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開発者だけじゃない、未経験からエンジニアに転職したい人が知っとくべきIT系職種

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Photo by Qfamily
f:id:paiza:20140916135428p:plainこんにちは。谷口です。

IT産業界では昨今のニーズの増大により、人材不足が大きな課題となっています。IPAのIT人材白書2017の調査結果では、依然として87%以上のIT企業が人材の不足を感じています。
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※『IT人材白書2017』P112 図表2-3-1

この傾向を受けてか、転職エージェントなどに進められてか「需要が高いならIT業界に行きたい」「手に職をつけたい」といった未経験者が、システム開発職を目指すケースは後を絶ちません。

もちろん、未経験から開発職を目指すのは不可能ではありません。ただ、いわゆるIT人材の不足というのは、システムを実装する開発職だけを指しているのではありません。IT領域の職種は他にもいろいろありますので、何だかよくわからないまま開発エンジニアを目指すよりは、いろいろな選択肢を知ってから、自分がどの方向に進みたいかを考えた方がよいでしょう。

少し前にこちらのtogetterが話題になりましたよね。
togetter.com
実際、新卒では開発業務についてよく知らないまま入社した結果、「プログラミングが全然楽しくない、つらい…」となってしまい、早々に辞めてしまう人というのは少なくありません。(私も新卒で入社した会社でそういう同期は珍しくなかったです)

これはもちろん新卒に限ったことではなく、未経験者の中途入社でも起こり得ます。むしろ新卒であればまだまだ若いので別の道も探しやすいですが、それなりに年齢を重ねてから未経験分野へ転向して、でも実際やってみたら全然合わなかった…辞めたいけど次の仕事どうしよう…となってしまっては、目も当てられません。

未経験から開発職を目指そうとしている人たちの中でも

  • なんか「人材不足」って言われてるから、目指せばなれるんでしょ
  • 転職エージェントとかに「エンジニアはいいぞ」って言われた
  • 人と話さずにPCに向かってるだけでいいんだよね
  • とにかく手に職をつければ将来安泰そう

と思っている一方で、「実際にどんな仕事をするのかよくわかっていない、自分に向いているのかはもっとわかっていない」といった人は多いかと思います。

そこで今回は、開発職以外のエンジニア職の職種と業務内容についてご説明します。いろいろな職種の仕事を知った上で、自分がどんな方向性を目指すか考える参考になればと思います。

■IT領域の職種

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開発職はプログラミングをしてアプリケーションの開発をする…というのは何となくわかっている方も多いかと思います。ただ、アプリケーションを動かすにはそれに応じた周辺環境が必要ですし、どんなアプリケーションでも、使う人たちの手元へ導入ができなければ運用できませんよね。

そこでネットワークとかサーバーなどに関する業務を担当するインフラエンジニアや、クライアントのシステム導入や運用をサポートするテクニカルサポートエンジニア(サポートエンジニア)といった職種が必要となってきます。

◆インフラエンジニア

サーバー環境やネットワーク環境などの設計・構築・運用・保守といった業務を担当するのが、インフラエンジニアです。開発者の仕事がアプリケーション自体を作り上げることだとすると、そのアプリケーションが動く環境を作り、維持するのがインフラエンジニアの主な仕事です。

インフラエンジニアの中でも、大きくわけて主に2種類の業務があります。(担当業務ごとにネットワークエンジニア・サーバーエンジニアといった感じでポジションをわけている企業もあります)

◇ネットワーク関連業務

コンピューターネットワークのシステム構築や保守管理などを行います。

クライアントの要望を満たすネットワークを設計し、実際に設置などネットワーク構築を行ったうえで、実際にできあがったネットワークの監視や運用までをおこなうのが主な業務となります。ネットワークに障害が発生すれば、どこに問題があるのか調査し、復旧作業をしたりもします。また、ユーザーからトラブル報告を受けて対応するケースも多くあります。

仕事では、ネットワークや機器の性能に関する幅広い知識とともに、ネットワークを設計・提案する力、クライアントの要望をヒアリングする力などが必要とされます。

また、ネットワーク機器ベンダーのシスコシステムズが主催する「CCNA(Cisco Certified Network Associate)」という資格があります。CCNAはコンピューターネットワークに関する基礎知識を問われる資格で、取得しておくと未経験者でも多少は転職が有利になる傾向にあります。

◇サーバーの構築・運用・保守業務

サーバーに関連するあらゆる業務をおこないます。企業によっては、システム運用専門の部署の仕事となる場合もあれば、開発部の一部門になる場合もあります。

例えば構築段階では、どんなサーバーがどれぐらい必要なのか、設置後の運用はしやすいか、スペックやコスト面は問題ないか…といったことを考慮して、開発現場のエンジニアたちと話し合いながら、サーバーの設計・構築をおこないます。また設置や配線など、物理的な作業も必要となります。サーバー設置後は、OSやサーバーアプリのインストールや設定などをやるほか、実際に運用を開始した後は、監視や障害対応に当たります。

