 今回の転職で重視したい条件は何なのか
- それらの優先順位
を考えておきましょう。
情報収集を怠らない
転職活動の情報収集について、
- 就活生じゃあるまいし、企業研究なんてWebサイトや求人情報をちょっと見ておけばよいだろう
- 複数社に応募していて忙しいから、細かく情報収集をしている暇はない
といった方も多いのではないでしょうか。
しかし、企業情報をよく調べず、複数企業を比較もせず「最初に内定が出たところに入社できればよい」と入社してしまうと、運よく自分に合った企業であればよいですが、思わぬミスマッチを招いてしまいかねません。
転職活動の情報収集についてはこちらの記事でも解説しています。
paiza.hatenablog.com
複数企業の選考に参加して比較する
「その人の強みが伝わらなかった」「どういう面でこの会社に貢献してもらえるのかが見えなかった」というのもよくある落選理由です。
初めて転職活動をする人の場合、自分の市場価値や他社から需要のあるスキルについて意識する機会がなかなかありません。しかし、自分のどのスキルをアピールしていくかは転職活動において非常に重要です。
新卒採用や第二新卒採用なら、転職理由がしっかりしていればポテンシャルに期待して採用してくれる場合もあります。しかし経験者採用では、転職理由がしっかりしているだけでは足りず、即戦力として転職後にどういうスキルで貢献していけるのかまで説明する必要があります。
そんな人でも、いろいろな企業に応募して話を聞いてみると、自分の立ち位置や今後について客観的に見直すヒントが見つかるでしょう。
応募をして他社からの評価を受けると「自分のスキルや経験が他社に需要があるのか(≒市場価値)」がわかります。
「意外と自分って評価されるスキルがあるんだな」「この分野のスキルや経験は企業から需要があるんだな」といった情報は「今後自分がどんな仕事をしてどんなスキルを伸ばしていくべきか」を考えるヒントになるでしょう。
可能であれば、複数の企業に応募し、さまざまな角度からの自分の評価を聞いてみるべきです。自分のどこを評価されているかが見えてくれば、転職活動の戦略が立てやすくなりますし、面接で自分の強みなどを説明する際にも役立ちます。
実際にpaiza転職でも、転職活動を通して「いろいろな企業の話を聞く中で、これから目指したいキャリアの方向性が決まってきた」という人も少なくありません。
paiza転職では、多くの求人掲載企業がオンラインで受けられて、企業側からも事業内容や業務に関する説明が聞けるカジュアル面談を実施しています。「なるべくオンラインで選考を受けたい」「まだ絶対に転職したいわけじゃないけど話を聞いてみたいな」といった方でも転職活動を始めやすいかと思います。
まとめ
ここまでにあげてきた点は、paizaのユーザーの多くが転職活動でぶつかってきた壁です。いくつかは心当たりがあるものがあったのではないでしょうか。
転職活動がうまくいかないときはしんどいかと思いますが、実は誰もが通っている道だということを忘れないでください。最初から転職がすんなり行く人のほうが圧倒的に少なく、多くの人が悔しい経験をし、それを次に生かして転職につなげています。
いい転職をするために「今回の転職でかなえたいことは何か」「次の仕事でも生かしたいスキルや経験は何か」から、まずは整理して考えてみてください。
paizaの転職成功ガイドでは、さまざまな落選理由や悪い例、改善のためのアドバイスなどを公開しています。実際にpaiza転職から応募をされた多くの方から「参考になった」という声をいただいています。面接に苦手意識のある方は、ぜひごらんください。
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