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こんにちは。谷口です。
転職で面接を受ける際に、頭を悩ませるのが「志望動機」ですよね。
転職をお考えの皆さん、説得力のある志望動機が言える自信はありますか?
エンジニアの場合、例えばRailsを使っている企業を受けたときに、志望動機が「Railsを使った開発がしたいからです」で終わり……という人も多いですが、これだけではあまりよい志望動機とは言えません。なぜだかわかりますか?
今回は、「面接官は志望動機を聞いて何を知りたいのか?」と「志望動機の考え方」について解説していきます。
■志望動機を聞く理由
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まず、面接官は何が知りたくて志望動機を聞くのでしょうか?
エンジニア募集企業で採用担当の方にヒアリングしたところ、下記の項目を挙げる方が多かったです。
- 自社のどんなところに興味を持っているのか?
- 志望度はどれくらいなのか?
- すぐに辞めてしまいそうな浅い理由で志望していないか?
- 自社の業務とズレた志望動機になっていないか?
- 転職理由と通じる動機になっているか?
こうした疑問や懸念点は、経歴や転職理由などを聞く中で解消されるパターンも多いため、最近は「志望動機を直接的に質問することはあまりない」といった企業も増えてきました。(paiza掲載企業の大多数が実施しているカジュアル面談(※)も、志望動機が固まっていなくても受けられます)
ただ、繰り返しになりますが、経歴と転職理由を聞いて「なぜこの会社にたどり着いたのか」を推しはかったり、「今後どんな仕事をしたいのですか?」などと志望動機に近しい質問をされることは多いです。
また、志望動機が重視されるか否かは、応募者によっても変わります。これまでの経歴や転職理由に筋が通っている人であれば、「なるほどそういう転職理由ならうちの会社が合ってますね」と思われて、いちいち志望動機まで聞かれない場合も多いでしょう。
しかし、例えば30代後半で初めての転職になる人や、未経験の分野へ応募してきた人などに対しては、企業側も「どうして今になって転職するの?」「どうしてうちの会社を選んだの?」といった疑問を抱いて突っ込みたくなってしまいます。
※paizaの「カジュアル面談」については、記事の後半で詳しく説明しておりますので、ご興味のある方はぜひごらんください。
転職理由の考え方についてはこちらの記事をごらんください。
paiza.hatenablog.com
■よくあるダメな志望動機
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志望動機について少しわかったところで、よくあるダメな志望動機のパターンを見てみましょう。
- オフィスが近い
- 裁量労働制だから
- 残業が少なそう
- 給料がいいから
上記のような条件は実際の業務内容に直接関係がありません。また、その土地にオフィスを構えたり、裁量労働制を実施したりすることが「企業の目的」ではないですよね。
企業選びの際に重視したい条件は人それぞれですし、自分が譲れない条件を曲げる必要はありません。ただ、アルバイトではないので「自分の都合に合っている」だけではいい志望動機とはいえません。
これだけを志望動機として言われると、「じゃあ人が増えてオフィスを引っ越すことになったら辞めるの?」「もうすぐサービスのリニューアルを予定しているから一時的に残業が増えそうだけど、この人は嫌がるんだろうな」などと、むしろマイナスの印象を与えてしまいます。
- 〇〇言語や××フレームワークを使った開発ができるから
エンジニアの場合、こうした開発環境や開発手法などを志望動機として挙げる人は多いです。自分の中で企業選びの条件にするのはいいですが、これだけで終わるのはあまりいい志望動機ではありません。
例えば、育児に関する情報提供WebサービスをRubyで開発している企業があったとします。
この企業は、まず「若い世代の育児に関する不安をなくしたいという課題や目的」があって、「課題解決のために、育児の情報を提供できるWebサービスを作って公開しよう」→「このWebサービスの開発に適している言語はRubyだな、Rubyで作ろう」といった過程を経て、Rubyを使うに至っているのです。
企業の目的は、「若い世代の育児に関する不安をなくしたい」であって、「Rubyを使って開発する」ではないですよね。Rubyはあくまで手段ですから、変更になる可能性だって大いにあります。だから「この手段を使いたくて志望しました!」と言われても、企業としては「じゃあその手段が変わったら辞めるの?」「手段の前に目的の達成方法を考えてほしいのですが…」と思ってしまいます。
■よい志望動機の考え方
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では、選考を通過できる志望動機にはどんな要素が必要なのでしょうか?
