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エンジニアと企業で「カジュアル面談」に対する認識のズレはなぜ起こるのか


こんにちは。倉内です。

転職活動をしていると、「まずは『カジュアル面談』からどうですか?」と企業からスカウトやオファーが飛んでくることがあります。

カジュアル面談はIT業界、特にスタートアップやベンチャー企業の採用で多く導入されています。これはエンジニアの経験者採用が難しく、「できるだけ接点をたくさん持ちたい」「興味があるくらいの気軽さでまずは自社を知ってほしい」と考える企業が多いのも理由のひとつでしょう。

名称からも気軽なイメージのあるカジュアル面談。実際に「ざっくばらんに聞きたいことが聞けた」「雑談で盛り上がった」という声も耳にします。

一方で、企業にとっては採用フローの一部*1であるため、本当に雑談をするつもりで行くと企業との温度差を感じる場合もあります

そこで今回は、転職中の方・転職に興味がある方に、企業は何を考えてカジュアル面談を設定しているのか、またうまくその先の選考に生かすにはどうするとよいのかをお伝えしたいと思います。

カジュアル面談の定義

カジュアル面談は、正式な選考の前段階に実施されることが多く、よく企業と求職者の「相互理解」の場と説明されています。

まずは、カジュアル面談とはどういうものなのか整理しておきましょう。

カジュアル面談の目的

冒頭でも少し触れましたが、企業は以下のような目的でカジュアル面談をおこなっています。

  • 入社後のミスマッチを減らす
  • 気軽に相互理解を深められる
  • 応募に至らない人材とも接触の機会を得られる

まだあまり知名度のない企業や、BtoBで求職者に魅力が伝わりづらい企業にとっては自社のよさをアピールできる絶好の機会でもあるため、積極的にカジュアル面談を実施している企業も少なくありません。

エンジニアとしての活動を発信している方であれば、SNSのダイレクトメッセージなどを通じてオファーが来る場合もあるでしょう。

そして目的のうち上の2つは、そのまま「応募者側のメリット」でもあると言えます。カジュアル面談を終えたあとは、「話してみて自分に合いそうだと思った/合わなさそうだった」「プロダクトや扱っている技術がおもしろそうだった/興味を持てなかった」などを総合して、そのさきの選考に進むかやめておくかを判断しますよね。

転職後に思っていたのと違ったと後悔するのは誰しも避けたいと思います。カジュアル面談はそういったギャップを解消するひとつの手段になります。

paiza.hatenablog.com

面接との違い

「カジュアル面談って面接とはどう違うの?」は、特に転職活動を始めたばかりで、これから申し込んでみようと思っている方には気になるポイントではないでしょうか。

利用する転職サイトや企業によって多少位置づけが異なるため一概には言えないのですが、以下のような違いがあります。

カジュアル面談:

  • 応募するか否かにかかわらず実施できる
  • 互いに自己紹介や情報交換をして相互理解を深める
  • 企業側がアピールする場(でもある)
  • 合否が明確には出されない(ことが多い)
  • 服装は厳密には指定されない

面接:

  • 書類選考を通過した応募者に対して実施する
  • 基本的に企業が応募者へ質問する
  • 応募者が自己アピールする
  • 合否が出る
  • 前もって面接対策をおこなうなど準備が必要

カジュアル面談の流れ

これも企業によってさまざまだと思いますが、一例としてごらんください。

自己紹介、アイスブレイク

まずはお互いの自己紹介から始めます。企業側が主導して進めてくれることが多いでしょう。

会社説明

特に企業側からオファーがあった場合だと、ほとんどその企業を知らずにカジュアル面談に臨む人もいるかもしれません。

会社のミッション・ビジョン、事業内容や業務内容、そして採用ポジションに求められる人物像やスキルなどを話してくれる企業もあります。

ヒアリング

転職の軸や企業選びの軸、転職で実現したいことなどを聞かれます。応募者が何を重視しているかを知ることは、「自社とマッチするか」を判断する指標となるからです。

質疑応答

「ざっくばらんに何でも聞いてください」と言われることが多いので、会社の雰囲気やどんな人が働いているか、またエンジニアとして気になること(エンジニアチームの体制や扱っている技術、エンジニアリングでの現状の課題 など)も聞いてみてください。

面接では少し聞きづらいイメージのある給与や福利厚生についても疑問点があればカジュアル面談で聞いてみるとよいでしょう。

今後についての案内

選考に進む場合の案内はあると思いますが、カジュアル面談をしたからといって必ず選考に進まなければならないわけではなく、応募するかどうかを自分で決められるケースもよくあります。

求職者と企業のよくある認識のズレ

「カジュアル面談って聞いてたのに面接だった」「志望動機をいきなり聞かれた」など、実際に経験のある方もいるかもしれません。

ここからはなぜそういったことになってしまうのか考えてみたいと思います。

なぜズレが生じるのか?