こうしたサーバー周りの業務を遂行するには、OSやセキュリティに関する知識はもちろん、他のエンジニアと話し合って決めるコミュニケーション力、また設定時に使うシェルスクリプトに関する知識などが必要です。

なお、Linuxサーバーを扱う企業であれば、LPI (Linux Professional Institute) が運営するLinux技術者認定資格であるLPICなどを取得しておくと、未経験者でも多少は転職が有利になる傾向にあります。Windowsサーバーであれば、MTA、MCSA、MCSEなどといった資格があります。

最近は、複数のサーバーの設定が一括でできるツールやAWSが普及し、構築作業自体は効率化が進んでいます。ただ、クライアントによっては常時サーバーの監視が必要だったり、障害が起こればどんなときでも急いで復旧作業をしなければならないといった大変な面もあります。


近年、AWSやAzureのようなクラウドも普及していますが、セキュリティポリシー上、クラウドを利用しない(できない)企業も多く、独自のインフラを構築している企業は多くあります。

また、グローバル展開をしている企業や大規模サービスを運営している企業などになると、数百万人規模のユーザーが利用することになるため、ネットワーク構築やサーバーの負荷分散ができる人材の需要は常にあります。

◆テクニカルサポートエンジニア

テクニカルサポートエンジニア、サポートエンジニアと呼ばれる職種は、パッケージシステムなど自社製品の導入サポート、導入後の運用サポートなど、さまざまなサポート業務やトラブル対応をおこないます。また、クライアントからのフィードバックを開発エンジニアに伝えて情報共有をする役割もあります。

B2Bのパッケージ製品の場合は上記のような仕事が中心になりますが、機器メーカーなど、企業によっては個人ユーザーからの問い合わせに対応したり、コールセンター的な役割も担ったりする場合もあります。

この場合、当然ですが自社の製品に対しては、技術的な側面も含めて熟知している必要があります。また、知識レベルがまちまちなクライアントと直接やりとりするケースが多いため、技術知識だけでなく、コミュニケーションスキルも求められます。

◆情報システム部

情報システム部(通称「情シス」)は、社内の基幹システムや社内インフラの構築・導入や、システムの使い方についての社員レクチャー、障害対応などを行う部署です。

情シスはトラブル対応などにおけるヘルプデスクのような役割もあるため、業務の幅は非常に広く、「ITやPCに関する問い合わせはとりあえず情シスへ」という企業は少なくありません。

企業によっては、インフラエンジニアの仕事も情シスが担ったり、テクニカルサポートエンジニアの社内版のような仕事を担ったりするケースもあります。また、社内SEというポジションであれば、社内システムの企画・提案から運用、またプログラミングをしてシステムを自分で開発する必要も出てきます。

■未経験からの転職について

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開発職以外の仕事についてお話ししてきましたが、こういった領域における分業具合は、企業によってかなり異なります。

例えば、開発エンジニアがインフラ周りも全て面倒を見ていて、インフラエンジニアや情シス担当者は存在しない、といった企業も多くあります。

逆に、インフラエンジニアの中でもネットワーク担当、サーバー担当、データベース担当……情シスの中でもサポート担当、社内SE……などと細かく分業されているところもあります。

企業によりますが、一般に自社サービスを開発している企業、スタートアップなど小規模な企業は、分業されていないケースが多いです。こういった企業では、それなりに広い範囲の知識や経験を持った開発エンジニアが、開発だけでなくITに関する業務全般の面倒を見ていたりします。

対して、大規模な企業、プロジェクト単位で動く受託開発企業などは、社員数も多く、細かく分業されているところも多くあります。未経験からエンジニア職を目指したい人の場合、まずはそういった分業がされている企業を目指すのは一つの手かと思います。これは開発職でも言えることですが、分業されておらず幅広い知識や経験が求められる企業の場合、求人でもそれなりにスキルのある経験者しか募集されていないというケースがほとんどです。

■まとめ

IT領域の仕事というと、開発エンジニアしか知らなかった未経験者も多いと思いますが、上記のようにそれ以外にもいろいろな仕事があります。

なんとなくのイメージで「IT系の職種を目指そっかな」と考えていた人には、上記を参考にして、他の職種についても知ってから、検討をしてみてください。

少なくとも「プログラミングやってみたら全然楽しくなかった」という人が開発職についてしまうのは、かなり不幸なことです。「興味はあるけどやったことないんだよね…」という人は、まずはプログラミングの勉強に挑戦してみることをおすすめします。こちらの記事も参考になればと思います。
第二新卒が未経験からエンジニア挑戦…その転職前に確認してほしいこと - paiza開発日誌

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