◆企業が解決しようとしている課題に共感している
業界動向や企業の課題を把握して、「確かにこの課題は解決すべきですね、自分もそれに携わりたいです」といった志望動機が言えると、「ちゃんとうちの会社が解決したい課題を理解した上で応募してくれたんだな」と思ってもらいやすいです。
こうした動機は、自分がターゲット層に含まれるB2Cサービスを開発している企業なら考えやすいですよね。
前述の例で挙げた子育てサービスを使った経験があるとすれば、「自分も子育てをしていて大変な思いをしていたが、こんな場面でこのサービスを使って助かった」「初めての子育てにはこんな課題があると感じる、入社したらその解決に取り組みたい」といった話ができるかと思います。
ただ、自分がターゲットから遠いサービスや、そもそも個人で使いようのないB2Bサービスを作っている企業の場合は考えにくいですね。
その場合は、遠いからこそ業界動向や応募先が置かれている状況を俯瞰で見てみましょう。「この会社のプロダクトってターゲット業界はどこで、使う人は誰なんだ?」「ターゲット業界の将来性はどうなんだろう?どんな課題があるんだろう?」といった情報を調べた上で「自分なりに調べて考えた上で、御社の掲げている課題に取り組みたいと思った」という話を組み立てていくのがよいでしょう。
◆その企業でしか言えないようなユニーク性のある動機を見つける
転職動機については、よく「どこの企業でも言える理由じゃダメ、その企業ならではの理由を言うべき」と言われますよね。
「そんなもんないわ」と思うかもしれませんが、個人で使えるサービスであれば「実際に自分で使ってみてこう感じた」というエピソードは「その企業ならでは」の志望動機に使えます。
また「この企業でしか言えない」感を出すには、一次面接(paizaであればカジュアル面談)で話した内容や得た情報、面接してくれた相手のことなどをもとにしてアップデートをするのがよいでしょう。
ときどき一次と二次でまったく同じ志望動機を言う方がいますが、せっかく一次で応募先の中の人に会っているのですから、それだけではもったいないです。
「一次で会った現場の方と話してこんなところに興味を持った」とか、「開発の進め方を詳しく聞いて、やっていけそうだと感じた」とか、これはその面接を受けている自分にしかできない話ですから、「ほかの企業では言えない志望動機」としてアップデートしやすいポイントです。
■まとめ
転職活動中で志望動機がうまく言えなかった人は、上記を参考にして、説得力のある志望動機が作れないか考えてみてください。
もし面接で聞かれなかったとしても、志望動機を考えるのは、自分と応募先企業について深く考えるきっかけにもなります。
表面的な条件だけを見て志望して、いざ入社してから「思ってた仕事と違った……」となってしまうのはつらいですよね。
例えば「開発環境が希望に合っているから」という動機しか思いつかない人は、「サービスやユーザーについては興味を持って考えられるだろうか?」と考えてみたり、「条件がいいから」という動機で応募していた人は「この仕事内容で、忙しいときや大変なときも取り組めるだろうか?」などと向き合ってみることで、「本当にこの企業に入社すべきかどうか」が見えてくるのではないかと思います。
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カジュアル面談は、完全に志望動機が固まっていない場合でも応募でき、自分のキャリアと応募先の方向性が一致しているかなどをざっくばらんにお話ししていただけます。一方的に質問をされるだけの面接のような形式ではなく、開発しているサービスや開発環境についてなどの説明があり、エンジニアが気になるポイントを詳しく質問することもできます。
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