企業側がカジュアル面談を正しく理解していない

いくつか理由はあると思いますが、企業が選考の一環だと捉えている、もしくはカジュアル面談に不慣れで、「ではまず志望動機からお願いします」というような始め方をしてしまうことはよくあります。

また、スカウト経由のカジュアル面談にもかかわらずそういったことが起こる背景には、社内のエンジニアと採用担当とでうまく連携ができていない可能性もあります。

転職サイトや企業によって「カジュアル面談」の定義が異なるとはいえ、これではカジュアル面談としては失敗です。

求職者が企業の話を聞く場だと思っている

カジュアル面談は相互理解の場であると伝えました。そのためあまりにも受け身だと、互いに「何の時間だったか分からなかった」という結果になりかねません。

最初に示した通り、カジュアル面談は多くの企業にとって「うちの会社にマッチするか?」を知るための最初の第一歩です。

もちろんブランディング、もっと分かりやすくいうと自社のファンを増やす一環と捉えている企業もあるでしょう。「応募はしなかったけどあの企業のカジュアル面談はとても有意義だった」と思ってもらえば、将来どこかでまたつながりができるかもしれません。

ただ、「選考の場ではありません」「合否は出ません」と名言していても、求職者側が選考に進むかどうか決めるのと同様に企業側も「選考に進んでほしい人材かそうでないか」の判断材料(の一部)にしていることはあります。

「合否は出ない」は本当?

カジュアル面談そのもので合否が出ないことが多いのは本当だと思います。

そう聞くと油断してしまうのも分かるのですが、カジュアル面談の次に選考(面接)があることを考えると、一切選考に関係がないとは言い切れない部分もあります。

たとえば、カジュアル面談で話した雰囲気や内容(これまでの経験・スキルなど)から「うちのエンジニアチームとは合わなさそうだ」「うちではやりたいことをかなえてあげられそうにないな」と企業が感じたとしたら、そのさきの面接を通過する確率は高いとは言えません。

そのため「カジュアル面談では大いに盛り上がってものすごく好感触だったのに一次面接であっさり落ちた」というケースは往々にしてあります。

反対にカジュアル面談で「この人はぜひうちに来て欲しい!」と企業が思えば、特別なルートでの選考を提示されることも珍しくありません。

つまりカジュアル面談に対する合否が出ないのは本当でも、今後の選考にいい影響も悪い影響も与える可能性があるというのは頭に置いておくとよいでしょう。

paizaのカジュアル面談

paizaでもカジュアル面談をおこなっている企業は多く、通常面接とカジュアル面談を選べる場合、応募者のほとんどがカジュアル面談を選んでいます。

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paizaでは、カジュアル面談を「相互理解の場であるとともに、選考の場でもあります。」と名言しています。

それはさきほどもお伝えしたとおり、企業のカジュアル面談の目的を考えるとどうしても選考につながる要素はあるため、カジュアル面談を通じて企業と自分のキャリアの方向性がマッチするかを確認する場にしていただきたいからです。そのため転職意思がまったくない方のカジュアル面談の申し込みはご遠慮いただいております。

また、paizaはカジュアル面談終了後に合否をお伝えしています。カジュアル面談で決まっているのに、その先の選考にわざわざ進んで落選になることを避けるためです。もちろん応募者が「思っていたのと違った」と思えばそのあとの選考に進まないという選択は可能です。

詳しくは「転職成功ガイド:paiza転職のカジュアル面談とは」でも詳しくお伝えしています。

企業が自社の採用サイトやSNSアカウントで募集する場合には、また違った定義がされると思いますのでご留意いただければと思います。

カジュアル面談前の準備

ここまでお伝えしたとおり、カジュアル面談は相互理解の場ですが、そのさきの選考にも少なからず影響を与えます。

特に自身が興味を持っている企業のカジュアル面談はうまく活用して転職活動をスムーズに進めていきましょう。

もちろん最初はあまり興味がなくてもカジュアル面談で話すうちに「この企業にぜひ応募したい!」「事業内容がおもしろそう!」と意向が高まる場合もあるので、準備不足で企業からの印象がよくないと非常にもったいないです。

そのためにできることを以下に示しますので参考にしてみてください。

  • 企業の基本情報を調べておく
  • 求人情報から業務内容や募集しているポジションの要件などを見ておく
  • 自分の経験やスキルを話せるようある程度棚卸ししておく
  • 転職の軸やキャリアの方向性を話せるよう整理しておく
  • オフィスカジュアルの服装を準備しておく

次の記事は面接対策についてお伝えしていますが、カジュアル面談でも一部参考にできるポイントがあります。合わせてオンライン実施の場合の注意点もまとめていますので、よければごらんください。

paiza.hatenablog.com

まとめ

カジュアル面談とはなにか、企業側はどのような目的を持っておこなっているかなどをお伝えしてきました。

本文でもお伝えしたとおり、利用する転職サイトや企業によって定義や認識が異なることはあります。ただ、選考に進みたい気持ちがある場合に後悔がないよう、ある程度準備をして臨んだほうがよいでしょう。

複数の志望企業を比較するための判断材料にも使えますし、面接では聞きづらいこともリラックスした状況で質問してみることもできます。

ぜひ有効活用して希望に沿った転職をかなえていただければと思います。




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*1:位置づけ的には一次選考の前段に実施され、面接ではないため合否を出さないことが多いようです。

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