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こんにちは、谷口です。
ITエンジニアを採用したい企業の皆さんは、どんな採用選考を実施していますか?
もしあなたの企業が、慢性的に「もっとエンジニアを採用したいんだけど、なぜかできなくて……」という悩みを抱えていたら、それは選考サイドに問題が隠れている場合が多いです。選考に問題があると、応募者のスキルを正しく判断できないまま落としてしまったり、選考段階で応募者から辞退されたり……といった結果が増えてしまいます。
応募者を正しく評価できるかどうかは、優秀なエンジニアを採用するために不可欠です。
今回は、エンジニアの採用に関わり続けてわかった「エンジニアに嫌われてしまう採用選考」の特徴についてお話ししていきます。エンジニアを採用したい企業の方は参考にしていただければと思います。
■こんな選考はエンジニアに嫌われる!5つの特徴
◆前任者や周囲のエンジニアと同様のスキルや経験を求めすぎ
求人票に書く応募要件のレベルを、必要以上に上げすぎてはいないでしょうか。
「前任者と同じくらいのレベルの人がいい」「なるべく自分たちと同等レベルの経験やスキルのある人に来てもらいたい」と考える気持ちはわかります。ただ、必須条件が無駄に厳しくなっているせいで、そもそも当てはまる人材が少なすぎて応募が全然来ない……といった求人もかなり多いのです。
該当する業務は、必ずしもその必須要件を満たした人でないと務まらないのでしょうか?
優秀なエンジニアは、キャッチアップも非常に早い人が多いです。例えばある言語での業務経験がなかった人でも、勉強しながら実際の業務に取り組んでいって、すぐに必要なレベルに追いついた……といったことはよくあります。
もちろん、絶対に必要な条件を取り下げたり、間口を広げすぎる必要はありません。ただ、何が必須で何が歓迎要件になるのか客観的に考えて分類してみると、よりマッチ多くの応募者に届きやすい求人票を作ることができます。
ダメな求人票については、こちらの記事で詳しく扱っておりますのでご覧ください。
paiza.hatenablog.com
◆なぜか面接官にエンジニアがいない
Photo by Nancy Meijer
さすがにエンジニア職の採用選考で、開発経験者が一度も面接をしないような企業は問題外ですが、例えば一次面接は人事担当者のみ、二次面接はCTOや開発チームリーダー、現場のエンジニアなどが面接をし、最終が役員面接、といった流れで選考をしている企業は多いかと思います。
こうした選考の流れにおいて、問題なのは一次面接です。本当は、できれば一次面接から現場のエンジニアや、人事担当者だとしても開発経験のある人が参加した方がよいのです。
というのも、エンジニアは応募企業の描くビジョンや会社としての事業内容よりも、自分がすることになるであろう業務内容や、使うことになるであろう開発環境を重視しています。
企業側からすると「そんなことは二次面接以降で聞いてほしい」と思うかもしれませんが、開発業務や技術に関する質問にうまく答えてもらえなかったり、情報を得られなかったりすると、「この会社大丈夫かな」「エンジニアが大切にされていないのかな」と不安に思われてしまいかねません。
逆にエンジニアが毎回面接に参加している企業では、「一次か面接から技術の話で盛り上がった」といったこともよくありますし、応募者の満足度や志望度も高まりやすくなっています。
◆質問で応募者のいいところを引き出せない
ときどき面接後に「〇〇について詳しく話してもらえなくて、よくわかりませんでした」と言われる面接官の方がいらっしゃいます。
こんなとき、もちろんうまくアピールできなかった応募者にも問題はあるかもしれませんが、逆に面接官が「その人のよさを引き出せる質問ができていない」といったパターンも多いのです。
自分から積極的に話してアピールしてくれる応募者だったらいいのですが、エンジニアの場合、そういうことが得意でない人も大勢います。でも、実際に採用をしたいのは、アピールがうまい人ではなくて、開発スキルが高い人ですよね。
「なんか詳しく言ってくれなくてわかんなかった……」ではなく、その人のよさがわかりそうな話題については「どんなポイントで苦労されたんですか?」「どんな取り組みをされたんですか?」「その時どう考えていたんですか?」「それはなぜですか?」といった感じで、掘り下げていきましょう。
エンジニアの採用においてこうした深掘りが正しくできるのはやはり現場のエンジニア(もしくは少なくとも開発経験のある人)ですから、やはりそういった人に面接へ参加してもらうのが重要だと思います。
◆なぜかやたら志望動機を聞きたがる
Photo by Joe Hall
最近は、以前よりも中途の採用選考で志望動機を聞かない・聞いても重視はしない企業が増えてきました。
「転職理由」や「今後目指したいキャリア」などを聞けば、その応募者が前職でどんな課題を感じていたか、今後どんな仕事をしたいのかといったことがわかりますよね。そして、これがわかれば「なるほどそういう仕事がしたいならうちの業務がぴったりだな」とか「うちの会社とはちょっと方向性が違いそうだな」とか、この応募者の希望に自社の業務やキャリアパスが合うかどうかも判断できるかと思います。
応募者側としても、正直言って志望動機なんて思いつかない……という人は多いです。志望動機を聞くことが悪いことではないですが、無駄にエンジニアを悩ませてまで執拗に志望動機を聞くよりも、業務経験や転職理由、今後やりたい仕事内容などを深掘りしていった方が建設的な選考になるかと思います。
◆企業側の説明が少ない
採用選考は、企業と応募者の相互理解の場であり、応募者が一方的に品定めをされる場ではありません。
選考の場で、きちんと会社のことや、扱っているプロダクトやサービス、キャリアパスなどについてアピールができているでしょうか?
優秀なエンジニアを採用したいのであれば、選考でも優秀な人に選ばれるよう、自社の魅力をしっかりアピールしなければなりません。多数の優秀なエンジニアが入社を決めている企業は、やはりアピールというか、選考段階で応募者をうまく口説けているところが多いです。
paizaの「カジュアル面談」は、応募者と企業が互いに自己紹介をして、キャリアの方向性などを確認し合うことで、カジュアルに相互理解ができるようにした選考方法です。
特に一次選考の場では、このような選考を通して企業側からもしっかり説明やアピールをすることで、優秀な応募者に「この会社魅力的だから、次の選考に進んでもいいかな」と思ってもらわなければなりません。
■まとめ
「優秀なエンジニアを採用できない……」と嘆く企業の中には、実は上記のように「優秀なエンジニアが応募してくれたのに見抜けていなかった」「優秀なエンジニアを不安にさせたり嫌われたりして辞退されてしまった」パターンも多いのです。
繰り返しになりますが、面接は応募者と企業の相互理解の場です。そして、優秀なエンジニアは多くの企業から求められるわけですから、彼らに「なんだこの会社……」と思われてしまう選考をしていては、いつまでたってもよいエンジニアを採用することはできません。
選考方法の全てを見直すのは、組織の構造的に難しい企業もあるかもしれません。ただ、採用担当の方には、優秀なエンジニアに「この企業っていいな」と思われるような、相互理解の場になる選考をしていただきたいと思います。
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